調剤薬局の営業強化により、新商品導入率10.9%を達成
販売強化商品の拡販方法を模索していた大手OTC医薬品メーカー様が、アウトソースを活用して調剤薬局の巡回営業を実施し、対象薬局の10.9%で新規取扱いを獲得した事例をご紹介します。
事例概要
クライアント様業種 | OTC医薬品メーカー |
導入サービス | 医療施設ラウンダー |
対象チャネル(巡回先) | 調剤薬局 |
対象巡回先数 | 約800施設 |
スタッフ数 | 4名 |
エリア | 首都圏 |
実施期間 | 6か月間 |
取組み前の課題
このOTC医薬品メーカー様は、主力商品以外に販売を強化したい商品がありましたが、ドラッグストアでは本部商談がなかなか進まない状況で販路を模索していました。主力商品は調剤薬局での取扱い率が高いため、その販路を利用して商品拡販を試みましたが、卸を通じた施策や店頭展開は優先的に実施していただくことができず、スピード感において課題を感じていました。
この課題を解決し、強化商品の取扱い薬局を増やすために、巡回業務をアウトソースすることを決定しました。
取り組み内容
巡回先の設定
アウトソースで調剤薬局の巡回を開始するにあたり、当社が保有している調剤薬局の情報をもとに巡回先を選定しました。OTC医薬品メーカー様は、薬局データを保持していたものの、「どのように巡回先を選定すれば効果的な営業活動ができるか」のノウハウは持ち合わせていませんでした。当社のリストは、薬局のデータに加え、半径1kmの保険医療データ、65歳以上の人口データを組み合わせて作成しています。このデータを加味して、攻めるエリア、ターゲットを当社が提案し、巡回先を設定しました。
新規取扱いに向けた段階的な商談
OTC医薬品メーカー様が販売強化したい商品は、当時は薬剤師にも認知度の低い商品でした。巡回先では、商品サンプルを提供しながら商品説明を実施し、まず薬剤師に商品を認知してもらう活動をおこないました。
また、お客様へ紹介していただくために、無料で提供できるサンプルと販促物を用意し、商品導入を目指しました。
販促物やサンプルはお客様に見えやすいカウンターや待合スペースに設置させていただき、目に留まったり気になったりしているお客様に、薬剤師より説明をしていただけるような呼びかけをおこないました。
目標達成に向けたKPIの設定と専門的な教育
新規取扱い獲得という目標に向けて、
・薬剤師面談率
・情報提供数
・サンプル設置数
をKPIとして活動を実施しました。成功事例(訪問のタイミング・情報提供方法・サンプルの設置方法・薬剤師からお客様へのご案内トークなど)を横展開して目標達成を目指しました。
調剤薬局・対薬剤師への情報提供や商品導入には、「いかに短時間で端的に必要なメッセージを伝えるか」が必要になります。医療施設・調剤薬局巡回のノウハウをもつ当社が訪問先にあわせた専門的な教育を実施し、巡回スタッフの継続的なスキルアップをおこないました。
活動の結果
商品紹介の実施率約80%
それまでまったく商品の取扱いのなかった訪問対象薬局の約80%の薬剤師に直接商品の紹介を実施することができ、約45%の薬局に販促資材(無料サンプル)を設置させていただくことができました。
商品の新規導入率10.9%
上記の活動の結果、商品の新規導入10.9%の実績を上げることができました。調剤薬局というプロモーションの難しい業態において、この件数の新規導入が決定したことに評価をいただきました。
ここがポイント
・医療施設や調剤薬局向けの研修ノウハウを活用し、薬剤師への情報提供を目的とした活動のための研修コンテンツとスタッフ育成を当社がおこないます。
・当社が保有する調剤薬局のデータや過去の訪問実績を活用したターゲット選定をおこなうことで、効率的な営業活動を実施することができます。