ミャンマー人の性格と特徴を解説!文化や日本人との違いも紹介
近年、日本で働くミャンマー人が増えています。温和で勤勉な国民性を持つ彼らは、日本人と共通する価値観も多い一方で、仏教に根ざした独自の文化や習慣があります。職場でミャンマー人と円滑に働くためには、その性格的特徴や文化的背景を理解することが重要です。
本記事では、ミャンマー人の国民性、日本人との違い、職場でのコミュニケーションのポイントについて解説します。
日本で存在感を増すミャンマー人の背景

東南アジアに位置するミャンマーは、多様な民族が暮らす国です。近年、日本で働くミャンマー人が急増しており、製造業やサービス業などさまざまな分野で活躍しています。本セクションでは、ミャンマーの基本情報を紹介したうえで、日本での就労が増えている背景や、日本語習得における強みについて解説します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 面積 | 68万平方キロメートル(日本の約1.8倍) |
| 人口 | 約5,450万人(2024年推定値) |
| 首都 | ネーピードー (2006年にヤンゴンから移転 ) |
| 民族 | ビルマ族(約70%)、その他多くの少数民族で構成される多民族国家 |
| 言語 | ミャンマー語(公用語)、その他シャン語、カレン語など |
| 宗教 | 仏教(約90%)、キリスト教、イスラム教 |
日本で働くミャンマー人が急増している理由
2021年2月の軍事クーデター以降、ミャンマー国内の情勢は不安定な状況が続いています。治安悪化により失業者や貧困層が増加したことで、国外での就労を求める人が急増しました。厚生労働省の発表によると、2025年10月時点で日本で就労するミャンマー人は114,618人に達し、対前年増加率は61.0%を記録しています。
日本での就労を希望する背景には、両国の給与水準の大きな差があります。ミャンマーの平均月収が約1万円であるのに対し、日本は約38万円であり、家族への仕送りや生活水準の向上が可能になるためです。また、日本政府は2021年5月以降、ミャンマー人に対して「緊急避難措置」を実施し、在留や就労を認める制度を設けました。
親日国ミャンマーと日本の歴史的な関係
ミャンマーは東南アジアの中でも親日感情が強い国として知られています。イギリス植民地時代に、日本がビルマ建国の英雄アウンサン将軍に軍事訓練を施すなど、独立運動を支援した歴史が親日感情の基盤となっています。
また、日本からの政府開発援助(ODA)がミャンマーの経済発展に継続的に貢献していることも、良好な関係を後押ししている要因です。文化面では、日本のアニメや漫画が高い人気を誇っており、若い世代を中心に日本文化に触れる機会が増えています。
これらの経緯から、多くのミャンマー人が日本に対して親しみや憧れの印象を持っており、日本での就労を前向きに捉える傾向があります。
日本語習得におけるミャンマー人の強み
ミャンマー人にとって日本語は文法構造が似ているため、学習の助けになる側面があります。ミャンマー語と日本語の文法構造が「主語-目的語-動詞(SOV型)」という同じ語順であるためです。英語や中国語が「主語-動詞-目的語(SVO型)」であるのに対し、ミャンマー語は日本語と同じ順序で文を組み立てられます。さらに、両言語には助詞の存在や丁寧語の文化、動詞の活用形が類似しているといった共通点があります。
実際に、ミャンマー国内では日本語学習ブームが起きており、日本語能力試験の受験者数は100,000人を超えています。発音やイントネーションも日本語に近いため、職場でのコミュニケーションもスムーズに行えることが期待できます。
ミャンマー人の国民性と日本人に似ている点

ミャンマー人は温和で勤勉な性格の持ち主が多く、家族や目上の人を大切にする価値観を持っています。これらの特徴は仏教の教えに根ざしたものであり、真面目で控えめという点で日本人と共通する部分が多いといえます。
ここでは、ミャンマー人の国民性について、日本人との類似点を交えながら詳しく解説していきます。
穏やかで勤勉な人柄
ミャンマー人は基本的に温和で、人前で怒りを表すことがほとんどありません。国民の約9割が仏教徒であり、「徳を積むとよいことがある」という考え方が根付いているためです。仏教では怒りを表すことはよくないとされ、穏やかさが尊ばれています。また、素直で真面目な性格の人が多く、指示されたことを忠実に実行する傾向があります。
こうした勤勉さは日本人の国民性と似ているため、職場での相性は非常に良いとされています。穏やかな性格により職場内での口論やトラブルが少なく、良好な人間関係を築くことに長けている点も特徴です。
家族や目上の人を敬う価値観
多くのミャンマー人は家族を非常に大切にしており、親を敬う心が強いという特徴があります。これも仏教の影響を受けた価値観です。家族内では両親の立場が強く、就職先を決める際など人生の重要な決断において、両親の意向が強く反映されることも珍しくありません。
親子の絆が強いため、就職や結婚といった大きな選択の際には、家族の意見を大切にする傾向があります。また、親だけでなく、上司や年長者など目上の人を敬う姿勢も見られます。こうした価値観は日本の文化と共通しており、年功序列を重んじる日本の職場環境にも馴染みやすいといえるでしょう。
自己主張が少なく控えめな一面
ミャンマー人は自己主張が強い国民性ではなく、悩みや困っていることがあっても自分から言い出しにくい傾向があります。頼まれたことを断らない人の良さがある一方で、指示されたことは忠実にこなそうとするため、仕事を引き受けすぎてしまう可能性もあります。
特に伝統的な価値観を持つ人の中には、控えめで恥ずかしがり屋な傾向が見られることがあり、「男性は男性らしく、女性は女性らしく」という考え方が残っている場合もあります。また、日本では話すときは相手の目を見て話すよう指導されることが一般的ですが、ミャンマーでは相手の目を見て話すことを失礼だと感じる文化があります。こうした文化的な違いを理解しておくことが大切です。
仏教が根付くミャンマーの文化と生活習慣

ミャンマーでは国民の約9割が仏教を信仰しており、仏教の教えが人々の価値観や行動、習慣に大きな影響を与えています。寺院や僧侶への信仰は強く、仏教に由来する宗教行事も重要視されています。
以下では、仏教に基づく慈悲の精神や日本とは異なる挨拶の習慣、主要な祝祭日について解説していきます。
慈悲の心と「徳を積む」という考え方
ミャンマー人には、仏教の輪廻転生の思想に基づいた慈悲深い精神が根付いています。困っている人を進んで助ける行為は、「徳を積む」ことでよい来世につながるという考え方からくるものです。
こうした精神は数字にも表れており、「世界寄付指数」では2014年から2017年まで4年連続で世界1位を獲得し、2024年には過去1ヶ月に寄付をした人の割合で2位にランクインしています。
また、お金を持っている人が支払うのは「徳を積む」行為と捉えるため、一緒に食事をして代金をすべて払った人に対してお礼を言う習慣が少ないという、日本人とは異なる価値観を持っています。
挨拶の習慣に関する日本との違い
ミャンマーの言語には、もともと「おはよう」「こんにちは」といった挨拶の言葉が存在しませんでした。そのため、ミャンマー人には挨拶をする習慣があまりなく、職場でも挨拶をせずに仕事を始めるのが普通とされています。これは悪気があるわけではなく、文化的な背景によるものです。
親しい間柄では、挨拶の代わりに「ご飯食べた?」といった声かけから1日の会話を始めるなど、彼らなりのコミュニケーション方法があります。日本でミャンマー人を雇用する際には、初対面での挨拶が苦手な人も多いことを理解したうえで、受け入れ教育の一環として日本の挨拶の文化を丁寧に伝えていくとよいでしょう。
主要な祝祭日と一時帰国の可能性
ミャンマー最大の祝日は、毎年4月13日から16日に開催される「水かけ祭り(ティンジャン)」です。4月17日がミャンマーでいう元日にあたり、水をかけることで1年の不幸や穢れを洗い流して新年を迎えます。日本とは異なり、1月1日は特にお祝いはせず、通常通り仕事や学校があります。
その他の主要な祝祭日として、5月の満月の日に行われる「カソン満月」があり、ブッダが悟りを得たことを祝って菩提樹に聖水をかける儀式が行われます。また、10月の満月の日には「ダディンジュ満月」があり、家族で過ごすミャンマー人が多い祝祭日です。
これらの時期には、家族と過ごすために一時帰国を希望する可能性があることを、雇用する側は理解しておく必要があります。
職場での円滑な関係構築!ミャンマー人との付き合い方

ミャンマー人は温和で控えめな国民性を持つ一方、叱られることに慣れていない、頼まれたことを断れないといった特徴があります。こうした文化的背景を理解せずに接すると、意図せず相手を傷つけたり、過度な負担をかけたりする可能性があります。
人前で叱らないコミュニケーションの重要性
ミャンマーでは穏やかさが尊ばれており、両親や教員以外が叱ることはほとんどありません。そのため、叱られることに慣れておらず、職場で強く叱責されると驚き、ひどく傷つくことがあります。特に人前で叱責されることはプライドを大きく傷つける行為であり、ふさぎ込んでしまったり、離職に繋がったりする可能性もあります。
ミスを指摘する際は、感情的にならず、他の人がいない場所で1対1の状況を作り、冷静にわかりやすく改善点を伝えることが大切です。間違いがあった際は優しく指摘し、その後のフォローも忘れずに行うことで、信頼関係を保ちながら成長を促すことができます。
頼まれごとを断れない気質への配慮
ミャンマー人は頼まれたことを基本的に引き受けてくれる人の良さがある一方、言われたことは忠実にこなそうとする傾向が強いため、仕事量を抱え込みすぎてしまうリスクがあります。自己主張が控えめな国民性であるため、自分から「できない」「困っている」と言い出せないことが多く、無理をしていても表に出さない人もいます。
そのため、管理職や上司は「無理をしていないか」「何か困っていることはないか」など、定期的に声をかけてフォローする姿勢が重要です。悩みや困っていることを具体的に聞き出してあげることで、相手も答えやすくなり、適切なサポートを提供できるようになります。
女性と接する際の注意点とタブー
ミャンマーでは、女性が人前で大きな声で話すことは「育ちがよくない」と見なされる文化があります。職場においても、ミャンマー人の女性に大声で発言させることは控えるべきです。
また、貞操観念が強い女性が多いため、日本人同士の感覚での安易なボディタッチは厳禁です。肩に触れる、背中を軽く叩くといった行為でも、相手に不快感を与える可能性があります。
これらの文化的な違いを理解し、尊重することが、セクシャルハラスメントなどのトラブルを防ぎ、信頼関係を築く上で不可欠です。相手の文化を尊重する姿勢が、職場での良好な関係構築につながります。
まとめ
ミャンマー人を雇用する企業にとって、彼らの国民性や文化的背景を理解することは、職場での円滑な関係構築に不可欠です。温和で勤勉な性格、家族や目上の人を敬う価値観は日本人と共通する一方、叱責への耐性の低さや挨拶の習慣の違いなど、配慮すべき点も存在します。仏教に根ざした「徳を積む」という考え方や祝祭日への理解を深め、人前で叱らない、定期的なフォローを行うといった適切なコミュニケーションを実践することで、ミャンマー人スタッフの定着率向上と職場の生産性向上を実現できるでしょう。