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#即戦力 #外国人雇用 #特定技能

介護業界の人手不足はなぜ?現状のデータと原因から今後の対策と解決策を解説

投稿日投稿日 2026.02.12
更新日更新日 2026.02.14
介護業界の人手不足はなぜ?現状のデータと原因から今後の対策と解決策を解説

日本の介護業界は深刻な人手不足に直面しており、この問題は今後さらに深刻化することが予測されています。高齢化の進行により介護需要が急増する一方で、働き手となる生産年齢人口は減少の一途をたどっているのが現状です。

本記事では、厚生労働省の最新データに基づいて介護人手不足の実態を明らかにし、その根本的な原因を多角的に分析します。さらに、国や事業者が実施すべき具体的な解決策についても解説していきます。

目次

データで見る介護業界の人手不足の現状

日本の介護業界は深刻な人手不足に直面しており、その実態は数値データからも明確に見て取れます。厚生労働省の最新試算によれば、高齢化の進行に伴い、将来的には数十万人規模の介護職員不足が予測されています。さらに、この人材不足は全国一律ではなく、特に都市部において顕著な地域格差が生じているのが現状です。

以下では、具体的なデータを通じて介護業界の人手不足の実態を詳しく見ていきましょう。

2040年に向けた介護職員の必要数と不足数の予測

厚生労働省の試算によると、2040年には272万人の介護職員が必要とされる一方で、約57万人が不足すると見込まれています。これは全体の約21%に相当し、現場では10名体制が必要な職場に8名しか配置できない深刻な状況を意味します。

高齢者人口の増加と要介護認定者数の継続的な増加により、介護サービスへの需要は今後も拡大し続ける見通しです。この数値が示すのは、単なる人員不足ではなく、質の高い介護サービスの提供が困難になりかねない危機的状況なのです。

都心部でより深刻化する有効求人倍率の地域差

都道府県別の介護職有効求人倍率を見ると、東京都では4.91倍、神奈川県で3.45倍、埼玉県で4.09倍となっており、全国平均の3.57倍を大きく上回っています。全産業の平均有効求人倍率が1.27倍であることを考慮すると、介護業界の採用競争の激しさは明らかです。

都心部では高齢化率が比較的低いものの、人口の絶対数が多いため介護ニーズが急増しています。たとえば東京都の高齢化率は22.8%と全国平均を下回りますが、人口集中により必要な介護人材数は膨大になっているのが現状です。

介護職員が不足する多角的な原因

介護業界の人手不足は単一の要因によるものではなく、複数の構造的問題が複雑に絡み合った結果として生じています。根本的な原因として、日本社会全体の人口構造の変化による需要と供給のアンバランスがあります。

加えて、労働条件や職場環境に関する課題、社会的評価の問題なども深く関連しており、これらが相互に影響し合いながら人材確保を困難にしているのが現状です。

需要増と供給減を招く社会構造の変化

少子高齢化の進行により、介護サービスの需要と供給に深刻なアンバランスが生じています。2040年には総人口11,284万人に対し65歳以上が3,928万人となる一方、生産年齢人口(15~64歳)は6,213万人まで減少する見込みです。

さらに2070年には高齢化率が39%に達し、支え手となる生産年齢人口は4,535万人まで縮小します。要介護者数が年々増加する中で、介護人材の供給源となる若年層の人口は継続的に減少しており、この構造的変化が介護業界の人手不足を根本的に引き起こしているのです。

業務内容に見合わない賃金水準と社会的評価

介護職の処遇面での課題が人材確保を困難にしています。介護職員(医療・福祉施設等)の月給は約271,000円で、全産業平均の約340,000円と比較して約6万円低い水準となっています。身体的・精神的負担の大きい業務内容に対して、この賃金水準では十分とは言えません。

さらに介護職は「きつい・汚い・危険(3K)」といったネガティブなイメージで捉えられることも多く、社会的評価の低さも問題となっています。こうした処遇や評価の問題が、若い世代の新規参入を阻害し、既存職員の離職を促進する要因となっているのです。

離職につながる職場の人間関係と評価制度

介護職の離職要因を詳しく見ると、賃金よりも職場の人間関係が大きな問題となっています。公益財団法人介護労働安定センターの調査によると、介護関係の仕事をやめた理由として「職場の人間関係に問題があったため」が最も多く、収入面の不満を大きく上回っています。

この背景には、仕事の能力差や働きぶりが給与や昇進に適切に反映されない評価制度の未整備があります。明確な評価基準がない職場では、職員間の不満や摩擦が生じやすく、人間関係の悪化を招きます。

年功序列による昇格や勤続年数重視の処遇が、若手職員とベテラン職員との摩擦を生む要因ともなっています。結果として優秀な人材の離職を促進し、人手不足をさらに深刻化させているのです。

介護の人手不足を解消するための具体的なアプローチ

介護業界の深刻な人手不足を解決するためには、多角的なアプローチが必要です。国レベルでは処遇改善や人材育成支援などの包括的な政策が展開されており、事業者レベルでは職場環境の改善や採用手法の見直しが求められています。

さらに、従来の日本人労働力だけに頼るのではなく、外国人材という新たな人材供給源の活用も重要な選択肢となっています。これらの取り組みを組み合わせることで、持続可能な介護人材確保の仕組みを構築することが可能になります。

国が進める総合的な介護人材確保対策

国は介護人材不足の解決に向けて包括的な対策を実施しています。処遇改善では、2019年10月から総額2,000億円を活用し、経験・技能のある介護職員に重点をおいた改善により、月額平均5.7万円の賃金向上を実現しました。

人材確保・育成面では、介護福祉士を目指す学生への修学資金貸付制度や、未経験者向けの入門的研修を推進しています。労働環境改善では、介護ロボット・ICT機器の導入支援や職場内研修の推進、キャリアパス構築への支援を行っています。

さらに「介護のしごと魅力発信等事業」を通じて業界全体のイメージ向上にも取り組んでおり、これらの施策により総合的な人材確保を目指しています。

介護事業者が取り組むべき職場環境の改善

職場レベルでの環境改善には、職員の声を聞く仕組みづくりが重要です。人間関係改善のため、第三者が関与する外部機関や施設内の相談員による相談窓口を設置することで、職員の不安や不満を早期に把握し解決につなげられます。

組織運営の透明化では、サーベイツールやアセスメントツールといったITツールを活用し、組織課題や人間関係を「見える化」することで、客観的データに基づいた改善策の実施が可能になります。

採用面では、ハローワーク任せの「待ち」の採用から脱却し、SNSやウェブサイトを活用した魅力的な情報発信による「積極採用」への転換が求められており、これにより応募者の確保と定着率の向上を図ることができます。

新たな担い手としての外国人材活用の展望

人手不足解決の新たな選択肢として、外国人材の活用が注目されています。外国人雇用には若い労働力の確保地方でも採用しやすいこと、助成金などの支援が受けられるという3つの大きなメリットがあります。

外国人が介護職として日本で働くための主な在留資格には、特定技能、技能実習、介護、特定活動(EPA)があります。中でも特定技能は採用しやすく業務範囲も広いことが特徴で、訪問介護も含めた身体介護と付随する支援業務が可能です。

技能実習生からの移行が多く、日本での在住経験のある人材を採用できることも利点となっており、介護現場における戦力として十分に期待できる人材といえます。

まとめ

介護業界の人手不足は、少子高齢化という避けられない社会構造の変化に起因する深刻な問題です。2040年には約57万人の介護職員が不足するという現実を受け止め、今こそ行動を起こすべき時期に来ています。処遇改善や職場環境の整備、外国人材の活用など、多面的なアプローチを組み合わせることで、この課題は必ず解決できます。

介護事業者は積極的な人材確保策を実践し、政策関係者は継続的な制度改善を推進することで、質の高い介護サービスを持続的に提供する体制を構築できるでしょう。

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