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人手不足を解決!日本の労働力不足の現状と原因、企業ができる対策を解説

投稿日投稿日 2026.02.12
更新日更新日 2026.02.17
人手不足を解決!日本の労働力不足の現状と原因、企業ができる対策を解説

日本では少子高齢化の進行により生産年齢人口が減少し、深刻な「労働力不足」が社会全体の課題となっています。特に建設、運輸、医療・福祉、小売・サービスといった業界では人員確保が難しく、事業の継続やサービス品質に影響を及ぼすケースも増えています。企業経営にとって人材不足は避けられないリスクであり、従業員の負担増大や離職の連鎖、生産性の低下といった悪循環を招く恐れがあります。

本記事では、日本の労働力不足の現状と背景をデータを交えて解説するとともに、その構造的な原因を整理します。さらに、企業が取り組むべき労働環境の改善や多様な人材の活用、IT・デジタル技術を用いた生産性向上策など、具体的な解決のアプローチについて紹介します。労働力不足に直面する企業担当者や経営層の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

日本の労働力不足の現状と社会問題化する背景

日本では少子高齢化の進行により、企業が必要とする働き手を確保できない「労働力不足」が深刻な社会問題となっています。

この問題は単に人数が足りないという表面的なものではなく、産業構造の変化、地域格差、そして企業規模による影響度の違いなど、複雑に絡み合った要因が背景にあります。

データで見る日本の労働力不足の深刻度

帝国データバンクが2025年1月に実施した「人手不足に対する企業の動向調査」によると、正社員が「不足している」と感じる企業の割合は52.6%に達し、非正社員では29.9%となりました。これらの数値はコロナ禍以降も継続して上昇傾向を示しており、企業の人材確保がますます困難になっている状況が明らかになっています。

日本銀行が実施している短観調査においても同様の傾向が見られます。雇用人員判断D.I.の推移を見ると、全産業において人手不足感が悪化していることが確認できます。特に2020年以降は「不足」の状況が続いており、経済活動の回復と共に労働力の需要が供給を上回る状況が定着しています。

中小企業や地方で特に顕著な人員不足

中小企業庁が公表している「従業員数過不足数DI」のデータによると、大企業と比較して中小企業の方が人手不足の問題がより深刻であることがわかります。中小企業では限られた採用予算や知名度の低さなどから、優秀な人材の獲得競争において不利な立場に置かれがちです。

地域別に見ると、若者を中心とした都心部への人口流出が進む中で、地方企業が特に深刻な労働力不足の影響を受けています。厚生労働省のデータによると、三大都市圏と地方圏の人手不足感には明確なギャップが存在し、特に地方の中小企業において正社員の確保が困難になっている状況が浮き彫りになっています。

労働力不足が特に深刻な業界とその実態

厚生労働省の「労働経済動向調査」や帝国データバンクの調査結果に基づくと、人員不足が特に深刻な業界とその現状は以下の通りです。各業界が抱える特有の課題について、なぜ人手不足に陥っているのかを具体的に見ていきましょう。

【労働力不足が深刻な業界】

業界現状
情報サービス(情報通信業)正社員の人手不足割合が72.5%と全業種で最も高い。厚生労働省の調査でも人手不足感が非常に高い産業の一つとなっている。
建設業正社員の人手不足割合は70.4%と深刻な水準にある。厚生労働省の調査でも人手不足感は全産業の中でも特に高い。
運輸・倉庫業正社員の人手不足割合は66.4%に達している。未充足求人のある事業所の割合も62%と高い。
医療・福祉厚生労働省の調査において、正社員等の人手不足感が特に高い産業の一つ。未充足求人を抱える事業所の割合が67%と全産業の中でも高い水準にある。
宿泊業・飲食サービス業パートタイム労働者の不足感が特に高い産業。一方で、帝国データバンクの調査では「飲食店」の非正社員不足割合は大きく低下したとの指摘もある。
小売業非正社員において、「各種商品小売」(百貨店やコンビニなど)で56.8%、「飲食料品小売」(スーパーなど)で54.5%の企業が人手不足を感じている。

建設・運輸・郵便業界の構造的課題

建設業界では就業者数の減少と就業者の高齢化、若手人材の不足という構造的な問題に直面しています。国土交通省の報告によると、2022年の建設業就業者数は479万人で、1997年のピーク時と比べて約200万人も減少している状況です。

運輸・郵便業界においても長時間労働や低賃金、トラックドライバーの高齢化が若者の流入を妨げる要因となっています。これらの業界は社会インフラを支える重要な役割を担っているにも関わらず、慢性的な人手不足に陥っているのが実情です。

IT・情報通信業界の需要と供給のミスマッチ

DX需要の急速な増加に対し、担い手となるIT人材の育成が追いつかず、需給ギャップが拡大している現状があります。経済産業省の調査によると、IT人材の需要と供給の差は2025年で36万人、2030年で45万人と試算されており、今後も人材不足が続くものと予想されます。

第4次産業革命と呼ばれる技術革新が進む中で、IT人材の不足が日本経済全体の成長の足かせとなるリスクが懸念されています。

医療・福祉業界の需要増大と労働条件

団塊の世代が75歳以上になる「2025年問題」を控え、介護ニーズの増大によって医療・福祉分野の人手不足がさらに加速すると予測されています。介護職における賃金の低さやキャリアパスの不備といった雇用管理の問題が、人材確保を困難にしている主な原因となっています。

コロナ禍を経て、医療・福祉現場の労働環境の過酷さが浮き彫りになり、人材の流出と採用難に拍車をかけている状況が続いています。

小売・サービス業界の労働環境の問題点

スーパーや飲食店などの店舗型ビジネスにおいて、休日の取得しにくさ、長時間労働、低賃金が人手不足の主な原因となっています。特に宿泊業・飲食サービス業では、コロナ禍からの経済活動再開に伴い、人員の確保が追いついていない状況が見られます。

厚生労働省の未充足求人数のデータを見ると、小売業やサービス業において働き手が集まらない現状が具体的な数値として表れています。

労働力不足が深刻化する構造的な原因

日本の労働力不足は一時的な現象ではなく、社会構造そのものに起因する深刻な問題となっています。この問題の根底には、少子高齢化による働き手の絶対数減少、職業間での需要と供給の著しいアンバランス、そして労働環境に対する従業員の意識変化があります。

これらの構造的要因が複合的に作用することで、従来の採用手法や雇用慣行だけでは解決困難な状況を生み出しており、企業には抜本的な対策が求められています。

少子高齢化による生産年齢人口の減少

日本の労働力不足における最大の要因は、少子高齢化による生産年齢人口の継続的な減少にあります。内閣府の将来推計人口データによると、働き手の中心となる15〜64歳の生産年齢人口は、2020年時点で7,406万人でしたが、2065年には4,529万人まで減少し、約4割もの大幅な減少が見込まれています。

一方で65歳以上の高齢者人口は増加を続け、2065年には総人口の約4割を占めると予測されます。この人口構造の変化により、社会を支える働き手が先細りになる中で、高齢者を支えるための社会保障制度や労働需要は拡大し続けており、労働力不足を構造的かつ長期的な問題にしています。

働き手の需要と供給のアンバランス

労働市場では職業間での深刻なミスマッチが発生しており、求職者と企業のニーズが合致していません。厚生労働省の有効求人倍率データを見ると、事務従事者は0.42倍と人余りの状況である一方、建設・採掘従事者は4.77倍、サービス職業従事者は2.81倍と深刻な人手不足となっています。

人手不足が続く業界には共通の特徴があり、肉体労働中心の業務内容、夜勤や休日出勤を伴う不規則な勤務体系、専門性が要求される割に給与水準が高くないという労働条件が、働き手の敬遠を招いています。加えて人材の流動化が進む現在、より良い待遇や労働環境を求めた転職が活発化しており、待遇改善が遅れている企業や業界からの人材流出が加速している状況です。

労働環境や待遇に対する不満の高まり

現代の労働者は職場環境に対してより厳しい目を向けており、劣悪な労働環境が人材確保の大きな障壁となっています。人手不足に陥りやすい企業では、長時間労働や休日出勤の常態化、労働負荷に見合わない賃金や福利厚生といった問題が新規人材の流入を妨げ、既存従業員の離職を促進しています。

また、紙文書や対面会議に固執するなど業務効率化に消極的な企業体質は、従業員のモチベーション低下や将来性への不安を生み出しています。

さらに年功序列が根強く残る人事評価制度では、成果が正当に評価されない不公平感が蔓延し、特に優秀な若手人材の流出を招いて人手不足を慢性化させる一因となっているのが実情です。

人員不足がもたらす企業経営への悪影響とリスク

労働力不足は単に「人が足りない」という問題にとどまらず、企業経営の根幹を揺るがす深刻なリスクを生み出します。人員が不足することで発生する影響は段階的に拡大し、最初は既存従業員の負担増から始まり、やがて企業の生産性や競争力の低下を招き、最終的には事業の存続そのものを脅かすまでに発展する可能性があります。

これらの悪影響は相互に連鎖し合うため、早期の対策を怠ると企業は深刻な経営危機に直面することになります。

既存従業員の業務負荷増大と離職の連鎖

人手不足により従業員一人当たりの業務量が増加すると、残業時間の増加や有給休暇の取得困難といった労働環境の悪化が避けられません。業務過多により現場の従業員が肉体的・精神的な負担を強いられると、モチベーションの低下や健康被害を招くリスクが高まります。

このような過酷な労働環境は最終的に従業員の離職を促し、一人の離職がさらなる人員不足を招く悪循環に陥ります。残された従業員にはより重い業務負担がかかるため、連鎖的な離職が発生しやすくなり、人手不足の深刻化が加速度的に進行する危険性があります。

生産性・競争力の低下による事業機会の損失

商品やサービスの生産・製造部門に人材を十分配置できない状況では、企業の生産力が直接的に低下してしまいます。従業員がルーティン業務を回すことで精一杯となり、マーケティングや事業開発といった中長期的な成長に必要なコア業務に人員を割けなくなると、競争力の低下は避けられません。

この結果、納期遅れやサービスの質の低下が発生し、顧客からの信頼を失うだけでなく、売上機会の逸失という重大な事業損失を招きます。本来獲得できたはずの収益を逃すことで、企業の成長機会は大幅に制限され、将来的な競争優位性の確立も困難になります。

経営悪化から事業縮小・倒産に至る危険性

深刻な人手不足が生産体制の維持を困難にすると、企業は受注の抑制や事業規模の縮小を余儀なくされます。外注費の増加や人件費の高騰により利益が圧迫され、企業の財務状況は急速に悪化していきます。

帝国データバンクの調査によると、従業員の退職や採用難を直接的な原因とする「人手不足倒産」は2025年上半期に202件発生し、上半期としては2年連続で過去最多を更新しました。

この数字は、人手不足が単なる経営課題ではなく、企業の存続に関わる重大なリスクであることを明確に示しており、適切な対策を講じなければ債務超過による倒産という最悪の事態に直面する可能性があります。

労働力不足を解消するための企業の具体的な取り組み

労働力不足の解消には、単発的な施策ではなく、包括的かつ戦略的なアプローチが必要です。企業が取り組むべき対策は、既存従業員の定着率向上、多様な人材の積極的活用、業務効率化による生産性向上、そして採用戦略の抜本的見直しという4つの軸で整理できます。

これらの取り組みを組み合わせて実施することで、人材の流出を防ぎながら新たな労働力を確保し、持続的な経営基盤を構築することが可能になります。

従業員定着率向上のための労働環境改善

労働力不足解消の基本は、現在働いている従業員の定着率を高めることにあります。賃金水準の引き上げや福利厚生の充実といった労働条件の直接的な改善は、人材確保において最も効果的な施策です。

加えて長時間労働の是正、休日の確保、有給休暇の取得促進など、ワークライフバランスを重視した職場環境の整備が不可欠となります。従業員一人ひとりの業務量を見直して適正な配分を行い、不公平感のない人事評価制度を構築することで、従業員のモチベーション向上と離職防止を同時に実現できます。

これらの取り組みは投資コストがかかりますが、採用・教育コストの削減効果を考慮すると、長期的には大きな収益改善につながります。

多様な人材が活躍できる雇用システムの構築

従来の採用ターゲットに固執せず、これまで十分に活用されてこなかった人材層へ目を向けることが重要です。柔軟な勤務時間や多様な雇用形態として、短時間勤務や業務委託といった働き方を導入することで、さまざまな事情を抱える人材のニーズに応えられます。

正社員での雇用が難しい場合でも、パートタイム労働者や契約社員として採用の間口を広げることで、労働力の確保が可能になります。ダイバーシティに富んだ職場環境は、異なる価値観や経験を持つ人材が集まることで、新たなアイデアの創出やイノベーションの創出につながる可能性も秘めており、企業の競争力強化にも寄与します。

女性・シニア層の積極的な登用

出産・育児後も女性が働きやすい環境として、時短勤務制度の拡充、リモートワークの導入、託児環境の整備などを進めることが必要です。豊富な経験やスキルを持つシニア層については、若手社員のサポート役や現場の即戦力として活躍できるような役割を明確に設定し、彼らの知識や技術を有効活用する体制を構築しましょう。

年齢や性別に関わらず、個人の能力や意欲を正当に評価し、それぞれが持つ強みを活かせる機会を提供することが、企業全体のパフォーマンス向上と競争力強化につながります。多様な人材が活躍できる職場づくりは、人材確保だけでなく、組織の活性化という副次的効果も期待できます。

外国人材の受け入れと共生環境の整備

外国人労働者の雇用数は年々増加しており、彼らが労働力不足解消の重要な担い手となっています。在留資格「特定技能」は16の特定産業分野において外国人材の就労を可能にする制度として創設されており、人材不足に悩む企業にとって有効な選択肢です。

ただし就労制限や各種手続きが複雑なため、専門機関のサポートを活用することが重要となります。言語や文化の違いによるトラブルを未然に防ぎ、外国人材が能力を十分発揮して長期間定着するためには、多文化共生を前提とした職場環境づくりと、継続的なコミュニケーション支援が不可欠です。人材紹介会社や行政書士などの専門家と連携した受け入れ体制の構築をおすすめします。

生産性向上を実現するIT・デジタル技術の活用

RPAやAIなどのITテクノロジーを活用して定型業務の自動化・効率化を進めることで、少ない人数でも業務を円滑に回せる体制を構築できます。紙の書類や押印文化から電子契約やデジタルデータ管理へ移行する脱アナログ作業により、業務効率化と大幅なコスト削減を同時に実現することが可能です。

ITツールやロボットの導入は、単なる省力化にとどまらず、従業員の作業負担を軽減し、より付加価値の高いコア業務に集中できる環境を提供します。これらの技術投資は初期コストがかかりますが、長期的な人件費削減と生産性向上を考慮すると、労働力不足解消のための重要な戦略的投資といえるでしょう。

採用戦略の見直しとミスマッチの防止

従来の「待ち」の採用手法から、企業側が求職者へ直接アプローチする「攻め」の採用手法への転換が必要です。ダイレクトリクルーティングやアルムナイ採用などの新しい手法を取り入れることで、優秀な人材との接点を増やせます。

自社が求める人材像を明確に定義し、採用マーケティングの考え方を導入することで、入社後のミスマッチを大幅に減らし、定着率の向上につなげることができます。

採用活動と連動した育成戦略の整備も重要であり、入社した人材が段階的にスキルアップし、長期的に活躍できる成長支援体制を構築することで、人材の定着と企業の成長を同時に実現できるでしょう。

まとめ

日本の労働力不足は、企業の存続に直結する重大な経営課題となっています。少子高齢化による構造的な人材減少と、業界間の需給ミスマッチが深刻化する中で、従来の採用手法だけでは解決が困難な状況です。

しかし、労働環境の改善による定着率向上、多様な人材の積極活用、IT技術を駆使した生産性向上、そして戦略的な採用手法への転換を組み合わせることで、この課題は克服可能です。人手不足対策に早期着手することで、競合他社との差別化を図り、持続的な成長基盤を構築できるでしょう。

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