日本語検定とは?レベルや難易度、日本語能力試験との違いを解説
日本語を正しく理解し、適切に使える力は、学生や社会人にとって学業・仕事の両面で欠かせないスキルです。その力を客観的に測る指標として注目されているのが「日本語検定」です。日本語能力試験(JLPT)が主に外国人を対象にした試験であるのに対し、日本語検定は日本人を対象にした国語力検定であり、語彙・文法・表記・敬語・読解・表現といった幅広い分野で日本語力を総合的に評価します。
本記事では、日本語検定の概要や、日本語能力試験との違い、1級から7級までのレベルや合格率といった難易度の目安をわかりやすく解説します。
日本語検定とは?日本人の国語力を測るための検定

日本語検定は、日本語を使うすべての人を対象とした検定試験で、日本語の総合的な能力を測定する試験です。この検定の主な目的は、日常生活でよく使われる日本語に関する誤解や誤認を減少させ、正しい日本語の使用を促進することにあります。
日本語検定は1級から7級まで7つのグレードに分かれており、幅広いレベルの受検者に対応しています。最上級の1級は社会人上級レベル、7級は小学校2年生レベルとなっており、自分の実力に応じた級を選択できます。この検定を通じて、漢字や敬語の知識習得からコミュニケーション能力の向上まで幅広いスキルアップが期待できるでしょう。
日本語能力試験(JLPT)との違いは対象者と試験目的

日本語検定と混同されやすい試験に「日本語能力試験(JLPT)」があります。両者は名称が似ているものの、対象者と試験目的において明確な違いがあります。
日本語検定が日本語を使うすべての人を対象とする総合的な日本語能力測定試験であるのに対し、日本語能力試験は日本語を母語としない外国人向けのコミュニケーション能力重視の試験です。
日本語検定と日本語能力試験の違い
| 特徴 | 日本語検定 | 日本語能力試験(JLPT) |
|---|---|---|
| 対象者 | 日本語を使うすべての人 | 日本語を母語としない人 |
| 試験の目的 | 日本語の総合的な能力を測定する | コミュニケーション能力を重視 |
| 評価する能力 | 漢字、表記、敬語、言葉の意味、語彙、文法などの総合的な知識と運用能力 | 課題遂行のための言語コミュニケーション能力 |
対象者の違い:日本人向けか、外国人向けか
日本語検定は「日本語を使うすべての人」を対象とした検定で、主に日本語を母語とする日本人が受験します。年齢、学歴、国籍による受験資格の制限は一切なく、誰でも受検可能です。
一方、日本語能力試験(JLPT)は「日本語を母語としない人」を主な対象とした試験で、外国人の日本語能力測定を主目的としています。ただし、受験資格に制限はなく、母語が日本語でない人であれば、日本国籍の有無や年齢に関わらず、誰でも受験できます。このように、両試験は想定している受検者層が異なります。
試験目的の違い:総合的な運用能力か、コミュニケーション能力か
日本語検定は、漢字、表記、敬語、言葉の意味、語彙、文法といった日本語の総合的な知識と運用能力を測定することを目的としています。これらすべての領域をバランス良く評価し、正しい日本語の習得を促進します。
対して日本語能力試験は、文字・語彙・文法の知識、読む、聞くの3つの要素から構成され、課題遂行のための言語コミュニケーション能力の評価を重視しています。日本語検定は日本語の正確性と幅広い知識を、日本語能力試験は実践的なコミュニケーション力を測るのに適しているといえるでしょう。
日本語検定のレベル別難易度|合格率と合格基準

日本語検定は1級から7級まで7つのグレードに分かれており、それぞれ異なる難易度設定がされています。1級・2級は難易度が高く、3級は普通、4級から7級は易しいレベルとなっており、受検者の実力に応じた級選択が可能です。各級の合格率や認定基準を理解することで、自分に適した目標設定ができるでしょう。
1級から7級までのレベル目安【一覧表】
日本語検定の各級は、以下の日本語レベルに対応しています。
【級ごとの日本語レベル】
| 級 | 日本語レベル |
|---|---|
| 1級 | 社会人上級レベル |
| 2級 | 大学卒業~社会人中級レベル |
| 3級 | 高校卒業~社会人基礎レベル |
| 4級 | 中学校卒業レベル |
| 5級 | 小学校卒業レベル |
| 6級 | 小学校4年生レベル |
| 7級 | 小学校2年生レベル |
1級は記者や編集者などの専門職に求められる高度な日本語運用能力を、2級は大学生活からビジネスまで幅広く活用できる社会人基礎力を測定します。初回受検では、まず自分の学歴に対応する級から1つ上の級を目標にすることをおすすめします。
級ごとの合格率と難易度の実態
2024年度の級別合格率は以下のとおりです。
【級ごとの合格率(2024年度)】
| 級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 1,063 | 118 | 11.1% |
| 2級 | 3,870 | 816 | 21.1% |
| 3級 | 13,053 | 7,378 | 56.5% |
| 4級 | 5,357 | 4,339 | 81.0% |
| 5級 | 3,052 | 2,591 | 84.9% |
| 6級 | 1,373 | 1,132 | 82.4% |
| 7級 | 402 | 351 | 87.4% |
1級の合格率は11.1%、2級は21.1%と非常に低く、高度な日本語力が求められることがわかります。3級では56.5%と合格率が大きく下がり、基礎レベルと応用レベルの境界線といえます。4級以降は80%を超える高い合格率で、基礎的な日本語力を持つ方にとっては取得しやすい水準です。
級・準級の認定に必要な得点率
日本語検定では得点率に応じて正規の級と準級の2種類の認定があります。
【日本語検定の合格基準】
| 受検級 | 認定級 | 認定に必要な総合得点率の目安 |
|---|---|---|
| 1級 | 1級 | 80%程度以上 |
| 準1級 | 70%程度以上 | |
| 2級 | 2級 | 70%程度以上 |
| 準2級 | 60%程度以上 | |
| 3級 | 3級 | 70%程度以上 |
| 準3級 | 60%程度以上 | |
| 4級 | 4級 | 70%程度以上 |
| 準4級 | 60%程度以上 | |
| 5級 | 5級 | 70%程度以上 |
| 準5級 | 60%程度以上 | |
| 6級 | 6級 | 70%程度以上 |
| 準6級 | 60%程度以上 | |
| 7級 | 7級 | 70%程度以上 |
| 準7級 | 60%程度以上 |
令和7年度第1回試験から2級の認定基準が「75%程度以上」から「70%程度以上」に変更され、受検しやすくなりました。準級制度により、目標級に届かなくても一定の成果が認められる仕組みとなっています。
日本語検定は役に立つ?学生・社会人別のメリット

日本語検定の取得は、学生と社会人それぞれにとって具体的なメリットがあります。学生にとっては、大学の総合型選抜(旧AO入試)や推薦入学で優遇措置を受けられる場合があり、進学に有利に働きます。
社会人においては、日本語検定認定者を優遇する企業が数多く存在し、就職活動や昇進の際に評価される資格として活用できるでしょう。資格取得の学習過程では、表現力、読解力、対話力という3つの重要なスキルが向上します。
豊富な語彙を習得することで表現の幅が広がり、正確なコミュニケーションが可能になります。また、正しい敬語や言葉遣いを身につけることで、面接官やビジネスの場面で好印象を与えることができ、実践的な日本語運用能力が身につきます。
日本語検定の試験概要|日程・出題範囲・受験料

日本語検定の受験を検討する際は、試験の基本情報を把握することが重要です。試験は年に2回、6月と11月に実施され、申込期間はそれぞれ3月上旬から5月中旬、8月上旬から10月中旬となっています。
試験は6つの領域(漢字、表記、敬語、言葉の意味、語彙、文法)に総合問題を加えた7分野から出題されます。出題形式は選択式が中心ですが、一部に漢字の書き取り問題も含まれています。
【日本語検定 試験概要】
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 試験科目 | ・漢字 ・表記 ・敬語 ・言葉の意味 ・語彙 ・文法 ・総合問題 |
| 出題形式 | 選択式 ※一部漢字の書き取り問題あり |
| 試験時間 | 1級~3級: 60分 4級~7級: 50分 |
| 受験料 (税込) | 1級: 6,800円 2級: 5,800円 3級: 4,300円 4級: 3,000円 5級: 2,300円 6級・7級: 各2,200円 |
まとめ
日本語検定は、正しい日本語運用能力を身につけ、社会で活躍するための重要な資格です。情報化が進む現代において、適切な敬語や豊富な語彙を駆使したコミュニケーション能力は、学業や仕事で差をつける決定的な要素となります。1級から7級まで幅広いレベル設定があり、自分の実力に応じて段階的にスキルアップできる点も魅力です。日本語検定の取得により、大学入試での優遇措置や就職活動での評価向上、さらには日常的な表現力・読解力・対話力の向上が期待できるでしょう。