外国人採用と海外現地採用の違いを知って自社に合う方法を選ぼう
外国人採用を検討し始めたとき、「日本にいる外国人を採用するのか、それとも海外から呼び寄せるのか」と迷う方は多いです。この2つの方法はコストも手続きも採用スピードも大きく異なるため、違いを知らないまま進めると思わぬ負担を抱えることも。この記事では、国内在留外国人採用と海外現地採用の違いを3つの観点で整理し、自社に合った選択ができるようにサポートします。
外国人採用の「国内採用」と「海外現地採用」、結論はどちらが自社に向いているか

外国人採用には大きく分けて2つのルートがあります。日本に在留している外国人を採用する方法と、海外で採用して日本に呼び寄せる方法です。どちらが正解というわけではなく、自社の状況や目的によって向き・不向きが変わります。まずはそれぞれの概要と、両者の主な違いを確認しておきましょう。
国内在留外国人採用とは
国内在留外国人採用とは、すでに日本国内に住んでいる外国人を採用する方法です。留学生や技能実習修了者、永住者・定住者などがその代表例で、日本語でのコミュニケーションがすでに一定水準に達していることが多いのが特徴です。
在留資格(ビザ)については、「変更」の手続きを行うケースが中心となります。海外から呼び寄せる場合と比べると、手続きの工数が少なく、スムーズに入社まで進みやすいのがメリットです。採用後すぐに現場で活躍してもらいたい企業や、採用活動にかけられる時間が限られている企業にとって、現実的な選択肢のひとつです。
海外現地採用とは
海外に在住している人材が在留資格を取得させたうえで日本に呼び寄せる方法は、一般に「海外在住人材の日本採用」または「海外採用」として区別されます。外国人採用を検討する際は、海外現地採用との違いをしっかり把握しておくことが大切です。
海外在住の人材を日本で雇用する場合、現地での説明会・面接や人材紹介会社・送り出し機関の利用、在留資格認定証明書の申請やビザ申請、渡航手配などが必要になるため、渡航費・エージェント費用・ビザ申請費用などを含めると、国内在住者の採用と比べてトータルコストが高くなる傾向があります。ただし、企業が実際に現地へ赴いて面接する場合は渡航費や人件費がかさみますが、最近ではZoomやGoogle Meetを活用したオンライン面接により、コストを抑えて選考を進める企業も増えています。
人材のスキルレベルは国内在住者と海外在住者で大きな差はありませんが、日本語力は国内在住者の方が高い傾向があります。海外から呼び寄せる方法のメリットは、地方や賃金水準が低いエリアでも幅広く人材を集められる点です。
一方で、特定の国・地域に特化したスキルや言語を持つ人材を母集団から広く探せるという点は大きな強みです。人材のスキルレベルは国内在住者と海外在住者で大きな差はありませんが、日本語力は国内在住者の方が高い傾向があります。海外から呼び寄せる方法のメリットは、地方や賃金水準が低いエリアでも幅広く人材を集められる点です。たとえば特定技能の対象分野で人材を確保したい場合や、海外市場に精通した人材が必要な場合に力を発揮するでしょう。ただし、原則として在留資格の新規申請(在留資格認定証明書交付申請)が必要で、認定から入国まで数か月かかることが多いため、余裕を持った採用・入社スケジュール管理が欠かせません。
2つの採用方法を一覧で比較
両者の違いをひと目で把握できるよう、主要な項目を表にまとめました。
| 比較項目 | 国内在留外国人採用 | 海外現地採用 |
|---|---|---|
| 採用コスト | 比較的低い | 高くなりやすい |
| 採用スピード | 早い(1〜3か月程度) | 遅い(3〜6か月以上) |
| 在留資格手続き | 在留資格の変更 | 在留資格の新規認定 |
| 日本語力 | 一定水準以上が多い | 個人差が大きい |
| 人材の母集団 | 国内在留者に限定 | 世界中から探せる |
| 生活サポート | 比較的少なくて済む | 住居・生活支援が必要 |
求める給与面では、国内人材は、高めの給与を求めます。
一方、海外からは、給与条件面は国内人材ほど求めない傾向があります。
求める給与面では、国内在住の人材は比較的高めの給与を求める傾向があります。一方、海外からの人材は給与条件について国内人材ほど求めない傾向があります。
採用コストを抑え、できるだけ早く人材を確保したい場合は国内採用が適しています。一方で、都市部など賃金水準が比較的高い地域であれば国内採用でも十分に人材を確保できる可能性がありますが、地方で最低賃金水準の求人では応募が集まりにくく、海外現地採用が現実的な選択肢となるケースも少なくありません。次のセクションで、それぞれの特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。
コスト・スピード・手続きの3つの観点で違いを詳しく確認する

一覧表で全体像をつかんだところで、採用の判断に直結するコスト・スピード・ビザ手続きの3点をそれぞれ掘り下げます。どの項目を重視するかによって、自社に合う採用方法の答えが見えてくるはずです。
採用にかかるコストの違い
国内在留外国人採用の場合、求人媒体への掲載費や人材紹介会社への手数料が主なコストです。在留資格の変更申請は自社で対応できるケースもあり、行政書士に依頼しても数万円程度で済むことが多いです。
海外現地採用では、これらに加えて次のような費用が上乗せされます。
– 渡航・滞在費:現地で面接を実施する場合に発生する航空券代や宿泊費などの費用です。 – 現地エージェント費用:候補者の募集や面接日程の調整など、現地での採用活動を支援するエージェントへの費用です。 – 送り出し機関の費用*:国内採用では発生しない、または少額で済むケースもありますが、海外現地採用では送り出し機関への手数料として数十万円程度かかることが一般的です。 なお、この費用は本人負担となるケースが多く、企業側の負担は発生しない場合もあります。
総じて、海外現地採用は国内採用より多くかかるケースが少なくありません。
採用スピードの違い
採用スピードは、2つの方法で大きく変わります。国内在留外国人採用は、求人掲載から内定・入社まで1〜3か月程度が目安です。在留資格の変更申請(在留資格変更許可申請)は、出入国在留管理局への申請から許可まで通常1〜2か月かかりますが、採用活動と並行して準備を進めればそれほど大きなロスになりません。ただし、国内在住の外国人材は、複数社に応募するケースが殆どで、自身にとってより良い条件の企業を求めるため、日本人同様、どのくらい応募があるのか、いつ採用できるのかは、若干不透明な場合がございます。
一方、海外現地採用は時間的な余裕が必要です。採用→在留資格認定証明書の申請(審査に1〜3か月)→査証(ビザ)の取得→入国という流れを経るため、内定から実際に働き始めるまで3〜6か月以上かかることも珍しくありません。急な欠員補充や短期間での戦力化が求められる場合、海外現地採用では間に合わないリスクがあります。
在留資格(ビザ)手続きの複雑さの違い
外国人採用で最も戸惑いやすいのが在留資格の手続きです。2つの方法では、必要な手続きの種類と複雑さが異なります。
国内在留外国人採用の場合 現在持っている在留資格から就労可能な資格へ「変更」する手続きが基本です。たとえば「留学」から「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能1号」へ変更するケースが典型例。書類は多めですが、本人がすでに日本にいるため、入国に関わる手続きは不要です。
海外現地採用の場合 日本に呼び寄せるには、まず「在留資格認定証明書」を日本の出入国在留管理局に申請し、交付後に現地の日本大使館・領事館でビザを取得してもらうという2段階の手続きが必要です。 手続きに不慣れな企業は、登録支援機関や行政書士に依頼することで、申請ミスや遅延を防げます。
自社の状況に合わせた選び方

コスト・スピード・手続きの違いを踏まえたうえで、「では自社はどちらを選べばいいの?」という問いに答えるための判断基準を整理します。
国内在留外国人採用が向いているケース
次のような状況に当てはまる場合、国内在留外国人採用が合いやすいです。
– できるだけ早く採用したい:欠員補充や繁忙期対応など、時間的な余裕がない – 採用コストを抑えたい:渡航費やエージェント、送り出し機関へのコストは抑えたい – 日本語でのコミュニケーションが必要な職場:接客・営業・事務など、日本語力が直結する業務 – 生活支援の体制が整っていない:住居手配や生活サポートのリソースが社内にない
留学生や技能実習修了者は、日本での生活経験があるとは言えど、職場への適応速度には個人差があります。はじめての外国人採用では、国内外から人選することにかかわらず、必要な受入れ支援体制を整えた上で採用するのが適切です。
海外現地採用が向いているケース
一方、以下のような条件に当てはまるなら、海外現地採用を検討する価値があります。
– 実際に現地へ赴き、その国の文化や習慣を理解したい :現地面接では渡航費や滞在費などのコストが発生しますが、採用担当者が実際に現地の文化や生活環境を知ることで、入社後の人材理解や長期的な関係構築につながります。
– 採用までの期間に余裕を持って対応できる :在留資格や国・選考方法・手続き状況によって採用期間は異なるため、余裕を持ったスケジュールで計画的に進められる – 受け入れ体制(住居・支援)を整備できる:生活サポートのコストを吸収できる体力がある
海外現地採用は、国内採用と比較して費用や時間がかかる場合があります。しかし、実際に採用する人材の母国や文化を理解することは、長期的な人材活用を考える上で重要な視点です。
登録支援機関を活用することで、現地での採用面接や採用後の受入れ支援まで対応することも可能です。お気軽にご相談ください。
まとめ

国内在留外国人採用と海外現地採用では、採用にかかるコスト、採用までのスピード、在留資格に関する手続きなど、さまざまな点で違いがあります。
できるだけコストを抑え、短期間で人材を確保したい場合は国内在留外国人採用が適しています。一方で、採用までの時間や一定の費用をかけても、現地の文化や生活環境を理解した上で人材を選びたい場合は、海外現地採用が有効な選択肢となります。
自社の採用目的や求める人材像に合わせて、最適な採用方法を選択することが重要です。
どちらの方法でも、専門知識が求められます。はじめての外国人採用で不安を感じるなら、登録支援機関に相談することで、スムーズな採用につながります。
FMS(フィールドマーケティングシステムズ)では、特定技能人材・技人国の人材の受け入れから定着まで一気通貫でサポートしています。外国人採用の方針でお悩みの際は、ぜひご相談ください。
外国人採用 海外現地採用 違いについてよくある質問

– 国内在留外国人採用と海外現地採用、どちらがコストが安いですか?
– 一般的に、国内在留外国人採用のほうがコストを抑えやすいです。海外現地採用では現地エージェント費用・渡航費・送り出し機関への支払いなどが加わり、国内採用より多くかかるケースも多いです。
– 在留資格の「変更」と「新規認定」はどう違いますか?
– 「変更」は日本にすでにいる外国人が在留資格の種類を変える手続きです。「新規認定(在留資格認定証明書の交付申請)」は海外在住の外国人を日本に呼び寄せるための手続きで、交付後に本人が現地の日本大使館でビザを取得する必要があります。新規認定のほうが書類も多く、時間もかかります。
– 特定技能の人材を海外から採用する場合、どれくらい時間がかかりますか?
– 現地での採用活動から在留資格認定証明書の取得・ビザ発給・入国まで、スムーズに進んでも4〜6か月程度かかるのが一般的です。試験の合格待ちや書類の不備があるとさらに延びることもあるため、余裕を持ったスケジュールで動くことをおすすめします。
– 初めての外国人採用では、どちらの方法がおすすめですか?
-給与条件・エリア環境などにより異なります。当社(FMS)では、同時に国内、海外で求人をかけることが可能です。
– 登録支援機関を利用するメリットは何ですか?
– 登録支援機関は、特定技能外国人の受け入れに必要な支援を代行します。在留資格申請のサポートや生活オリエンテーション、相談窓口の提供なども担うため、採用担当者の業務負担を大幅に減らすことができます。特に海外現地採用で特定技能人材を受け入れる場合、登録支援機関への委託は現実的な選択肢です。