特定技能の在留資格更新ガイド 期限内に迷わず手続きする方法
特定技能1号の在留期限が近づくと「更新の手続きは何から始めればいいの?」と不安に感じる採用担当者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、特定技能1号の在留資格更新について、必要書類や申請の流れ、審査期間の目安、不許可になりやすいケースまで、実務に沿ってわかりやすく整理しました。期限内にスムーズに更新を終えるための参考にしてくださいね。
特定技能1号の在留資格は更新が必要|更新できる回数と期限の基本

特定技能1号は永続的な資格ではなく、在留カードに記載された期限までに更新申請を行う必要があります。手続きを怠ると不法滞在となるリスクもあるため、まずは「1回あたりの在留期間」と「通算5年ルール」の全体像を押さえておきましょう。
特定技能1号の在留期間は一律ではない——1回あたり最長3年で個別に指定される
特定技能1号の在留期間は、すべての方が同じ長さというわけではなく、出入国在留管理庁が個々の状況を審査したうえで期間を指定する仕組みになっています。2025年9月30日および10月17日付の運用要領改正により、特定技能1号の在留期間はこれまでの「1年以内」から「3年以内」に拡大され、中長期での受け入れがしやすくなりました。ただし全員が自動的に3年を取得できるわけではなく、通算在留期間の残りが3年に満たない場合は、3年の在留期間が付与されません。企業も本人も、在留カードに記載された期限をこまめに確認する習慣をつけましょう。
更新できる回数に上限はないが通算5年が限度
特定技能1号は、更新できる回数そのものに上限はありません。ただし通算の在留期間が原則5年に達すると、それ以降は特定技能1号として在留できなくなります。通算期間の起算日は在留カードを受け取った日(特定技能として入国した日)であり、雇用を開始した日と勘違いしやすいので気をつけましょう。なお2025年9月の改正では、産休・育休・病気療養などの期間を通算から除外できる仕組みも整いました。通算5年を迎えたあとは、特定技能2号への移行など次のステップを検討することになります。
在留資格の更新申請は3ヶ月前から可能——準備は4ヶ月前に始めるのがベスト

特定技能の在留期間更新許可申請は、出入国在留管理庁の規定により在留期間が満了するおおむね3か月前から申請を受け付けてもらえます。これは特定技能に限った規定ではなく、在留期間更新許可申請全般に適用される原則です。特別な事情がある場合は、それ以前から申請が認められる場合もあります。
とはいえ実際には、雇用契約書や納税証明書、支援実施状況を示す資料など、多くの書類を準備しなければなりません。証明書の取得は自治体窓口とのやり取りが必要なものも多く、数週間かかることも珍しくないでしょう。そのため実務上は、企業側の書類収集に時間を要することから、在留期限の4カ月前から準備を進めておくことを推奨する専門家もいます。
更新のタイミングをざっくり整理すると、次のようになります。
| タイミング | 目安 |
|---|---|
| 更新準備の開始 | 在留期限の4ヶ月前 |
| 更新申請の受付開始 | 在留期限の3ヶ月前 |
| 審査期間 | 2週間〜3ヶ月程度(申請内容や時期により変動) |
| 特例期間 | 申請中は一定期間、在留資格が継続する特例がある |
とくに1月〜3月は4月入社の外国人材の申請が集中しやすい傾向があり、審査に通常よりも時間がかかる可能性があります。余裕を持ったスケジュールで、次の章で紹介する必要書類の準備に取りかかりましょう。
特定技能の在留資格更新に必要な書類一覧

更新申請では、雇用企業と外国人本人それぞれが準備すべき書類があり、働く分野によっては追加の書類も必要になります。出入国在留管理庁が公表する提出書類一覧表を確認しながら、抜け漏れのない準備を進めましょう。
雇用企業が準備する書類
受入れ企業(特定技能所属機関)は、主に次のような書類を準備します。
- 特定技能雇用契約書・雇用条件書の写し
- 特定技能外国人の報酬に関する説明書
- 税務署発行の納税証明書
- 社会保険料納入状況を示す書類
- 支援実施状況に関する資料
以前は所属機関としての適格性を示す書類も更新のたびに必要でしたが、2025年4月以降は適格性書類が定期届出に移行したため、更新時の企業側書類は従来より軽減されています。また、前年提出済みで内容に変更がない書類は、一部省略できる場合もあります。まずは自社が該当する条件を確認し、無駄のない準備を心がけましょう。
外国人本人が準備する書類
外国人本人が準備する書類には、在留期間更新許可申請書のほか、指定規格を満たした顔写真、パスポートおよび在留カードの提示などが含まれます。あわせて、個人住民税の課税証明書・納税証明書、源泉徴収票の写しといった納税状況を示す書類も必要です。これらは企業側の書類とあわせて1つの申請として提出するため、本人と企業担当者が早めに連携し、抜け漏れのないよう準備を進めることが大切です。
分野ごとに追加で必要になる書類
特定産業分野によって、追加で提出を求められる書類は異なります。たとえば介護分野では、介護分野における業務を行わせる事業所の概要書と、協議会の構成員であることの証明書の2点が必要です。分野特有の要件を見落とすと、書類不備によって審査が長引いたり、不許可につながったりするリスクもあります。最新の必要書類は、出入国在留管理庁の公式ウェブサイトにある分野別の一覧表で必ず確認しましょう。
在留資格更新の申請手順|5ステップで流れを確認

更新申請の流れは、書類準備から新しい在留カードの受け取りまで、大きく5つのステップに分けられます。まずは全体の流れをざっと確認してから、次の項目でステップごとの詳細を見ていきましょう。
ステップ1:必要書類をそろえる
企業と外国人本人は、それぞれが担当する書類を分担して準備します。納税証明書や社会保険料納入状況を示す書類など、証明書の取得に時間がかかるものもあるため、早めに着手することが重要です。自社での対応に不安がある場合は、登録支援機関や行政書士に手続きを委託する選択肢もあります。登録支援機関に支援業務全般を委託する場合の費用は、外国人1人あたり月額2万〜4万円程度が相場とされています。
ステップ2:出入国在留管理局へ書類を提出する
そろえた書類は、特定技能外国人本人の住所地を管轄する出入国在留管理局に提出します。窓口への提出のほか、在留申請オンラインシステムを利用したオンライン申請も可能です。また、申請取次の承認を受けた企業担当者や行政書士が、本人に代わって取次を行うこともできます。本人が窓口に出向く時間を確保しにくい場合は、取次者の活用を検討してみましょう。
ステップ3:審査結果の通知を待つ(目安:1〜3ヶ月)
提出後の審査には、一般的に1〜3ヶ月程度かかります。出入国在留管理庁が公表する処理期間のデータからも、更新申請の審査には一定の日数を要することがわかります。4月に入社する外国人材の申請が増える1月〜3月は、通常よりも審査に時間がかかる可能性があります。結果はハガキやメールで通知されるのが一般的なので、余裕を持ったスケジュールで待ちましょう。
ステップ4:許可通知書を受け取り新しい在留カードを取得する
審査で許可となった場合は、通知を受けたあと出入国在留管理局の窓口で新しい在留カードを受け取ります。受け取り時には手数料として、窓口では6,000円、オンライン申請の場合は5,500円を収入印紙で納付します。在留期間の更新申請では、特定技能外国人本人以外に代理人や取次者による在留カードの受領も可能です。新しい在留カードを受け取れば、更新の手続きはすべて完了です。
更新申請が不許可になりやすいケースと対処法

更新申請は、必ずしも許可されるとは限りません。企業側の義務違反や外国人本人の条件不備など、さまざまな理由で不許可になるケースが実際に存在します。もし不許可になった場合は、理由を確認したうえで再申請を検討しましょう。
企業側の義務(支援・届出)が守られていない
受入れ企業には、定期的な届出や1号特定技能外国人支援計画に基づく支援の実施が義務付けられています。届出そのものを怠ったり、必要な支援を実施していなかったりすると、更新申請が不許可となる可能性があります。また、受入れ機関は特定技能外国人を初めて受け入れたら協議会へ加入し、構成員として協議会の求めに応じて指導や調査に協力しなくてはいけません。日本人と同等以上の労働条件を確保することもあわせて、日頃から法令遵守を徹底しておきましょう。
外国人本人の条件(試験・税金・社会保険)が満たされていない
外国人本人に起因する不許可要因としては、税金や社会保険料の未納が代表的です。前回申請時に、特定技能外国人もしくは企業に年金や保険の滞納等があり、公的義務履行に関する誓約書を提出した場合は、今回の更新申請時までに義務を履行していないと不許可になってしまう可能性もあります。誓約した内容は更新のたびに確認されるため、日頃から納税や社会保険加入の状況をきちんと把握しておくことが欠かせません。
更新期限に間に合わなかった場合はどうなるか

在留期限内に更新申請さえ行っていれば、審査結果が出る前に期限を迎えても、すぐに不法滞在になるわけではありません。申請中に在留期間が満了しても、審査結果が出るまで特例期間として合法的に就労を継続できます。特例期間は、在留期限から最大2ヶ月間、または処分がなされる日までのいずれか早いほうまで適用されます。
一方で注意したいのは、申請自体を行わずに期限を超えてしまうケースです。この場合は特例期間が適用されず、期限を過ぎて申請しないまま滞在すると不法滞在となります。企業が把握しないまま在留期限を超過させてしまうと、企業側も不法就労助長罪に問われるリスクがあります。
在留カードの期限は、複数の外国人を雇用している場合はとくに見落としやすいポイントです。カレンダーや管理台帳を活用し、期限の数ヶ月前から余裕を持って更新の準備を進める体制を整えておきましょう。
まとめ

特定技能1号の在留期間は、通算原則5年が上限です。期限までに更新申請を行わなければ、不法滞在や不法就労助長のリスクにつながります。準備は在留期限の4ヶ月前から始め、企業・本人それぞれの必要書類を過不足なくそろえることが大切です。審査には1〜3ヶ月ほどかかるため、余裕を持ったスケジュールを意識しましょう。届出や税金・社会保険の滞納など、不許可になりやすいケースにも日頃から気を配り、円滑な更新につなげてくださいね。
特定技能 在留資格 更新についてよくある質問

特定技能の在留資格更新について読者からよく寄せられる疑問を5つ取り上げ、Q&A形式で整理しました。本文で触れきれなかった細かな点をここで確認しておきましょう。
Q. 特定技能1号は何回まで更新できますか?
A. 特定技能1号は通算5年まで在留可能で、在留期間更新を重ねて5年に達するまで在留できます。在留期間は3か月、6か月、1年、1年6か月、2年、3年のいずれかで付与され、通算5年に達したあとは原則として特定技能1号での在留を続けることはできず、特定技能2号への移行など別の在留資格への切り替えを検討する必要があります。なお、要件を満たす場合には、通算5年を超えて最大6年まで在留期間更新が認められる運用がありますので、該当の可能性がある方は出入国在留管理庁の最新の運用をご確認ください。
Q. 更新申請が不許可になった場合、再申請はできますか?
A. 一般的には、不許可の理由を出入国在留管理庁に確認し、指摘された点を改善したうえで、在留期限が残っていれば再申請も検討できます。ただし再申請の可否やタイミングは個別の事案により入管当局の判断に左右されるため、期限を過ぎている場合は出国を求められることもあり、早めの対応と専門家への確認が大切です。
Q. 転職した場合も同じように更新申請をすればよいですか?
A. 特定技能外国人が転職して所属機関を変更する場合は、同じ特定技能1号であっても在留資格変更許可申請が必要です。あわせて所属機関に関する届出も行います。詳細は出入国在留管理庁の運用に従って確認してください。
Q. 更新申請はオンラインでもできますか?
A. 要件を満たせば、在留申請オンラインシステムで申請できます。在留カードの受取方法については、オンライン申請後も郵送ではなく、出入国在留管理局での受領や必要手続が案内される場合がありますので、最新の運用をご確認ください。
Q. 更新申請にはどのくらい費用がかかりますか?
A. 費用は「出入国在留管理庁に納める手数料」と「行政書士などに依頼する場合の 報酬」の2つに分かれます。手数料は許可時に納付し、申請方法(窓口申請・オン ライン申請)によって金額が異なります。また2026年10月1日から、許可される 在留期間に応じた金額へ改定される予定です。最新の金額と納付方法は、出入国 在留管理庁の案内をご確認ください。行政書士に依頼する場合は、この手数料とは 別に報酬が必要となり、金額は依頼先によって幅があります。