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外国人の住居確保方法とは?企業ができる支援を解説

投稿日投稿日 2026.08.25
更新日更新日 2026.08.25
外国人の住居確保方法とは?企業ができる支援を解説
目次

外国人材の採用が決まったものの、住居確保の進め方が分からず困っていませんか。日本の賃貸契約には保証人・入居審査・言語といった外国人特有の壁があります。本記事では、その壁の正体と、社宅提供や保証会社活用など企業が取り組める具体的な住居確保方法をわかりやすく解説します。

外国人従業員の住居確保は企業サポートが必要不可欠

外国人従業員の住居確保は企業サポートが必要不可欠

外国人材の採用が決まり、入社日が近づいてきたら、次に取り組むべきは住居の確保です。実は、この住居確保こそ、人事担当者が最初にぶつかる大きな壁だといわれています。出入国在留管理庁の発表によると、令和7年末の在留外国人数は、412万5,395人(前年末比35万6,418人、9.5%増)で、過去最高を更新するとともに初めて400万人を超えたとのことです。今後も外国人材の受け入れは増え続けると見込まれ、住まいの確保に関するニーズはますます高まっていくでしょう。

しかし、外国人従業員が自力で部屋を借りようとすると、日本特有のさまざまな壁にぶつかってしまいます。連帯保証人が用意できない、入居審査に通らない、契約書の内容が理解できないなど、日本人であれば意識しないハードルが数多く存在するのです。こうした壁を放置してしまうと、内定辞退や早期離職につながるおそれもあります。

だからこそ、企業側が積極的に住居確保のサポートに関わることが欠かせません。社宅の提供や保証会社の紹介、不動産会社との連携など、企業ができることはいくつもあります。この記事では、外国人従業員の住居確保が難しい理由と、企業が取り組める具体的な方法を順番に見ていきましょう。

外国人が自力で部屋を借りるのが難しい3つの理由

外国人が自力で部屋を借りるのが難しい3つの理由

外国人従業員が日本で部屋を借りようとすると、保証人や言語、入居審査などで困難を感じやすいと言われています。ここでは代表的な3つの理由として、保証人・保証会社の審査、入居審査での国籍による判断、契約手続きにおける言語の壁を順に見ていきましょう。それぞれの背景を知ることが、企業サポートを考える第一歩になります。

保証人・保証会社の審査が通りにくい

日本の賃貸契約では、家賃滞納時に備えて連帯保証人を求められるケースが多くあります。しかし、来日して間もない外国人従業員には、日本国内に親族や知人がいないことがほとんどで、保証人を用意すること自体が難しいのが実情です。

保証会社を利用すれば連帯保証人は不要になりますが、審査では収入の安定性や在留期間の長さなどが厳しく見られます。実際、法務省の調査では外国人であることを理由に入居を断られた経験がある人と、日本人の保証人がいないことを理由に入居を断られた経験がある人は、それぞれ約4割だったと報告されています。この壁を放置すると、内定後の住居手配が難航し、入社そのものが遅れてしまうおそれもあるでしょう。

入居審査で国籍を理由に断られるケースがある

保証人の問題をクリアできても、大家さんや管理会社の入居審査で外国籍であることを理由に断られてしまうケースが少なくありません。法務省が実施した調査では、日本人の保証人がいないことを理由に入居を断られた」経験のある者は41.2%、「『外国人お断り』と書かれた物件を見たので、あきらめた」経験のある人は26.8%であったことが分かっています。

背景には、過去に外国人入居者とのトラブルを経験したオーナーの不安や、コミュニケーションへの漠然とした懸念があるようです。もっとも、国籍のみを理由にした入居拒否は、場合によっては人権上の問題となる可能性もあります。企業としては、こうした実態を理解したうえで、入居を受け入れやすい物件や不動産会社を選ぶサポートが求められます。

契約手続きや書類のやり取りに言語の壁がある

賃貸契約を結ぶ際には、重要事項説明書や契約書など専門用語の多い書類を確認する必要があります。これらの書類は日本語で作成されているのが一般的で、日本語に不慣れな外国人従業員にとっては大きな負担です。

日本賃貸住宅管理協会の調査でも、「日本語の契約書を日本語で説明してもらった」が42.3%を占めた。「日本語の契約書を母国語・英語(翻訳機を含む)で説明してもらった」と合わせると、計77.3%が日本語の契約書を用いた説明であり、母国語・英語の契約書で説明を受けたのは16.7%に留まるという結果が出ています。契約内容を十分理解しないまま契約してしまうと、後々のトラブルにつながりかねません。大家さんや管理会社側も、意思疎通への不安から入居に消極的になりがちです。

企業が外国人従業員の住居確保のためにできるサポート方法

企業が外国人従業員の住居確保のためにできるサポート方法

保証人・入居審査・言語という3つの壁を踏まえると、企業が住居確保に関与する意義がよく分かります。ここでは、社宅・寮の提供、企業による物件の借り上げ、外国人対応の保証会社の活用、実績豊富な不動産会社との連携という4つの方法を紹介します。自社の状況に合わせて選んでみてください。

社宅・寮を提供する

自社で保有する社宅や社員寮がある場合は、それをそのまま外国人従業員に提供するのが最もスムーズな方法です。賃貸契約の手続きが不要になるうえ、電気・ガス・水道などライフラインの契約も会社名義のままにできるため、日本語に不慣れな従業員でも安心して入居できます。

ただし、1号特定技能外国人など制度の対象者に住居を提供する場合には注意点があります。住居確保の支援「社宅や社員寮の提供」、「賃貸住宅の借り上げ支援」の場合において、企業は利益を得てはいけないと規定されています。家賃を徴収する際は、建設・改築費用や耐用年数などをもとにした合理的な金額にとどめ、相場より高い設定にならないよう気をつけましょう。

企業が物件を借り上げて従業員に提供する

自社に社宅や寮がない場合は、企業が賃貸物件を法人契約して従業員に貸し出す「借り上げ社宅」という方法が有効です。法人契約であれば、個人の信用力を審査する保証会社の審査を回避しやすくなり、外国人従業員個人が入居を断られる心配も少なくなります。

借り上げ社宅の場合、契約者は企業になるため、初期費用の負担についても整理が必要です。「受け入れ企業が住宅を借りて提供する」場合、1号特定技能外国人に対しては、契約で発生する敷金や礼金、保証料を本人に負担させることはできません。貸借人となる受け入れ機関(企業)が契約を結びますので、企業が支払いましょう。家賃相当額を給与から天引きする方法もありますが、通常の住宅手当と違って企業が契約主体になる点が大きな違いです。

外国人対応可能な保証会社を活用する

外国人従業員自身が賃貸契約を結ぶ場合には、外国語対応や外国人の入居審査実績が豊富な家賃債務保証会社を活用する方法があります。保証会社を利用すれば連帯保証人が不要になり、日本に身元保証人がいない従業員でも契約を進めやすくなるでしょう。

保証会社を選ぶ際は、国土交通省が公開している一覧を確認するのがおすすめです。外国人の言語対応サポートを行っている登録家賃債務保証業者一覧 事業者数:52(令和7年12月31日時点)となっており、対応言語や保証内容を比較して選べます。企業が保証料を一部負担する形で従業員の初期費用を軽くする配慮も、定着支援として効果的です。

外国人受け入れ実績のある不動産会社と連携する

外国人の入居に理解があり、多言語対応や豊富な取扱実績を持つ不動産会社と提携するのも有効な方法です。物件探しから内見の同行、契約手続きのサポートまで任せられるため、人事担当者の負担を大きく減らせます。

こうした不動産会社は、外国人お断りではない物件をあらかじめ把握していることが多く、入居拒否のリスクが低い物件へスムーズにたどり着けるのも魅力です。複数の外国人材を継続的に受け入れる予定がある企業ほど、信頼できる不動産会社とのパートナーシップを築いておくメリットは大きいでしょう。

住居サポートを行う際に企業が注意すべきポイント

住居サポートを行う際に企業が注意すべきポイント

社宅提供や借り上げなどの支援方法を実行する際は、法律で定められたルールを押さえておく必要があります。特に特定技能外国人など制度の対象者については、居室の広さの基準や、企業が住居提供で利益を得てはならないという原則があります。次から詳しく見ていきましょう。

部屋の広さなど最低限のルールを守る

1号特定技能外国人など制度の対象者に住居を提供する場合、出入国在留管理庁の運用要領により部屋の広さにも基準が設けられています。居室の広さは、一般的に我が国に相当数存在する居室の面積等を考慮し、1人当たり7.5㎡以上を満たすことが求められます。

複数人で1つの部屋をシェアする場合も例外ではありません。一つの部屋を複数人で共有するルームシェア形式をとる場合は、部屋全体の面積を住んでいる人数で割ったときに、一人あたり7.5平方メートル以上確保されている必要があります。なお、技能実習から特定技能へ移行する際に、それまで住んでいた社宅にそのまま住み続けたい場合など、一定の条件下では例外も認められています。物件を選ぶ際は、事前に面積を確認しておきましょう。

従業員から徴収できる居住費は賃料・管理費のみ——入居前家賃も企業負担

企業が社宅や借り上げ住居を1号特定技能外国人の従業員に提供する場合、従業員から徴収できるのは家賃と管理費に相当する金額に限られます。月額8万円の物件に2人の特定技能外国人を住まわせる場合、1人当たりの家賃は4万円以下でなければならず、それを上回る金額の徴収はできません。敷金や礼金、仲介手数料といった初期費用は、契約者である企業側が負担するのが原則です。

費用項目負担者
家賃・管理費企業が実費相当額の範囲内で従業員に請求可
敷金・礼金・仲介手数料・保証料企業が負担(従業員への請求は不可)

家賃に利益を上乗せして徴収することは認められていません。徴収額の内訳や計算根拠を明確にし、雇用契約書や給与明細に分かりやすく記載しておくことが、入居後のトラブル防止につながります。費用の透明性を保つことは、従業員との信頼関係を築くうえでも大切なポイントです。

まとめ

まとめ

外国人従業員の住居確保には、保証人が用意しにくいこと、国籍を理由に入居を断られること、契約時の言語の壁という3つのハードルがあります。これらを従業員任せにしてしまうと、入社辞退や早期離職につながりかねません。

だからこそ企業は、社宅・寮の提供、物件の借り上げ、保証会社や不動産会社との連携といった方法で積極的に住居確保をサポートすることが大切です。初めて外国人材を受け入れる企業も、本記事で紹介した方法を参考に、無理なく実行できる支援策から取り組んでみてはいかがでしょうか。

外国人 住居 確保 方法についてよくある質問

外国人 住居 確保 方法についてよくある質問

保証人が見つからない場合は、どうすればよいですか?

保証人が用意できない場合は、家賃債務保証会社を利用することで連帯保証人がいなくても契約を進めやすくなります。ただし、外国語対応の有無は会社ごとに異なるため、外国語対応を希望する場合は、国土交通省が公表している「外国人の言語対応サポートを行っている登録家賃債務保証業者一覧」などで個別に確認するとよいでしょう。

社宅を用意する場合、企業の費用負担はどれくらいになりますか?

自社所有の社宅であれば新たな初期費用がかからないことが多いですが、借り上げ社宅の場合は敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用に加え、毎月の家賃も発生します。物件の立地や広さによって金額は大きく変わるため、複数の不動産会社に相見積もりを取るとよいでしょう。

入居を拒否されてしまった場合、どう対応すればよいですか?

1つの物件で断られても諦めず、外国人の入居に理解のある不動産会社や、国土交通省の登録家賃債務保証業者一覧に掲載されている事業者と連携している物件を探してみましょう。こうした保証会社と連携することで入居しやすくなるケースもありますが、最終的な入居可否は家主等の判断によるため、必ず入居できるとは限らない点にも留意が必要です。あわせて自治体の国際交流協会に相談すると、入居しやすい物件の情報を得られる場合もあります。

住居支援を登録支援機関などに委託する場合、費用の相場はどれくらいですか?

登録支援機関への委託費用は各機関の料金設定や支援内容によって大きく異なり、公的に定められた全国的な相場があるわけではありません。特定技能外国人向けの住居確保支援を含む生活支援全般を委託する場合、事業者によっては外国人材1人あたり月額2万〜4万円程度の料金設定例も見られますが、あくまで一例であり、実際の金額は自社の体制や委託範囲に応じて個別に見積もりを取る必要があります。

外国人材の紹介から住居支援まで、まとめて依頼できますか?

人材紹介会社の中には、採用後の住居確保支援まで一貫してサポートしてくれるところがあります。人材紹介手数料は候補者の想定年収の一定割合を成功報酬として設定する料金体系が一般的で、一律の固定相場があるわけではありませんが、想定年収によっては30万〜50万円程度となる例もあります。住居支援サービスは別料金となるケースが多いため、依頼前に対応範囲と費用を確認しておくと安心です。

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