自社は対象?特定技能「製造業」の業務区分・産業分類リストと判定ガイド
「特定技能人材を採用したいけれど、自社の工場や作業内容が制度の対象になるのか分からない…」
「『産業分類』と『業務区分』の2つの条件を満たす必要があると聞いたが、見分け方が複雑で困っている」
「2026年から制度が拡大されると聞いたが、うちの会社も新しく対象になるのだろうか?」
人手不足解消のために外国人材の受け入れを検討する中で、このようなお悩みを抱える製造業の採用担当者様や経営者様は多いのではないでしょうか。公的機関の資料は専門用語が多く、自社に当てはめて判断するのは非常にハードルが高いのが実情です。
本記事では、特定技能「製造業(工業製品製造業分野)」における「自社が対象になるかの判定基準」を、初めての方でも理解できるようにわかりやすく解説します。
この記事を読めば、複雑な資料を読み解かなくても、自社で特定技能人材を受け入れられるかどうかがスムーズに判定できるようになります。
この記事のポイント
- 自社が対象か判定する「2つの基準」をわかりやすく解説
- 2026年制度拡大に伴う追加項目を含む対象となる全リストを網羅
- 対象判定や各種手続きを自社で行う際の注意点やリスクも把握できる
特定技能「製造業(工業製品製造業分野)」における対象判定の基本
特定技能「製造業(工業製品製造業分野)」とは?
特定技能「製造業(工業製品製造業分野)」は、深刻な人手不足に悩む日本の製造現場において、一定の専門知識や技能を持った外国人材を「即戦力」として直接雇用できる在留資格です。 最大のメリットは、メインの製造業務だけでなく、日本人が通常行っている関連業務(材料の運搬や清掃、前後工程の作業など)にも柔軟に従事できる点にあります。現場の実態に合わせた人員配置が可能になるため、多くの製造業者が活用を進めています。
製造業における特定技能制度の全体像や、採用要件・手続きの流れから知りたい方は以下の関連記事もあわせてご覧ください。
関連記事:特定技能「製造業(工業製品製造業)」とは?2026年の制度拡大と要件・注意点を解説
自社が対象かを見極める2つの基準「産業分類」、「業務区分」
特定技能人材の受け入れが可能かどうかは、会社のメイン事業(登記上の事業)ではなく、以下の2つの基準の組み合わせで判定します。

- 産業分類の基準(事業所・工場が対象か?)
外国人が実際に働く事業所(工場など)が、制度で定められた「日本標準産業分類」のいずれかに該当していること。 - 業務区分の基準(任せる作業が対象か?)
外国人が現場で実際に従事する作業内容が、制度で定められた「業務区分」のいずれかに該当していること。
つまり、「自社の工場が対象の業種に当てはまり(産業分類)、かつ、外国人に任せる仕事が対象の作業に当てはまる(業務区分)」という2つの条件が揃って初めて、特定技能人材の受け入れが可能になります。
自社の工場は該当する?「産業分類」全76分類リスト
対象判定の1つ目の基準となるのが、外国人が働く事業所(工場)の「産業分類」です。ここでは、判定の考え方と、2026年の法改正を反映した最新の産業分類リストを解説します。
産業分類は会社全体ではなく「事業所(工場)単位」で判定する
産業分類の判定で企業が最も迷いやすいのが、「会社のメイン事業(登記上の事業)で判断するのか?」という点です。 結論から言うと、会社全体ではなく、外国人が実際に働く「事業所(工場)単位」で判定します。
具体的には、その事業所において、直近1年間で対象となる産業分類に該当する「製造品出荷額等(製造品出荷額や加工賃収入額の合計)」が発生しているかが基準となります。 たとえば、会社のメイン事業が対象外の業種であっても、外国人が働く工場で対象となる製品を製造・出荷(または加工)していれば、受け入れの対象として認められる可能性があります。
2026年に追加された新たな産業分類
2026年6月の制度改正により、特定技能1号を受け入れ可能な事業所の産業分類は、これまでの49分類から76分類へと大幅に拡大します。 これまで「うちは対象外だ…」と諦めていた企業にとっても、外国人材を受け入れる絶好のチャンスとなります。
新たに対象となる主な業種には、以下のようなものがあります。
- 生コンクリート製造業
- 耐火レンガ(定形・不定形耐火物)製造業
- ゴム製品製造業
- 家具製造業
- プレハブ住宅製品(鉄骨系など)製造業
- 自動車・同附属品製造業
- 航空機・同附属品製造業
- 電線・ケーブル製造業
- かばん製造業
対象となる「産業分類(全76分類)」一覧はJAIM公式サイトでチェック!
このように対象範囲が大きく広がったことで、自社の工場が該当する可能性も高まっています。しかし、全76分類と項目が多岐にわたるため、自社単独で正確に判定するのは難しいケースもあります。
最新の「対象となる日本標準産業分類の全リスト」は、実務機関であるJAIM(一般社団法人工業製品製造技能人材機構)の公式サイトにてわかりやすく公開されています。自社の工場が対象になるか、まずは以下のページから確認してみましょう。
外国人にどんな作業を任せられる?「業務区分」全17区分
対象判定のもう1つの基準が、外国人が現場で実際に行う「業務区分(作業内容)」です。ここでは、業務区分の考え方と、2026年に追加された最新の区分リスト、そして実務上よくある疑問である「関連業務」について解説します。
業務区分は現場で実際に任せる「作業内容」
業務区分とは、特定技能外国人に任せる予定の具体的な「作業内容」のことです。 自社の工場が「産業分類」の基準を満たしていても、外国人に任せる仕事が対象外の作業であれば、特定技能として受け入れることはできません。
2026年6月の改正により、1号特定技能外国人が従事できる業務区分は、既存の10区分から新たに7区分(電線・ケーブル、プレハブ住宅、家具、耐火物、生コンクリート、ゴム製品、かばん)が追加され、 全17区分へと大幅に拡大 しました。
対象となる「業務区分(17区分)」と従事できる業務一覧
以下が、対象となる17の業務区分と、それぞれで実際に従事させることが認められている詳細な作業リストです。自社の現場で任せたい作業が含まれているか確認してみましょう。
▼機械金属加工
鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、鉄工、工場板金、アルミニウム圧延・押出製品製造、金属熱処理、仕上げ、機械検査、機械保全 など
▼電気電子機器組立て
普通旋盤、フライス盤、数値制御旋盤、マシニングセンタ、治工具仕上げ、金型仕上げ、機械組立仕上げ、機械検査、機械系保全、電子機器組立て、回転電機組立て、変圧器組立て、配電盤・制御盤組立て、開閉制御器具組立て、回転電機巻線製作、プリント配線板設計、プリント配線板製造、圧縮成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、手積み積層成形、工業包装、ビーズ法発泡スチロール成形、プラスチック成形材料製造、フィルム加工 など
▼金属表面処理
めっき、アルミニウム陽極酸化処理、バフ研磨
▼紙器・段ボール箱製造
印刷箱打抜き、印刷箱製箱、貼箱製造、段ボール箱製造
▼コンクリート製品製造
▼RPF製造
▼陶磁器製品製造
機械ろくろ成形、圧力鋳込み成形、パッド印刷、排泥鋳込み成形、タイル成形、衛生陶器成形
▼印刷・製本
オフセット印刷、グラビア印刷、製本
▼紡織製品製造
糸浸染、織物・ニット浸染、靴下製造、丸編みニット製造、織布運転(準備工程・製織工程・仕上工程)、たて編ニット生地製造、紡績運転(前紡工程・精紡工程・巻糸工程・合ねん糸工程)、織じゅうたん製造、タフテッドカーペット製造、ニードルパンチカーペット製造、製網、染色(捺染)
▼縫製
婦人子供既製服縫製、紳士既製服製造、寝具製作、帆布製品製造、ワイシャツ製造、下着類製造、自動車シート縫製、タオル製造、カーテン縫製
▼電線・ケーブル製造
▼プレハブ住宅製品製造
大工工事、タイル張り、普通旋盤、金属プレス、構造物鉄工、機械板金、建築塗装、金属塗装、噴霧塗装、手溶接、半自動溶接、コンクリート製品製造
▼家具製造
金属プレス、機械板金、家具手加工、圧縮成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、金属塗装、噴霧塗装、工業包装、手溶接、半自動溶接、家具組立て、マットレス製造、家具シート縫製
▼定形・不定形耐火物製造
定形耐火物製造、不定形耐火物製造
▼生コンクリート製造
▼ゴム製品製造
成形加工、押出し加工、混練り圧延加工、複合積層加工 など
▼ かばん製造
メイン業務だけでなく「関連業務」も対応可能!
製造業の企業様から非常によくいただくのが、「機械加工で採用した外国人に、手の空いた時間で材料の運搬や工場の掃除をやらせても良いのか?」という疑問です。
結論から言うと、特定技能では「関連業務」にも付随的に従事させることが認められています。 関連業務とは、その現場で日本人の従業員が通常行っているサポート作業のことで、具体的には以下のようなものが含まれます。
- 原材料や部品の調達、搬送作業
- 各業務の前後工程の作業
- 現場の清掃や片付け
技能実習制度とは異なり、「決まった作業しかやってはいけない」という厳格な縛りが少なく、日本人の従業員と同じように、現場の状況に合わせて柔軟に動いてもらえるのが特定技能「製造業」の最大の魅力です。
自己判断は危険?対象外業務をさせてしまう「不法就労」のリスク

ここまで、特定技能「製造業」の対象となる産業分類と業務区分について解説してきました。しかし、これらの制度要件を自社だけで独自に解釈し、見切り発車で採用を進めることには大きなリスクが伴います。
「関連業務」の拡大解釈による不法就労リスク
たとえば、「機械加工」で採用したにもかかわらず、実際には1日の大半を材料の運搬や工場の清掃ばかりさせているといった状態は、制度の趣旨から外れてしまいます。
万が一、対象外の業務ばかりをさせていたことが発覚した場合、企業側が「不法就労助長罪」に問われるリスクがあります。不法就労助長罪は、5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(またはその両方)が科せられる重い罪です。
自社の現場で任せたい作業割合が制度のルールに適合しているかどうかは、専門的な知見をもって慎重に判断する必要があります。
複雑な対象判定と、必須となる「JAIM」への加入手続き
さらに、特定技能「製造業」の受け入れハードルを高めているのが、「JAIM(一般社団法人工業製品製造技能人材機構)」への加入義務です。
工業製品製造業分野で特定技能外国人を受け入れる場合、外国人が働く事業所(工場)ごとにJAIMへの加入申請を行い、賛助会員になることが必須とされています。 そして、地方出入国在留管理局へ在留資格の申請を行う際には、このJAIMの加入者名簿に自社の事業所名が記載されていなければ、許可がおりません。
関連記事:特定技能「製造業」のJAIM・協議会とは?費用・タイミング・手続きを徹底解説
「自社の工場が本当に産業分類を満たしているか(直近1年の対象製品の出荷額等の証明など)」を的確に判定し、こうしたJAIMへの加入手続きや複雑な在留資格の申請を自社単独でミスなく進めるのは、多くの企業にとって大きな負担となります。
複雑な判定や手続きはプロ(FMS)に任せるのが安心!
「自社が対象になるか分からない」「複雑な手続きに割く時間がない」とお悩みの場合は、登録支援機関であるFMSにすべてお任せください。
人材ビジネスで40年以上の実績を持つFMSでは、自社が対象になるかの要件整理・判定から、煩雑なJAIM加入手続き、入管への在留資格申請までをワンストップで代行いたします。
もちろん、入社後に法令で義務付けられている「10項目の支援」や、母国語での生活相談、独自のEラーニングを用いた日本語教育といった定着支援もフルサポート。
採用決定まで費用ゼロの「完全成果報酬型」と「返金保証制度」を備えているため、はじめての特定技能人材の採用でも、ノーリスクで安心してスタートしていただけます。
元技能実習生を採用!JAIM加入など複雑な手続きを一括サポート
実際に、FMSのサポートを活用して即戦力人材の採用と煩雑な手続きを乗り越えた縫製分野の事例をご紹介します。
【事例:島根県出雲市の縫製会社様】
縫製分野における特定技能の受け入れは、JASTIの監査やJAIMへの加入など、他分野と比べても特に手続きのハードルが高いことで知られています。
こちらの企業様では、FMSの一括サポートを活用して複雑な手続きをスムーズに完了させ、過去に日本で5年間技能を磨いた「元技能実習生」を受け入れ、現場の即戦力確保に成功しました。はじめての受け入れのヒントとなるFMSの支援事例は、以下の記事からご覧いただけます。
支援事例:【繊維業】元技能実習生を特定技能として再雇用!縫製現場の即戦力確保を実現
特定技能「製造業」の業務区分・産業分類に関するよくある質問
特定技能人材の採用を検討する製造業の企業様から、よくいただくご質問にお答えします。
Q. 会社のメイン事業が製造業でなくても、特定技能人材を受け入れられますか?
A. はい、可能です。特定技能「製造業」の産業分類は、会社全体ではなく「外国人が働く事業所(工場)単位」で判定します。その事業所で直近1年間に対象となる製品の製造品出荷額等(加工賃収入額も含む)が発生していれば、受け入れ対象として認められる可能性があります。
自社が対象となるかご不明な場合は、FMSの無料相談にてお調べすることも可能ですので、お気軽にご相談下さい。
Q. 2026年に追加される業務区分(家具やゴム製品など)は、いつから受け入れが可能になりますか?
A. 2026年6月に改正告示が施行され、その分野の「製造分野特定技能評価試験」が実施された段階から在留資格の申請が可能になります。ただし、対象となる業務区分で技能実習2号を良好に修了した外国人材の場合は、試験が免除されるため、告示が施行された段階(6月以降)ですぐに申請が可能となる見込みです。
Q. 特定技能で採用した人材に、工場の清掃や材料の運搬だけを任せることはできますか?
A. いいえ、できません。特定技能では運搬や清掃などの「関連業務」に従事させることが認められていますが、これはあくまで「メインとなる業務区分(機械加工や組立てなど)」の作業に付随して行うことが前提です。大半の時間を関連業務ばかりに従事させると、不法就労となるリスクがあるため注意が必要です。
Q. 自社の作業が対象の「業務区分」に当てはまるか、判断に迷った場合はどうすればいいですか?
A. 産業分類や業務区分の細かな判定、さらには必須となるJAIM(協議会)への加入手続きなどは、自社単独で判断するには非常に複雑です。判断に迷った場合は、特定技能の実務に精通した登録支援機関の無料相談をご活用いただくのが最も確実で安全な方法です。FMSの無料相談にてお調べすることも可能ですので、お気軽にご相談下さい。
まとめ:2026年の制度拡大を機に、特定技能「製造業」の活用を!
2026年の制度拡大により、特定技能「製造業(工業製品製造業分野)」の対象となる産業分類と業務区分は大幅に広がります。これまで対象外だった企業にとっても、深刻な人手不足を解消する即戦力人材を獲得する大きなチャンスです。
自社の工場が76の「産業分類」に該当し、任せたい作業が17の「業務区分」に当てはまるか、本記事のリストを参考にまずはチェックしてみてください。メイン業務に付随する「関連業務」も任せられる特定技能人材は、製造現場の強力な戦力となるはずです。
「自社の工場でも採用できるか確認してほしい」という方は、ぜひ一度FMSの無料相談をご活用ください。