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日本の労働力不足を業種別に解説!現状と対策がすぐわかる

投稿日投稿日 2026.08.25
更新日更新日 2026.08.25
日本の労働力不足を業種別に解説!現状と対策がすぐわかる
目次

「求人を出しても応募が来ない」「欠員が埋まらないまま現場が回っている」——そんな悩みを抱える経営者や人事担当者は少なくありません。日本の労働力不足は業種によって深刻度も原因も異なり、正しく理解することが対策の第一歩になります。本記事では公的統計データをもとに、業種別の人手不足の現状と背景、2030年・2040年の将来予測、そして経営リスクへの備え方までをわかりやすく整理しました。

日本の労働力不足は今どれくらい深刻か?業種別の現状まとめ

日本の労働力不足は今どれくらい深刻か?業種別の現状まとめ

まずは日本全体の人手不足がどの程度深刻なのか、公的データから確認しましょう。帝国データバンクの調査を見ると、人手不足を感じる企業割合は高水準で推移しており、一時的な現象ではなく高止まりの状態が続いていることがわかります。

現在の労働力不足をあらわす数字

帝国データバンクの調査によると、2025年10月時点で正社員の人手不足を感じている企業の割合は51.6%、非正社員では28.3%にのぼります。正社員の人手不足を感じている企業の割合は、2025年10月時点で51.6%、非正社員では28.3%となった。業種別では「建設」など8業種が6割を上回った状態です。また人手不足は、深刻な「高止まり」状態が続いていると分析されており、2025年10月時点で正社員不足の割合は10月としては4年連続で半数を超えているという結果でした。

さらに深刻なのが倒産の増加です。2025年の人手不足倒産は427件となり、3年連続で過去最多を更新したほか、2025年度の人手不足倒産は前年度比約1.3倍の441件となり、過去最多を更新したと報告されています。人手不足はもはや「感覚」ではなく、企業の存続を左右する経営課題になりつつあるといえるでしょう。

人手不足が特に深刻な業種はどこか

正社員の人手不足割合を業種別に見ると、建設・情報サービス・運輸・メンテナンス警備検査などが上位に並びます。2025年10月の調査では業種別では「建設」など8業種が6割を上回ったことが報告されており、なかでも建設業は正社員の人手不足を感じている企業は、建設業で68.9%、道路貨物運送業で72.2%となり全業種(51.4%)を大きく上回っているという結果もあります。

一方、非正社員では旅館・ホテルや飲食店、人材派遣・紹介などのサービス業が上位です。2025年10月の調査では非正社員では「旅館・ホテル」をはじめ全51業種で6割を下回ったとされ、労働集約型のサービス業ほど非正社員の確保に苦労している様子がうかがえます。次の章では、こうした業種格差がなぜ生まれるのか、その背景を掘り下げていきましょう。

なぜ日本でここまで人手不足が進んでいるのか

なぜ日本でここまで人手不足が進んでいるのか

人手不足の背景には、日本社会全体に共通する構造的な要因と、業種ごとに事情が異なる個別的な要因の両方があります。ここでは大きな2つの視点から、その原因を整理してみましょう。

少子高齢化による働き手の絶対数の減少

人手不足の最も根本的な原因は、少子高齢化による生産年齢人口(15〜64歳)の減少です。国土交通省の資料によると、我が国の生産年齢人口は、1995年の8,726万人(総人口比69.5%)をピークに減少に転じており、2023年10月時点では7,395万人(同比59.5%)に減少している状況です。

この減少はさらに加速すると見込まれています。国立社会保障・人口問題研究所の推計をもとにした試算では、2025年の生産年齢人口が7,170万人なのに対して、2040年の同人口は5978万人と、約1200万人も減少するとされています。働き手そのものの母数が縮小していく以上、どの業種であっても採用が難しくなるのは避けられない構造といえるでしょう。

業種ごとの需要拡大と人材供給のズレ

人口減少という共通要因に加え、業種によっては需要そのものが伸びているため、需給ギャップがより深刻化しています。リクルートワークス研究所は、日本社会が高齢人口が増え続け、労働の担い手となる現役世代の割合が不足することによって日本社会が生活を維持するために必要な労働力を供給できなくなる「労働供給制約社会」に向かっていると警鐘を鳴らしています。

特に介護や物流、建設など生活を支えるサービスは需要が横ばいか増加傾向にある一方、供給の担い手は減少の一途をたどっています。労働供給制約社会において最も懸念されるのは、「生活維持サービス」である。物流や建設・土木、介護・福祉、接客などの職種は既に需給ギャップが顕在化しており、著しい人手不足に陥っているとの指摘もあり、次の章で業種ごとの実態を詳しく見ていきます。

【業種別】人手不足の深刻度と主な原因

【業種別】人手不足の深刻度と主な原因

ここからは介護・建設・飲食・農業・製造の5業種について、深刻度と原因を具体的に見ていきます。いずれの業種にも高齢化や需要拡大、離職率の高さといった共通の論点がありながら、業種特有の事情も絡み合っています。

介護・福祉:高齢化で需要が増える一方、担い手が足りない

介護業界は日本の労働力不足のなかでも特に象徴的な業種です。厚生労働省が公表した第9期介護保険事業計画に基づく推計では、2026年度には約240万人(+約25万人(6.3万人/年))、2040年度には約272万人(+約57万人(3.2万人/年))となったとされ、2022年度の約215万人から大幅な増員が必要になります。

高齢者人口の増加によって介護需要は今後も伸び続ける一方、担い手となる現役世代は減少していくため、需給のギャップはますます広がる見通しです。国はこうした状況に対応するため、介護職員の処遇改善、多様な人材の確保・育成、離職防止・定着促進・生産性向上、介護職の魅力向上、外国人材の受入環境整備など総合的な介護人材確保対策に取り組むとしており、外国人材の活用も重要な選択肢として位置づけられています。

建設業:高齢化と若者離れの「二重苦」

建設業は高齢化と若手不足という「二重苦」に直面している業種です。国土交通省の資料によると、2024年における55歳以上の割合は、全産業の32.4%と比較して、建設業36.7%、運輸業33.9%と高く、29歳以下の割合は、全産業の16.9%と比較して、建設業11.7%、運輸業11.0%と低く推移しており、高齢化がより深刻化している状況です。

加えて建設投資額は回復傾向にあり、需要が増えても供給が追いつかない需給ギャップが生じています。帝国データバンクの調査でも正社員の人手不足を感じている企業は、建設業で68.9%にのぼり、人手不足倒産でも建設業が112件にのぼり、全体の25.4%を占めたと報告されるなど、深刻な状況が続いています。若年層の早期離職率の高さも、技術継承を難しくする要因のひとつです。

飲食・宿泊:離職率の高さが慢性的な人手不足を生んでいる

飲食・宿泊業は、離職率の高さが人手不足を慢性化させている代表的な業種です。厚生労働省の新規学卒者離職状況調査では、産業は高校卒、大学卒ともに「宿泊業、飲食サービス業」で、高校卒は62.6%と6割台、大学卒は51.4%と5割台に及ぶという結果が示されています。

低賃金や長時間労働、不規則な勤務時間などが早期離職の背景にあるとされ、せっかく採用しても定着しないという悪循環が続きやすいのが特徴です。近年はDXやスポットワークの普及により非正社員の人手不足感はやや改善傾向にあるものの、「旅館・ホテル」をはじめ全51業種で6割を下回ったとはいえ依然として高い水準にあり、根本的な離職率改善への取り組みが求められています。

農業:担い手の高齢化と後継者不足

農業分野では、担い手の減少と高齢化が長年にわたり深刻な課題となっています。農林水産省の白書によると、基幹的農業従事者数は、令和6(2024)年は111万4千⼈にまで減少しています。このうち49歳以下の基幹的農業従事者数は12万5千⼈と全体の11.2%を占めている⼀⽅、65歳以上は79万9千⼈と全体の71.7%を占めています。また、令和6(2024)年の基幹的農業従事者の平均年齢は69.2歳となっており、⾼齢化が進⾏していますという状況です。

基幹的農業従事者数は2000年の約240万人からおよそ半減しており、後継者不足に加えて収入の不安定さや重労働といった農業特有の事情も、新規就農のハードルを高くしています。地域によっては耕作放棄地の拡大にもつながっており、食料安全保障の観点からも対策が急がれる分野です。

製造業:技能継承が追いつかない現場の実態

製造業の人手不足は、単なる人数の不足だけでなく「技能の断絶」という質的な問題も抱えています。長年現場を支えてきたベテラン技能者の高齢化・退職が進む一方で、若手人材の確保が難しく、後継者へのノウハウの引き継ぎが追いついていないのが実情です。

とりわけ、マニュアル化されていない暗黙知的な技術やノウハウは、そばで見て覚える形式で継承されてきたため、指導役の退職とともに失われるリスクがあります。実際、帝国データバンクの調査では、人手不足を原因とした「従業員退職型」倒産のうち「製造業」(21件)は、初めて20件を超えて過去最多となったと報告されており、深刻さがうかがえます。近年はDXやIoTを活用して熟練者の技術を見える化し、若手への継承を効率化する動きも広がりつつあります。

2030年・2040年の人手不足予測:将来リスクをデータで見る

2030年・2040年の人手不足予測:将来リスクをデータで見る

現状の人手不足は、今後さらに拡大していくと予測されています。ここではリクルートワークス研究所などの将来推計をもとに、業種別の見通しと、経営に与えるリスクについて整理します。

業種別に見る将来の労働力不足の見通し

リクルートワークス研究所の試算によれば、日本全体で2030年には約341万人、さらに2040年には約1,100万人の労働供給不足が発生すると予測されています。職種別に見ると、2040年時点の不足率は「輸送・機械運転・運搬」職種である。既に人材の大きな不足が顕在化している職種であるが、2030年に37.9万人、2040年には99.8万人の労働供給不足に達することが推定される。2040年の労働需要(413.2万人)に対する不足率は24.2%に達しという深刻な水準です。

建設職種でも2030年に22.3万人、2040年に65.7万人の労働供給不足が推定される。2040年の労働需要(298.9万人)に対する不足率は22.0%であるとされ、介護サービス職種は2030年に21.0万人、2040年に58.0万人の供給不足が見込まれる。2040年の労働需要(229.7万人)に対する不足率は25.3%であり、8つの職種の中でも特に高い不足率になると見込まれています。介護・建設・物流はいずれも今後さらに厳しい状況に直面する可能性が高い業種といえるでしょう。

人手不足が経営に与えるリスクとは

人手不足を放置すると、経営に直結するさまざまなリスクが顕在化します。まず挙げられるのが倒産リスクです。帝国データバンクの調査では、2025年の人手不足倒産は427件となり、3年連続で過去最多を更新したほか、従業員の退職を直接の原因とする倒産も124件となった。前年(90件)から34件・37.8%増加し、初めて年間100件を超えるなど集計可能な2013年以降で最多を更新したと報告されています。

そのほかにも、受注機会の喪失や生産性の低下、技能継承の断絶といったリスクが考えられます。「人手不足」をあげた企業が44.5%、今後の景気回復に必要な政策として「人手不足の解消」をあげた企業が37.0%にのぼるという調査結果からも、多くの企業が人手不足を経営上の重要課題と捉えていることがわかります。こうしたリスクへの備えとして注目されているのが、次章で紹介する外国人採用という選択肢です。

人手不足への対策として外国人採用が注目される理由

人手不足への対策として外国人採用が注目される理由

業種別に深刻度と原因を見てきましたが、いずれの業種にも共通するのは「国内の労働力だけでは担い手を確保しきれない」という現実です。こうした状況を受けて、外国人採用は人手不足対策の有力な選択肢として存在感を増しています。

厚生労働省の発表によると、令和7年10月末時点の外国人労働者数は2,571,037人となりました。特に在留資格別では、特定技能をはじめとする専門的・技術的分野の在留資格が伸びているとされ、介護・建設・農業・外食業など、特定技能制度の対象分野は人手不足が深刻な業種と重なる傾向があります。

外国人採用には、在留資格の確認や生活サポート、日本語教育など特有の対応が求められます。特定技能制度を利用する場合は登録支援機関へ支援業務を委託するケースも多く、その委託費用は外国人1人あたり月額数万円程度かかる例が見られます。また、人材紹介を通じて外国人材を採用する場合の紹介手数料は、採用者の年収に応じて設定されるケースが多く、数十万円程度かかる例もあるようです。

こうした費用や制度の複雑さから「自社だけで対応できるのか不安」と感じる経営者も少なくありません。だからこそ、外国人採用の実務に精通した支援サービスを活用し、募集要項の適正な明示や在留資格に応じた対応を含めて、着実に採用を進めていく体制づくりが重要になります。

まとめ

まとめ

日本の労働力不足は、介護・建設・飲食・農業・製造など業種ごとに深刻度や原因が異なりながらも、少子高齢化という共通の構造的要因を背景に、今後さらに拡大していくと予測されています。帝国データバンクの調査では人手不足の「高止まり」が続いており、2030年・2040年に向けてはリクルートワークス研究所の試算でも供給不足が加速する見通しです。

自社の業種がどの程度のリスクにさらされているかを把握したうえで、生産性向上の取り組みとあわせて、外国人採用など新たな担い手の確保策を早めに検討していくことが、これからの経営には欠かせません。まずは自社の状況を整理するところから始めてみましょう。

日本 労働力不足 業種別 現状についてよくある質問

日本 労働力不足 業種別 現状についてよくある質問

日本で最も人手不足が深刻な業種はどこですか?

帝国データバンクの調査では、正社員の人手不足割合は建設・情報サービス・運輸などの業種で高い水準にあります。非正社員では旅館・ホテルや飲食店、人材派遣・紹介業などが上位です。業種によって深刻度の中身が異なるため、自社の状況と照らし合わせて確認することが大切です。

2030年・2040年に人手不足はどれくらい深刻になりますか?

リクルートワークス研究所の試算によると、2030年に約341万人、2040年には約1,100万人の労働供給不足が発生すると予測されています。特に介護サービスや輸送、建設分野では2040年時点で不足率が2割を超える見通しです。

なぜ介護や建設は特に人手不足が深刻なのですか?

介護は高齢化に伴う需要増加に供給が追いつかず、建設は就業者の高齢化と若年層の入職の少なさが同時に進んでいるためです。いずれも人口動態という構造的な要因が背景にあります。

人手不足を放置すると経営にどんなリスクがありますか?

受注機会の喪失や生産性の低下、技能継承の断絶に加えて、人手不足を原因とした倒産のリスクも高まります。実際に人手不足倒産の件数は近年、過去最多を更新し続けています。

外国人採用は自社でも導入できますか?

特定技能や技能実習、2027年4月1日よりスタートする育成就労制度などを活用すれば、中小企業でも外国人材の採用は可能です。ただし在留資格の確認や生活支援など特有の実務が必要になるため、外国人採用支援サービスなど専門家のサポートを受けながら進めることをおすすめします。

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