特定技能1号2号の違いとは?採用前に納得できる比較ガイド
求人票や制度資料で「特定技能1号」「特定技能2号」という表記を見て、何が違うのか迷ったことはありませんか。在留期間や家族帯同の可否、対象分野など、両者には採用計画に直結する重要な違いがあります。この記事では、特定技能1号と2号の違いを比較表とやさしい言葉で整理し、外国人材の採用を検討する企業さまや、就労・転職を考える外国人本人の疑問にお答えしていきます。
特定技能1号と2号の違いを一覧で比較

特定技能1号と2号は、同じ「特定技能」という在留資格でありながら、在留期間や家族帯同の可否、対象分野、求められる技能水準、企業の支援義務など多くの点で違いがあります。まずは結論を比較表でご紹介し、詳しい内容は後の見出しでじっくり解説していきますね。なお、対象分野は制度改正によって追加・再編が行われているため、最新の情報は出入国在留管理庁の公表資料をご確認ください。
比較表:1号と2号の主な違い
特定技能1号と2号の違いを、採用担当者が押さえておきたい6つの軸で比較表にまとめました。専門用語をなるべく使わず、ぱっと見て分かる表現にしていますので、まずは全体像をつかんでみてください。
| 比較項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 通算5年が上限 | 上限なし(更新を続ければ長期滞在が可能) |
| 家族帯同 | 原則不可 | 要件を満たせば配偶者・子の帯同が可能 |
| 対応分野数 | 19分野(2026年時点、一部は準備中) | 11分野(介護など5分野は対象外) |
| 技能水準 | 相当程度の知識・経験 | 熟練した技能 |
| 日本語試験 | 必須(N4以上またはJFT-Basic) | 原則不要(一部分野はN3以上が必要) |
| 支援義務 | 支援計画の作成・実施が必須 | 支援計画の義務なし |
それぞれの違いが採用計画にどう影響するのか、次の章から順番に見ていきましょう。
そもそも特定技能とは?1号・2号の基本をおさらい

特定技能制度は、2019年に人手不足が深刻な産業分野で外国人材を受け入れるために創設された在留資格です。この制度の中に「1号」と「2号」という2つの区分があり、まずはそれぞれの基本を確認していきましょう。
特定技能1号とは
特定技能1号は、特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。いわば「現場ですぐに働ける即戦力人材」向けの区分といえます。対象分野は2026年時点で19分野まで広がっており、多くの企業が外国人材受け入れの入り口として活用しています。在留期間は通算5年が上限と決まっており、受け入れ企業には職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援の実施に関する計画を作成し、当該計画に基づき支援を行わなければならないという義務があります。
特定技能2号とは
一方、特定技能2号は、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。1号よりも一段レベルの高い、現場のリーダーや管理者に近い役割を担う人材向けの区分といえます。対象分野は1号より絞られており、2026年現在は11分野にとどまっています。しかし在留期間の上限がなく、更新を続ければ長く働き続けられる点が大きな特徴です。
採用前に知っておきたい!1号と2号の5つの違い

ここからは、企業が採用計画を立てる際に特に押さえておきたい5つの違いを詳しく見ていきます。在留期間・家族帯同・必要な技能レベル・日本語試験・企業の支援義務という5つの視点から、順番に確認していきましょう。
①在留期間:2号は上限なく働き続けられる
特定技能1号の在留期間は通算5年が上限と定められており、更新を重ねてもそれ以上は延長できません。在留期間の違いは、特定技能1号は通算(上限)が5年間に対して、特定技能2号は更新をし続ければ上限なく日本に在留が可能な点です。企業にとっては、2号人材を育成できれば長期雇用や次世代リーダーの育成計画が立てやすくなるのが嬉しいポイントですね。腰を据えて長く働いてもらいたい職種ほど、2号を見据えた採用戦略が重要になってきます。
②家族帯同:2号は家族を日本に呼べる
特定技能1号では、原則として配偶者や子どもを日本に呼び寄せることはできず、単身での就労が基本となります。それに対して特定技能2号では、条件を満たせば家族を呼び寄せることが可能です。配偶者や子どもと一緒に暮らせる環境は、外国人材本人の生活の安定につながり、結果として職場への定着率アップにも良い影響を与えてくれそうです。従業員の長期定着を目指す企業にとっては見逃せないポイントといえます。
③必要なスキルレベル:2号はより高い技能が求められる
特定技能1号に求められるのは「相当程度の知識・経験」、つまり指示を受けながら現場の作業を一人でこなせるレベルの技能です。一方、特定技能2号では「熟練した技能」が求められ、現場のリーダー、複数の作業員を指導できるレベルが期待されます。例えるなら、1号は現場で手を動かす選手、2号は選手をまとめる監督のような立ち位置といえるでしょう。
④日本語試験は免除されるが、実際の業務レベルは1号より上を求められる
特定技能1号を取得するには、日本語能力試験(N4以上)またはJFT-Basicへの合格が必須です。一方、特定技能2号では漁業と飲食分野では日本語能力試験N3以上が必要ですが、他分野においては日本語能力の試験は不要です。ただし試験が免除されるからといって、日本語力が不要というわけではありません。2号の技能評価試験は日本語で出題されるため、実務で通用する高い日本語力が求められる点には注意しておきましょう。
⑤企業によるサポート義務:2号は支援計画が不要
特定技能1号を受け入れる企業には、支援の実施に関する計画を作成し、当該計画に基づき支援を行わなければならないという義務があります。これに対して特定技能2号には、この支援計画の作成義務がありません。支援業務は登録支援機関に委託することもでき、委託費用は外国人1人あたり月額2万円から4万円程度が相場とされています。2号人材であればこうしたコストがかからない分、企業の負担は軽くなりますね。
特定技能2号への移行条件と手続きの流れ

特定技能1号から2号へのステップアップは、外国人材本人のキャリアアップだけでなく、企業の長期的な人材確保にもつながります。ここでは移行に必要な条件と、実際の手続きの流れを順番に解説していきます。
移行に必要な2つの条件
特定技能2号へ移行するには、大きく分けて2つの条件を満たす必要があります。各分野の「特定技能2号評価試験」に合格すること、分野ごとに定められた「実務経験」を満たすことが共通の条件です。実務経験については、単に作業年数を積むだけでなく、現場で班長や店舗運営に携わるなど管理者としての経験を有することが重視される分野が多くなっています。必要な試験や実務経験の年数は分野ごとに異なるため、事前に自社が該当する分野の要件を確認しておくことが大切です。
移行までのステップ
実際に1号から2号へ移行するまでの流れは、次のようなステップで進みます。
要件確認(対象分野の2号移行条件をチェック)→試験等の受験・合格(分野ごとに指定された2号評価試験、技能検定1級等)→企業の受入れ体制確認(労働条件や配置の見直し)→必要書類準備(在留資格変更許可申請書など)→出入国在留管理庁への申請→審査・許可
書類は日本語での作成が求められるものも多く、記入内容に不備があると審査が長引いてしまうこともあります。企業と本人が早めに準備を進め、余裕を持ったスケジュールで手続きすることをおすすめします。
採用担当者が判断に迷いやすいポイントQ&

特定技能1号と2号の違いが分かっても、実際の採用場面では判断に迷う場面が出てきます。ここでは人事担当者からよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。
- Q. 1号と2号、どちらを採用すべきですか?
A. 短期的な人手不足の解消が目的であれば1号からのスタートが基本です。長期的な人材確保や現場リーダーの育成を見据えるなら、1号採用の段階から2号への移行を前提としたキャリアパスを描いておくと安心です。なお、外部の人材紹介サービスを利用する場合は紹介手数料が発生するため、サービス内容や条件を確認したうえで採用予算にもあらかじめ組み込んでおきましょう。
- Q. 自社の分野に2号がない場合はどうすればよいですか?
A. 介護分野のように2号が設けられていない、あるいは新設分野でまだ2号の枠組みが整っていない場合は、1号の在留期間中に他の在留資格への変更が可能かどうかを確認しておく必要があります。
- Q. 特定技能人材が転職する場合の扱いはどうなりますか?
A.原則として同じ業務区分内で転職できますが、新しい受入れ機関で働く前に在留資格変更許可を受ける必要があります。
まとめ

特定技能1号と2号の違いは、在留期間・家族帯同・対象分野・技能水準・支援義務という5つの軸に集約されます。1号は5年上限で家族帯同が原則不可な即戦力人材向け、2号は上限なく家族帯同も可能な熟練人材向けの区分です。自社が短期的な人手不足解消を目指すのか、長期的な人材育成を見据えるのかによって、採用すべき区分や2号移行を意識した育成計画は変わってきます。外国人採用の進め方に迷ったときは、専門の外国人採用支援サービスへの相談も検討してみてください。
特定技能1号2号の違いについてよくある質問
最後に、特定技能1号と2号の違いについて読者からよく寄せられる質問をまとめました。
Q. 特定技能1号のまま働き続けることはできますか?
A. できません。特定技能1号は在留期間が通算5年までと決まっているため、それ以降も日本で働き続けたい場合は、特定技能2号への移行や別の在留資格への変更を検討する必要があります。
Q. 2号がない分野はどうなりますか?
A. 介護分野は在留資格「介護」への移行ルートがあるため2号の対象外となっており、自動車運送業・鉄道・林業・木材産業といった新しい分野についても、2026年時点ではまだ2号の区分が設けられていません。今後の制度改正で対象が広がる可能性はありますが、最新情報は出入国在留管理庁の公式サイトで確認しましょう。
Q. 家族帯同できる家族の範囲を教えてください。
A. 特定技能2号で帯同が認められるのは、法律上の婚姻関係にある配偶者と子どもに限られます。内縁関係やパートナーシップなどは対象に含まれません。
Q. 特定技能1号の人は全員2号に移行できますか?
A. いいえ、全員が移行できるわけではありません。分野ごとの2号技能評価試験への合格と、管理・監督業務などの実務経験を満たした人だけが移行対象となります。
Q. 特定技能人材は転職できますか?
A. はい、可能です。原則として同じ業務区分内で転職できますが、受入れ機関の変更に伴う在留資格変更許可が必要です。