店舗ラウンダー・店舗巡回のFMS field markting system 株式会社フィールドマーケティングシステムズ
フィールドプロモーション
2017.04.21

第三回:ブランドスイッチが起こりやすい最寄品にロイヤルカスタマーを!ID-POSを活用した売り方提案

第三回:ブランドスイッチが起こりやすい最寄品にロイヤルカスタマーを!ID-POSを活用した売り方提案

今回は、購入頻度は高いが、ブランドスイッチが起こりやすい商品について、どのようなプロモーションの工夫ができるのかを紹介します。

目次
量販店ラウンダーサービス案内資料
株式会社フィールドマーケティングシステムズの量販店ラウンダーサービス案内資料をPDFでご用意いた…

株式会社 True Data (旧:カスタマー・コミュニケーションズ株式会社):2000年設立。ドラッグストア、スーパーマーケットなどの購買ビッグデータ分析サービスを展開。合計約20,000店舗、延べ5,000万人規模のID付き購買情報(ID-POSデータ)をもとに全国購買データベース「TRUE DATA」を設計・運用し、小売り、メーカー企業の課題解決をサポートしています。

株式会社フィールドマーケティングシステムズ:メーカーに代わり、小売店の売り場管理を請け負う企業として1982年に設立。売りに直結する理想の売り場づくりのプロ集団として、売り場での効果的な商品露出や陳列などのプロモーション活動を提案。「売り場」から「買い場」という視点に切り替え、購買につながる施策をご支援しております。

小林 : 前回、「購入率は低いものの、リピート率が高い商品」について、ID-POSを活用してどのように売上につなげていくのかをお話してきました。
日常的によく使われ購入頻度の高い、いわゆる「最寄品」と呼ばれる商品は、こだわりを持つ人が少ないため、特売価格でのチラシ掲載といった価格訴求や、店頭で山積み陳列をして露出を高めるというプロモーション施策をよく目にします。

購入頻度が高くブランドスイッチが起こりやすい商品の売上を上げるためにはどのようなプロモーション方法が効果的なのでしょうか?

船越 : そのためにはまず、「購入頻度が高いがブランドスイッチが起こりやすいカテゴリ」というのはどこなのかをID-POSを使ってみていきましょう。
日用品カテゴリを中心に、来店内購買回数比率(=購入頻度)が上位のカテゴリを抽出し、売上上位20SKUの平均リピート率加えて一覧化したものが表1、プロットしたものが図2です。

リピート率が低く、購入頻度が高いのは、右下の象限「ア」に該当するカテゴリとなります。この中でも特に低いのが赤枠内の歯磨き粉や歯ブラシのカテゴリです。ただ、購入頻度が高くブランドスイッチしやすいということは見方を変えると、他社ブランドから顧客を奪える可能性が高いカテゴリであるとも言えます

表1

図2 横軸:リピート率/縦軸:購入頻度

小林 : 他社からブランドスイッチさせるために、特売を実施しチラシや店頭で露出を増やすことで売上を上げるプロモーション施策が一般的ですが、特売期間が終わると特売前の売上実績に戻ってしまうという課題があります。

船越 : おっしゃる通りです。そのことは歯磨き粉の販売個数データを見ると一目瞭然です。売価が低いときは売上が上がり、売価が上がると売上は下がります(図3)。その繰り返しですね。

図3

小林 : このような一時的なプロモーションから脱却し、「高購入率×低リピート率」カテゴリの商品でもロイヤルカスタマーを作ることがメーカー様にとって何よりも重要なことだと思います。

船越 : その通りです。では、ID-POSで歯磨き粉のブランドごとのデータを見ていきましょう。今までのプロモーションの常識にとらわれない、ロイヤルカスタマーをつくるための施策を行うためのヒントが見えてきます。

船越 : 歯磨き粉のブランドごとに価格帯とリピート率をまとめました(図4)。

図4 横軸:リピート率/縦軸:価格帯

歯磨き粉の中でも高リピート率の商品があることがわかります(AB)。

カテゴリ全体としては購入頻度が高くリピート率が低いため、買い物客はなんでも良いと思っているとイメージしてしまいがちですが、実は繰り返し購入される「優等生」の商品もあり、しっかりと価値を訴求すればリピート商品となる可能性を持っていることがわかります。

高リピート商品と低リピート商品は何が違うのでしょうか?表の赤枠に注目してください。ちょうど同じ価格帯であるにもかかわらず、リピート率に10%もの差があります。この二つの商品のうち、リピート率が高いものを「A」、低い商品を「B」として掘り下げていきます。

ID-POSからA、Bの商品の年代別の購入率・リピート率のデータを抽出しました。
リピート率の高いAは、リピートしている年齢層の購入率が高く、逆にBはリピートをしている年齢層の購入率が低いことがわかります。つまり、Aは買いやすい人と買い続ける人が同じであり、Bは買いやすい人と買い続けている人が違うのです

図5 横軸:リピート率/縦軸:購入率

小林 : では、Bのリピート率を上げるためにはどうすればよいのでしょうか?そのヒントを探るため、実際の売り場を見てみました。

ターゲットが間違っていない場合はきちんと商品の価値が伝えられていない可能性がありますし、そもそも商品の価値に対して訴求するターゲットが違うことも考えられます。

売り場を見てみると、BはID-POSで見る購入率のデータの通り、30代女性向けのパッケージや、30代女性に人気があることがPOPで訴求されていました(図6)。主ターゲットである30代女性にダイレクトでアプローチできていることが購入率を高めているのだと推測できます。しかし、商品の価値に関する訴求は特にされていなかったため、イメージで商品を購入するも、実際に使用したときに得られた価値(効果)にギャップがあった可能性が考えられます

一方Aは、どんな課題を持つ人にむけた商品であるかがPOPで具体的に説明されていました(図7)。つまりAは買う前と後で、消費者の商品価値に対する認識のギャップが少ないのです。商品がリピート買いされない要因は複数あるかと思いますが、販促物等で商品の価値を訴求し、「消費者の期待する価値」と「使用したときに得られた価値」のギャップを埋めることが離脱を防ぐ1つの策となるでしょう

図6 商品Bの売り場

図7 商品Aの売り場

ブランドスイッチが起こりやすい歯磨き粉も、買い物客の課題に合わせた売り場作りを行うことで、価格や露出のみに頼らないプロモーションも可能になると考えます。例えば、歯の課題別に商品展開を行い、自社商品がその課題を解決するというPOPをつける棚を小売側に提案することもできます。

価格訴求による一時的なプロモーションを繰り返し行っていくのか、それとも一度買ってしまえば繰り返し買ってもらえる商品にするのか、メーカー様にとって最重要事項だと思います。

船越 : 課題について提案する際に、ID-POSを活用したデータから得られる仮説を基に、買い物客に売れる提案をすれば小売側からも喜ばれますし、自社が優位に立てるポイントにもなります。

小林 : 固定概念で売り場を作るのではなく、データに基づいた事実から仮説を立てて買い場を作ることが重要なんですね。
店舗周辺の商圏によって来店客層も異なりますので、どの課題解決に注力(売り場で目につき、より大きく展開)するかは商圏別に変えたほうが、小売側からも喜ばれる提案になるでしょう。

※本コンテンツ内に使用しているID-POSデータは、株式会社 True Data (旧:カスタマー・コミュニケーションズ株式会社)(https://www.truedata.co.jp/greeting/)より提供いただいています。全国のスーパーマーケット、ドラッグストアのカード会員約5,000万人の購買履歴データより算出しています。

ダウンロードアイコン
価格表やサービス詳細資料を配布中
お役立ち資料を
無料ダウンロード
キャンペーン申し込みアイコン
お得なキャンペーンを定期的に実施中
キャンペーン・セミナー
申し込み
無料見積もり・問い合わせ
CONTACT
無料見積もり・問い合わせ

ラウンダー導入や、営業力強化・効率化に
お悩みの方は、お気軽にご相談ください