ラウンダーは1日何件回れる?訪問件数・滞在時間・面談率が変わる要因を解説
ラウンダーの導入を検討する際に、よく聞かれるのが「1日あたり何件回れるのか」という点です。訪問件数は、活動量や費用感をイメージしやすい指標ですが、実際には案件ごとに大きく変わります。
同じ「店舗巡回」でも、1日に訪問できる件数は一律ではありません。活動時間が同じでも、売り場確認や販促物設置が中心なのか、担当者との面談や売り場づくりまで含むのかによって、1店舗あたりに必要な時間は変わります。さらに、訪問先の業態や対象エリアによっても、移動時間や店舗内での対応範囲が異なるため、実現できる訪問件数には差が出ます。
そのため、ラウンダーの訪問件数を考える際は、単純に「何件回れるか」だけでなく、業務内容・訪問先の業態・対象エリアといった前提条件を見ることが重要です。
この記事では、同じ活動時間でも訪問件数が変わる主な要因を整理します。「件数の裏側にある条件」を理解することが、自社に合ったラウンダー設計の第一歩になります。
ラウンダーの訪問件数は一律ではない
ラウンダーの訪問件数は、1日の活動時間によって前提が変わりますが、同じ活動時間であっても、業務内容・訪問先の業態・対象エリアによって、1日に回れる件数には差が出ます。
そのため、訪問件数を「活動量の指標」として使う場合は、件数だけで判断せず、1店舗あたりの滞在時間や担当者との面談率もあわせて確認する必要があります。
ここからは、訪問件数に影響する主な条件を見ていきます。
1日の活動時間は、業務内容・訪問条件・人材要件を踏まえて設定する
ラウンダーの訪問件数を考えるうえで、1日に何時間活動するかは大前提になります。
同じ業務内容・同じ訪問先であれば、活動時間が長いほど、1日に訪問できる件数は増えやすくなります。
ただし、活動時間は単に「長くすればよい」と決めるものではありません。
活動時間を決める際は、訪問件数だけでなく、依頼する業務内容と難易度、訪問先の業態・エリア、1店舗あたりの想定滞在時間、勤務日数、契約形態、求める人材要件、採用しやすさなどを踏まえ、現実的に運用しやすい条件に調整します。
業務内容によって1店舗あたりの滞在時間が変わる
ここからは、活動時間以外に訪問件数が変わる要素を見ていきます。まず大きく影響するのが、1店舗で行う業務内容です。
依頼する業務の範囲が広いほど、また1つの業務の対応が深くなるほど、滞在時間は長くなり1日の訪問件数は減ります。業務内容を先に定義することが、件数を正確に見積もる前提条件です。
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業務内容の例 |
滞在時間の目安 |
特徴 |
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売り場確認・POP補充・設置 |
短め |
作業中心。件数を多く確保しやすい |
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担当者への提案・交渉 |
中程度 |
面談の有無で時間が変動しやすい |
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売り場づくり・VMD対応 |
長め |
1訪問あたりの対応密度が高い |
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交渉+売り場づくりの複合 |
最も長め |
成果の深さと引き換えに件数は絞られる |
当然、滞在時間が長くなるほど1日に回れる件数は減ります。ただし、1件あたりの対応が深い分、1訪問から得られる成果の密度は高くなります。
ラウンダーに「何をしてほしいか」を先に整理せずに件数だけを比較すると、対応内容がまったく異なる案件を同列で見てしまうことになります。依頼する業務の範囲を明確にすることが、件数を正確に把握するための出発点になります。
訪問先の業態によって巡回効率が変わる
業態によって「店舗密集度」と「1店舗あたりの対応範囲」が変わるため、同じ稼働時間でも実現できる訪問件数に差が出ます。
ドラッグストア、家電量販店、ホームセンター、調剤薬局など同じ「店舗巡回」でも、訪問先の業態が違えば、巡回の効率はまったく異なります。
業態によって変わる主な要素は2つです。
・店舗密集度:店舗が狭いエリアに集まっている業態では移動時間を抑えやすく、1日の訪問件数を確保しやすい
・1店舗あたりの対応範囲:売り場面積が広い業態や確認箇所が多い業態では、店舗内での滞在時間が長くなりやすい
また、医療施設を訪問する案件では、クリニックと調剤薬局でも前提が変わります。誰と面談するのか(医師なのか薬剤師なのか)」によって、面談の難易度も滞在時間の設計も異なります。
訪問件数の目安を考えるときは、「どの業態を回るか」を最初に確認することが重要です。
都市部・地方などエリア条件でも差が出る
「都市部は店舗が密集しているから多く訪問できる」とは、必ずしも言い切れません。移動手段・店舗密集度・ルート設計の3つを組み合わせて考える必要があります。
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エリア |
訪問件数が増える条件 |
訪問件数が減る条件 |
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都市部 |
店舗密集度が高い、電車での移動が可能 |
駐車場確保に時間がかかる・ビル内移動が多い |
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地方 |
車移動がスムーズ・店舗間ルートが効率的 |
店舗間距離が長い・移動時間が増える |
つまり、エリア条件は「都市か地方か」という二択で判断するのではなく、店舗密集度・訪問ルートの設計をあわせて考える必要があります。同じ案件でも、エリアが変わるだけで訪問件数や滞在時間に差が出ることは、実際の巡回データからも確認できます。
訪問件数を見るときは滞在時間・面談率もあわせて確認する
件数・滞在時間・面談率の3つはセットで見る指標です。1つだけを見ても、ラウンダーの活動実態は正確に把握できません。
ラウンダーの活動を評価する際、「1日何件訪問したか」は分かりやすい指標です。ただし、件数だけで判断すると、実態とずれるおそれがあります。
件数と同時に確認しておきたいのが、1店舗あたりの滞在時間と担当者との面談率です。この3つの数字はそれぞれ独立した指標ではなく、互いに関係しています。件数が少なければ滞在時間が長い可能性があり、面談率が高ければアポイント取得に時間を使っている可能性があります。3つをセットで見ることで、ラウンダーが現場でどう動いているかの輪郭が見えてきます。
滞在時間は長短だけでなく「その背景」を見る必要がある
前述のとおり、滞在時間は依頼する業務の内容と対応の深さによって変わります。ただし、滞在時間は長ければよい・短ければ効率的、と単純に評価できる指標ではありません。
滞在時間が短い背景には、対応内容がシンプルな場合もあれば、担当者との面談に至らず作業のみで終わっている場合もあります。一方で、店舗側ですでに売り場や販促物の状態が整っており、追加の依頼や改善対応がほとんど発生しないケースもあります。
逆に、滞在時間が長い場合も、売り場づくりや交渉まで対応した結果であることもあれば、担当者確認や店舗側の状況把握に時間を要している場合もあります。
そのため、滞在時間を見る際は、単に長短だけで判断するのではなく、依頼した業務内容、店舗側の状況、面談の有無、実施できた対応内容をあわせて確認することが重要です。
面談率は訪問先や面談対象によって変わる
面談率は「誰との面談をカウントしているか」によって数字の意味が変わります。比較の前提として、面談対象の定義を確認することが必須です。
面談率とは、訪問したうちどの割合で担当者と実際に話せたかを示す数字です。一見シンプルですが、この数字は複数の要因に左右されます。
・訪問先の業態:担当者が常駐している業態では面談率が上がりやすく、外出や兼務が多い業態ではアポなし訪問での面談が難しくなる傾向がある
・面談対象の定義:店舗スタッフとの面談をカウントする設計と、意思決定に関わる担当者(以下、キーマン)のみを対象とする設計では、同じ条件でも面談率の数字がまったく変わる
・訪問設計の工夫:担当者のシフトを事前に確認して訪問タイミングを合わせる、アポイントを取った上で訪問するといった設計で、面談率は一定水準まで引き上げられる
ただし、アポ取得を徹底するほど1日の訪問件数は減るため、面談率と件数のバランスをどこに置くかは案件の目的によって変わります。面談率の数字を見るときは、「誰との面談をカウントしているか」を最初に確認することが、比較の前提になります。
訪問件数だけでは活動成果を判断しにくい
成果の判断には、件数・滞在時間・面談率を目的に応じて組み合わせる必要があります。
「件数が多い=成果が出ている」とは言い切れません。逆に「件数が少ない=活動が薄い」とも限りません。
件数が多くても滞在時間が短く、担当者と一度も話せていない訪問が続いていれば、棚の状態確認はできても、売り場改善や提案活動は進んでいない可能性があります。一方、件数は少なくても、毎回キーマンと面談して具体的な商談が進んでいるなら、活動の密度は高いと言えます。
ラウンダーに何を期待するかによって、重視すべき指標は変わります。カバー率を優先するなら件数が重要な指標になりますし、売り場改善や新規採用の獲得を目的とするなら面談率や1訪問あたりの成果を見る必要があります。
件数・滞在時間・面談率の3つを確認しながら、「自分たちが求める成果に対して、この設計は合っているか」を問い続けることが、ラウンダー活用を成果につなげる上で欠かせない視点です。
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ラウンダー導入前に確認したい主な条件
ラウンダーの導入を検討するとき、「どんな会社に頼めばいいか」よりも先に決めておきたいことがあります。ラウンダーに何を求めるのか、自社の目的と条件を整理することです。訪問件数・滞在時間・面談率の目安は、前提条件によって変わります。逆に言えば、条件を先に決めておくことで、「この案件でどのくらいの活動量が現実的か」という問いに答えが出やすくなります。確認しておきたい条件は、主に3つです。
依頼したい業務内容
店頭で何をどこまでやるかが曖昧なまま動き始めると、現場での判断ブレや成果のムラにつながります。依頼内容を先に整理しておくことが、活動を安定させる第一歩です。
まず「ラウンダーに何をしてほしいか」を具体的に言語化することが出発点です。
・作業中心(売り場確認・POP設置・補充など)なのか
・担当者への提案・交渉・売り場づくりまで含むのか
・上記を組み合わせた複合業務なのか
依頼する業務の範囲が広いほど、1訪問にかかる時間は長くなり、件数は絞られます。「とりあえず巡回してほしい」という依頼でスタートすると、何をどこまでやるかが曖昧なまま進んでしまいがちです。依頼内容をあらかじめ整理しておくことが、活動の質を安定させる上で重要です。
訪問先の業態・エリア
次に、どの業態の店舗を、どのエリアで回るかを確認します。
業態によって店舗の密集度・売り場の広さ・担当者との面談しやすさが異なるため、同じ稼働時間でも実現できる訪問件数に差が出ます。また、都市部と地方では移動手段や店舗間距離の条件が変わるため、エリア特性も件数設計に影響します。
対象店舗の総数と地理的な分布をあわせて確認することで、1日あたりの訪問件数の現実的な目安が見えてきます。「全国○○店を月1回巡回」という条件があれば、必要な稼働人数や頻度の設計にもつながります。
重視したい成果指標
最後に、何をもって「成果が出た」と判断するかを決めておきます。
カバーできた店舗数・実施率を重視するなら、訪問件数が主要な指標になります。担当者との関係構築や提案活動の進捗を重視するなら、面談率やキーマンとの接触率が重要な指標になります。売り場改善の実行や新規採用の獲得が目的なら、1訪問あたりの成果を追う設計が必要です。
成果指標が曖昧なまま動き始めると、活動の振り返りがしにくくなります。「件数は達成しているのに手応えがない」という状態を避けるためにも、スタート前に指標を決めておくことが、ラウンダー活用を成果につなげる上での土台になります。
実案件データで見るラウンダー巡回の目安
ここまで、訪問件数・滞在時間・面談率が変わる要因を整理してきました。ただ、「考え方は分かったけれど、実際の数字感がつかめない」という方も多いと思います。
・業態ごとに1日の訪問件数はどのくらいか
・滞在時間はどれくらいの幅があるか
・面談率は設計によってどこまで変わるか
こうした問いに答えるために、弊社では15案件の実績データをもとにした資料を公開しています。この資料では、数値データの提供にとどまらず、以下の2点を中心に整理しています。
① 業態別・業務内容別・エリア別の実数値 量販店の定期ラウンダー7案件・医療施設ラウンダー8案件のデータを収録。単純な平均値ではなく、案件ごとの数値の「幅」がわかる形でまとめています。
② 目的に応じた巡回設計のパターン 「面談率を高めたい」「訪問件数を確保したい」など、何を優先するかによって、最適な巡回の組み立て方は変わります。資料では、目的別の設計パターンと、それぞれで押さえるべきポイントを整理しています。数値を見た上でどう設計に落とし込むかまで確認できる構成です。
ラウンダーの導入可否や既存活動の見直しを検討する際に、実案件データと設計の考え方をあわせて確認できる資料です。ぜひ検討材料としてご活用ください。
