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業界トレンド
2016.09.28

[医療]国の医療制度が新しい買い場を生み出す?メーカーに求められる販売戦略とは

[医療]国の医療制度が新しい買い場を生み出す?メーカーに求められる販売戦略とは

少子高齢化社会を迎えるにあたり、国は医療費削減を目標に掲げています。

そのために進められているかかりつけ薬剤師制度や在宅医療制度といった医療や介護、生活支援が日常生活として受けられる医療制度は、機能性表示食品、病者用食品、健康食品の買われ方においても変化をもたらします。
医療制度の変化に伴う買い場の変化に対応するためにメーカーに必要なこととは、どのようなことでしょうか?
流れを再確認しておきましょう。

目次
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国が現在進めている医療制度改革には2つの大きなトレンドがあります。
ひとつは、「かかりつけ薬剤師制度」、もうひとつは、「在宅医療制度」です。

トレンド1:かかりつけ薬剤師制度

かかりつけ薬剤師制度とは、異なる医療機関で処方された薬を同じ薬局で調剤を受けることで、個人の服薬について一元的に管理・指導を行うことを目指した制度です。

現在、医師の処方箋どおりに調剤を行うのみの保険薬局が多く、本来の医薬分業の目的である「患者本位の医療の提供」という目的を達しているかといえば疑問が残る状態ともいえました。そこで厚労省は、2015年10月に「患者のための薬局ビジョン」を策定し、すべての薬局をかかりつけ薬局に再編することを目的に2016年より診療報酬の改定を行いました。

今回の改定で新たに「かかりつけ薬剤師指導料」が新設され、その一方で、かかりつけに関する点数を一定以上算定していない薬局は、調剤基本料の点数を50%しか算定できなくなる制度も2017年より開始されます。このような制度改革により、今後も多くの薬局が「かかりつけ薬局」に再編される可能性が非常に高くなると予測されます

※調剤薬局の売上は、「物販」と上記「点数」により構成されています。

トレンド2:在宅医療制度

在宅医療制度とは、通院が難しい方の自宅や施設に医師や看護師が訪問して医療サービスを提供することをいいます。

できる限り住み慣れた家庭や地域で医療・介護サービスを受けながら、安心して自分らしい生活を実現するために、国を挙げての在宅医療制度が推進されています。
診療報酬においても、各種の在宅での医療行為に対して評価がなされるよう、制度改正が行われました。

1950年代には約8割の人が自宅で亡くなっていましたが、2008年には逆に8割の人が病院で亡くなっています。その背景には病院での長期療養問題が指摘されており、国家予算的な観点でも、在宅での療養を中心とすることが求められています。そのため、在宅医療制度は、「介護保険事業」と連携しつつ、日常の療養支援、急変時の対応、退院支援、看取りなどに対して、平成25年からの5か年計画によって医療制度の整備が進められています。

※参照:厚生労働省 報道発表資料 平成20年 人口動態統計(確定数)の概況 主要統計表データ死亡5表

かかりつけ薬剤師制度が推進されることにより、薬剤師は処方に対する調剤を行うだけでなく、ひとりひとりの患者に対して総合的な健康相談の担い手として、その患者にあった健康食品や機能性食品の推奨が行われるようにもなります。
また、薬局が選択される時代になりつつあり、薬だけでなく、健康食品など品ぞろえの拡充によるサービスの質向上も薬局に求められています。

平成23年度の「薬局のかかりつけ機能に係る実態調査」によると、かかりつけ薬局のあるべき姿として、「患者の健康管理、家族の健康管理について何でも相談される存在」ということが多く挙げられました。現在、全体の86.1%の薬局には「調剤・介護報酬以外の販売収入」があり、「OTC」(83.8%)、「サプリメント、栄養補助食品、健康食品」(66.7%)、「介護・衛生用品」(62.7%)などの取り扱い率が高くなっています。
化粧品を扱っている薬局も39.8%にのぼり、今後これらの販売収入は拡大が見込まれます。

調剤薬局がかかりつけ薬局という身近な存在となり、さらにこのように取り扱い商品が増えてきた場合、消費者の機能性表示食品、病者用食品、健康食品の買い方も次のように変わる可能性があります。

まず、介護施設や福祉施設、病院を通して提供されていた病者用食品や介護食を、患者が自ら自宅近くの薬局で、直接購入するようになります。さらに、食生活改善などの健康指導を通じて、消費者が薬剤師から推奨された製品を購入する可能性も高まるのです。

このような医療制度の改革に伴うトレンドの変化に対応するためには、薬局という「販路の強化」と、薬剤師から推奨してもらえる「売れる仕組み作り」が必要となります

病者用食品や介護食などは、現在ドラッグストアや調剤薬局でも取り扱いがありますが、在宅医療制度の普及に伴い、これまでの病院や福祉施設の販路だけでなく今後は薬局やドラッグストアにも商品の流通を広げることで、更なるビジネスチャンスの拡大が見込めます。

また、目立つ場所に大量に陳列をするだけでなく、かかりつけ薬剤師に自社の製品を認知してもらい、薬剤師から患者の方へ推奨してもらえるような仕組み作りが必要となります。

調剤薬局での販促を成功させるコツは、記事「調剤薬局へ新規参入したいメーカー様必見!薬局での物販・販促を成功させる方法を徹底解説」で詳しく解説しています。

弊社の全国の医療施設(内科、外科、小児科、産科など様々)や調剤薬局を訪問し、医師や受付、薬剤師の方に対する啓蒙活動の経験により蓄積したノウハウがお役に立てれば嬉しいです。

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