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業界トレンド
2022.02.17

小売店の売り場はどうなってる!?現場担当者座談会(後編)

小売店の売り場はどうなってる!?現場担当者座談会(後編)

お客様に商品を選んで購入していただくために、小売店では常に時代の流行に沿った売り場作りが求められます。日本で新型コロナウイルス感染症の影響を受け始めて、はや2年が経過しようとしていますが、特にこの2年間は小売店でも常に変化が起こっていました。そのような中、さまざまなメーカーの売り場作りをご支援している当社の現場担当者5名が集まり、売り場作りや販促についての座談会を実施しました。前回の前編に引き続き、今回は後編をお送りいたします。

目次
量販店ラウンダーサービス案内資料
株式会社フィールドマーケティングシステムズの量販店ラウンダーサービス案内資料をPDFでご用意いた…

  山下  :大阪事業所所属エリアマネージャー
自身が担当している関西・中四国エリアだけでなく、他エリアも含め多種多様な業種やチャネルの状況を知りたいと考え、座談会を企画。

土谷:東京事業所所属エリアマネージャー
主に首都圏と関東信越エリアの日用品、化粧品、食品メーカーなどを担当している。

木村:東京事業所所属スーパーバイザー
家電小物を取扱うメーカーを主に担当している。メインの訪問先は家電量販店。

長田:東京事業所所属スーパーバイザー
菓子メーカーの首都圏エリアを担当している。メインの訪問先はドラッグストア。

日高:大阪事業所所属ラウンダースタッフ
食品メーカーのラウンダーとして関西エリアを中心に巡回している。メインの訪問先はSM/GMS。

※座談会は2022年1月初旬に実施しました。現在は店頭状況が変化している場合もあります。
前編はこちら
小売店の売り場はどうなってる!?現場担当者座談会(前編)

 山下 ここからは売り場での販促について、どのような変化があったかお話を聞きたいと思います。
昨年夏に実施した消費者アンケートでは、「コロナ禍でまとめ買いを意識する人が多くなった」という結果だったのですが、以前に比べてバンドル販売が増えたというようなことはありますか。

土谷私が主に担当している関東信越エリアは日常的にまとめ買いをする家庭が多いエリアで、大型店では以前からバンドル商品や大容量商品がよく売れていました。なので、コロナだからバンドルが増えたということはなかったです。中型店や小型店は、年末に向けてのまとめ買い企画などはありましたが、それもコロナで特別というよりは、毎年やっている季節的な企画でした。

日高食品関係では、詰め合わせやまとめ買い企画などがありましたね。時間限定で●個●●円という企画をやったり、アソートパック、お楽しみパック、バラエティパックといった言葉をつけて、同じものではなく、いろんな商品を組み合わせて販売したり、購入単価を上げる工夫をしている企業もあります。

長田お菓子も以前からまとめ買いの施策が入ることはありますが、コロナだからという特別な販促施策はなかったです。

 山下 お客さんはまとめ買いを意識しているけれど、それに対する特別な企画は皆さんの巡回店舗では少なかったということですね、ではまとめ買い以外でほかの販促施策についてお伺いしていきましょう。
木村さん、家電売り場では目立った仕掛け、販促手法に変化を感じられる部分はありましたか。

木村家電小物に関しては、売上に大きく影響するような仕掛けとか販促はなかったと思います。

 山下 日高さん、食品関係はどうでしたか。

日高食品では試食が重要な販促施策になるのですが、試食の特設ステージはコロナ感染が拡大してからは閉鎖している状況でした。現在も試食はできないものの、調理したものを見ていただき、調理方法を提案しているお店は少しずつ出てきましたね。大豆ミートでできたハンバーグは、まだ味を知らない方が多くて、購入してもらうにはまず試食してもらわなければいけない商品なのですが、それができないというのは歯がゆいことでした。それでもお客様に何とか商品のよさをわかっていただきたいと思い、今は推奨販売という形で売り場に立っています。
大きな声も出せず、こちらから話しかけることもはばかられるので、近くを通って興味を持ってくださった方に説明をすることくらいしかできない厳しい環境ですけど、特設ステージのまわりに商品を並べて、レシピを配ったり、景品をつけたり、雑誌を見せたり、電子POPを置いてみたりしてお客様にわかってもらう工夫をしています。

 山下 やはり苦労が多かったんですね。推奨販売はお客様と近距離で接するので難しいと思っていましたが、夏に第5波で感染者が増大していた時期も実施していたのでしょうか。

日高はい、そのときもやっていました。お客様の反応には地域差があって、富裕層が多いエリアや、高級スーパーは、メモをもった目的買いが多く、みなさん静かに買い物をされていて、避けて通られたり、期待していたほど売上が伸びなかったりすることも多かったです。反対に庶民的なエリアは興味をもって見ていただくことが多く、結構反応はありました。

 山下 避けて通る人がいたり、売上があまり伸びなかったりすることがあっても、それでも推奨販売をするのとしないのでは違いますか。

日高全然違いますね。お客様は、目新しく、食べたことがなくてお値段も少し高い商品にはなかなかお金を出せないんですよね。そういう意味では、試食ができない今の状況では、よい商品であるということを伝えるために、推奨販売するとよいと思います。雑誌を置いてみたり、複数個買っていただいた方への景品を用意してみたり、いろいろ工夫して、話を聞いてもらえることもあります。景品といえば、推奨販売のときの景品で、ハンバーグに除菌シートを付けたことがあるのですが、思っていたより伸びず、華やかな色のスポンジをおまけにつけたときはお客様の反応がよかったんです。推奨販売はまずお客様に見てもらうということが大切なので、景品もぱっと目につくものがよいのかなとは思いました。

 山下 ほかのメーカーも試食のかわりに推奨販売はしているんでしょうか。

日高ライバル会社は推奨販売だけでなく、ラウンダーも出入りしている様子はなかったですね。本部商談で完結しているのかもしれません。飲料メーカーでは、試飲はしていないですが、フェイスシールドで厳重な予防をして推奨販売をしているところもありました。
私はチラシの日や特売の日でお客様が多いときを狙って推奨販売を実施するのですが、巡回中に平台や簡単なセットを組んで短時間でおこなっています。ラウンダーが「自分が推販やりますので」と商談すると、店舗からもOKをいただきやすいんです。推奨販売をするときは頻繁に消毒はするのですが、必ず消毒液を目につくところに置いて、「きちんと対策していますよ」という印象をもってもらうようにしています。

土谷日用品もコロナ前は頻繁に推奨販売をしていましたが、感染が一段落していた年末も実施していなかったです。年明けから再開という方向で、本部商談を進めているようなので、日用品でもこれから実施できるようになればいいなと思います。

 

 山下 では、ここからは販促ツールやプロモーションについて聞いていきたいと思います。
土谷さん、日用品関係はどのような状況でしたか。

土谷売り場の販促で一番影響が大きかったのは、化粧品のテスターや日用品の香り見本が全て撤去されたことです。「お客様が試して購入する」ということが出来なくなり、この影響はかなりあったと思います。

山下 確かに、テスターや見本は見かけなくなりましたね。感染拡大期はお店も売り場展開が難しかったと思いますが、そのなかで、少しでも売上を上げるために売り場を活性化するような販促ツールといったものはありましたか。

木村家電量販店の家電小物売り場では、販促ツールを特に用意したとか、展示の変化といったものはあまり見られませんでしたね。販促ツールではないのですが、家電量販店でも除菌関係の商品が売れていたので、電池を使う除菌グッズの近くに電池を展開させていただくというような関連販売は積極的におこなっていました。

日高食品ではコロナと限定せず、クリスマス・お正月・受験や節分など季節ごとに販促展開しています。メーカーから提供される販促物は決まっているので、ほかと差別化したり、飽きが来たりしないように、メーカー販促物に私自身が手作りで作成したものをプラスして工夫しています。今だと、SDGsなどの企業の取り組みはお客様の見えるところに常に掲示するようにしています。健康志向の人が非常に増えたので、「健康」「タンパク質がとれます」「食物繊維がとれます」といったPOPも付けますね。私の場合は、個人で書いたり、許可いただいた文言を抜粋してPCで作成したりしています。100均で購入したものなどを組み合わせて展開したりしています。

木村皆さんそれぞれ工夫してるんですね。家電小物も、少し値段が高い電池などは、ほかの商品より長持ちすることをPOPに書くと、お客様が選んでくれるというような効果があります。私個人的には印刷の字より手書きのほうがよいという実感はあります。

 山下 売り場を乱雑にしたくないという店舗もあるかと思いますが、売り場でPOPなどの制限などはなかったのでしょうか。

日高食品売り場ではPOPの制限などはなかったですね。お店の担当者にお伺いしても、ダメということはほとんどなかったと思います。先日、最近の流行になっている「黒の台紙に白文字」でレシピのPOPを用意したのですが、売り場で目立ったこともありお店の方にとても喜んでいただきました。ただPOPを作成するだけでなく、流行のものをとりいれるのも大事ですよね。

長田先ほど(前編で)ビジネスパーソンなどがよく購入していたお菓子が、マスクをしている影響で需要が減ったという話をしましたが、マスクをしているときの口臭を気にする方も出てきたので、それに対応するPOPを作成して展開したりしています。

土谷販促POPは「お家で」のキーワードが増えているように感じます。お菓子や食品の売り場はもちろん、お店のいろいろな売り場で目にしますよね。

 山下 変化した環境に関わるワードを販促物に活用してるんですね。販促ツールに関して、ほかに印象に残っていると感じている部分はありますでしょうか。

長田販促ツールに関する印象だと、キャンペーンのハガキを見なくなった気がします。コロナの影響か時代の流れかはっきりしませんが、キャンペーンはQRコードなどで応募するものが多くなったように思います。応募ハガキがあると売り場がごちゃごちゃしてしまうのですが、それがなくなったので、売り場がすっきりしてきている感じがします。

 山下 確かに販促キャンペーンをインスタグラムやLINEで見ることも多くなりましたが、店頭での告知はこれとは別にPOPなどを付けることも多いんでしょうか。

長田商品のパッケージにキャンペーンページに誘導するものが印刷されていることが多い気がします。キャンペーンによっては、QRコードが載っている販促物があって、店舗で展開することもありますよ。

 山下 別で販促物やPOPが必要だと店舗オペレーションが大変なのでしょうか。

土谷私が担当しているメーカーでは現在ハガキのプロモーションをしています。終了タイミングを見計らって早めに撤去するようにと考えているんですが、ベストタイミングでの販促物の設置と撤去はなかなか難しいですね。過去には撤去に行くとハガキがまったく減っていなくて、ほぼそのまま処分ということもあったので、LINEやQRコードの応募がある場合は、それを使う方も多くなっているのかもしれません。商品にキャンペーン案内がついている場合は、先出しをするようにしています。

 山下 若い世代を中心にデジタルでの情報収集も多いと思いますが、今後の店頭販促はどのようになっていくと思いますか。

土谷コロナとは関係なく、店頭の販促物設置の規制は厳しくなっていると思います。TOPボードの高さ制限や突き出し禁止など、以前はOKだったものが、ホームセンターなどでもNGになってきています。大型店でも視界をさえぎるものや、高さ制限を厳しく設けている店舗もあるんですよね。

 山下 以前と比べるとホームセンター自体が整然としていますよね。もっと雑然としていた印象がありました。

土谷そうなんですよね。企業イメージを大切にしてるのか、TOPボードもメーカーのものではなく、小売企業の作成したものを付けているところがあります。でも、メーカーの販促物も大型の販促物ではなく定番のところに設置できる小型のPOPなどに変えるなどの工夫をすれば設置できることは多いです。以前はできていたことができなくなるのは残念ですが、その中でできることを探して工夫しています。

 山下 コロナの影響だけでなく、企業のいろいろな考え方もあり、変化していることがよくわかりました。
最後に皆さんにお聞きしたいのですが、今皆さんが一番効果を感じる販促手法をお話いただけますか。

木村家電の場合、面を広くとって大きなPOPを付けると売れることはわかっていますが、小さくてもPOPの効果は大きいと思います。家電では、同じ規格でいろいろなメーカーの商品が陳列されているので、お客様も選択が難しいんです。なので、接客しない家電小物の売り場ではPOPが大切だと思っています。何を推せば意思決定ができるのか、ポイントを見極めて商品をアピールすることが重要ですね。

長田私は、定番を大事にすることだと思っています。ドラッグストアでは、フロアカートンや山積みが減少しているとお話しました。+αの売り場は、買おうと思っていない人が買うことが大きく期待できますが、なくても買いたい商品がある人は必ず定番売り場に行くので、そこを絶対に空っぽにしてはいけないんです。定番として商品が採用されているか、それが欠品なく陳列されているかはとても重要です。それに加え、定番だと整然と陳列されていて商品が埋もれてしまうので、少しでもほかと差別化したり、目立たせるためのアピールをしたりするPOPも大事だと思います。

日高いくつかあるのですが、ひとつ目はQRコードの活用です。定番什器のレールなどお客様の目につくところにQRコードのついたPOPを展開して、店頭でお客様にスキャンしていただくことで、レシピや使い方をその場でわかってもらい、購入につなげることができると思うんです。ふたつ目がキャッチコピーを使って目で訴えることです。食品では、レンジでチン、自分で簡単に、手軽、時短などがやはり人気です。今は「免疫」「地球にやさしい」「体にやさしい」などのキャッチコピーもお客様を引き付けていると思います。

土谷販促物やおまけなど、以前はこちらが提案したらなんでもOKだったのが、今後はその企業にあった売り方を提案できることが必要になってきていると思います。ラウンダーがほかの企業の情報を持ちつつ、この企業にはこの提案をするということですね。企業にあった販促や売り場づくりをすることが大切になっているのではないかと思います。

 山下 ありがとうございました。目まぐるしく状況が変化している中で、ラウンダーやスーパーバイザーの皆さんがそれぞれのメーカーや小売店のことを考え、工夫しながら提案や売り場展開をしていることがよくわかりました。
今後もこうやってそれぞれの分野の情報交換をしていきましょう。

 

小売店の売り場はどうなってる!?現場担当者座談会(前編の記事はこちら

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