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業界トレンド
2022.01.25

小売店の売り場はどうなってる!?現場担当者座談会(前編)

小売店の売り場はどうなってる!?現場担当者座談会(前編)

お客様に商品を選んで購入していただくために、小売店では常に時代の流行に沿った売り場作りが求められます。日本で新型コロナウイルス感染症の影響を受け始めて、はや2年が経過しようとしていますが、特にこの2年間は小売店でも常に変化が起こっていました。そのような中、さまざまなメーカーの売り場作りをご支援している当社の現場担当者5名が集まり、売り場作りや販促についての座談会を実施しました。

目次
量販店ラウンダーサービス案内資料
株式会社フィールドマーケティングシステムズの量販店ラウンダーサービス案内資料をPDFでご用意いた…

 

山下  :大阪事業所所属エリアマネージャー
自身が担当している関西・中四国エリアだけでなく、他エリアも含め多種多様な業種やチャネルの状況を知りたいと考え、座談会を企画し、司会を担当。

土谷:東京事業所所属エリアマネージャー
主に首都圏と関東信越エリアの日用品、化粧品、食品メーカーなどを担当している。

木村:東京事業所所属スーパーバイザー
家電小物を取扱うメーカーを主に担当している。メインの訪問先は家電量販店。

長田:東京事業所所属スーパーバイザー
菓子メーカーの首都圏エリアを担当している。メインの訪問先はドラッグストア。

日高:大阪事業所所属ラウンダースタッフ
食品メーカーのラウンダーとして関西エリアを中心に巡回している。メインの訪問先はSM/GMS。

※座談会は2022年1月初旬に実施しました。現在は店頭状況が変化している場合もあります。

  山下  :国内でコロナ感染が始まってからほぼ2年になります。この間、感染が爆発的に拡大したり、逆に急速に減ったりとさまざまな波がありましたが、今日はこうした状況の中で、商品の売れ行きや売り場作り、また店頭販促といった面でどのような影響があったのかを伺っていきたいと思います。

最初は商品の売れ行きへの影響をお聞きします。土谷さんは日用品や化粧品で主にホームセンターを訪問していますが、担当商品で需要が増えたり減ったりしたものはありますか?

土谷:ハンドソープは一時期完全に品切れしていましたし、その後の売上も伸びていますね。化粧品関係は、外出機会の減少で売上は厳しかったです。
売れている・売れていないとは違うかもしれませんが、マスクをしていることを前提に、商品が変わってきたと思います。マスクで落ちない口紅とか、マスクで乾燥するので潤いを持たせる化粧品とか、商品自体が変化していますね。
日用品は「菌」というフレーズを活用した商品が多くなっている気がします。除菌率をアピールしたり、商品パッケージに「菌」というフレーズが入っていたりするものも多いです。お客様に買っていただくためにハンドソープの詰め替えに除菌シートのおまけをつけた商品などもありました。

  山下  :時代にそって商品も変化しているんですね。
日高さんは食品でスーパーやGMSを巡回していますね。コロナ禍での運動不足が取り沙汰されていますが、健康志向といった観点で売上が伸びている商品はありますか?

日高:私が担当している商品に大豆ミートがあるのですが、売上が伸びていると思います。テレビで「タンパク質と免疫の関係」といったことを取り上げていたりするので、非常に敏感になっているお客様も多くて、店頭で声をかけられるときもあります。

  山下  :確かに最近健康志向のお客様が多いですよね。私のまわりにも、体のために食べ物を気にしている人がいます。コロナの影響だけでなく、時代の流れという面もあるんでしょうね。

日高:健康食品やたんぱく質については、コロナの影響と話題性のタイミングがうまく合致したように思います。病院の待合室やテレビの番組などで、大学教授が「タンパク質をとりましょう」といっているような映像が流れていたりして、いろんなことに敏感なちょうどこの時期に大豆ミートがマッチしたと思います。なので、商品のそばに「免疫を上げるためにもタンパク質をとりましょう」といった販促物をつけたりしています。

  山下  :テレビの番組は食べ物や健康の話題が多いですが、消費者にはそのような影響も大きいと思いますか?

日高:テレビの影響は本当に大きいですよ。ある番組で、大豆を育ててハンバーグにするという企画があったときは、店舗でお客様からの問い合わせが多く、大豆ミートを使ったハンバーグの売上がとても伸びました。テレビで話題が出るときは、店舗の方に事前に情報を伝えることで放送のあと大きく売上を伸ばすこともできるんですよね。

  山下  :長田さんはお菓子でドラッグストアを担当されていますが、ドラッグストアはどうでしたか?

長田:お菓子は、ビジネスパーソンなどがよく購入していた商品の需要が減りました。マスクをしている、オフィスに行かない、人と会わない、とか、そういう影響があると思います。逆に、家庭向けのパック商品は売れていました。お子様向けのお菓子は、学校が休校になり家にいることが多かったからかと思いますが、いつもより売れていました。その時から、定番棚のお子様目線の場所に継続して置いていただいている店舗もあります。

  山下  :商品によって大きな差があったということですね。
木村さんは家電がご担当ですが家電量販店での売上の変化はどうでしたか?

木村:体温計に利用されているボタン電池の需要が急激に高まり、感染流行がはじまってすぐに欠品になってしまい、お店から、「入荷しない」という問い合わせを多くいただきました。欠品が長く続いたのですが、今年になって品薄はなくなってきましたね。以前はほとんど売れない商品でしたが、日常的に体温計を使う習慣がついたためか、現在もコンスタントに売れています。
また、カメラ用のSDカードは、旅行ができなかったり、イベントがなくなったりとカメラで写真を撮る機会が減ってしまい、売上が落ちましたが、ゲーム機対応のマイクロSDカードは、売上が良くて欠品になったりしました。おうち時間でゲーム機の需要が高まったという話も聞きましたが、その影響が大きかったと思います。

  山下  :2020年に全国民に10万円の特別給付金が支給されましたが、この影響などはありましたか?家電はよい影響があったという話も聞きますが・・・

木村:給付金が支給されたころは、家電量販店の巡回を中止していたので、直接売り場は見ていないんです。その後、巡回を再開しましたが、その時は売り場で大きな変化は感じられなかったですね。ただ、再開した際に、お店の方にヒアリングしたら、「意外に照明器具が売れてるんだよね」というお話がありました。おうち時間が長くなり、断捨離や部屋のレイアウト変更などを行う人がいて、その影響で売れていたみたいです。金額的には給付金の影響もあったかもしれません。

  山下  :他のカテゴリで、給付金がプラスに作用したケースはありますか?

長田:あまり考えたことはなかったですが、お菓子や食品には影響はなかったと思います。

  山下  :それでは、ここからは視点を変えて、売り場作りへの影響をお聞きしたいと思います。

土谷さん、日用品はどのようなどのような影響がありましたでしょうか?

土谷:コロナが出始めたと同時に、すべてのフリースペースが衛生関連商品にかわってしまいました。ヘアケアや洗剤の企画品が並ぶところも全て衛生用品に代わってしまい、それ以外の日用品の売り場が減ってしまいました。ホームセンターはスペースが広いですが、ありとあらゆるところに清掃用品・衛生用品が展開されていたという感じです。
ワクチン接種が始まってからは、解熱剤のスペースも拡大されました。それらと一緒に消毒関係の商品やマスクを展開していて、相変わらずそれ以外の商品は売り場が縮小されたままでした。一時期消毒系の商品の在庫がなかったときには、アルコール繋がりで焼酎を山積みしている店舗もありましたよ。店舗もお客様に少しでも商品を届けたいと必死だったと思います。

  山下  :一時、衛生用品や解熱剤に変わった売り場は今どうなりましたか?衛生用品で継続されているのか、もとに戻ったのか、どうなんでしょう?

土谷:コロナ前まではいかないですけど、一時、「マスクがない、消毒がない」と言っていたときよりは売り場も安定してきているように思います。昨年は企画品や季節売り場がほとんどできなかったのですが、今年はハンドクリームや乾燥系といった冬の売り場もできています。

  山下  :それはよい傾向ですね。
日高さん、食品関係の売り場はどうでしたか?

日高:売り場作り以前の問題ですが、大手GMSでは商談は禁止になっていました。陳列やレジ前の什器の補充作業であれば訪問OKだったのですが、商談禁止ということで、売り場作りの交渉自体ができませんでした。
試食のための特設ステージを設けている店舗もあるのですが、コロナ感染が拡がるようになってからは、それも閉じている状況でした。特に目新しい商品である大豆ミートなどは、商品を並べておくだけではなかなかお客様に手に取っていただくことができないんです。まず、お客様に試食していただいて味を知っていただくことで購入につながることもあるので、試食ができなくなることは売上をとるうえでもとても痛手でした。

  山下  :食品ということで、店舗側もかなり神経を使っていたんでしょうね。それでは木村さん、家電量販店の状況をお聞かせください。

木村:緊急事態宣言が出て店舗巡回が休止になったときに、店舗従業員の感染者も増えたので、売り場改装などがなくなりましたね。新店も搬入が延期になったり、OPENが遅れたりしたときもありました。緊急事態宣言が解除になり、通常の店頭活動に戻りつつあったときに、「棚替えしたい」「改装をしたい」という話をいただくことが多くなって、「遠慮してたんだな」と思いました。

  山下  :買い物客が「密」にならないよう、売り場を改装して通路を広げるということもあったのかなと想像していましたが、木村さんのお話だと家電量販店は逆に手を付けなかったということですね。
長田さん、お菓子の売り場はどうでしたか?

長田:首都圏エリアのドラッグストアの売り場も、ホームセンターと同じように衛生用品がメインの陳列に変わりました。でも、マスク、アルコール消毒、そして紙の商品と次々に商品供給が滞り、店舗スタッフの品出しやオペレーションが大変そうでした。商品の在庫が少ないので、品出しのタイミングをずらしたり、いろいろを苦労されていたようです。

  山下  :先ほど、家庭向けのパック商品は売れていたというお話がありましたが、お菓子の売り場スペースに変化はありましたか?

長田:今までエンドをいただいていた場所が衛生用品に置き換わったため、一気にお菓子の陳列は出来なくなり、それが今も継続している状況です。今は、衛生用品が在庫過剰になっているので、バックヤードの在庫をなくすために展開をしているという店舗もあります。
首都圏の店舗は通路確保のために商品が置けなくなったことも大きいですね。狭い店舗では、山積みが禁止になったり、エンドの中に収めてほしいというご要望をいただいたりすることもあり、展開場所が減っています。お菓子は新商品や限定商品などを求めているお客様も多いのですが、そのような商品は定番棚割には入らないことも多いです。山積みやエンド以外ではレジ前も同じです。小さいお菓子は定番だと埋もれてしまうものも多く、個包装のものや、「ついで買い」の金額のものなどはレジ前に置いたりするとかなり回転が違ってきます。定番の商品はコンスタントに売れているのですが、とにかく、定番以外の展開ができなくなった影響は大きいです。新商品や特売品が陳列できる場所が戻ってきてほしいですね。

  山下  :ドラッグストア全体では、食品の取扱いや売り場が増えている傾向にありましたが、お菓子以外の食品売り場も同じ感じでしょうか?

長田:エンドや山積みなどはほかも同じ感じだと思います。お客様の視点からすると、段ボールで山積みしているものほど安いイメージがあるので、よく売れると感じていました。今は展開スペースがないために、定番に商品を詰め込んでいるという印象があります。山積みだと商品をドカンと積んでいるだけでよいのですが、定番だとなくなったら都度補充をする必要があるので、店舗スタッフさんも大変だと思います。店舗に行くといつも「人手が足りない、人手が足りないので商品が出せない」という話をよく聞きます。小刻みに補充をしなければいけないので、手間がかかるんですね。補充の頻度が増えているということは、ドラッグストアで食品を買うお客様は増えているんだと思います。

  山下  :ホームセンターでは今年になって日用品の季節商品の売り場もできるようになってきたとありましたが、ドラッグストアは今後どのような状況になりそうでしょうか?

長田:今後も通路に段ボールを置くような陳列は難しいと思いますね。改装が入ってリニューアルすると、売り場はすっきりした作りになることが多いですし、棚割り通りにしかできなくなる店舗も多いです。

  山下  :小売企業としては限られた従業員で店舗運営をすることを考えても統一プロモーションができるほうがよいという考えでしょうか。今後、コロナが去った後も同じような状況が続きそうですね。

長田:そうかもしれません。ただ、限られた中でも、「ここだけは店舗で決められる」というスペースがあるので、その場所をいただくしかないですね。数少ないスペースをいただくということは、食品だけでなく、ほかのカテゴリとの戦いということになるのかもしれません。

  山下  :そう考えると、店舗を定期的に訪問して担当者とコミュニケーションをとるラウンダーの役割はやはり大切ですね。

 

次回は、このような状況の中変化してきた、店舗での販促活動や売場作成、今後の展望についての内容をご紹介します。

 

小売店の売り場はどうなってる!?現場担当者座談会(後編)の記事はこちら

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