特定技能 建設のJACとは?加入方法や費用がすっきりわかる
建設業で特定技能外国人を採用しようとしたとき、多くのご担当者さまが最初につまずくのが「JACって何?」という疑問ではないでしょうか。特定技能 建設 JACとは、建設分野の外国人材受け入れを適正に進めるための実施法人のこと。本記事では、その役割や加入義務、費用の目安までわかりやすくご紹介します。
特定技能 建設のJAC(建設技能人材機構)とは?役割を3行で解説

JAC(一般社団法人建設技能人材機構)とは、深刻な人手不足が続く建設業界において、特定技能外国人の受け入れを適正に進めるために設立された実施法人です。建設技能人材機構(JAC)とは、深刻化する人材不足を抱える日本の建設業界に、建設分野における外国人材の適正かつ円滑な受入れを実現するために、2019年4月に設立された組織です。
建設分野で特定技能外国人を雇用する企業は、他の業種とは異なり必ずこのJACに加入する必要があります。出入国在留管理局への申請時にはJACの会員であることが条件となるため、採用計画のかなり早い段階で加入手続きを進めておくことが欠かせません。
JACが担う役割は大きく3つあります。主に評価試験の支援、無料職業紹介事業の実施および建設分野特定技能外国人の適正な就労環境確保のための適正就労監理業務を行っています。これらの事業を通じて、外国人材と受け入れ企業の双方が安心して働ける環境づくりを支えているのが、JACの存在意義といえるでしょう。
なお、特定技能の支援を行う登録支援機関については、このJACへの加入は任意となっています。この点は混同しやすいポイントなので、あわせて覚えておいてくださいね。
以降の見出しでは、なぜ建設分野だけこうした特別な仕組みが必要なのか、そしてJACの具体的な役割や加入方法・費用について詳しく見ていきましょう。
なぜ建設分野だけJACへの加入が必要なのか

建設業では全分野で分野所管省庁が設置する協議会への加入が求められていますが、建設分野ではその協議会の役割をJAC(建設技能人材機構)が担っている点が他分野と異なります。ここでは、その理由と設立の背景を見ていきましょう。
建設分野の特定技能が「他の分野と違う」理由
他分野の特定技能では、業界団体が設ける「協議会」への加入で足りるケースが多いのに対し、建設分野はJACという専用機関が受け皿となっている点が大きな違いです。さらに建設分野には、他分野にはない厳格なルールがいくつも存在します。
まず受け入れ人数の面では、特定技能外国人と特定活動で就労する外国人(技能実習生含む)の合計が、自社の常勤職員数を超えないことが条件とされています。常勤職員が5名の会社であれば、雇用できる外国人材も最大5名までという計算になるわけですね。
また、建設業で技能実習生や特定技能等の外国人労働者を受け入れするには、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録が義務付けられています。JAC加入・人数枠・CCUS登録という3つの条件が重なるため、建設分野は特定技能のなかでも特に手続きが複雑な分野とされています。
JACが存在する背景にある建設業の人手不足問題
JAC設立の背景には、建設業界の深刻な人手不足に加え、かつての技能実習制度で表面化した問題があります。建設分野は技能実習生の失踪者数が他分野と比べて突出して多く、技能実習実施企業における労働関係法令違反の割合も高い水準にあることが指摘されてきました。
こうした状況を受け、民間の取り組みだけでなく、業所管省庁である国土交通省の指導のもと、建設業の業界団体が立ち上げたものがJACです。建設業界全体で適正な受け入れ環境を整備する必要性が高まったことが、JAC誕生の大きなきっかけとなりました。
JACの主な役割・事業内容

JACは受入計画の認定サポートから教育訓練の提供、技能評価試験の実施、無料の職業紹介、そしてFITSと連携した巡回指導まで、幅広い事業を担っています。ここからは、それぞれの内容を詳しく確認していきましょう。
受け入れ企業への計画認定サポート
建設分野で特定技能外国人を受け入れるには、国土交通大臣による「建設特定技能受入計画」の認定が必要です。建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者登録が完了している、建設技能人材機構(JAC)の会員になっていることなどが、この計画の認定要件に含まれます。
JACはこの受入計画が適正に実施されるよう、独自の行動規範を定めて加入企業に遵守を求めています。建設業で特定技能を雇う会社は、すべてJACに加入しなければなりません。そして、JACが決めた「建設業における共通行動指針」というガイドラインを守る必要があります。会員証がなければ受入計画の申請自体ができないため、採用のかなり早い段階でJACへの加入手続きを済ませておく必要がありますよ。
外国人への教育訓練・支援の提供
JACは特定技能を目指す外国人材に対しても手厚いサポートを行っています。海外の関係機関等と連携し、特定技能外国人となる外国人に対し、日本語や技能・安全衛生教育等の教育訓練を実施しており、就労開始後も安心できるよう、母国語での相談窓口も用意されています。
具体的には、FITS(国際建設技能振興機構)が母国語相談のホットラインを運営しており、FITSは原則、特定技能外国人を雇用している全ての企業に対し、1年に1回以上巡回訪問を実施します。転職を希望する場合も心強い味方です。建設分野では特定技能の他の分野と異なり、有料職業紹介事業者は一切介在してはいけない決まりになっており、JACが無料で職業紹介・転職支援を行っています。外部から人材の紹介を提案された場合は、その企業が法令で定められたルールを順守しているかを必ず確認しましょう。
技能評価試験の実施
特定技能ビザを取得するには、原則として技能水準と日本語能力水準の両方を満たす必要があります。建設分野ではこの技能水準を測る「建設分野特定技能評価試験」をJACが支援しています。建設分野の業務区分が、「土木」、「建築」、「ライフライン・設備」に再編成されました(2022年8月30日)ことで、現在の試験区分もこの3つに整理されました。
なお、技能実習2号を良好に修了した外国人材については、対象職種であれば試験免除で特定技能へ移行できるルートも用意されています。採用担当者としては、応募者がどのルートで特定技能資格を得ているかを確認しておくと、その後の手続きがスムーズに進みますよ。
JACに加入する2つの方法

建設分野で特定技能外国人を受け入れる企業は、JACへ直接加入するか、JAC正会員の建設業者団体を通じて間接的に加入するかのいずれかを選ぶことになります。JACに加入するためのふたつ目のパターンは、JACの正会員である建設業者団体のいずれかの会員になることで間接的にJACの会員になるという方法です。それぞれの特徴を見ていきましょう。
①JACの賛助会員として直接加入する
建設業者団体に所属していない企業の場合は、JACの賛助会員として直接加入する方法を選びます。JACに直接的に入会した企業は賛助会員扱いとなります。年会費 24万円が必要になり、決して小さくない負担といえるでしょう。
加入までにかかる期間も押さえておきたいポイントです。JACの賛助会員として認められるまでには約1ヶ月~1か月半程度かかるとされています。特定技能外国人の就労開始日から逆算し、余裕をもって申請を進めることが大切です。
②JAC正会員の建設業者団体に加入する
すでに建設業関連の団体に加入している企業や、費用を抑えたい企業には、JAC正会員の建設業者団体を通じた間接加入がおすすめです。2026年7月2日現在、JACの正会員である建設業者団体は63団体あり、それらのいずれかの団体に所属することで、特定技能外国人の受け入れを行えるようになります。
団体ごとに入会金や年会費は異なりますが、正会員団体の会員の方は個別に賛助会員としてJACに加入する必要はありません。この場合、JACへの加入費用は発生しない代わりに、所属する団体の会費が発生します。賛助会員より費用を抑えられるケースも多いため、自社が加盟する(または加盟を検討している)業界団体がJACの正会員かどうか、まずは確認してみてくださいね。
JACに支払う費用の目安

JACに加入する企業が負担する費用は、大きく分けて「年会費(または正会員団体の会費)」と「特定技能人材1人あたりの受入負担金」の2種類です。それぞれの金額目安を確認していきましょう。
年会費の金額
JACの賛助会員として直接加入する場合、年会費24万円(入会金はなし)が発生します。支払いは口座振替が基本で、入会時に登録した銀行口座から引き落とされる仕組みです。
一方、正会員団体を通じて間接加入する場合の費用は団体によってさまざまです。例えば、ある正会員団体では年会費は毎年4月〜翌年3月の月割となります例)6月加入であれば 40,000円というケースもあり、賛助会員より費用を抑えられる場合が多いといえるでしょう。所属を検討している団体の会費体系は、事前にしっかり確認しておきたいですね。
受入負担金の金額
JACへの会費とは別に、特定技能人材1人あたり毎月発生するのが「受入負担金」です。金額は~~教育訓練の実施ルートによって異なり、海外試験合格者・海外からの技能実習修了者は月額25,000円/人、国内試験合格者は月額13,500円/人、国内の技能実習2号修了者(試験免除での移行)は~~月額12,500円/人が目安です。
この負担金は受け入れ企業が支払うべきもので、この受入負担金を、直接または間接的に特定技能外国人に負担させることはできません。また、支援業務を登録支援機関に委託する場合は、JACへの受入負担金とは別に月額2万〜4万円程度の委託費用が発生する点も、資金計画を立てる際に見落とさないようにしましょう。
まとめ

建設分野で特定技能外国人を受け入れるには、他業種の協議会制度とは異なり、JAC(建設技能人材機構)への加入が必須です。JACは受入計画の認定サポートや教育訓練の提供、技能評価試験の実施、無料の職業紹介など、多岐にわたる役割を担っています。
加入方法は賛助会員としての直接加入か、正会員団体を通じた間接加入かの2択で、それぞれ費用や加入にかかる期間が異なります。さらに受入負担金など建設分野特有の費用も発生するため、早めの情報収集と計画的な準備が欠かせません。自社での対応に不安がある場合は、外国人採用支援サービスなど専門家のサポートを活用するのもひとつの方法です。制度を正しく理解し、余裕をもったスケジュールで手続きを進めていきましょう。
特定技能 建設 JACとはについてよくある質問

建設分野の特定技能とJACに関して、よくいただくご質問にお答えします。
JACへの加入は義務ですか?
はい、建設分野で特定技能外国人を受け入れる企業には加入が必須です。特定技能外国人を受け入れる場合には、受け入れ企業は、必ずこのJACに加入する必要があります。
登録支援機関もJACに加入する必要がありますか?
いいえ、登録支援機関の加入は任意です。特定技能の支援を行う登録支援機関については、このJACへの加入は任意となっています。ただし、受入企業自体は加入が必須である点にご注意ください。
賛助会員と正会員団体、どちらを選ぶべきですか?
すでに建設業関連の団体へ加入されている場合は、その団体の会員証をご提出いただければ問題ございません。新たに他の団体やJACへ直接加入していただく必要はありません。
一方で、まだいずれの団体にも加入されていない場合は、自社が該当する建設分野に応じた団体へ加入することをご検討ください。
加入手続きにはどのくらいの期間がかかりますか?
JACの賛助会員として認められるまでには約1ヶ月~1か月半程度、そしてJAC正会員のいずれかの正会員団体に加入する場合には、建設業者団体によりますが、JACの会員として認められるまでには加入申請から1ヶ月半~2ヶ月程度時間がかかります。就労開始予定日から逆算して、余裕をもって申請しましょう。
受入負担金は外国人本人に負担させてもよいのでしょうか?
いいえ、認められていません。この受入負担金を、直接または間接的に特定技能外国人に負担させることはできません。費用は受け入れ企業側が負担する必要があります。dっっっっっっっvっc