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外国人採用の書類選考方法 在留資格の見極めで迷わない

投稿日投稿日 2026.08.26
更新日更新日 2026.08.26
外国人採用の書類選考方法 在留資格の見極めで迷わない
目次

外国人の方から応募書類が届いたとき、「何を見ればいいのかわからない」と戸惑う採用担当の方は少なくありません。日本人の書類選考とは違い、在留資格や語学力証明など独自の確認ポイントがあります。この記事では、外国人採用の書類選考方法について、実務で押さえるべき4つの視点をやさしく解説します。

外国人候補者の書類選考で確認すべき4つのポイント

外国人候補者の書類選考で確認すべき4つのポイント

外国人採用の書類選考では、日本人の選考とは異なる視点が必要です。具体的には「在留資格」「職歴」「学歴・資格」「日本語能力証明」という4つの軸で書類を読み解くことが基本になります。

なかでも見落とされがちなのが在留資格の確認です。この段階でのチェックが不十分なまま採用を進めてしまうと、後になって働けない候補者だったと判明したり、企業側が不法就労助長罪に問われたりするリスクが生じます。実際に、外国人の雇用時に不法就労者だと知らなかったとしても、在留カードの確認をしていない等の過失がある場合は処罰の対象となります。企業には在留カード、旅券(パスポート)の提示を求め、在留資格・期間、在留期限、資格外活動許可の有無等を確認するなどして、雇用することができる外国人であるかを確認する責任があります。

この記事では、この4つのポイントを順番に、実際の書類のどこをどう見ればよいのかという実務目線で解説していきます。書類選考の段階で自信を持って判断できるようになるよう、一緒に整理していきましょう。

在留資格の確認|働ける仕事かどうかをまず見る

在留資格の確認|働ける仕事かどうかをまず見る

外国人を採用する際に欠かせないのが、候補者が「そもそも自社で働ける状態にあるかどうか」の確認です。在留資格の確認を怠ると、企業側が不法就労助長罪に問われる可能性があるため、最優先で押さえておきたいポイントになります。ここでは在留カードの見方、在留資格の種類、資格外活動許可という3つの視点から解説します。

在留カードの有無と在留期限を確認する

在留カードは、企業等への勤務や日本人との婚姻などで在留資格をもって適法に日本に中長期間滞在する外国人が所持するカードです。観光目的などで一時的に滞在する方や不法滞在者には交付されません。特別永住者の方を除き、在留カードを所持していない場合は原則として就労できないため、採用プロセスのなかで必ず確認が必要です。

採用内定後に、在留カードの原本で就労可否を確認しましょう。コピーや写真だけでは偽造の見分けがつきにくく、確認不足とみなされる恐れがあります。あわせて在留期間満了日もチェックし、期限切れが近い場合は更新手続きの予定についても聞いておくと安心です。

在留資格の種類と「就労可能かどうか」の見分け方

在留資格は大きく分けて「就労制限なし(身分系)」「定められた範囲で就労可能(就労系)」「原則就労不可」の3種類に整理して考えると理解しやすくなります。永住者や日本人の配偶者等は職種の制限がなく働けますが、技術・人文知識・国際業務などの就労系資格は認められた業務範囲内でのみ就労できます。

在留カード表面の「就労制限の有無」欄をチェックすると、就労制限なしの場合は就労内容に制限がなく、就労不可の場合は原則雇用できないものの、在留カード裏面の資格外活動許可欄を確認する必要があると読み取れます。履歴書に書かれた在留資格の名称だけで判断せず、必ずカードの記載内容とあわせて見極めましょう。

資格外活動許可(アルバイト許可)の確認が必要なケース

留学生や家族滞在者など、在留カードに「就労不可」と記載されている方でも、資格外活動許可を受けていればアルバイトが可能です。ただし労働時間には制限があり、資格外活動を取得しても労働時間は1週28時間までと定められています。この28時間は曜日区切りではなく、連続した7日間で28時間以内という数え方になる点にも注意が必要です。

許可の有無は在留カード裏面の「資格外活動許可欄」で確認できます。許可を得ずに就労させたり、時間の上限を超えて働かせたりすると、本人だけでなく雇用した事業主も不法就労助長罪に問われる可能性があるため、採用の段階から時間管理の見通しを立てておくことが大切です。

職歴の見方|海外経験をどう読み解くか

職歴の見方|海外経験をどう読み解くか

外国人候補者の職務経歴書には、海外での勤務経験が記載されているケースが多くあります。日本の採用基準だけで判断するのではなく、在留資格審査の観点も踏まえて読み解くことが大切です。ここでは海外職歴の評価の考え方と、空白期間の見方について解説します。

海外の職歴を日本の基準に置き換えるときの考え方

海外での実務経験は、日本と同じ書式・表現で記載されているとは限りません。役職名や業務内容の書き方が国によって異なるため、職務経歴書に書かれた言葉だけで評価せず、実際にどのような業務を行っていたのかを具体的に確認する姿勢が重要です。

また、技術・人文知識・国際業務などの在留資格では、実務経験年数が審査要件になることがあり、大学での専攻期間を実務経験に含めて考える運用がとられる場合があります。書類選考の段階では、専攻分野や職歴と、自社で担当してもらう業務内容がどの程度結びついているかを意識して見ておくと、その後の在留資格手続きもスムーズに進めやすくなります。

空白期間がある場合はどう判断するか

職務経歴書に数か月単位の空白期間がある場合、理由を確認せずに評価を下げてしまうのは早計です。留学や家族の事情など正当な理由があるケースも多いため、面接などで丁寧に背景を聞き取る姿勢が求められます。

一方で、すでに日本に在留している候補者の場合は注意が必要です。在留資格に基づく活動を継続して3か月以上行っていない状態が続くと、在留資格の取り消し対象になる可能性があります。ただし、退職後に具体的な就職活動を行っているなど正当な理由が認められる場合は取り消しの対象から除かれることもあります。空白期間の理由とあわせて、在留資格の状況についても確認しておくと安心です。

学歴・資格の確認|国ごとに異なる表記への対応方法

学歴・資格の確認|国ごとに異なる表記への対応方法

学歴や資格の表記は国によって制度が大きく異なるため、日本の基準とそのまま比較することはできません。成績評価の付け方や学位の名称も国ごとに違いがあり、単純な数字の比較では実態を見誤ってしまいます。ここでは学歴の相当性の見方と、日本語能力証明の読み方について解説します。

海外の大学・資格は日本のどのレベルに相当するか

国によって成績評価の制度が異なり単純比較はできませんが、実務上は「学士・修士・博士」といった大きな学位区分で照合していく考え方が現実的です。就労系の在留資格では、海外の大学卒業者が日本の大学卒業者に相当するかどうかを、卒業証明書や成績証明書によって確認する必要があります。

あわせて、専攻分野と実際に担当してもらう業務内容との関連性が問われる場合もあるため、書類選考の段階で専攻科目と職務内容がどの程度結びつくかを整理しておくと、その後の手続きがスムーズになります。判断に迷う場合は、行政書士など専門家に確認する方法も検討してみましょう。

日本語能力証明(JLPTなど)の読み方と業務要件との照合

日本語能力証明として広く使われているのが日本語能力試験(JLPT)です。レベルはN1からN5まであり、N1は幅広い場面で使われる日本語を理解できる、N2は日常で使われる日本語が理解でき、それ以外の場面で使われる日本語もある程度理解できる、N3は日常で使われる日本語をある程度理解できる、N4は基本的な日本語を理解できる、N5は基本的な日本語をある程度理解できるレベルとされています。

注意したいのは、日本語能力試験の回答はマークシート方式であり、会話力そのものを測る試験ではないという点です。そのため、証明書のレベルだけで会話力まで判断せず、面接での受け答えとあわせて確認することをおすすめします。日本の企業で働くにはN2レベルの日本語があると望ましいといわれており、業務内容に応じて自社に必要なレベルを事前に整理しておくと照合がしやすくなります。

書類選考の通過・見送りを判断する基準

書類選考の通過・見送りを判断する基準

ここまで見てきた在留資格・職歴・学歴・日本語能力の情報は、それぞれ単独ではなく総合的に組み合わせて判断することが大切です。どれか一つだけを重視するのではなく、書類全体から候補者の状況を丁寧に読み取りましょう。次にご紹介するチェックリストと注意点を、実際の選考にぜひ役立ててみてください。

最低限確認すべきチェックリスト

書類選考の際は、以下の項目を最低限確認しておくと確認漏れによるリスクを減らせます。

  • 在留カードの有無と在留期限
  • 在留資格の種類と就労制限の有無
  • 就労不可の場合は資格外活動許可の有無と時間制限
  • 学歴・職歴と業務内容の関連性
  • 日本語能力証明のレベルと自社業務要件との整合性

これらを一つずつ確認していく体制を整えておくことで、不法就労助長罪などのリスクを未然に防ぎやすくなります。社内でチェックシートを作成し、担当者が変わっても同じ基準で確認できるようにしておくと安心です。

日本人候補者との比較で注意したい落とし穴

外国人候補者を日本人と同じ感覚で評価すると、思わぬ誤りにつながることがあります。たとえば、日本語が流暢に話せることと業務遂行能力の高さを混同してしまうケースです。日本語力はあくまで判断材料の一つであり、専門スキルや実務経験と分けて評価することが望ましいでしょう。

また、国籍や出身国を理由に選考基準を変えることは避けなければなりません。同じ職務内容であれば、給与水準も日本人と同等に設定することが求められます。書類選考の段階から、公正な基準で判断する姿勢を意識しておきましょう。

まとめ

まとめ

外国人採用の書類選考では、在留資格の確認、学歴・職歴と業務内容の関連性の確認、日本語能力証明の照合という3つの視点が欠かせません。特に在留資格の確認は不法就労助長罪のリスクに直結するため、在留カードの原本確認を徹底することが大切です。

判断に迷う場面が出てきたときは、無理に自己判断をせず、行政書士などの専門家や外国人採用支援サービスを活用するのも一つの方法です。ポイントを押さえて、安心して書類選考を進めていきましょう。

外国人 採用 書類選考 方法についてよくある質問

外国人 採用 書類選考 方法についてよくある質問

外国人 採用 書類選考 方法についてよくある質問

ここでは、外国人採用の書類選考を担当する方からよく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。ぜひ実務の参考にしてみてください。

在留カードの提示を求めるタイミングは選考のいつが適切ですか?

厚生労働省のリーフレット「外国人雇用はルールを守って適正に」では、公正採用選考の観点から、面接時に「国籍」等の質問は行わず、在留資格等の確認は口頭での質問や書面での自己申告など在留カードの国籍欄を直接確認する以外の方法で行い、採用が決まり次第、在留カード等の提示を求めるよう案内されています。採用選考の段階では在留カードの提示を求めず、採用内定後に原本で就労可否を確認するようにしましょう。

学歴証明書がない場合はどう対応すればよいですか?

卒業証明書や成績証明書の提出を候補者に依頼しましょう。発行に時間がかかる国もあるため、選考スケジュールに余裕を持たせておくと安心です。

日本語能力証明がない候補者はどう扱えばよいですか?

証明書がなくても、面接での会話や筆記課題などで実際の日本語力を確認する方法があります。業務に必要なレベルを事前に整理し、総合的に判断しましょう。

書類選考のみで在留資格の変更可否は判断できますか?

在留資格の変更許可の可否は、最終的に出入国在留管理庁(地方出入国在留管理局)が審査のうえ決定するものであり、企業の書類選考だけで確定的に判断することはできません。書類選考の段階ではおおまかな見通しを立てる程度にとどめ、正式な判断は出入国在留管理局への申請結果を待つ必要があります。不安な場合は行政書士に相談すると安心です。

登録支援機関や人材紹介会社を使う場合、費用はどのくらいかかりますか?

登録支援機関への委託費用や人材紹介会社の紹介手数料は、依頼先やサービス内容によって幅があります。複数の事業者から見積もりを取り、自社の状況に応じて活用を検討してみてください。

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