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特定技能の在留通算期間とは上限と更新のコツが丸わかり

投稿日投稿日 2026.08.25
更新日更新日 2026.08.25
特定技能の在留通算期間とは上限と更新のコツが丸わかり
目次

特定技能1号として働く外国人材の在留期間は、通算で原則5年が上限と定められています。更新を重ねても、通算期間が5年に達すると特定技能1号としての就労は終了してしまいます。この記事では、通算期間の数え方や5年経過後に選べるキャリアパスについて、採用担当者と外国人材の両方にわかりやすく解説します。

特定技能1号の在留通算期間は「最長5年」が上限

特定技能1号の在留通算期間は「最長5年」が上限

特定技能1号として働ける期間は、雇用契約の年数ではなく「在留した通算期間」で数えます。在留資格「特定技能1号」については、通算在留期間が原則5年以内でなければなりません。契約を更新すれば無期限に働けると誤解されやすいのですが、実際には通算期間の上限が就労継続の大きな壁になります。ここでは、通算5年の考え方と更新の仕組みを詳しく見ていきましょう。

通算5年とは何を指すのか

「通算」とは、勤務先の企業や特定産業分野が変わっても、特定技能1号として日本に在留した期間をすべて合算した年数を指します。転職を経験していても、合算の対象から外れることはありません。

通算期間は、特定技能1号として在留を許可された期間で算定します。海外からの新規入国は上陸許可日、国内での資格変更は変更許可日が基準であり、在留カードを物理的に受け取った日ではありません。「雇用開始日が1日目」と勘違いし在留期間を誤って認識してしまうケースもあるため、必ず許可日を基準に確認するようにしましょう。

在留期間の更新回数と上限の関係

特定技能1号の在留期間は、法務大臣が個々に指定する3年を超えない範囲の期間で付与されます(2025年9月30日の運用要領改訂により、従来の「1年を超えない範囲」から拡大)。通算で原則5年が上限です。

更新の回数そのものに制限はありませんが、これまでの許可期間を合計した通算期間が5年に達した時点で在留は終了します。この5年間の通算期間内であれば、同一企業での継続雇用はもちろん、同じ特定産業分野内での転職も可能です。ただし、転職の際は在留資格変更許可申請が必要になる点にご注意ください。「更新さえすれば働き続けられる」というのは誤解なので、残りの通算期間を常に意識しておくことが大切です。

なぜ特定技能1号に5年という上限が設けられているのか

なぜ特定技能1号に5年という上限が設けられているのか

特定技能1号に5年という上限が設けられているのは、この制度が人手不足を補うための仕組みとして設計されているためです。生産性の向上や国内人材の確保の取組を行ってもなお、人材を確保することが困難な産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人材を受け入れることが制度の目的であり、日本人だけでは人手が足りない分野に限って、即戦力となる外国人の就労を認める仕組みになっています。

即戦力として一定期間だけ働いてもらう位置づけであるため、長期的な定住や家族帯同は当初から前提とされていません。技能実習制度が国際貢献を目的としているのに対し、特定技能は正面から人手不足対策として作られた資格という違いがあります。役割の異なる制度を組み合わせることで、産業分野ごとの人材確保を図っているのです。

一方で、より高い技能を持つ人材には長期的に活躍してもらう必要があります。そのために用意されているのが、上位資格の特定技能2号です。特定技能2号になると、在留期間の上限がなくなるほか、家族の帯同が認められたり、一定の要件を満たすことで永住権を申請できるようになったりと、企業側の長期的な人材確保が見込めるというメリットがあります。

つまり、特定技能1号は「まず5年間、即戦力として働いてもらう入り口の資格」であり、特定技能2号は「熟練した人材に長く活躍してもらうための資格」という役割分担が制度の根底にあります。この設計を理解しておくと、5年経過後の選択肢もイメージしやすくなるでしょう。

5年のカウントに「含まれる期間」と「含まれない期間」

5年のカウントに「含まれる期間」と「含まれない期間」

通算5年のカウントには、特定技能1号として在留していた期間の大半が含まれますが、一定の例外的な事情による期間は除外されます。含む・含まないの線引きを知っておくと、通算期間の見通しを立てやすくなります。次の2つの見出しで、具体的なケースを見ていきましょう。

通算期間に含まれる主なケース

通算5年には、実際に特定技能1号として就労していた期間だけでなく、次のような期間も含まれます。

  • 特定技能1号として在留していたものの、実際には就労していなかった期間
  • 再入国許可(みなし再入国許可を含む)による出国期間
  • 特定技能1号への移行準備のために「特定活動」で在留していた期間

「特定技能1号」の通算在留期間には、「特定技能1号」で在留中の就労していない期間や、再入国許可による出国期間(みなし再入国許可による出国期間も含む。)のほか、「特定技能1号」への移行を希望する場合の在留資格「特定活動」の在留期間についても含まれます。一時帰国や転職準備の期間も、原則としてカウントの対象になる点を押さえておきましょう。

通算期間にカウントされない例外ケース

一方で、次のような事情がある期間は、申立てによって通算期間から除外できる場合があります。

  • 感染症の流行など、やむを得ない事情で再入国できなかった期間
  • 産前産後休業・育児休業の期間
  • 病気や怪我による休業期間(原則1年以下、労災の場合は3年以下)

再入国許可により出国(みなし再入国許可による出国を含む。)したものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための上陸を拒否する措置などのやむを得ない事情により再入国することができなかった期間、産前産後休業期間・育児休業期間や病気・怪我による休業期間については、通算在留期間には含まれません。これらの適用には、休業期間に関する申立書や疎明資料の提出が必要で、通算5年が満了する概ね3か月前までに申請します。なお、特定技能2号評価試験等に不合格となった者のうち、一定の要件を満たすものについては、5年を超えて在留することについて相当の理由があると認められる場合に該当し、通算在留期間が6年となります。

通算5年に達したあと、雇用を続けるための3つの選択肢

通算5年に達したあと、雇用を続けるための3つの選択肢

通算5年に達したあとも、雇用や就労を続ける道がまったくなくなるわけではありません。主な選択肢は、特定技能2号への移行、他の在留資格への変更、そしていったん帰国するという3つです。それぞれの特徴を見ていきましょう。

選択肢① 特定技能2号へ移行して継続雇用する

特定技能2号へ移行できれば、在留期間の上限がなくなり、企業は長期的な雇用計画を立てられるようになります。特定技能2号になると、在留期間の上限がなくなるほか、家族の帯同が認められたり、一定の要件を満たすことで永住権を申請できるようになったりと、企業側の長期的な人材確保が見込めるというメリットがあります。

ただし、移行には分野別の技能評価試験への合格や、一定の実務経験が求められます。試験対策や実務経験の積み上げには時間がかかるため、通算5年の期限ぎりぎりになってから動き出すのは避けたいところです。5年間のうちに計画的な準備を進めておくことが、スムーズな移行につながります。

選択肢② 別の在留資格(技術・人文知識・国際業務など)へ変更する

特定技能2号以外にも、在留資格を変更して日本での就労を続ける方法があります。たとえば介護分野では、介護福祉士の国家資格を取得すれば「介護」の在留資格に変更でき、在留期間の上限がなくなります。介護福祉士国家試験の実務経験ルートでは、原則として3年以上かつ540日以上の実務経験に加え、実務者研修の修了等が必要です。

このほか、学歴や実務経験の要件を満たせば「技術・人文知識・国際業務」への変更も選択肢になります。また、日本人や永住者と結婚した場合には、配偶者としての在留資格に切り替える方法もあります。本人の学歴や経歴、将来の希望に合わせて、複数のルートを検討してみましょう。

選択肢③ いったん帰国後、特定技能1号として再来日する(通算期間リセット)

「一度帰国すれば通算期間がリセットされ、また5年働ける」と考えている方も多いのですが、これは誤解です。在留資格『特定技能1号』は、退職をして出国した後、しばらくして入国した場合でも通算期間として計算をします。一度出国しても、在留期間がリセットされることはありません。

通算5年に達した本人が、再び特定技能1号として日本に在留することは、原則として認められていません。そのため、5年経過後に帰国するケースは、2号移行や他資格への変更が難しく、日本での就労継続を諦めざるを得ない場合の現実的な選択肢という位置づけになります。

特定技能2号に移行できる職種・条件をわかりやすく解説

特定技能2号に移行できる職種・条件をわかりやすく解説

特定技能2号は、以前は建設や造船・舶用工業などごく一部の分野に限られていましたが、現在は多くの分野で移行が可能になっています。ここでは、2号を選べる業種と、移行に必要な試験・技能レベルの目安を見ていきましょう。

2号が選べる業種(2024年追加分を含む)

特定技能2号の対象分野は年々拡大してきました。2023年6月9日、政府は特定技能2号の対象を拡大しました。従来は建設と造船・舶用工業のみでしたが、人手不足の深刻な農業、宿泊、飲食料品製造、外食にも広がります。

2024年には自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野が特定技能1号に新たに加わりましたが、現在、特定技能2号が取得可能なのは11分野のみで、介護、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の5分野は対象外となっています。

区分該当分野
2号移行が可能ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業
2号移行が現時点で不可介護、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業

自社の分野が2号移行の対象かどうかは、早い段階で確認しておきましょう。

2号に必要な試験と技能レベルの目安

特定技能2号への移行には、分野ごとに実施される技能評価試験への合格が必要です。特定技能1号から2号への移行には、分野別の技能試験合格が必要です。外食業と漁業では日本語能力試験N3以上も求められます。

多くの分野では、試験合格に加えて、班長や現場管理者クラスとして働いた実務経験(おおむね2〜3年以上)も求められます。1号とは異なり日本語試験そのものは原則不要ですが、試験問題は日本語で出題されるため、実務上は一定の日本語力が欠かせません。

なお、2025年に開始された通算6年の特例により、2号移行試験で不合格でも合格基準点の8割以上を得点している場合など、一定の条件を満たせば、通算在留期間の上限が最大6年まで延長されるようになりました。不合格だった場合でもすぐに諦めず、特例の対象になるか確認してみましょう。

企業が今からやっておくべき準備と確認事項

企業が今からやっておくべき準備と確認事項

通算5年の満了が近づいてから慌てて動き出すと、試験の申込みや書類準備が間に合わないおそれがあります。早めに通算期間や2号移行の可否を確認し、計画的に準備を進めることが、雇用継続の鍵になります。

現在の通算期間の確認方法

まずは在留カードに記載された在留期間や許可年月日を確認しましょう。ただし、転職や一時帰国を繰り返している場合は、在留カードの記載だけでは正確な通算期間を把握しにくいことがあります。

そのようなときは、出入国在留管理庁への出入国記録の開示請求が有効です。「特定技能1号」での通算在留期間を把握しようとする場合は、申請人の出入国記録を用いて計算いただく方法があります。開示請求の際は、請求書の余白に「通算在留期間の確認のため」と明記してください。

ただし、出入国記録は、申請人本人の出入国歴のほか、付与された在留資格や許可年月日等を記載したものであり、通算在留期間の算定結果を記載したものではありません。開示された記録をもとに、通算期間は自社もしくは専門家が計算する必要があります。

移行に向けたスケジュールの立て方

2号移行や他資格への変更は、満了の1年前を目安に動き出すのがお勧めです。本人が特定技能1号として通算何年在留しているか、5年満了日を確認します。そのうえで、試験日程や実務経験の要件、本人の意思を早めにすり合わせておきましょう。

入管庁の案内では、通算在留期間が満了する前、概ね3か月前までに申請することが示されています。しかし、実務上は、3か月前に初めて準備を始めるのでは遅い場合があります。試験の申込期限や結果通知の時期は分野ごとに異なるため、余裕を持った計画が欠かせません。

準備を自社だけで進めるのが難しい場合は、登録支援機関や行政書士への相談も選択肢のひとつです。登録支援機関への委託費用は外国人1人あたり月額2万円〜4万円程度、新たに人材紹介を利用する場合は手数料30万円〜50万円程度が相場とされています。費用感も踏まえて、早めに支援体制を検討しておきましょう。

まとめ

まとめ

特定技能1号の在留期間は、契約の年数ではなく通算で原則5年が上限です。通算期間には特定活動での準備期間や一時帰国の期間も含まれる一方、産休・育休や病気・怪我による休業などは除外できる場合があります。

5年に達したあとの選択肢は、主に特定技能2号への移行、他の在留資格への変更、帰国の3つです。特定技能2号へ移行できれば在留期間の上限がなくなり、長期雇用も見込めます。通算期間の正確な把握と早めの準備を心がけ、必要に応じて登録支援機関や専門家にも相談しながら、円滑な雇用継続を目指しましょう。

特定技能 在留 通算期間についてよくある質問

特定技能 在留 通算期間についてよくある質問

ここでは、特定技能の在留通算期間について読者の方からよく寄せられる疑問を、Q&A形式で簡潔にまとめました。本文で解説した内容の理解を深めるために、あわせて確認してみてください。

通算5年の起算日はいつからですか?

起算日は雇用契約の開始日ではなく、在留カードを受け取った日です。海外から来日した場合は入国日、国内で在留資格を変更した場合は許可日が起算日になります。

特定産業分野を変えて転職した場合、通算期間はどうなりますか?

分野や勤務先が変わっても、特定技能1号として在留していた期間はすべて合算されます。転職前の期間もそのまま通算に含まれます。

特定技能2号の試験に不合格だった場合、在留期間の延長はできますか?

一定の要件を満たせば、通算期間を6年まで延長できる特例があります。試験で合格基準の8割以上を得点していることなどが条件です。

自分の通算期間を正確に知る方法はありますか?

在留カードの記載を確認するほか、出入国在留管理庁へ出入国記録の開示請求を行うことで、より正確な出入国歴を確認できます。

通算5年に達した後、帰国すれば再び特定技能1号で働けますか?

原則として認められていません。一度出国しても通算期間はリセットされないため、同じ資格での再来日は難しいのが実情です。

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