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特定技能の転職ルールを解説 手続きと不安解消の完全ガイド

投稿日投稿日 2026.08.25
更新日更新日 2026.08.25
特定技能の転職ルールを解説 手続きと不安解消の完全ガイド
目次

特定技能で働く外国人材から「転職したいけれど手続きが分からない」という声をよく耳にします。実は特定技能1号は技能実習と異なり転職が認められていますが、無条件ではなく一定のルールがあります。この記事では、特定技能の転職可否の条件から在留資格変更の具体的な手続き、受け入れ企業が注意すべき引き抜きリスクへの対処法まで、外国人本人と企業担当者の双方に向けて分かりやすく解説します。

特定技能の外国人は転職できる?結論と基本ルール

特定技能の外国人は転職できる?結論と基本ルール

結論からお伝えすると、特定技能1号の外国人は転職ができます。ただし無条件で自由というわけではなく、同一の業務区分内、または技能水準の共通性が確認された区分間でのみ認められるというルールがあります。まずはこの基本ルールを押さえていきましょう。

特定技能1号は同じ分野内であれば転職が自由にできる

特定技能1号の転職には、出入国在留管理庁が定める明確な基準があります。政府基本方針では、分野内にさらに「業務区分」という区分けを設け、転職が認められる場合について、「同一の業務区分内又は試験等によりその技能水準の共通性が確認されている業務区分間」としています。

たとえば介護分野で働く方が別の介護施設に移る場合や、建設分野の同じ業務区分内での転職は、比較的スムーズに進められます。一方、製造業分野では「工業製品製造業」分野において、機械金属加工区分と電気電子機器組立て区分の間では、一定の技能検定合格によって両区分での就労が認められるケースがあります。つまり、転職先が「同じ仕事内容の延長線上にあるか」がポイントになるとイメージするとわかりやすいでしょう。

技能実習との大きな違い|なぜ特定技能は転職できるのか

技能実習制度は、開発途上国への技術移転による国際貢献を目的とした制度であり、原則として転籍(転職)が認められていません。技能実習制度であれば、3年間は転職することができませんが、特定技能にその制限は一切ありません。

この違いは制度の目的そのものにあります。特定技能は人手不足が深刻な産業分野の労働力を確保するための就労資格として創設されたため、労働者としての権利保障の観点から転職の自由が認められているのです。特定技能外国人は、日本人労働者と同じく自分の都合でいつでも退職することが可能です。とはいえ、転職には在留資格の変更手続きが伴うため、自由といっても事前準備が欠かせません。

特定技能外国人が転職できる条件

特定技能外国人が転職できる条件

特定技能の転職を実現するには、外国人本人だけでなく、転職先の企業側も一定の要件を満たす必要があります。どちらか一方が欠けても在留資格の変更許可は下りませんので、両者の条件を確認していきましょう。

外国人本人が満たすべき条件

転職先の業務が現在の在留資格の活動範囲内であることが大前提です。同じ業務区分であれば試験は不要ですが、異なる分野や業務区分に移る場合は新たな試験合格が必要になります。同じ分野であっても、「従事する業務区分」が異なる場合には、従事する業務区分毎の技能試験を受けて、合格する必要があります。

実際の例として、同じ建設分野であっても、「ライフライン・設備区分」で働いている特定技能外国人が、「土木区分」で働く場合には、建設技能試験の「土木区分」の技能試験に合格しなければなりません。異なる産業分野へ移る場合は日本語試験の合格状況も改めて確認されるため、事前に転職先の業務内容をしっかり確認しておくことが大切です。

新しい受け入れ企業が満たすべき条件

転職先の企業にも、特定技能外国人を受け入れるための要件があります。主な条件は次の通りです。

  • 受け入れ可能な特定産業分野に該当していること
  • 報酬が日本人と同等以上であること
  • 1年以内に解雇者や行方不明者を出していないこと
  • 外国人の雇用管理を適切に行える体制が整っていること
  • 労働関係法令および社会保険関係法令を遵守していること

特定技能外国人を受け入れる新しい企業側も、以下のような要件を満たす必要があります。・外国人を受け入れられる12分野のいずれかの事業に該当していること・1年以内に特定技能と同業務従事者に解雇者や行方不明者がいないこと・外国人の雇用管理を適切に行える体制が整っていること・報酬が日本人と同等以上であること・労働関係法令および社会保険関係法令を遵守していること・外国人が業務に必要な技能を修得できるような支援体制があること。企業はこれらを証明する書類を準備し、在留資格変更許可申請に協力する必要があります。

転職時の手続きの流れ|企業・本人それぞれのやること

転職時の手続きの流れ|企業・本人それぞれのやること

特定技能外国人の転職では、本人・元の受け入れ企業・新しい受け入れ企業の三者がそれぞれ手続きを行う必要があります。誰か一人でも対応が漏れると、届出違反や在留資格の審査遅延につながるおそれがあるため、順を追って確認していきましょう。

元の受け入れ企業が行う手続き

退職が決まったら、元の受け入れ企業は速やかに複数の届出を行う必要があります。「特定技能所属機関による受入れ困難に係る届出」及び「特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出」を、出入国在留管理庁電子届出システム、もしくは旧受入れ企業の本店を管轄する出入国在留管理局に提出する必要があります。

提出のタイミングについては、退職日が確定した時点で、「特定技能所属機関による受入れ困難に係る届出」を提出し、退職後14日以内に「特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出」を提出するのがスムーズです。あわせて、雇用保険の資格喪失手続きや社会保険の資格喪失届など、日本人従業員の退職時と同様の労務手続きも必要です。届出を怠ると30万円以下の過料(出入国管理及び難民認定法)の対象になるおそれがあるため、期限管理を徹底しましょう。

外国人本人が行う手続き(在留資格の変更申請)

転職先で働くためには、出入国在留管理庁への在留資格変更許可申請が欠かせません。特定技能ビザ保有者(1号および2号)には、契約機関の名称等が記載された「指定書」が発行されるため、転職した際は「在留資格の変更許可申請」を新たに行う必要があります。

申請先は住居地を管轄する地方出入国在留管理局で、必要書類には健康診断個人票や住民税の課税証明書、雇用契約書の写しなどが含まれます。気になる審査期間については、在留資格変更許可申請は1か月から2か月ですとされていますが、実務上は審査期間はおおむね1〜3か月ですと見ておくと安心でしょう。余裕を持ったスケジュールを組むことが、スムーズな転職の鍵になります。

新しい受け入れ企業が行う手続き

新しい受け入れ企業は、在留資格変更許可申請に必要な多くの書類を準備しなければなりません。例えば、雇用条件書、特定技能外国人の支援計画書、納税証明書、健康保険・厚生年金保険料領収証、役員の住民票などです。

加えて、ハローワークへの外国人雇用状況の届出や、分野によっては協議会への加入手続きも必要になります。在留資格変更許可申請の申請人は外国人ですが、新受入れ企業が準備する必要書類が多数ありますという点からも分かるように、実質的には企業側の協力なしに転職手続きは成立しません。書類作成には専門知識が求められる場面も多いため、行政書士や登録支援機関へ相談しながら進めるのも一つの方法です。

転職手続きで特に注意すべきポイント

転職手続きで特に注意すべきポイント

特定技能の転職手続きでは、多くの方がつまずきやすいポイントが2つあります。ひとつは審査期間中の就労制限、もうひとつは在留期限との兼ね合いです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

在留資格の申請中は働けない期間がある

在留資格変更許可申請の審査中は、原則としてアルバイトを含めどこでも働けません。新しい会社で早く働きたいと思っても、在留資格変更許可申請の前後を問わず、必要な許可が整う前に就労を開始するのは非常に危険です。試用期間だから、研修だから、アルバイトだからという理由であっても、許可前に業務へ従事すれば、不法就労と評価されるおそれがあります。

すでに退職済みの場合、すでに前の会社を退職している場合、在留資格変更の審査中は新しい会社での就労は認められていません。退職してから許可が下りるまでの「空白期間」は、原則として収入がない状態になります。そのため実務上は、前の会社に在職中の場合は、許可後に退職し、新しい会社へ移ることも可能ですという形で、在職中に申請を進め、許可後に退職するスケジュールが推奨されています。生活費に不安がある場合は、事前に貯蓄状況を確認しておくと安心です。

在留期限が近い場合は「特定活動」への切り替えで対応する

在留期限が迫っていて特定技能への変更手続きが間に合わない場合、一時的な救済措置があります。在留資格変更許可申請の準備が間に合わず、現在の在留期限が迫っている場合の救済策として、「特定活動(特定技能1号への移行準備)」への変更が認められる場合があります。

この特定活動は在留期間は原則6か月(就労可)ですとされており、以前は4ヶ月だった期間が延長された経緯があります。ただし注意点として、この特定活動の期間は特定技能1号の通算5年に含まれる点に注意が必要です。そのため、特定技能1号として既に4年6ヶ月以上在留している方は対象外となります。通算在留期間をあらかじめ確認しておくことが重要です。

企業が知っておきたい「引き抜きリスク」への対処法

企業が知っておきたい「引き抜きリスク」への対処法

特定技能は転職が自由な制度であるがゆえに、企業間での人材の引き抜きが業界内で問題視されています。人手不足の分野ほど、条件の良い企業に人材が流れやすい構造があるため、受け入れ企業としてはあらかじめリスクを理解し、対策を講じておくことが大切です。

引き抜き自粛規定とは何か

食品産業分野などでは、業界団体が引き抜きの自粛を申し合わせています。協議会では、飲食料品製造業分野・外食業分野における制度の適切な運用を図ります。具体的には構成員の連携の緊密化を図り、特定技能に関する制度や情報の周知、法令遵守の啓発のほか、地域ごとの人手不足の状況を把握し、必要な対応(引き抜き防止等の申合せ)等を行います。

この申し合わせは法律上の罰則を伴うものではありませんが、積極的な引き抜き行為が発覚した場合には,協議会から除名処分を受け,特定技能外国人の雇用ができなくなる可能性がある点について注意が必要です。一方で、外国人本人が自らの意思で転職先を探すこと自体は制限されていないため、「どこまでが引き抜きに当たるのか」という線引きが曖昧な点が業界の悩みどころとなっています。

転職・退職を防ぐために企業ができること

引き抜きへの対策として最も効果的なのは、そもそも人材が離職したいと感じない職場づくりです。採用時点での丁寧な説明も欠かせません。事前のガイダンス・母国語説明の徹底、待遇や評価基準の明示、教育体制の整備が重要とされています。

加えて、次のような取り組みが定着支援につながります。

  • 入社時のガイダンスや生活オリエンテーションを母国語で丁寧に行う
  • 日本人従業員と同等以上の報酬・評価制度を整備する
  • キャリアアップの道筋を明確に示す
  • 登録支援機関を活用し、生活相談やメンタルケアの体制を整える

なお、登録支援機関へ支援業務を委託する場合の費用は、外国人1人あたり月額2万円から4万円程度が一般的な相場とされています。定着支援にかかるコストは、転職による採用コストや教育コストの再発生と比較すると、決して高い投資ではないでしょう。

まとめ

まとめ

特定技能1号は、技能実習とは異なり転職が認められていますが、同一の業務区分内、または技能水準の共通性が確認された区分間でのみ可能というルールがあります。転職には在留資格変更許可申請をはじめ、元の受け入れ企業・新しい受け入れ企業それぞれの届出が必要で、審査期間中は原則として就労できない点にも注意が必要です。企業側は引き抜きリスクを正しく理解したうえで、丁寧な採用対応と定着支援を行い、外国人材と長く良好な関係を築いていくことが求められます。

特定技能 転職 ルールについてよくある質問

特定技能 転職 ルールについてよくある質問

ここでは、特定技能の転職に関して読者の方からよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。

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