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外国人採用のメリット・デメリットと導入判断ガイド

投稿日投稿日 2026.07.29
更新日更新日 2026.07.29
外国人採用のメリット・デメリットと導入判断ガイド
目次

「求人を出しても全然応募がこない…」そんな悩みを抱える中小企業の経営者や採用担当者の間で、外国人採用への関心が高まっています。でも、いざ検討しようとすると「手続きが複雑そう」「トラブルが怖い」といった不安が頭をよぎりますよね。この記事では、外国人採用のメリット・デメリットを両面からわかりやすく整理します。自社に合っているかどうか、じっくり判断してみてください。

外国人採用のメリット・デメリットを一言でまとめると

外国人採用のメリット・デメリットを一言でまとめると

外国人採用は「人手不足の解消」と「多様な戦力の確保」が大きな魅力である一方、「手続きの手間」や「コミュニケーションの壁」という課題もあります。まずはざっくりとした全体像をつかんでおきましょう。

人手不足の解消と多様な戦力が最大のメリット

外国人採用の一番の魅力は、日本人の採用が難しい部分を補っている点です。 特に製造業・飲食・介護・建設といった業種では、慢性的な求人難が続いており、外国人材がその穴を埋める存在として機能しています。

さらに、母国での職業訓練や語学力を持つ即戦力人材が多く、新しい視点やアイデアを社内にもたらしてくれることも期待できます。単なる「人数合わせ」ではなく、チームの多様性を高める意味でも注目されています。

手続きの複雑さとコミュニケーションが主なデメリット

一方で、外国人採用には日本人採用にはない手間がかかります。在留資格の確認・申請・更新といった行政手続きは専門知識が必要で、初めての企業にとってはハードルが高いと感じることが多いのがポイントです。

また、日本語能力の差や文化的な価値観の違いから、指示の伝え方や職場のルールの共有に工夫が求められる場面もあります。「思ったより大変だった」と感じる企業の多くは、事前の準備が不足していたケースがほとんどです。

中小企業に外国人採用が向いているケース・向いていないケース

外国人採用が向いているのは、次のような状況の企業です。

  • 求人を出しても応募がほとんど集まらない
  • 製造・飲食・介護・建設など特定技能の対象業種に該当する
  • フルタイムで働いてくれる人材を求めている
  • 自社内または、登録支援機関などの外部サポートがある

反対に、業務内容が高度な専門知識や高い日本語能力を必須とする場合、または社内に受け入れ体制を整える余裕がない場合は、まず体制づくりから始めることをおすすめします。「向いているかどうか」は業種・体制・目的の3軸で考えると判断しやすくなります。

外国人採用が注目されている背景

外国人採用が注目されている背景

日本では少子高齢化による生産年齢人口の減少が加速しており、多くの中小企業が深刻な人手不足に直面しています。総務省の労働力調査によると、近年の有効求人倍率は特に製造・建設・介護などの現場職で高止まりが続いており、日本人採用だけでは必要な人員を確保しにくい状況が定着しつつあります。

こうした背景から、政府は2019年に「特定技能」という新たな在留資格を創設し、即戦力となる外国人材の受け入れを制度として整えました。現在は16分野(2027年には19分野となる予定)の特定産業分野で受け入れが可能となっており、中小企業にとっても現実的な採用手段として広がっています。

さらに、コロナ禍以降に外国人労働者数が回復・増加傾向にあり、出入国在留管理庁の統計では2025年12月末時点で在留外国人数が過去最高水準を更新しています。同業者から「外国人スタッフが戦力になっている」という話が聞こえてきやすい環境になったのも、関心が高まっている理由のひとつです。

人口動態の変化は今後も続くため、外国人採用は一時的な話題ではなく、経営の選択肢として真剣に検討する価値があります。

外国人採用の4つのメリット

 外国人採用の4つのメリット

外国人採用には、人手不足の解消にとどまらないさまざまなメリットがあります。ここでは特に中小企業にとって実感しやすい4つのポイントを紹介します。

慢性的な人手不足を解消できる

国内の求人市場で競合他社と採用争いをしている企業にとって、外国人採用は「採用の母集団を広げる」大きな手段です。特に地方の中小企業や、若い世代に人気が薄い業種では、外国人材が即戦力として活躍するケースが増えています。

特定技能の在留資格を持つ外国人は、日本語の試験やその業種に関連した技能試験をクリアした人材、または、日本で技能実習2号までを良好に終了した人材です。基礎的な技能水準が確認された人材を採用できるのは、企業様にとってメリットが大きいと言えます。

若くてやる気のある人材を確保しやすい

日本で働くことを選んだ外国人材の多くは、キャリアアップや収入向上に強いモチベーションを持っています。「日本で頑張りたい」という意欲がはっきりしているため、入社後の定着率が高いケースも珍しくありません。

また、20代〜30代前半の若い人材が多く、体力が求められる現場仕事や、長期的な戦力として育てたい職種にもマッチしやすいです。日本人採用で若手が集まらないと悩んでいる企業ほど、この点での効果を実感しやすいでしょう。

社内の活性化や多様な発想が生まれる

外国人スタッフが加わることで、職場の雰囲気が変わったという声は多くの企業から聞かれます。「なぜこのやり方なのか」と素直に問いかける姿勢が、長年の慣習を見直すきっかけになることもあります。

多様な文化的背景を持つメンバーがいると、製品の改善案や接客スタイルなど、日本人だけでは気づきにくい視点が生まれることがあります。特にインバウンド対応が必要な業種では、外国人スタッフのアイデアが直接売上に結びついた事例もあります。多様性(ダイバーシティ)が組織の力になる、という感覚は実際に外国人材を受け入れた企業が共通して語るポイントです。

海外展開・インバウンド対応に役立つ

語学力を持つ外国人スタッフは、訪日外国人対応や海外取引先とのやりとりで即戦力になります。観光業・小売業・飲食業などは特に、多言語対応できる人材がいることで外国人客への対応がスムーズになります。

また、将来的に海外進出を視野に入れている企業にとっては、現地の商習慣や言語を理解した人材を社内に持つことが大きな強みになります。採用時点ではそこまで考えていなかった企業でも、結果的に海外ビジネスの窓口として外国人スタッフが活躍しているケースは少なくありません。

外国人採用の3つのデメリット

外国人採用の3つのデメリット

メリットがある一方で、外国人採用には対策が必要な課題もあります。事前に把握しておくことで、多くの問題は防ぐことができます。

言葉・文化の違いによるコミュニケーションの難しさ

日本語能力は個人差が大きく、業務指示が正確に伝わらないことがあります。特に細かいニュアンスや暗黙のルールは、言葉だけでなく文化的な背景の違いも影響するため、伝え方に工夫が必要です。

「空気を読む」「察する」といった日本特有のコミュニケーションスタイルは、外国人材にとって分かりにくい場合があります。マニュアルの整備や、分かりやすい言葉・図解での指示といった対策を取ることで、多くのすれ違いは防げます。最初は手間に感じても、結果的に社内のコミュニケーション全体がクリアになったという企業も多いです。

在留資格の管理や手続きに手間がかかる

外国人を雇用する際は、在留資格・就労制限と従事業務の適合性が合致しているかを必ず確認する必要があります。また、在留期限の管理や更新手続きなど、継続的な対応が求められます。

手続きを誤ると、不法就労を助長したとして企業側が罰則を受けるリスクもあります。とはいえ、登録支援機関や行政書士などの専門家に委託することで、この負担はかなり軽減できます。「難しそう」と感じている企業の多くは、専門家に任せることで問題なく運用しています。

採用から入社までにリードタイムがある

外国人材、特に海外在住の人材を採用する場合、ビザ申請・審査・渡航といったプロセスがあるため、採用決定から入社まで数ヶ月かかることがあります。急ぎで人員を補充したい状況には向きにくいです。

計画的に採用スケジュールを組むことが大切で、「半年後の繁忙期に合わせて採用活動を今から始める」というような先を見越した動きが必要です。既に日本国内に在留している外国人材を採用する場合は、このリードタイムを短縮できることもあります。

入社までのリードタイムは少しかかりますが、外国人材の採用は、計画的に進められることがメリットです。日本人のみの採用の場合は、『いつ採用できるか分からない・・・』ことが殆どです。

外国人採用でよくあるトラブルと防ぎ方

外国人採用でよくあるトラブルと防ぎ方

「外国人採用は失敗した」という声の多くは、事前の確認不足や受け入れ準備の甘さが原因です。よくあるトラブルのパターンを知っておくだけで、リスクを大幅に下げられます。

在留資格と仕事内容が合っていなかった

在留資格にはそれぞれ「できる仕事の範囲」が法律で定められています。例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ人材に単純労働をメインとした業務につかせる(許可された専門的業務に該当しない作業を主たる業務として行わせる)と不法就労に該当してしまいます。

このトラブルを防ぐには、採用前に「その在留資格で自社の業務ができるか」を必ず確認することが重要です。判断に迷う場合は、入国管理局や登録支援機関、行政書士に相談することをおすすめします。確認を怠ると企業側も罰則の対象になるため、面倒でも必ずチェックしておきましょう。

入社後すぐに離職してしまった

入社直後の早期離職は、日本人採用でも起こりえますが、外国人材の場合は「思っていた仕事と違った」「生活環境に不安を感じた」といった理由が加わることがあります。特に海外から来日した場合、住居探しや生活のセットアップに大きな不安を感じやすいです。

受け入れ側が住居の手配や生活オリエンテーションをサポートすることで、定着率は大きく変わります。また、業務内容や職場環境について採用前に正直に伝えることも、ミスマッチ防止に効果的です。最初の3ヶ月(実務上の定着支援の目安)を丁寧にフォローすることが、長期定着につながります。

職場の日本人スタッフとうまくなじめなかった

外国人材を採用しても、既存の日本人スタッフとの関係がうまく構築できないと、双方のストレスになり職場全体の雰囲気が悪化することがあります。「価値観が違いすぎてやりにくい」という声は、双方から出ることがあります。

対策として効果的なのは、受け入れ前に既存スタッフへの説明や意識共有の場を設けることです。また、外国人材に対しても日本の職場文化や社内ルールを丁寧に説明するオリエンテーションが有効です。多様なメンバーが自然に協力できる環境は、最初から「当たり前」にはならないので、意識して作っていく必要があります。

外国人採用の主な種類と選び方

外国人採用の主な種類と選び方

外国人採用といっても、在留資格の種類によって「できる仕事の範囲」「受け入れ条件」「手続きの流れ」が大きく異なります。自社に合った在留資格を選ぶことが、採用成功の第一歩です。

特定技能と技能実習、技術・人文知識・国際業務の違い

主な在留資格の違いを整理すると、以下のようになります。

在留資格対象業務特徴
特定技能(1号・2号)製造・建設・飲食・介護など16分野即戦力。試験合格または技能実習修了が条件
技能実習農業・漁業・建設・製造など技術移転が目的。就労より「研修」の性格が強い
技術・人文知識・国際業務IT・営業・翻訳・デザインなど大卒以上が多い。ホワイトカラー職向け

技能実習は2024年の制度改正により「育成就労」へと段階的に移行する方針が示されており、制度の変化に注意が必要です。※育成就労制度は2027年4月1日施行予定で、技能実習には経過措置があります。

中小企業が最初に検討すべき在留資格はどれか

製造・飲食・建設・農業・介護など対象分野の現場業務を担う人材を採用する場合、特定技能人材は、有力な選択肢となります。ただし、本人・業務・雇用契約・受入れ機関の各要件を確認する必要があります。

技術系・営業系の職種であれば「技術・人文知識・国際業務」も検討できますが、採用できる業務範囲が限られるため、自社の仕事内容と照らし合わせた確認が必要です。どの在留資格が合うか迷ったときは、登録支援機関や行政書士への相談が一番確実です。

外国人採用を始める前に確認すべき3つのポイント

「やってみよう」と決める前に、3つのポイントを確認しておきましょう。事前の確認がのちのちのトラブルを防ぎます。

自社の業種・職種で受け入れが可能か

外国人採用で最初に確認すべきは、「自社の業種・業務内容が、受け入れたい在留資格の要件を満たしているか」です。特定技能であれば対象16分野に入っているか、「技術・人文知識・国際業務」であれば業務内容が合致しているかを確認します。

業種・職種が合っていても、具体的な業務の組み合わせによっては認められないケースもあるため、「たぶん大丈夫だろう」で進めるのは危険です。不安な場合は、採用活動を始める前に専門家に確認することをおすすめします。

社内のサポート体制は整えられるか

外国人材が長く活躍できるかどうかは、受け入れ側の体制に大きく左右されます。特に入社後の生活支援(住居・銀行口座・社会保険の手続きなど)は、外国人材が職場に馴染む上で欠かせないサポートです。

チェックしておきたいポイントは以下の通りです。

  • 業務マニュアルをやさしい日本語や多言語で準備できるか
  • 生活上の困りごとを相談できる窓口・担当者がいるか
  • 既存スタッフが受け入れに前向きな雰囲気があるか

1号特定技能外国人の支援を自社実施する場合、「誰かが窓口」だけでは足りず、支援責任者・支援担当者、支援実績・中立性、外国人が十分理解できる言語での対応等の基準を満たす必要があります。基準を満たせない場合は、支援の全部を登録支援機関へ委託することも検討しましょう。

登録支援機関の活用で手間を大幅に減らせる

1号特定技能外国人を受け入れる企業には、支援計画の作成・実施が義務付けられています。この支援業務を企業に代わって担うのが「登録支援機関」です。在留資格の手続きサポート、生活オリエンテーション、相談対応など、受け入れに関わる一連の業務を委託できます。

初めて外国人採用に取り組む中小企業にとって、登録支援機関の活用は「やることリスト」を一気に減らせる心強い手段です。FMS(フィールドマーケティングシステムズ)の支援のように、採用から定着まで一気通貫でサポートする機関を活用すれば、専門知識がなくても安心して外国人材の受け入れを進められます。

まとめ

まとめ

外国人採用には、人手不足の解消・若手即戦力の確保・社内の多様性向上といったメリットがある一方、コミュニケーションの工夫や在留資格の管理といった手間もあります。ただ、多くの課題は事前準備と専門家のサポートで対処できます。

「自社に合っているか」を判断する際は、業種・受け入れ体制・採用目的の3点を整理するのが近道です。初めての外国人採用で不安を感じている場合は、登録支援機関に相談することから始めてみてください。一歩踏み出すことで、採用の選択肢はぐっと広がります。

外国人採用のメリット・デメリットについてよくある質問

外国人採用のメリット・デメリットについてよくある質問

外国人採用は中小企業でもできますか?

はい、できます。むしろ日本人採用で人材が集まりにくい中小企業こそ、外国人採用の恩恵を受けやすい状況にあります。特定技能制度は中小企業の人手不足解消を目的に設けられた制度でもあり、企業規模を問わず、所定の基準を満たせば受入れ可能です。

外国人採用にかかるコストはどのくらいですか?

採用方法や在留資格の種類によって異なりますが、特定技能の場合、採用エージェント(送り出し機関)費用・登録支援機関への委託費・ビザ申請費・住居関連費用などを合計すると、一人あたり30〜80万円程度が目安となることが多いです。※紹介会社を通じての日本人材採用の場合、通常は年収の25%~35%ほどの費用がかかります。

日本語が話せない外国人でも採用できますか?

在留資格によって日本語能力の要件は異なります。特定技能1号では「日本語能力試験N4程度以上」または技能実習2号終了(約3年)が条件の一つとなっており、日常会話程度の日本語力を持つ人材が対象です。業務内容に応じてどの程度の日本語力が必要かを採用前に整理しておくとよいでしょう。

外国人採用で一番気をつけることは何ですか?

在留資格と業務内容の一致確認が最も重要です。資格外の業務をさせると企業側が不法就労助長罪に問われる可能性があります。採用前に必ず専門家に確認し、定期的な在留期限の管理も怠らないようにしましょう。

登録支援機関に頼まなくても外国人採用はできますか?

1号特定技能外国人の受け入れに関しては、支援計画の作成・実施を企業自身が行うことも制度上は可能です。ただし、行政手続きや生活支援など対応範囲が広いため、初めての受け入れでは登録支援機関への委託が現実的です。委託することで手続き漏れのリスクを減らし、担当者の負担も大幅に軽減できます。

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