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外国人採用で長期定着10年の事例に学ぶ心が動く秘訣

投稿日投稿日 2026.08.25
更新日更新日 2026.08.25
外国人採用で長期定着10年の事例に学ぶ心が動く秘訣
目次

外国人採用をしたものの、数年で退職されてしまうと悩んでいませんか。実は10年以上同じ企業で働き続けている外国人従業員には、いくつかの共通点があります。この記事では、外国人採用における長期定着10年の事例から見えてきた成功パターンを整理し、中小企業でもすぐに取り組める経営判断をご紹介します。

外国人従業員が10年以上定着している企業に共通する4つのポイント

外国人従業員が10年以上定着している企業に共通する4つのポイント

外国人採用における長期定着10年の事例を調べていくと、企業ごとに業種や職種は違っても、驚くほど似た取り組みが見えてきます。それは、キャリアアップの機会提供、家族呼び寄せの支援、永住権取得への協力、そして日々の職場で「必要とされている」と感じられる環境づくりの4つです。

外国人スタッフの早期離職に悩む経営者や人事担当者の方にとって、この4つは決して特別な大企業だけの取り組みではありません。中小企業であっても、順序立てて取り組むことで実現できる範囲のものばかりです。

まず1つ目は、昇進や昇給、資格取得支援など、将来の見通しを示すキャリアパスの明確化です。外国人従業員は「この会社で何年働けば、どうなれるのか」を強く意識する傾向があり、道筋が見えないと転職を検討し始めます。

2つ目は、配偶者や子どもを日本に呼び寄せるための在留資格手続きや生活支援です。単身で来日した外国人にとって、家族と離れて暮らす期間が長引くほど、帰国や転職を考える動機になりやすいといえます。

3つ目は、永住権取得に向けた企業側の協力です。企業は在職証明書の発行などを通じて支援できます。課税・納税証明書は原則として市区町村や税務署等から申請人が取得し、身元保証人も企業に限定されません。こうした手続きの全体像を把握し、必要な場面で適切にサポートすることが大切です。4つ目は、日々の業務の中で孤立させず、貢献実感を持たせるマネジメントです。次の見出しから、それぞれを詳しく見ていきましょう。

なぜ多くの企業で外国人従業員の早期離職が起きるのか

なぜ多くの企業で外国人従業員の早期離職が起きるのか

10年定着の事例を紹介する前に、なぜ多くの企業で外国人従業員が早期に離職してしまうのか、その背景を整理しておきましょう。データを見ると、雇用形態や業種によって離職率は大きく異なり、直接雇用の外国人労働者の離職率は日本人を含む常用労働者全体より高いとする調査結果が一部の民間調査で示されている一方、特定技能外国人については自己都合による3年以内離職率が十数%程度と報告されており、同期間の常用労働者全体の年間離職率(10〜20%程度)とは期間や指標の定義が異なるため単純比較はできないものの、少なくとも極端に高い水準とは言えず、外国人従業員全体について一概に離職傾向が高いとは言えない状況です。

定着しない理由の多くは「働き続ける理由が見えないこと」

出入国在留管理庁の資料によると、特定技能人材の自己都合離職率は16.1%であり、日本人大卒者の3年以内離職率33.8%と比較しても低い水準です。適切な受け入れ体制があれば、外国人材は定着しやすい人材だといえます。一方で、受け入れ体制が不十分な場合はリスクもあります。ヒューマングローバルタレント株式会社らの共同調査(2021年)では、53%の外国人労働者が入社後1年以内にモチベーションの低下を経験したと回答しており、全体の約3割が入社3ヶ月未満でやる気の低下を感じたとされています。

こうした背景には、給与や労働時間だけでなく「この先どうなるのか分からない」という将来の見通しの弱さがあります。つまり、待遇面の不満だけでなく、働き続ける理由や成長の実感を会社側が示せていないことが、根本的な課題になっているのです。

採用コスト・育成コストの損失はどのくらいになるか

外国人従業員が早期に離職すると、採用にかけた費用がそのまま損失になります。紹介手数料は、年収に対する一定割合で設定する場合と固定額で設定する場合があり、金額は契約条件によって異なります。いずれの場合も、早期離職によってこの費用が回収できなくなるリスクがある点は同じです。

中途採用全体で見ても、調査によれば中途採用する場合の一人当たりの平均採用コストは2019年で103.3万円、2018年で83万円です。ここに教育担当者の工数や研修費用を加えると、早期離職1件あたりの損失はさらに膨らみます。

定着施策への投資は、単なるコストではなく「離職による損失を防ぐための予防策」として捉え直す視点が経営判断には欠かせません。

10年定着を実現している企業の事例に見られる共通の取り組み

10年定着を実現している企業の事例に見られる共通の取り組み

早期離職が起きやすい状況を踏まえたうえで、外国人採用で長期定着を実現している企業では、多くの企業で共通してみられる取り組みとして、以下のような点が挙げられます。以下で1つずつ具体的に見ていきましょう。

キャリアアップの道筋を明確に示している

長期定着企業の多くは、昇進や昇給、スキルアップの道筋をあらかじめ明示しています。役職登用の基準や資格取得支援の制度が整っていると、外国人従業員は「この会社にいれば成長できる」と実感しやすくなります。

背景には、ジョブ型採用に慣れた外国人材が、専門性を伸ばしてキャリアを築いていきたいという意識を強く持つ傾向があることが指摘されています。実際にジョブ型採用と成果主義、個人主義の環境に慣れた外国人労働者にとって、その領域のプロフェッショナルとして技術や知識を伸ばしていきたいという発想があるとされます。

評価基準が曖昧なままでは、優秀な人材ほど見切りをつけて転職してしまいます。逆にいえば、道筋さえ示せば、長く働く動機づけになるということです。

家族の帯同・呼び寄せを会社としてサポートしている

長期定着企業では、配偶者や子どもの呼び寄せに関する手続きや生活面を会社がサポートしている例が多く見られます。ただし、家族帯同ができるかどうかは在留資格の種類によって大きく異なる点に注意が必要です。

家族滞在ビザで家族を呼べるのは、「技術・人文知識・国際業務」「高度専門職」「経営・管理」「介護」などの在留資格をもって在留する方の扶養を受ける配偶者又は子に限られます。一方で、特定技能1号では原則として家族帯同が認められず、技術・人文知識・国際業務や特定技能2号などにならなければ呼び寄せは難しいという制約があります。

このため企業側にできる支援は、在留資格の変更手続きのサポート、住居確保の協力、生活オリエンテーションの実施などです。家族との生活基盤が安定することが、長く働き続ける大きな理由になります。

永住権の取得に向けた協力を制度として整えている

10年以上定着している外国人従業員の多くは、永住権の取得を将来の目標として見据えています。永住許可の要件には在留期間の条件があり、原則10年以上継続して日本に在留していること、10年のうち就労資格または居住資格で5年以上在留していることが必要とされています。

さらに、公的義務(納税・年金・健康保険)を履行していることも要件に含まれています。企業は在職証明書の発行などで申請準備に協力できますが、納税等の公的義務の履行は申請人自身の要件であり、企業の協力だけで許可の可否が決まるものではありません。永住許可は在留状況、公的義務の履行、生計能力等を総合的に審査されるため、本人と企業の双方が日頃から適切に対応しておくことが大切です。永住許可申請では身元保証人には、通常、日本に居住する日本人、永住者又は特別永住者の方になっていただきますという取り扱いもあり、企業の担当者や経営者が保証人となるケースも見られます。

こうした書類準備や保証人対応を会社が積極的にサポートすることで、従業員は「この会社にいれば永住への道が開ける」と感じ、長期的に働く動機を持ちやすくなります。

職場で「自分が必要とされている」と感じられる環境をつくっている

長期定着の背景には、日々の業務の中で「自分は必要とされている」と感じられる職場環境の存在があります。逆に、上司のマネジメントへの不満は早期離職の大きな要因になりやすい点にも注意が必要です。

ある調査では早期退職理由として最も多かったのが、この「上司のマネジメント・指導に対する不満」であったと報告されています。定期的な面談で悩みを早期に把握したり、日本人従業員との交流機会を意識的に設けたりすることで、孤立感を防ぎやすくなります。

小さな声かけや感謝の言葉の積み重ねが、10年という長い年月を支える土台になるといえるでしょう。

企業が今日から始められる長期定着のための経営判断

企業が今日から始められる長期定着のための経営判断

ここまで紹介した4つの共通点を踏まえると、完璧な制度をいきなり整える必要はないことが分かります。中小企業でもすぐに着手できる、小さな一歩から始める経営判断を3つご紹介します。

まずキャリアパスを「見える化」することから始める

最初の一歩としておすすめなのが、役職や昇給基準、スキル習得の道筋を書面や面談で「見える化」することです。新しい制度をゼロから作らなくても、既存の評価制度を外国人従業員にも分かりやすく伝えるだけで、効果が出やすくなります。

言葉の壁がある場合は、図やチャートを使って視覚的に説明すると理解が深まります。「頑張れば認められる」という実感を持ってもらうことが、キャリアパスの見える化の目的です。

面談の頻度を増やし、進捗を一緒に確認する場を設けるだけでも、従業員の安心感は大きく変わります。まずは既存の仕組みを言語化するところから始めてみましょう。

生活面の支援は小さな取り組みでも効果が出やすい

住居確保のサポートや相談窓口の設置など、大きなコストをかけずに始められる生活支援も、定着に効果的です。特に住居探しは外国人にとって大きなハードルとなっています。

実際に法務省の発表した外国人住民調査報告書によると、日本で住居を探したことのある外国人のうち、39.4%が「外国人であることを理由に入居を断られた」と回答しているというデータもあります。企業が保有する社宅を提供したり、賃貸契約の保証人的な役割を担ったりするだけでも、大きな安心感につながります。

住居支援に加えて、日常の困りごとを気軽に相談できる窓口を社内に設けることも、着手しやすい取り組みの一つです。

支援の仕組みを一人で抱えず、外部機関を活用する

キャリア支援・生活支援・在留資格手続きなどを人事担当者一人で抱え込む必要はありません。特定技能外国人を受け入れる場合、自社で支援業務を行うには、過去2年間の受入れ・管理実績や生活相談業務の経験などの基準を満たす必要があります。受入れ実績や生活相談業務の経験がない場合でも、これらと同程度に支援業務を適正に実施できると認められる場合があります。支援体制の基準を満たせない場合は、登録支援機関への全部委託が必要です。いずれにせよ、外部の専門機関の活用は現実的な選択肢になります。

登録支援機関への委託費用は、外国人1人あたり月額2〜4万円程度が一般的な相場です。専門知識が浅い中小企業であっても、外部機関と連携すれば継続的な支援体制を無理なく構築できます。

自社だけで抱え込まず、外国人採用支援サービスのような専門会社に相談することも、10年定着を実現するための現実的な経営判断の一つといえるでしょう。

まとめ

まとめ

外国人採用における長期定着の事例では、キャリアアップの機会提供や生活支援、キャリア支援が重要なポイントとして挙げられることが多いとされています。また、家族呼び寄せの支援や永住権取得への協力といった例が挙げられることもありますが、これらは在留資格制度や収入要件などの制約もあるため、ケースによっては十分なリソースや専門家の支援があれば中小企業でも取り組み可能な場合があります。

まずはキャリアパスの見える化や小さな生活支援から始め、対応が難しい部分は外部の専門機関を頼ることも選択肢に入れてみてください。厚生労働省などの公的資料や専門家の解説でも、キャリアパスの明確化や生活支援の重要性が指摘されており、在留資格や個々の事情に応じて、ビザ申請等は行政書士などの専門機関に相談する例もあります。自社にできることから一歩ずつ取り組むことは、長期的な定着につながる可能性を高めるとされています。

外国人採用 長期定着 10年 事例についてよくある質問

外国人採用 長期定着 10年 事例についてよくある質問

最後に、外国人採用の長期定着に関して読者からよく寄せられる疑問をQ&A形式で整理します。

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