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外国人採用の基準設定と選考フローの作り方入門

投稿日投稿日 2026.08.05
更新日更新日 2026.08.05
外国人採用の基準設定と選考フローの作り方入門
目次

外国人採用を初めて検討しているとき、「どんな基準で選んだらいいんだろう?」と迷う方はとても多いです。日本人採用とは違い、在留資格の確認や日本語力の評価など、考慮すべきポイントがいくつか増えます。この記事では、外国人採用の採用基準の設定方法と、面接・実技テストを含む選考プロセスの設計手順を、初めての方でもわかるようにひとつずつ解説します。

外国人採用の採用基準とは?日本人採用との違いを押さえておこう

外国人採用の採用基準とは?日本人採用との違いを押さえておこう

外国人採用では、日本人採用では意識しなかった評価項目がいくつか加わります。在留資格の有無・日本語力・文化的な背景など、確認すべき内容が広がるため、事前に採用基準を整理しておくことが大切です。

日本人採用と異なる3つの評価ポイント

外国人採用では、スキルや人柄に加えて、次の3つを評価軸に加える必要があります。

評価ポイント概要
在留資格の状態就労できる資格があるか・有効期限はいつか
日本語コミュニケーション力業務を遂行できる言語レベルか
文化的適応力職場のルールや慣習に馴染めるか

日本人採用でも「コミュニケーション力」は見ますが、外国人採用では「言語としての日本語」が業務に足りるかどうかを具体的に測る必要があります。また、在留資格は採用後に判明しても対応が難しいため、選考の早い段階で確認するのが基本です。

採用基準を事前に決めておくべき理由

採用基準を曖昧にしたまま選考を進めると、面接担当者によって評価がばらつき、入社後のミスマッチにつながりやすくなります。特に外国人採用では「なんとなく印象がいい」という感覚的な判断が、文化的・言語的な親しみやすさへの偏りになってしまうことも少なくありません。

基準を先に言語化しておくことで、選考の公平性が保たれ、採用チーム全体で同じものさしを使えます。また、採用基準は求人票の作成にも直結するため、「どんな人材が欲しいか」を最初に整理しておくことが、採用活動全体をスムーズに進める近道です。

外国人採用で確認が必要な「在留資格」の基礎知識

外国人採用で確認が必要な「在留資格」の基礎知識

在留資格は、外国人が日本で合法的に働くための許可証のようなものです。種類によって「できる仕事」の範囲が決まっているため、採用前に必ず確認が必要です。知らずに採用してしまうと、不法就労助長罪に問われるリスクもあります。

採用前に必ず確認すること:就労可能な在留資格の種類

日本には30種類以上の在留資格があります。そのうち就労できるものは限られており、大きく「就労が認められている資格」と「活動内容によっては就労できる資格」に分かれます。

  • 就労が認められている主な在留資格
    • 技術・人文知識・国際業務(いわゆる「技人国」)
    • 特定技能(1号・2号)
    • 技能実習(現行制度)/育成就労(2027年4月からの新制度)
    • 経営・管理、介護、高度専門職 など
  • その他、就労が可能な資格
    • 永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者(これらは職種の制限なし)
    • 留学(資格外活動許可があれば週28時間まで可)

在留カードの「就労制限の有無」欄と有効期限を、書類選考の段階で確認しておきましょう。

在留資格によって「できる仕事」が変わる

たとえば「技術・人文知識・国際業務」は、エンジニアや通訳・翻訳、マーケティングなどホワイトカラー系の業務に対応しています。一方で、製造現場や農業・介護などの現場業務は基本的にカバーされません。

特定技能は、外食・農業・建設・介護など16の特定産業分野に限定されており、分野ごとに試験合格や技能水準の要件が定められています。自社が必要としている業務に、応募者の在留資格が対応しているかどうかを事前に照合することが選考の入口です。

在留資格の詳細は、出入国在留管理庁の公式サイトで確認できます。→ 出入国在留管理庁「在留資格一覧表」

採用基準①:日本語力の測り方と基準の決め方

採用基準①:日本語力の測り方と基準の決め方

日本語力は「何となく話せる」では選考基準になりません。業務内容に合わせて必要なレベルを数値化・言語化しておくことで、書類選考や面接での判断がぐっとしやすくなります。

業務内容別の目安レベル(JLPT・BJTの活用)

日本語力の測定には、日本語能力試験(JLPT)と国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)が広く使われています。JLPTはN1〜N5の5段階で、文字・語彙・文法、読解、聴解を測る試験で、日本語学習者の総合的な習熟度を測るもの。JFT-Basicは、特定技能1号申請に使える日本語試験で、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度」の日本語能力を測る試験です。 特定技能1号の日本語要件としては、原則として「JLPT N4以上」と「JFT-Basic A2相当以上」は並列に扱われます。

業務内容目安レベル
接客・窓口対応JLPT N3〜N2以上
製造・工場(指示の理解中心)JLPT N3〜N4
軽作業・農業(日本語使用が少ない)JLPT N4でも可
営業・企画・事務JLPT N2以上推奨

これはあくまで目安です。実際には「安全に関わる指示が聞き取れるか」「書面の内容が理解できるか」など、自社の業務に必要な具体的な日本語の場面を洗い出してから基準を決めると、より実態に合った設定になります。

書類選考・面接で日本語力を確認する方法

書類選考では、職務経歴書や志望動機の文章の読みやすさ・自然さから、ある程度の日本語力を推測できます。ただし、書類は第三者が代筆・添削している場合もあるため、過信は禁物です。

面接では、以下のような方法で実際の日本語力を確認しましょう。

  • 日常的な会話(自己紹介・前職について)を日本語でしてもらう
  • 短い文書(社内メモや作業指示書)を読み上げてもらい、内容を要約してもらう
  • 「この言葉の意味を教えてください」と業務用語を1〜2つ聞いてみる

話せるのか・読めるのか・書けるのか、の3つのスキルは分けて確認するのがポイントです。業務によって必要なスキルが異なるため、自社の仕事に合わせた確認方法を選んでみてください。

採用基準②:技能・スキルレベルの評価方法

採用基準②:技能・スキルレベルの評価方法

技能・スキルの評価は、日本人採用と基本的な考え方は変わりません。ただし、外国人材の場合は、海外や日本国内でも遠方に在住しているケースが多く、面接はWEBで行うことが一般的です。 そのため、実技試験は難しく、過去の経験値や日本語学校等でどの程度学んできたかなどを確認する

実技テストで確認できること・できないこと

実技テストは応募者の技能を直接確認できる手段ですが、外国人採用では応募者が海外や遠方に住んでいるケースが多く、現場での対面実技を実施するのは現実的に難しいのが実情です。そのため、技能の確認は、作業風景を撮影した動画の提出を求めたり、オンライン面接で過去の実務経験を具体的に質問したりといった方法を組み合わせるのが現実的です。特に製造・調理・農業・介護などの現場系職種では、書類上の経歴だけでは能力の実態が見えにくいため、こうした代替手段で実務スキルを見極める工夫が求められます。

一方で、実技テストで測りにくいこともあります。

  • チームワーク・報告連絡相談の習慣(実際の業務場面でないと見えにくい)
  • 問題が起きたときの対処の仕方(短時間のテストでは出にくい)
  • 長期的なモチベーションや定着意欲

これらは面接や試用期間中に補完的に確認していくものです。実技テストはあくまで「スキルの入口確認」として位置づけておくと、過度な期待による判断ミスを防げます。

職種別の技能評価のポイント

職種によって、技能評価で見るべき内容は変わります。応募者が海外や遠方にいて対面での実技確認が難しいことを前提に、動画提出やオンライン面接で何を確認すべきか、主な職種別のポイントを整理しました。

職種技能評価のポイント
製造・工場基本的な機械操作・安全確認の習慣・作業スピード
飲食・調理衛生管理の理解・基本調理技術・段取り力
農業体力・作業への慣れ・季節性業務の経験
介護利用者への接し方・基本的な身体介助の技術
IT・エンジニアポートフォリオ・コーディングテスト・技術資格

外国で取得した資格・免許については、日本の制度と同等かどうか個別に確認が必要なケースもあります。たとえば調理師免許や電気工事士など、日本の国家資格が必要な業務については、採用後に取得を支援する体制を検討することも選択肢のひとつです。

採用基準③:文化的適応力(カルチャーフィット)の見極め方

採用基準③:文化的適応力(カルチャーフィット)の見極め方

日本語力や技能と並んで、「職場の雰囲気や働き方に馴染めるか」という視点も大切な採用基準です。ただし、「なんとなく合いそう」という感覚的な判断は避け、具体的な質問や状況への反応をもとに評価することが求められます。

面接で確認すべき具体的な質問例

文化的適応力は、直接「馴染めますか?」と聞いても意味のある答えは返ってきません。具体的な状況を提示して、どう行動するかを聞くのが効果的です。

以下のような質問を活用してみてください。

  • 「前の職場で、上司の指示と自分の考えが違ったとき、どうしましたか?」

→ 意見の伝え方・報連相の習慣を確認できる

  • 「チームで仕事をするとき、自分はどんな役割を担うことが多いですか?」

→ 協調性・自主性のバランスを確認できる

  • 「残業や休日出勤が発生することがあります。そのような状況についてどう思いますか?」

→ 労働条件への理解・ミスマッチ防止に有効

  • 「日本の職場で戸惑ったこと、または慣れるのに時間がかかったことはありますか?」

→ 自己認識の深さ・適応への姿勢を見られる

状況を具体的に提示するほど、応募者の本音や行動パターンが見えやすくなります。

評価するときに気をつけたいこと

文化的適応力を評価するとき、「自分たちの感覚に近いかどうか」で判断してしまうと、無意識のバイアスが入り込む危険があります。たとえば、積極的に発言する人が「コミュニケーション力が高い」と映りやすい一方で、控えめな態度を好む文化圏の人が不当に低く評価されることもあります。

大切なのは、「自社の業務を遂行するうえで必要な行動特性があるか」を基準にすることです。笑顔が少ない・口数が少ない・目線を合わせないといった点が文化的な背景に由来する場合もあるため、行動の理由を探る姿勢で面接に臨みましょう。評価基準を言語化して評価シートに落とし込んでおくことが、公平な選考の土台になります。

選考プロセスの設計手順:採用基準を選考フローに落とし込む

選考プロセスの設計手順:採用基準を選考フローに落とし込む

採用基準が決まったら、次はそれを実際の選考フローに組み込む作業です。「何を・どの段階で・どうやって確認するか」を決めることで、選考が一貫した流れになります。ここでは3つのステップに沿って設計方法を説明します。

ステップ1:自社で必要なスキル・要件を整理する

まず、採用したいポジションで必要なスキル・資格・経験を書き出します。このとき「あれば嬉しい」と「絶対に必要」を分けておくのがポイントです。また、絶対に必要な要件が多すぎると応募者の母数が少なくなるため、本当に絶対なのかは、よく検討していただくことが必要です。

整理する項目の例:

  • 必須要件:在留資格の種類・日本語レベル・必要な資格・実務経験年数
  • 歓迎要件:業界経験・特定の技術スキル・マネジメント経験
  • NG要件:就労不可の在留資格・法律上対応できない年齢制限など

求人票の「応募資格」欄と連動する部分なので、現場の担当者と人事が一緒に確認するのが理想的です。現場から「このスキルがないと仕事にならない」という声を拾い上げることで、入社後のミスマッチを大幅に減らせます。

ステップ2:書類選考・面接の役割を決める

選考の各ステップには、それぞれ「何を確認する場か」という役割を持たせましょう。

書類選考 → 在留資格・基本スキル・日本語力(記述)の初期チェック ↓ 一次面接 → 日本語でのコミュニケーション・志望動機・職歴の深掘り ↓ 実技テスト(必要な職種のみ) → 業務に必要な技能の確認 ↓ 最終面接 → 文化的適応力・長期的な就業意欲・条件のすり合わせ

全部の基準を一度に確認しようとすると、面接が長くなりすぎて応募者の負担も増えます。「どの段階でどれを見るか」を分散させることで、選考全体の効率も上がります。

ステップ3:評価シートを作成して選考を標準化する

評価シートは、選考の「ばらつき」を防ぐための道具です。面接官が変わっても同じ基準で判断できるよう、確認項目と評価の基準を数値化・言語化しておきます。

評価シートに含めるべき項目の例:

  • 在留資格の種類・有効期限(確認済みかチェック)
  • 日本語力(会話・読み書き):1〜5段階評価など
  • 技能・スキルレベル:経歴評価
  • 文化的適応力:具体的な質問への回答内容
  • 志望動機・長期就業意欲:評価コメント記入欄

点数だけでなく、「なぜそう評価したか」のコメント欄を設けておくと、採用会議での議論がスムーズになります。評価シートは運用しながら改善していくものなので、最初から完璧でなくて大丈夫です。まず使ってみることが大切です。

まとめ

まとめ

外国人採用の採用基準を設定するには、①在留資格の確認、②日本語力の評価、③技能・スキルの確認、④文化的適応力の見極め、という4つの軸が必要です。それぞれの基準を言語化したうえで、書類選考・面接・実技テストという選考フローに落とし込み、評価シートで標準化することが、公平で再現性のある採用プロセスにつながります。

最初から完璧な仕組みを作ろうとしなくても大丈夫です。まずはこの記事の手順に沿って「自社の採用基準の骨格」を作ることから始めてみてください。

外国人採用の手続きや定着支援も含めて丸ごと相談したい場合は、登録支援機関への相談も選択肢のひとつです。→ FMS(フィールドマーケティングシステムズ)

外国人採用 採用基準 設定についてよくある質問

外国人採用 採用基準 設定についてよくある質問

外国人採用の採用基準は、日本人と同じものを使ってもいいですか?

基本的な評価の考え方は同じですが、在留資格の確認・日本語力の評価・文化的適応力の見極めなど、外国人採用に特有の項目を加える必要があります。日本人と全く同じ基準だけでは、採用後のミスマッチが起きやすくなります。

日本語検定を持っていない応募者は書類選考で落とした方がいいですか?

JLPTの資格証明は「参考情報」として活用するのが適切です。資格を持っていなくても実際の日本語力が高い場合もあるため、面接での会話や簡単な読み書きテストを通じて実力を直接確認することをおすすめします。ただし、在留資格によっては日本語検定の合格が要件として定められている場合があり、その場合は資格の取得が必須となります。

在留資格の確認は、いつのタイミングで行えばいいですか?

書類選考の段階で確認するのがベストです。応募書類に在留カードのコピーの提出を求める方法が一般的です。

採用基準の設定が難しい場合、どこに相談すればいいですか?

登録支援機関や外国人採用支援サービスに相談するのが一つの方法です。採用基準の設定から選考プロセスの設計、入社後の定着支援まで一括でサポートしてくれる機関もあります。たとえば Global Resource(グローバルリソース) では、特定技能人材の受け入れを中心に、採用から定着までを一気通貫でサポートしています。

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