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特定技能の複数年採用計画を基礎から学ぶ実践ガイド

投稿日投稿日 2026.08.05
更新日更新日 2026.08.05
特定技能の複数年採用計画を基礎から学ぶ実践ガイド
目次

「毎年このままバタバタと採用するのは限界だな」と感じたことはありませんか?特定技能の採用は、単発で動くと手続きの負荷も費用もかさみがちです。そこで注目されているのが、3〜5年先を見据えた複数年採用計画という考え方。この記事では、計画的な特定技能人材の受け入れがなぜ必要なのか、そしてどう計画を立てるのかを、初めての方にもわかるよう順を追って説明します。

特定技能の複数年採用計画とは?単発採用との違いをひと言で解説

特定技能の複数年採用計画とは?単発採用との違いをひと言で解説

複数年採用計画とは、「今年だけ採用しよう」ではなく、3〜5年先の人材ニーズを先読みして、採用・受け入れ・定着を一連の流れとして設計することです。単発採用との最大の違いは「計画性」の有無。ここでは、単発採用のどこに問題があるのか、計画採用に切り替えると何が変わるのかを整理します。

単発採用が抱える3つの問題点

特定技能人材を「必要になったら採用する」という進め方は、一見シンプルに見えて、実は多くの現場で行き詰まりの原因になっています。主な問題点は次の3つです。

  1. 手続きが毎回ゼロからになる:在留資格の申請書類や支援計画の準備は決して少なくありません。単発採用のたびにゼロから対応すると、担当者の工数も精神的な負荷もかさんでいきます。
  2. 採用タイミングが後手に回る:「現場が困ってから動く」では、マッチングから就労開始まで数ヶ月かかる特定技能の特性上、穴が開いた状態が長引きます。
  3. コストが割高になりやすい:都度採用では、送り出し機関や登録支援機関との関係構築が浅いまま進むことが多く、費用面でも効率が悪くなりがちです。

「間に合えばいい」という発想だけでは、慢性的な人手不足から抜け出すのが難しいのが実情です。

複数年採用計画で何が変わるのか

複数年の採用計画を持つと、まず「動き出しのタイミング」が変わります。半年後・1年後の人材ニーズを先読みして動けるため、現場が人材不足になる前に採用の準備が整います。

さらに、書類対応や支援体制が仕組み化されていくため、2人目・3人目の受け入れがスムーズになります。最初は手探りだった手続きも、繰り返すうちにテンプレート化できるようになるのが大きなメリットです。

「1回きり」ではなく「継続的なパートナー関係」として送り出し機関や登録支援機関と連携できるようにもなり、採用の質と安定性が高まります。特定技能の複数年採用計画は、人材確保を属人的な対応から「組織の仕組み」へと変える第一歩です。

なぜ今、中期的な採用計画が必要なのか

なぜ今、中期的な採用計画が必要なのか

「うちはまだそこまで大きな話ではない」と思っていても、気づいたときには採用が追いつかなくなっていた、という中小企業は少なくありません。外国人材の受け入れを中期的な視点で考えることの必要性を、背景から確認しておきましょう。

人手不足が「一時的なもの」ではない理由

日本の生産年齢人口(15〜64歳)は2030年に向けてさらに減少が続く見通しで、製造業・介護・建設・農業などの現場では、国内だけで人手を賄うことがますます難しくなっています。

厚生労働省の「令和6年版 労働経済の分析」でも、人材不足は構造的な問題として位置づけられています。つまり、今年だけ乗り切れば解決するという性質の話ではないということです。

特定技能制度はこうした背景から生まれた制度であり、今後も制度の拡充が続くことが予想されます。だからこそ、今のうちに受け入れの仕組みを整えておくことが、数年後の競争力の差につながります。

場当たり採用を続けるとどうなるか

「必要になったら考える」を繰り返すと、採用担当者は毎回慌ただしく動くことになります。急いで採用した結果、マッチングが浅くなってすぐに離職してしまうケースも現場ではよく聞かれます。

離職が起きると、また採用のゼロからスタート。送り出し機関への費用、在留資格申請の手間、現場への引き継ぎ——そのコストは決して小さくありません。さらに、受け入れ実績が積み上がらないと、登録支援機関との連携もなかなか深まらず、採用の精度も上がりません。

一方で計画的に採用を続けている企業は、支援体制の成熟とともに採用コストが下がり、定着率も改善されます。場当たり的に動いている企業との差は、3〜5年後に大きく開くことになります。

複数年採用計画を立てる前に知っておくべき基本

複数年採用計画を立てる前に知っておくべき基本

計画を立てるには、まず制度の骨格を押さえておく必要があります。特定技能には「1号」「2号」という区分があり、それぞれ在留できる期間や要件が異なります。また、受け入れ人数に制限があるのかという点も、計画の前提として確認しておきましょう。

特定技能1号・2号と在留期間の仕組み

特定技能には2つの区分があります。

区分在留期間家族帯同技能レベル
特定技能1号通算5年まで(1回の上限は1年・6ヶ月・4ヶ月)原則不可技能試験+日本語試験に合格
特定技能2号更新制限なし(無期限に更新可能)より高度な技能試験に合格

多くの方が最初に受け入れるのは特定技能1号で、通算5年が上限です。2号への移行は、対象分野であれば試験をクリアすることで可能になります。

複数年の採用計画を立てるうえで大切なのは、1号の在留期間が「通算5年」であることを念頭に置くことです。たとえば2025年に採用した人材は、2030年には1号としての上限に達します。その人材を継続して雇用したい場合は、2号移行や他の在留資格への変更も視野に入れたスケジュール管理が必要です。

受け入れ可能な人数に上限はあるのか

特定技能1号の受け入れ人数については、分野ごとに国全体の上限(受け入れ見込み数)が設けられていますが、企業単位では介護分野と建設分野を除き原則として人数制限はありません(介護分野は、事業所単位で日本人等の常勤職員数を超えない制限あり、建設分野は、常勤職員数超えない制限あり)。

ただし、実際の採用計画においては「自社で支援できる体制があるか」が重要な判断基準になります。受け入れた人材に対しては、住居確保や生活支援、日本語学習支援など、法定の義務的支援をすべてカバーしなければなりません。

無制限に採用できるからといって、サポート体制が追いつかない規模で受け入れると、現場の混乱や離職につながります。採用計画の人数設定は「受け入れられる上限」ではなく「きちんと支援できる範囲」で考えることが、長続きする計画のポイントです。

3〜5年の採用計画はこう立てる

3〜5年の採用計画はこう立てる

では実際に、3〜5年の複数年採用計画をどのように組み立てればよいのでしょうか。大きく4つのステップに分けて考えると、全体の流れが見えやすくなります。

ステップ1:自社に必要な人数を年ごとに見積もる

まず、3〜5年後の自社の人材ニーズを洗い出すところから始めます。以下の視点で現状と将来を整理してみてください。

  • 現在の人手不足は何名分か(現場の声を聞く)
  • 今後の事業拡大・縮小の見通しはどうか
  • 定年退職・離職によって何名の補充が必要になるか
  • 既存の日本人採用でカバーできる部分はどのくらいか

これらを踏まえたうえで、たとえば「2026年に2名・2027年に3名・2028年に2名」といった形で、年次ごとの採用目標人数を設定します。

最初から完璧な数字を出す必要はありません。「今の現場感覚で大きくズレていない目標値」があれば、次のステップに進めます。計画は立てた後に見直すことが前提です。

ステップ2:採用・在留資格申請のスケジュールを逆算する

特定技能の採用は、就労開始まで最短でも3〜6ヶ月程度かかります。海外から呼び寄せる場合は現地での手続きが加わるため、さらに時間が必要です。「〇月に現場に入ってほしい」という目標があるなら、そこから逆算してスケジュールを組みましょう。

一般的な流れは以下の通りです。

求人票作成・送り出し機関との連携 → 候補者選定・面接(1〜2ヶ月) → 雇用契約・在留資格申請(2〜3ヶ月) → 入国・入社手続き(1ヶ月前後) → 就労開始

年度単位で複数人を採用する場合、申請が重なると入管の審査期間が延びることもあります。余裕を持ったスケジューリングが大切です。

ステップ3:在留資格の更新・切れ目をカレンダーで管理する

採用が増えてくると、それぞれの在留期間の更新期限がバラバラになります。更新漏れは不法就労につながる重大なミスになるため、在留資格管理は仕組みとして持っておく必要があります。

実践的な管理方法として、社内スプレッドシートやカレンダーツールで以下を一元管理しましょう。

  • 氏名・在留カード番号
  • 在留期限(更新申請は期限の3ヶ月前から可能)
  • 1号通算5年の残り期間
  • 2号移行の見通し・対象分野かどうか

特定技能1号は在留期限が複数パターンあります。採用人数が増えるほど期限の分散が大きくなるため、早めに管理の仕組みを整えておくと安心です。

ステップ4:支援体制(登録支援機関)をあわせて整える

採用計画の人数目標が固まったら、それを支える支援体制も同時に設計します。特定技能1号の受け入れ企業(特定技能所属機関)は、法律で定められた10項目以上の義務的支援を実施する義務があります。

これをすべて自社で対応するのは、特に中小企業にとって大きな負担です。多くの企業が登録支援機関に支援業務を委託していますが、委託する際は「採用人数の増加に対応できる規模か」「特定の分野の実績があるか」を確認することが重要です。

採用計画が3〜5年で10名規模になるなら、それを見据えて連携先を選ぶ必要があります。単発採用のたびに支援機関を変えると、ノウハウが蓄積されず、対応の質もバラつきます。長期的なパートナーとして信頼できる登録支援機関を早めに見つけることが、複数年採用計画を成功させる鍵のひとつです。

採用計画を長続きさせるための定着支援

 採用計画を長続きさせるための定着支援

採用計画を立てて人材を受け入れても、早期離職が続いてしまっては計画が成り立ちません。複数年にわたって安定した人材確保を実現するには、定着支援が採用と同じくらい大切です。

採用して終わりにしない:入社後フォローの重要性

特定技能外国人が早期に離職する背景には、「職場環境への戸惑い」「生活上の困りごとを相談できない」「日本語でのコミュニケーションに行き詰まる」といった要因が多くあります。

入社直後の数ヶ月は、とくに丁寧なフォローが必要な時期です。たとえば、以下のような取り組みが定着率の向上につながります。

  • 入社後1週間・2週間・1か月・3か月などのタイミングで個別面談を実施する
  • 職場内で相談しやすい担当者(メンター)を決めておく
  • 日常生活のサポート(銀行口座・携帯電話の開設同行など)を丁寧に行う
  • 母国語対応ができるスタッフや通訳ツールを活用する

定着した人材は、職場の文化や業務への理解が深まるにつれて戦力として育ちます。採用コストの観点からも、定着支援への投資は十分に見合うものです。

登録支援機関に任せられる業務の範囲

義務的支援のすべてを自社で担うのが難しい場合、登録支援機関への委託が現実的な選択肢です。委託できる主な業務には以下が含まれます。

  • 事前ガイダンスの実施(入社前の日本での生活説明)
  • 住居確保の支援
  • 生活オリエンテーション(銀行口座・携帯電話の開設同行・ゴミ出しルールなど)
  • 日本語学習機会の提供
  • 相談・苦情対応
  • 非自発的離職時の転職支援
  • 定期的な面談と行政機関への報告

登録支援機関に委託すると、これらの支援業務をプロが担ってくれるため、企業は本業の指導・育成に集中できます。FMS(フィールドマーケティングシステムズ)のような専門の登録支援機関では、採用から定着まで一気通貫でサポートする体制を整えており、複数年にわたる採用計画の伴走役として活用しやすいでしょう。

まとめ

まとめ

特定技能の複数年採用計画とは、3〜5年先を見通して、必要な人数・採用スケジュール・在留資格の管理・支援体制をセットで設計する取り組みです。単発採用を繰り返す「その都度対応」では、手間もコストも定着率も改善しにくいのが現実です。

計画を立てるポイントをまとめると、次の通りです。

  1. 年次ごとの必要人数を現場の声と事業計画から見積もる
  2. 就労開始から逆算して採用・ビザ申請スケジュールを組む
  3. 在留資格の更新期限をカレンダーで一元管理する
  4. 採用規模に合った登録支援機関を早めに選ぶ

はじめから完璧な計画でなくて大丈夫です。「まずは3年分の見通しを持つ」だけでも、現場の安定感はずいぶん変わります。困ったときは、専門の登録支援機関に相談しながら進めてみてください。

特定技能 複数年 採用計画についてよくある質問

特定技能 複数年 採用計画についてよくある質問

複数年採用計画は、少人数から受け入れている企業でも使えますか?

はい、規模は問いません。1名からでも可能ではありますが、外国人材にとって、同国籍者がいないことは不安も大きくなります。2名以上での採用をお勧めします。

計画を立てた後、途中で変更してもよいですか?

もちろんです。採用計画はあくまで自社の指針であり、事業の変化や採用状況に応じて見直すことが前提です。半年〜1年に一度、計画の進捗と修正点を確認する機会を設けると長続きします。

特定技能1号の通算5年が終わったら、その後はどうなりますか?

対象分野であれば特定技能2号への移行試験を受けることができ、合格すれば在留期間の更新制限なく働き続けられます。2号の対象分野は順次拡大されており、最新情報は出入国在留管理庁の公式サイトで確認してください。2号への移行見通しも含めて、最初から計画に組み込んでおくと安心です。

在留資格の更新手続きは誰がやるのですか?

在留資格の更新申請(在留期間更新許可申請)は、原則として外国人本人が行うものですが、実務上は雇用企業が書類準備をサポートするケースがほとんどです。申請取次の資格を持つ行政書士や、登録支援機関がサポートしてくれる場合もあります。管理の仕組みをつくっておくことが、更新漏れ防止のカギです。

登録支援機関はどうやって選べばよいですか?

自社の受け入れ分野での支援実績があるか、採用規模に対応できる体制か、費用体系が明確かの3点を軸に比較するとよいでしょう。また、単発の支援にとどまらず複数年の採用計画を一緒に考えてくれるかどうかも、長期的なパートナーを選ぶ際の重要な判断基準です。株式会社フィールドマーケティングシステムズでは、特定技能人材の採用から定着まで一気通貫でサポートしており、まずは相談だけでも歓迎しています。

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