新型コロナ感染減少によるラウンダー活動の変化

新型コロナウイルスの新規感染者数は8月中旬をピークに減少し、2021年12月現在に至るまで小康状態を保っています。
この2年弱、感染拡大や緊急事態宣言発令により、ラウンド活動は多大な影響を受けてきましたが、新規感染者数が激減した今、当社の主要クライアント10社でのラウンド活動の状況はどうなっているのか、各プロジェクト運営責任者に確認いたしましたのでレポートいたします。
2021年8月1日~11月30日の全国新規感染者数
図1.新型コロナウイルス新規感染者数推移(拡大する)
ポイント | 日付 | 新規感染者数(人) | 状況 |
① | 8/20 | 25,975 | 最大 |
② | 9/2 | 18,206 | 以降 20,000人以下で推移 |
③ | 9/10 | 8,868 | 以降 10,000人以下で推移 |
④ | 9/17 | 4,761 | 以降 5,000人以下で推移 |
⑤ | 10/7 | 913 | 以降 1,000人以下で推移 |
⑥ | 10/17 | 380 | 以降 500人以下で推移 |
ラウンダー活動の制限状況
2021年12月時点のラウンド活動における小売企業側の制限について、設問1~5で当社運営担当者に確認しました。
設問No. | 設問内容 |
設問1 | 全面訪問禁止としている企業がある |
設問2 | エリア単位で訪店禁止としている企業がある |
設問3 | 店舗判断で訪問を禁止としている企業がある |
設問4 | 店舗滞在時間を制限している企業がある |
設問5 | 店舗訪問時間帯を指定している企業がある |
※[大半が該当][半数が該当][一部該当][該当なし]よりいずれかを選択
クライアント業種 | 主要フォロー業態 | 設問1 | 設問2 | 設問3 | 設問4 | 設問5 |
日用品 | DgS | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
日用品 | DgS | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
日用品 | DgS | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
日用品 | HC | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
日用品 | HC | 一部該当 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
食品・飲料 | DgS | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
食品・飲料 | GMS | 一部該当 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
家電 | 家電量販 | 該当なし | 一部該当 | 該当なし | 該当なし | 一部該当 |
家電 | 家電量販 | 該当なし | 該当なし | 一部該当 | 該当なし | 該当なし |
文具玩具 | 書店・文具店 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
DgS:ドラッグストア/HC:ホームセンター/GMS:総合スーパー
店頭活動を制限している小売企業・店舗はわずか
感染拡大期においては、企業によって全面訪店禁止、あるいは緊急事態宣言発令エリアの店舗訪問禁止といったケースが多発しましたが、現状では上の表にまとめたとおり”該当なし”との回答が大半を占めました。
店舗ラウンド・店頭活動を制限している企業・店舗はあまりない状況ですが、下記のように部分的な制限を設けている企業、条件付きでラウンドを認めているという企業もあります。
・商品カテゴリによって訪問可・不可を区分
・スタッフがワクチン接種済であることを入店条件にしている
・入店に際しての、日々の体温などの健康観察記録提示
・訪問は午前中のみ可、かつ、長時間の滞在はNG
・スタッフ活動当日の最初の訪問である(他店訪問後の入店はNG)
・依頼事項のみ実施可、メンテナンスでの訪店は禁止
・テスター類の設置禁止
店頭活動の業況変化
新規感染者多発期と現在とでラウンダースタッフの店頭活動の変化について下記3つの状況を当社運営責任者に確認しました。
① クライアントからの連絡事項に変化はあるか
② 店舗担当者からの要望に変化はあるか
③ 消費者の購買行動に変化を感じる部分はあるか
クライアントからの依頼事項に大きな変化はない
①の設問では、店頭活動に関し、クライアントからの依頼事項に大きな変化は見られないという回答が大半を占めましたが、下記のように売り場リカバリに向けての活動を依頼されているという報告もありました。
クライアント業種:食品・飲料 主要フォロー業態:DgS クライアント業種:日用品(除菌関連商品あり) 主要フォロー業態:HC |
売り場活性化に向けた活動要望も見受けられる
②の店舗担当者からの要望についても、あまり変化はないという回答が多数を占めましたが、コロナ禍で停滞した売り場の活性化や店舗側のリソース不足の補完に関した要望が見受けられました。
クライアント業種:家電 主要フォロー業態:家電量販店 クライアント業種・食品・飲料 主要フォロー業態:DgS |
また、以前は接触を避けた商談時間の短縮が求められていましたが、店舗担当者とのやりとりも変わってきており、下記のような報告もありました。
クライアント業種:家電 主要フォロー業態:家電量販店 |
コロナ禍によるニーズの変化は継続
コロナ禍により行動・生活様式が大きく変化し、生活ニーズに多大な影響を与えていますが、③の回答で直近2か月ほどの新規感染者急減によりさらに変わってきている、あるいはもとに戻ってきている、というものはありませんでした。
当社運営責任者からは、在宅時間増・巣ごもりによる需要増、対人接触機会減少による需要減といった事例が報告されています。
クライアント業種:日用品 主要フォロー業態:HC クライアント業種:日用品 主要フォロー業態:HC クライアント業種:食品・飲料 主要フォロー業態:DgS |
まとめ
2020年のレポート時は、先が見えない状況下でメーカー側も小売企業側も積極的な活動ができない状況でしたが、現在は小売企業側の制限がほぼなくなったことにより、店頭の活性化に向けた動きにかわってきています。また、以前は手短に買い物を済ませていた消費者たちも、店内の滞在時間が長くなり、買い物を楽しんでいるという状況も報告されています。
いち早くアフターコロナに対応した営業活動を行うことが、今後につながるものかと思われます。