店舗ラウンダー・店舗巡回のFMS field markting system 株式会社フィールドマーケティングシステムズ
フィールドプロモーション
2016.12.12

第一回:店頭プロモーションとID-POS 「ID POSから未来の売れる売り場を予測する」

第一回:店頭プロモーションとID-POS 「ID POSから未来の売れる売り場を予測する」

インターネットは生活になくてはならないものになっており、今ではネットで何でも購入できる時代になりました。ところが、店舗はなくなりません。小売店は全国に775,196店舗もあります(※1)。また、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞の4大メディアの広告費が下がっている中でも「インターネット広告」に次いで「SP・PR・催事企画」費用は増加しており、店頭はいまだ、重要なメディアであることがわかります(※2)。

その中で当社が最近注目しているのがID-POSです。

ID-POSは2000年に登場し、2003年頃になって世の中に広まり始めましたが、まだまだ十分浸透しているとはいえません。そこで、今回ID-POSとはどのようなものなのか、またどのように活用できるのかについて、カスタマー・コミュニケーションズ株式会社(以降CCL)船越様と当社小林がID-POSの可能性について探ります。

目次
量販店ラウンダーサービス案内資料
株式会社フィールドマーケティングシステムズの量販店ラウンダーサービス案内資料をPDFでご用意いた…

株式会社 True Data (旧:カスタマー・コミュニケーションズ株式会社):2000年設立。ドラッグストア、スーパーマーケットなどの購買ビッグデータ分析サービスを展開。合計約20,000店舗、延べ5,000万人規模のID付き購買情報(ID-POSデータ)をもとに全国購買データベース「TRUE DATA」を設計・運用し、小売り、メーカー企業の課題解決をサポートしています。

株式会社フィールドマーケティングシステムズ:メーカーに代わり、小売店の売り場管理を請け負う企業として1982年に設立。売りに直結する理想の売り場づくりのプロ集団として、売り場での効果的な商品露出や陳列などのプロモーション活動を提案。「売り場」から「買い場」という視点に切り替え、購買につながる施策をご支援しております。

 

小林 : 店内の通行量が多い場所に商品を展開したり、レジ前や関連商品の近くに陳列することでついで買いを促進する仕掛けなど、陳列次第で売上があがるので店頭は本当におもしろいです。
ただ、そのような売り場づくりの仮説立てや検証には課題があるのでは、と感じています。 例えば、「売上をあげるためにはとにかく露出を増やす」など感覚値で仮説が設定されているケースや、前年と比べ売上がどれだけ上がったかだけで評価され、その理由の検証には至っていないケースが多くあります。売れたか売れていないかという視点だけでプロモーションの成否を判断するのはちょっと危険だと思うのですが、いかがでしょうか?

船越 : 確かにその通りです。前年度と同じ売上を上げていたとしても中身がまるっきり違うということもあります。大切なのはどうして売上が上がったかという要因の部分です。その部分については売上の中身を紐解いてみないとわかりません。

小林 : 売上の中身となると、POS(Point of sale)ではちょっと情報不足ですよね。
お客様の行動が全てデータで見えるWEBと比べて、店頭(リアル)は行動を全てデータ化するのは難しいものです。
だからこそ、実際に買った方の詳細情報がわかるID-POSの活用がもっとできると考えています。

船越 : そうですね。そこで今回はPOSより多くの情報が得られるID-POSについてご説明していきたいと考えています。ID-POSとPOSの違いを説明します。

船越 : POSでわかることは売上です。
「いつ」「何が」「いくらで」「どれだけ」「何と一緒に」売れたかという情報です。

商品がどのように動いたかに着目をしています。例えば、Aさんがペットボトル飲料を3本買ったすぐあとに買い忘れに気づいてさらに2本追加で購入したとします。このとき、POSでは商品が3本と2本売れたというデータが残りますが、同じ人が購入したことまではわかりません。

一方ID-POSは、商品を購入した人に着目したデータになっています。
「誰が」「いつ」「何を」「いくらで」「どれだけ」「何と一緒に」購入したのかがわかります(図1参照)。その商品を初めて購入したのか、リピート購入かが判別できますし、1回あたりに購入した個数が変わったのか、それとも購入金額が変わったのかという変化についても把握することができます。

図1

 

つまり、売れたかどうかだけではなく、売れている要因や売れていない要因も把握できるという違いがあります。

小林 : 私たちは、店頭で理想の売り場を具現化するために、専門のスタッフを組織化していますが、その理想の売り場が、メーカー様が考える商品の販売戦略と連動しているかどうかが非常に重要だと感じています。

例えば、売上を上げるために新規客を増やしたいのか、既存客の離脱を防止したいのか、それによってどのような売り場を作れば良いのかは変わってきます。
定番売り場と呼ばれている場所は目的買いのお客様が来る場所のため、そこでいかなる仕掛けをしたとしても、新規客の獲得には最適ではありません。まず「新規顧客or既存顧客」に「何を」訴求するのかを明確にしたうえで、「いつ」「どこの店舗で」「店内のどの場所で」「どのような訴求を」するのかを決めることが重要となります。
ただ、これらの内容はPOSデータからは推測は難しいと感じています。

船越 : おっしゃる通りです。ID-POSはPOSでは得られないデータを見ることができます。

船越 : 売上が前年比100%だった場合、売上を維持できたと安心するのは尚早です。売上がどのくらいあがったのかはID-POSでもPOSでもわかるデータですが、売上を構成する中身が異なっている場合があるからです。

目薬ブランドA社の事例を見てみましょう。

図2

※3 購入率=購入者/来店者数

まず、売上は昨年と同様の金額目標が達成できたことがわかります(ア)。

その要因が何かを探るために、昨年比100%の売上を「客数」「買上率」「客単価」に分解します。購入者数が昨年比98.8%と減少している(イ)一方、一人当たりの購入金額が101.2%と増加している(ウ)ことがわかります。つまり、売上は昨年同様ですが、商品ユーザーが減少しており、それが今後の課題であることが浮き彫りになっています。

小林 : 売上だけを見ていたら昨年と同じということしかわかりませんが、ID-POSを使うことによってどうして売上が維持できたのかだけでなく、課題までも見えてきますね。次に何をすればよいのかわかるのはとても助かります。

船越 : そうなんです。売上を見て一喜一憂するだけでなく、原因と対策が見えるID-POSはおおげさではなく未来を占えるツールだと思っています。

小林 : おっしゃる通りですね。店頭は買い物をするお客様との最終接点であり、重要なメディアです。仮説にもとづく店頭プロモーションを実現するために、ID-POSは活用できますよね?

船越 : もちろん、ID-POSは小林さんが実践されている店頭プロモーションにも不可欠な情報を提示してくれます。

小林 : 店内のどこに展開すればより多くのお客様と接点を持つことができるのか(立ち寄り率)、棚のどこに展開することがお客様の目につきやすいのか(視認率)、どのような価値をPOPや売り場作りから訴求すれば購買促進につながるのか(買上率)、これらは店頭を重要なメディアとして捉えているメーカー様であればご存知のことですが、ID-POSを使うともう少し具体的な仮説立てができると考えています。

船越 : おっしゃる通り、これらの仮説を立てるのにID-POSが活用できます。ID-POSでは客数を「来店者」の数と「来店頻度」に分けることができ、さらに「リピート率」などのデータもわかります。
つまり、対象商品の購入者数が何名で、そのうちリピートしている人が何割いるのかが分かり、その商品の改善点が見つけやすくなります
そのうえで、改善すべき点は客数なのか買上率なのか客単価なのかを決定することができます。

小林 : なるほど。ID-POSを活用することで、どこを強化することが売上アップにつながるのかを判断することができます。
先ほどの店頭プロモーションの仮説立てもID-POSを活用することで、下記のようにより具体的な施策を立てることができますね。

“新規客獲得のためには”店内のどこに展開するとより多くのお客様との接触ができるか?
“新規客獲得のためには”棚のどこに展開するとお客様の目につきやすいのか?
“新規客獲得のためには”どのような内容をPOPで訴求すると購買促進に繋がるのか?

しかしながら、メーカー様の中でID-POSの利用はまだまだ進んでいないと感じます。何故でしょうか?

船越 : メーカー様は必要と感じつつも、難しい、処理しきれないというイメージから二の足を踏んでいることが多いと感じます。
ID-POSの項目は非常に多く、他にもたくさん項目はありますが、下記の5項目だけでも非常に多くのことが分かります。

表1

No ID-POSの項目 分かること
1 購入者数 売上寄与 どれだけ多くの人に購入されているか
2 一人当たりの購入回数・金額 一人の人の購入実態
3 購入者属性(性別・年代) ターゲット設定 どのような人が購入しているか
4 リピート率 商品評価 一度商品を購入した人の中でどれだけの人が2回以上またその商品を購入しているか
5 購入率 来店した人の中でどれだけの人に購入をされているか(※4)

※4 対象商品がどれだけの人から購入されているかを確認する場合、店舗の来店客数に大きく影響を受ける「購入者数」ではなく、来店した人の何割が対象商品を買っているか、が分かる「購入率」を採用します。

 

具体的な例を一つあげます。

図3

A店B店は客数(レシート発行枚数)ではほぼ同じですが、ID-POSを使ってみると内訳がよくわかります。A店では来店している人数が多いのですが、来店頻度はB店と比べて低い回数です。B店では逆に来店している人数が少ないのですが、来店頻度が高いことがわかります。つまり、多くの人に見てもらいたいという目的であればA店での店頭プロモーションが適切で、同じ人に繰り返し見てもらいたい場合はB店が適切ということになります。

小林 : 非常にシンプルでわかりやすいですね。メーカー様の目的・戦略に合わせて店舗選定もできます。
次回以降は、より具体的な事例をもとにID-POSを活用した店頭プロモーション施策についてご紹介します。

 

※1 経済産業省 平成26年商業統計表 業態別統計編(小売業)業態第3表より(https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syougyo/result-2/h26/index-gyodata.html

※2 経済産業省 特定サービス産業動態統計調査3.広告業より(https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/result-2.html

 

 

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