MRの生産性向上を実現する営業体制とは?MR数減少時代の分業戦略
日本の製薬業界は今、かつてない転換期を迎えています。薬価抑制政策の継続による利益率の低下や、MR数の減少、スペシャリティ領域へのシフトを背景に、これまでの「すべての業務を自社MRだけで抱え込む営業モデル」は限界を迎えました。
限られた人数で成果を最大化する「労働生産性」をいかに高めるかが、企業の存続を左右する重要課題となっています。
本記事では、最新のMR動向をひも解きながら、高コスト構造を脱却し、競争力のある営業組織を再構築するための「戦略的分業」の進め方を解説します。
止まらないMR数の減少と高まる「生産性向上」の重要性
なぜ今、MRの生産性向上がこれほどまでに叫ばれているのでしょうか。その背景には、業界全体で急速に進む「MR数の劇的なダウンサイジング」があります。
最新のデータ(※)によると、国内のMR総数は前年比3,073人減(6.6%減)の4万3,646人となり、過去最低を更新しました。ピークであった2013年(6万5,752人)からは、実に2万2,000人以上も減少しています。かつては当たり前だった「1社あたり1,000人以上のMRを抱える企業」も、現在ではわずか6社にまで激減しました。

この急激な減少の背景には以下の2つの構造的な変化があります。
スペシャリティ領域へのシフトと「カバー率」の課題
新薬の主戦場が、かつての生活習慣病薬(プライマリケア)から、オンコロジー(がん)や希少疾患などのスペシャリティ領域へ移行しました。これにより、自社MRには広範なターゲットへの「コール数」よりも、専門医に対する「高度な専門性」が強く求められるようになりました。一方で、MRが専門領域に集中するあまり、既存薬のフォローや広域エリア(クリニック・調剤薬局など)のカバーが手薄になるという新たな課題も生まれています。
デジタル・AI活用のハイブリッド営業の定着
コロナ禍を経て、医師への訪問規制が常態化しました。リアルな訪問だけでなく、デジタルツールやAIを駆使したハイブリッド型の情報提供が台頭し、オンライン専任MRなども存在感を増しています。
このように、「数」に頼るアプローチが物理的にも戦略的にも不可能になった現在、「いかに少ない人数(リソース)で、質の高い面会時間を確保し、成果を最大化するか」という生産性の向上が、かつてないほど切実な課題となっているのです。
MRの生産性向上を阻む壁:「専門人材のノンコア業務」という罠
生産性向上が急務であるにもかかわらず、多くの製薬企業が抱える根本的な課題があります。それは、「高い専門性と給与を持つ正社員MRが、定型的なルーティン業務に時間を奪われている」という実態です。
MRの業務を棚卸しすると、大きく以下の3つに分類されます。
コア業務(MRが集中すべき高付加価値業務)
利益を生むための直接的な業務であり、高度な知識と専門的な判断が求められる非定型業務です。
・ディテーリング(医師への情報提供活動)
・安全性情報への対応
・市販後調査(PMS)
・KOLへの深耕営業
・戦略的な市場調査・分析(処方動向データを基にしたシェア拡大戦略の立案等)
・勉強会・エリア講演会の企画
ノンコア業務(切り離し可能な定型業務)
コア業務を支援する定型的な業務です。難易度は低いものの、営業活動においてなくすことはできません。
・営業支援活動:医師から依頼された資料・文献のお届け、面会待ち時間でのフォロー、患者啓発資材の提供、説明会・講演会の設営・運営補助
・情報収集・事務処理:医師とのアポイントの確認、営業活動報告の入力、経費精算などの社内申請、
・特定製品のルーティンフォロー:特許切れ間近の製品フォロー、ジェネリック医薬品の概要紹介など、高度な専門性を要しない領域の活動
削減・効率化すべき業務・時間
慣習的に行われているが成果に直結しない業務や、非効率な移動時間、そして医師との面会を待つ待機時間などの付随業務が挙げられます。
日々の業務において、MRが「資料配布」や「施設フォロー」といったノンコア業務に追われているケースは珍しくありません。優秀なMRの時間が定型業務に奪われてしまう状況は、企業にとっての機会損失であると同時に、MR自身がより高い付加価値を生み出すチャンスを狭めてしまっています。
MR業務を誰が担うのか
MRの生産性向上を行うにあたり、MRの業務を棚卸しし、コア業務とノンコア業務を切り分けたとき、次に検討すべきは「それぞれの業務を誰が担うのか」という点です。
営業体制を拡充する「CSO」の役割と課題
製薬業界において、営業体制を柔軟に構築するための外部リソースとして現状一般的なのが、CSO(Contract Sales Organization)です。
CSOは、新薬上市時のプロモーション強化や欠員補充などを目的として、現状でも多くの企業で導入されています。
一方で、CSOはMR有資格者による営業活動の補完を主な役割とするため、ディテーリングや安全性情報対応まで含めて体制を強化したい場合に適した選択肢です。その反面、資料配布や施設フォロー、情報収集といったノンコア業務を中心に担わせる用途では、費用対効果が合いにくいケースもあります。
MRのノンコア業務を支える新たな選択肢「医療施設ラウンダー」
業界内ではまだ一般的な手法ではないものの、MRのノンコア業務を切り出す手段として、一部企業で導入されているサービスがあります。それが、「医療施設ラウンダー(営業支援スタッフ)」です。
「ラウンダー」とは、もともと食品や日用品メーカーなどがドラッグストアや量販店を巡回して、売り場設営や情報提供・情報収集を行うために活用してきたフィールドスタッフのことです。
この仕組みを医療施設向けの活動に応用し、MR資格を必要としないノンコア業務に対象を限定して切り出すことで、営業支援体制を構築する方法があります。
なお、ディテーリング、安全性情報対応、市販後調査などMR資格や高度な専門判断を要する業務は対象外とし、あくまで資料配布、施設フォロー、情報収集などの支援業務に役割を限定することが前提となります。
CSOとラウンダーの役割比較
CSOとラウンダーの役割を整理すると、以下のような明確な違いがあります。
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項目 |
CSO(コントラクトMR) |
医療施設ラウンダー |
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人材 |
MR資格あり |
MR資格なし |
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役割 |
営業活動(MRの代替) |
営業支援(MRのサポート) |
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主業務 |
ディテーリング、安全性情報対応 |
資料配布、施設フォロー、情報収集など |
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主な目的 |
営業体制(人数)の拡充 |
MRの生産性向上(時間の創出) |
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コスト水準 |
高い(自社MRと同等水準) |
比較的低い(安価に導入可能) |
つまり、CSOはMR機能そのものを補完する手段であり、医療施設ラウンダーはMRがコア業務に集中するための支援機能を補完する手段と言えます。
両者は競合するというより、目的に応じて使い分けるべき外部リソースです。
MR数が減少し、1人あたりの担当エリアや施設数が拡大する中、すべての業務を正社員MRや高コストなCSOだけで担うモデルには限界が生じています。こうした背景から、MRが本来のコア業務に集中できる環境をつくるための「新たな選択肢」として、ラウンダーの活用が一部の企業で有効な選択肢となり始めています。
医療施設ラウンダーの活用が向いているケース
医療施設ラウンダーは、すべての製薬企業に一律で適した手法というわけではありません。特に、以下のような課題を持つ企業では、有効性を発揮しやすいと考えられます。
・既存品や長期収載品、ジェネリックなどで継続的なフォロー対象施設が多い
・営業戦略上必要なターゲット施設へのMRのカバーが行き届いていない
・MRの増員が難しく、既存人員の生産性向上が急務
・CSOを活用するほどではないが、ノンコア業務の補完体制を低コストで整えたい
・面会待機、資料対応、施設フォローなどにMRの時間が取られており、コア業務への集中を妨げている
医療施設ラウンダーを活用した「戦略的分業」
前章で見てきたように、医療施設ラウンダーは、MRのノンコア業務を補完する新たな外部リソースです。
では、実際に導入すると、営業体制にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、医療施設ラウンダーを活用した戦略的分業によって得られる主な効果を整理します。
トータルコストを大幅に抑制
自社MRを雇用・維持する場合、給与に加えて、社会保険や採用・教育費、マネジメント費用、営業所維持費などの「見えないコスト(間接費用)」も含めると、年間コストは1人あたり約2,000万円以上にのぼるとも言われています。
一方、医療施設ラウンダーのコストは、委託する会社にもよりますが、諸経費込みで年間約700万円台(自社MRの約1/3)で導入した事例もあります。これは、MR2名体制よりもMR1名+医療施設ラウンダー2名体制の方が15%もコストを削減できる計算になります。
出張費・移動交通費の大幅削減
MRが広域エリアをカバーする体制では、出張費や移動交通費がかさむだけでなく、長距離移動に多くの時間を要します。医療施設ラウンダーを活用すれば、現地スタッフによる対応が可能になるため、コスト負担を抑えながら、移動に費やしていた時間の圧縮にもつながります。
固定費の変動費化によるリスクヘッジ
正社員の雇用は長期的な固定費となりますが、医療施設ラウンダーへの分業は、環境変化や製品ライフサイクルに合わせて柔軟に体制を変更できるため、経営上のリスクヘッジに直結します。
【成功事例】医療施設ラウンダーへの分業がもたらした成果
実際に医療施設ラウンダーを導入し、大きな成果を上げている2社の事例をご紹介します。それぞれの企業が抱えていた課題に対し、どのように業務を切り分け、外部リソースを活用したのか、具体的なプロセスをみていきましょう。
事例1:コスト1/3でターゲットカバー率を拡大(大手製薬メーカーA社様)
直面していた2つの課題
A社様は、以下2つの課題を抱えていました。
MR人件費の高コスト構造と利益率の低下
薬価改定による利益率の低下が進む中、専門性が高く高給与なMRの維持が経営の重荷になっていました。業界全体としてMR数削減傾向の中、限られたリソースでいかに成果を出すかが喫緊の課題でした。
特許切れ間近の製品フォローにおけるジレンマ
すでに広く普及している製品は、MRによる高度な情報提供の必要性は薄れています。しかし、依然として売上を牽引する主力製品であるため、定期的なフォローを怠ると競合他社製品に切り替えられるリスクがありました。
解決に向けたアプローチ
1. 業務の切り分け
A社様はまず、MRの業務を可視化し、「MR資格がないとできない業務」と「代替可能な業務」に切り分けました。
一般的にMRの業務ウェイトは以下の通りと言われています。
・ディテーリング(情報提供活動):20%
・サービス活動(医師から依頼された資料のお届けなど):15%
・セミナー・講演会の手伝い:15%
・移動・待ち時間:25%
・準備・報告(資料準備や日報作成):15%
・その他(勉強等):10%
このうち、「サービス活動(15%)」や「セミナー手伝い(15%)」といった代替可能なノンコア業務を当社の医療施設ラウンダーへ委託。これにより、MRはディテーリングなどの高付加価値活動に充てる時間を約15〜20%増やすことが期待できます。
2. ターゲットと製品の戦略的分担
次に、売上規模に応じて訪問先ターゲットをセグメント化し、MRと医療施設ラウンダーの役割を明確に定義しました。
・MRの担当領域
患者数が多く、自社製品の処方数も大きい「重要ターゲット施設」に集中。これにより、ディテーリングなどのコア業務に専念します。
・医療施設ラウンダー(当社スタッフ)の担当領域
患者数は多いものの、自社製品の処方数が中規模程度のターゲット施設を担当。製品導入の引き合いや当社スタッフが対応不可な依頼があった際に担当MRに繋ぎます。
医療施設ラウンダーの具体的な活動内容と連携体制
医療施設ラウンダーは、1日平均15軒程度を訪問し、以下の活動を通じてMRをサポートします(※ディテーリング、安全性情報対応、市販後調査は対応範囲外として明確に線引きしています)。
・定期訪問: 医師(面談可能であれば実施)やコメディカル、薬剤師を定期的に訪問し、企業認知度の維持・向上を図ります。
・製品リマインド: 患者指導箋や疾患啓発資材などを提供し、製品リマインドを実践。
・情報収集とMRへのトスアップ: 現場で収集した患者動向や処方動向などの有益な情報をMRへ共有します。もし現場で「製品導入の引き合い」や「専門的な対応が必要な依頼」があった場合は、即座にMRへ引き継ぎ(パス出し)を行います。

得られた3つの成果
この戦略的分業により、A社様は自社MRの負担を増やすことなく、以下の3つの大きな成果を上げました。
成果1:トータルコストを抑えつつカバー率を拡大
営業戦略としてターゲットカバー率を拡大にするにあたり、自社MRを増員せずに医療施設ラウンダーを導入することで、トータルコストを大幅に増やすことなく抑えた予算で実現することに成功しました。
成果2:新製品(剤形追加)の薬局採用率が約8%アップ
元々A社様では、MRは調剤薬局への巡回はしていませんでしたが、新製品の発売前に、当社スタッフが調剤薬局の現場で薬剤師に対して「製品に関わるニーズ調査」を実施し、その結果をMRの営業活動に活用する連携体制をとりました。また、必要に応じて当社スタッフが担当する調剤薬局へのMR同行も実施した結果、発売後1ヶ月間の薬局での採用率は、当社スタッフ未巡回施設よりも、巡回施設の方が約8%上回るという直接的な売上貢献を果たしました。
成果3:顧客満足度アンケートで約70%が「高評価」と回答
継続して訪問している医師や薬剤師に対して満足度アンケートを実施した結果、「今後も活動を継続してほしい」という活動の評価を問う設問では、約70%の顧客から高評価(10点満点中8点以上)の回答を獲得しました。このことから、医療施設ラウンダーによる定期訪問や丁寧な情報提供が、顧客との良好な関係構築に大きく貢献していることが実証されました。
事例2:MRを増やさず新規採用率27%を実現(皮膚科系製薬メーカー様)
直面していた2つの課題
こちらのメーカー様は、以下の2つの課題を抱えていました。
営業(MR)人数の不足によるカバー漏れ
全国約120名という限られたMR体制のため、売上の高い病院や専門の皮膚科系クリニックへの訪問で手一杯となっていました。その結果、他診療科のクリニックや調剤薬局までカバーしきれていないという機会損失が発生していました。
ジェネリック医薬品の営業力強化(薬剤師へのアプローチ不足)
全社的に販売を強化したいジェネリック製品がありましたが、ジェネリックの採用は薬局の薬剤師による選択(裁量)が大きいため、薬剤師への直接的なアプローチが不可欠でした。しかし、MRのリソース不足によりそれが叶わない状況でした。
解決に向けたアプローチ
1.業務の切り分けとコンプライアンス遵守体制の構築
まず、「MR資格がなくても可能な薬局でのジェネリック製品の紹介方法」を設計しました。アウトソーシングを活用するにあたり、両社で綿密に協議を行い、コンプライアンス上問題とならない安全なトークシナリオと専用ツールを準備し、業務を切り出しました。
2.ターゲットの戦略的分担
次に、限られたMRリソースを最大化するため、ターゲット施設を明確に分担しました。
・MRの担当領域
自社製品の処方数が大きい重要ターゲット(病院や皮膚科系クリニック)を引き続き専任でカバーします。
・医療施設ラウンダー(当社スタッフ)
対象製品の処方元となりうる他診療科のクリニックや、MRが訪問している皮膚科系病院・クリニックの「門前薬局」など、製品の想定患者はいるもののMRが回り切れない施設を選定しました。
医療施設ラウンダーの具体的な活動内容と連携体制
22名のラウンダーを配置し、約6,000軒のターゲット施設に対して1日平均15軒程度を訪問。以下の活動を通じてMRの営業活動を補完しました。
・定期訪問とジェネリック製品紹介: 医師や薬剤師へ定期訪問を行い、企業認知度を向上。準備したシナリオに沿って自社ジェネリック製品の概要を提供し、新規処方や他社からの切り替えチャンスを創出します。
・情報収集とMRへのトスアップ: 現場で収集した処方動向や競合情報をMRへ共有。製品見本のお届け依頼や、ディテーリング・勉強会の依頼、安全性情報対応など「MRのアクションが必要な案件(要フォローアップ案件)」が発生した場合は、即座にMRへパス出しを行います。
得られた2つの成果
この分業体制と強力な連携により、自社MRの人数を一切増やすことなく、以下の大きな成果を上げました。
成果1:アプローチ量の大幅拡大と、新たな引き合いの創出
これまで全く訪問できていなかった他診療科クリニックからの引き合いや、薬局での競合他社からの切り替え事例を多数創出しました。
実際に、当社スタッフからMRへ提供された情報は膨大で、ある半年間の実績では、処方動向などの「有益な情報共有」が毎月約90〜140件、ディテーリング依頼などの「要フォローアップ案件」が毎月約30〜90件もトスアップされ、MRの効率的な営業活動を強力に後押ししました。
成果2:ジェネリック新製品の新規採用率「約27%」を実現
医療施設ラウンダーによる継続的なアプローチと、引き合いに対するMRの迅速な連携対応(クロージング)が実を結びました。ジェネリック新製品の発売後1年間の活動において、医療施設ラウンダーがターゲットとした薬局4,300施設のうち、対象製品が採用されていなかった約2700軒に対して実に約730軒で新規採用を獲得。約27.0%という極めて高い新規採用率を実現しました。
詳しい事例は以下の記事をご参照ください。
生産性向上を成功に導くパートナー:医療施設ラウンダーのパイオニア「FMS」
前章でご紹介したような成果を創出するためには、医療現場の特殊なルールやコンプライアンスを熟知した専門のアウトソーシングパートナーの存在が不可欠です。
フィールドマーケティングシステムズ(FMS)は、1982年の創業以来培ってきた店頭マーケティングの豊富な経験と高い運営品質を活かし、2013年よりいち早く医療施設向けフィールド業務を開始しました。これまでに15社を超える製薬企業・医療関連企業様のプロモーションを支援し、製品の認知拡大と売上向上に大きく貢献しています。
FMSの医療施設ラウンダーサービスが選ばれる「5つの特長」をご紹介します。
1. 医療現場に特化した「専門的な育成カリキュラム」
医療業界未経験のスタッフであっても即戦力として効果的に活動できるよう、独自の専用育成カリキュラムを完備しています。医療施設における厳格な訪問ルールやマナーはもちろん、医師や薬剤師とのコミュニケーションスキル、交渉術を強化する座学研修に加え、OJT(現場同行)も実施し、実践的な対応力を養います。
2. 現場経験に基づく「実践的なトークシナリオとFAQの作成」
多忙な医療従事者に対して、限られた時間内で製品の要点とメリットを的確に伝えるための「専用トークシナリオ」を当社で設計・作成します。また、価格や使用方法、コンプライアンスに関わる質問にもスタッフが現場でスムーズに応対できるよう、実践的なFAQも完備し、質の高い対話をサポートします。
3. カバー率を最大化する「効率重視の訪問スタイル」
クリニックや調剤薬局への訪問は、各施設の訪問ルールや受け入れ状況を踏まえながら、効率的な訪問設計を行います。これにより、MRだけでは回り切れない広域エリアや多数の施設へのアプローチ量を確保し、製品・サービスの認知度向上の機会を最大化します。
4. デジタルにはない「対面型の直接的なコミュニケーション」
デジタルプロモーション(Web講演会やOne to Oneメール配信など)が普及する中であっても、現場の医師や薬剤師に対して「直接、顔を合わせて製品の価値を伝える」対面コミュニケーションは、依然として高い記憶定着と信頼構築の効果を発揮します。
5. MRの営業活動を加速させる「現場のリアルな情報収集」
単なる製品紹介にとどまらず、訪問の際に患者動向や競合他社の状況、現場のリアルな製品ニーズをヒアリングします。収集した貴重な市場情報は即座にMRへトスアップされ、貴社のマーケティング戦略の改善や、MRによるクロージング(処方獲得)活動に直接的に貢献します。
まとめ:将来を見据えた営業体制の再構築を
MR数が4万人台前半まで減少し、求められる役割が「より専門性の高い高付加価値な提案」へと変化する中で、「正社員MRがすべての業務を抱え込む」営業体制は、見直しのタイミングを迎えていると言えます。
MRがノンコア業務を切り離すことで、本来注力すべきコア業務により多くの時間を充てやすくなり、営業活動の質を高めることにもつながります。
まずは、自社の営業部門における業務を棚卸しし、MRが担うべき業務と、それ以外の業務を整理してみることが出発点になります。定型化可能なノンコア業務については、外部リソースの活用を選択肢に含めることで、より柔軟で持続可能な営業体制を検討しやすくなるでしょう。
今、組織のあり方を見直すことは、コスト面の課題への対応だけでなく、将来にわたる競争力の維持・強化を考えるうえでも、重要なテーマになっています。