ラウンダーとは?仕事内容・営業との違い・導入メリット・適性スキルまで解説
ラウンダーは、メーカーに代わって小売店舗を巡回し、売り場管理や販促活動を行う専門スタッフです。本記事では、創業40年以上・全国対応のラウンダー支援実績をもつFMSの現場視点から、役割や営業との違い、導入メリット、事例、求められるスキルまでわかりやすく解説します。
売り場改善を検討されている企業様はぜひ参考にしてください。
ラウンダーとは
ラウンダーとは、メーカーや卸売業者などに代わって店舗を巡回し、店頭での商品展開や販促活動を支援するスタッフのことです。
本部商談や販売戦略で決まった内容を、実際の売り場で実行・確認・改善することで、商品が選ばれやすい売り場づくりを支えます。
ここではまず、ラウンダーという言葉の意味と、店頭活動において担う基本的な役割について整理します。
ラウンダーの意味
ラウンダーという名称は、英語の “Round”(回る)に由来しています。
その名の通り、ラウンダーはスーパーやドラッグストア、家電量販店などの小売店舗を定期的に巡回し、商品の販促活動や売り場のメンテナンスを行うスタッフです。
メーカーや卸売業者に代わって店舗を訪問し、商品の陳列状況や販促物の設置状況を確認・改善することで、店頭で商品が選ばれやすい状態を整えます。
ラウンダーの役割
ラウンダーの主な役割は、営業担当者が立案した販売戦略や本部商談で決定した内容を、実際の店舗で具体的に実行することです。
具体的には、以下のような役割を担います。
・本部商談の内容を店頭で確実に実行すること
・商品の陳列・販促展開を最適化し、販売機会を創出すること
・現場で得た情報を営業担当者へフィードバックすること
つまりラウンダーは、営業担当者が描いた販売戦略を売り場で形にする、“店頭具現化のプロフェッショナル”として機能します。
ラウンダーの仕事内容
ラウンダーは、本部決定事項を実行可能な施策へ落とし込み、各店舗で売り場改善を行います。
具体的にいうと、本部商談で導入が決まった商品をきちんと店頭に並べる、発注漏れを防ぐ、販促企画を店頭で具現化する、など、販売機会の損失を防ぎ、店頭から売上を上げる支援をします。
具体的には以下の業務を担当します。
・売り場のメンテナンス(品出し、前出し、クリンリネス)
・売り場づくり
・販促材の設置業務
・商品管理(未採用商品の取り扱い交渉や発注促進など)
・店舗担当者との交渉
・情報提供、情報収集など
ラウンダーの活動内容については下記ページでも詳しくご紹介しています。
営業担当者との違い
営業担当者とラウンダーはどちらも既存顧客への営業活動を行いますが、業務内容や役割、目標の設定において大きな違いがあります。それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
業務内容の違い
営業担当者は主に小売店本部との商談や交渉を担当し、販売戦略やプロモーション活動を決定します。一方、ラウンダーは、営業担当者が本部で決定した戦略を、実際の店舗で具現化する役割を担っています。
営業担当者が作成した戦略を“実際の売り場で実行する”のがラウンダーの役割です。
店舗内の業務は、ほとんどがラウンダーによって実施可能です。
業務範囲表

※1 営業社員の場合、他業務も多く定期的な訪問が難しい場合が多いため
目標(KPI)の違い
・営業担当者:売上・利益を中心とした数値目標(ノルマ)が設定される
・ラウンダー:コール数、依頼実施率、売り場実現率など、行動ベースのKPIが設定される
ラウンダーは直接の売上ノルマは持たず、営業担当者の売上目標達成を支えるサポート役として機能します。
目標と連動したラウンダーの行動指標の設定方法については下記資料にて具体的に解説しています。
【ダウンロード資料】目標達成に結び付ける!ラウンダーの活動内容設定方法
ラウンダーと営業担当者の違いを以下にまとめました。
| 項目 | 営業担当者 | ラウンダー |
|---|---|---|
| 主な業務 | 小売店本部との商談・契約交渉 | 店舗を巡回して販促活動や売り場メンテナンス |
| 主な営業先 | 小売店本部、卸業者 | 各店舗の現場スタッフ、店長 |
| 主な役割 | 契約をまとめ、全体の販売戦略を決定 | 店頭でのプロモーション実施、売り場管理 |
| 目標(ノルマ) | 売上・利益目標が設定される | 売上ノルマはなし、KPI(活動指標)が設定される |
営業社員は役割も違えばコストも違います。 営業社員とラウンダー(営業代行)とのコストの違いをさらに詳しく知りたい方は以下の資料をご覧ください。
▶︎ [営業社員とラウンダーのコスト比較表をダウンロード(Excel形式)]
なぜ営業だけでは成果が出にくいのか
営業担当者は本部商談や企画立案、新規開拓などの業務を担う一方、担当エリアが広く、店舗ごとの細かなフォローまで十分に行うことが難しいケースが多くあります。そのため、決定した施策が現場で実行されない、販促物が設置されない、売り場が維持されないといった「実行ギャップ」が発生しやすくなります。
また、売り場は競合の動きや店舗事情により日々変化するため、定期的な巡回と改善活動が不可欠です。こうした背景から、営業だけで売り場成果を最大化することが難しくなっており、戦略と実行を分担する体制の重要性が高まっています。
売り場改善を実現した具体的な事例については、以下のページで詳しくご紹介しています。営業とラウンダーを連携させた成功事例をぜひご覧ください。
ラウンダー導入事例はこちら
ラウンダーが必要とされる背景
メーカーの販売戦略は、売り場で実行されて初めて成果につながります。
一方で、店舗数の多さや売り場環境の変化により、営業担当者だけで店頭実行を継続的に管理することは難しくなっています。
営業担当者だけでは店舗フォローに限界がある
営業担当者は、本部商談や企画立案、新規開拓、既存顧客対応など、幅広い業務を担っています。
一方で、担当エリアや担当チェーンが広い場合、すべての店舗を定期的に訪問し、売り場の状態を細かく確認することは難しくなります。
下記は、あるメーカー営業担当者の業務時間とリソース配分を示したものです。
本部商談に割ける時間は全体の25%にとどまる一方、店舗巡回には40%の時間を充てています。それでも、担当店舗すべてを十分にカバーしきれないケースがあります。
某メーカー営業の業務時間・リソース配分内訳例(※)

※FMS調べ。某メーカー営業担当者様の1ヶ月間の各業務時間を集計
営業担当者が限られた時間の中で本部商談と店舗巡回の両方を担う場合、重点店舗以外のフォローが後回しになったり、売り場確認の頻度が不足したりすることがあります。
店舗ごとの陳列状況や販促物の設置状況まで継続的に確認するには、営業活動とは別に、店頭実行を担う体制が必要になります。
本部商談と売り場の間に実行ギャップが生まれやすい
メーカーの営業担当者は、小売バイヤーとの本部商談を通じて、商品の品ぞろえや販促企画、棚割りなどを決定します。
しかし、本部商談で決まった内容が、実際の店舗でそのまま実行されるとは限りません。一般的には、本部で決定した施策のうち、店頭で実行されるのは2〜3割程度にとどまるともいわれています。その背景には、店舗担当者が本部決定事項を把握しきれていない、売り場スペースの都合で展開が変更される、競合商品の展開や店舗独自の判断が優先されるといった要因があります。
その結果、販促物が設置されない、商品が目立ちにくい場所に置かれる、展開後の売り場が維持されないといった実行ギャップが生じることがあります。
営業担当者が本部商談で決定した内容を売り場で成果につなげるには、店舗ごとの状況を確認し、必要に応じて改善を行う仕組みが欠かせません。
販売戦略を店頭で継続的に改善する体制が求められている
売り場は、競合の動きや季節要因、店舗ごとの販売状況によって常に変化します。
そのため、一度施策を実行して終わりではなく、売り場の状態を確認しながら継続的に改善することが重要です。
ラウンダーが定期的に店舗を巡回することで、陳列改善や販促物設置、店舗担当者への確認・交渉、現場情報のフィードバックが可能になります。
営業とラウンダーが連携することで、本部商談や販売戦略を、実際の売り場で成果につなげやすくなります。
ラウンダーの業務サイクル
ラウンダー業務は、単に店舗を巡回するだけではなく、営業担当者の戦略を現場で確実に実行し、改善につなげるための業務サイクルで構成されています。
本章では、まずラウンダーがどのようにPDCAを回しながら活動しているのかを整理したうえで、イメージしづらい「ラウンダーの1日の動き」についても具体的に紹介します。
PDCAに沿ったラウンダー業務サイクル
ラウンダーの活動は、営業担当者からの依頼内容を基にしたPDCAサイクルで運営されます。
特に外部委託の場合は、このPDCAをどれだけ精度高く回せるかが「成果の出るラウンダー運営」の分岐点となります。
以下は、ラウンダーが一般的に行うサイクルの流れです。
1. 依頼(Plan)
営業担当者は本部商談で決定した内容に基づき、ラウンダーへ業務を依頼します。多くの場合、「業務依頼書」という書式に依頼内容をまとめ、ラウンダーへ明確に依頼を伝えます。
2. 店頭活動(Do)
ラウンダーは担当店舗を訪問し、依頼内容を店舗担当者に説明したうえで、店頭での依頼実施に取り掛かります。これには、商品の陳列、販促物の設置、プロモーションの実行などが含まれます。
3. 活動報告(Check)
店頭活動が終わると、ラウンダーは各依頼の実施状況や活動の詳細、店舗担当者の反応などを営業担当者へ報告します。この報告により、依頼内容がどの程度現場で反映されているかを確認できます。
4. 企画・商談の方針見直し(Action)
営業担当者はラウンダーからのフィードバックをもとに、商談の方針やプロモーション企画の内容を見直し、次回の商談や店舗活動に反映します。このプロセスを繰り返すことで、売上や顧客満足度の向上を目指します。
ラウンダーの業務は、このようなPDCAサイクルを通じて、効率的に運営され、現場での効果的な販促活動と営業サポートを実現しています。
ラウンダーの業務サイクル図

※ラウンダー組織を外注する場合は、③と⑤のやり取りは、運営事務局を介します。
実際にPDCAを回すための具体的な運営ノウハウも資料で公開しています。
一日の業務の流れ
ラウンダーのPDCAサイクルは概念として理解しやすいものの、実際にどのような行動プロセスで業務が遂行されるのかについては具体的なイメージが持ちづらい場合があります。ここでは基本的なラウンダーの1日の業務の流れを解説します。
出発前の事前準備(朝)
・当日の訪問店舗、移動ルートを確認
・営業担当者や事務局からの依頼事項および最新情報の確認
・必要な販促物・ツール類の準備、商品知識の再確認
この段階での情報整理と準備の精度は、店頭での作業効率および実施率に直結します。
店舗訪問(1店舗目)
・店舗担当者への挨拶および活動内容の共有
・売り場状況の確認(陳列、欠品、販促物の展開状況など)
・依頼事項に基づく店頭活動の実施(陳列作業、フェイス確保、販促物設置ほか)
・店頭での実施結果を報告システムへ入力(活動写真、依頼事項実施率、売り場の変化、担当者からのコメントや他社メーカーの展開状況等を記録)
移動・店舗訪問(2店舗目以降)
・他の店舗でも1店舗目と同様に依頼事項に基づき店頭活動を遂行(途中休憩もはさむ)
・活動を通して営業担当者や運営事務局に対して、改善提案や懸念点があれば整理して共有
以下の図は平日の10時から16時の時間帯で活動するラウンダーの1日の活動例です。
ラウンダーの1日の活動例

ラウンダーの1日の業務イメージをより具体的に掴みたい方には、実際の現場に密着したレポートもおすすめです。
商材や業態ごとに異なる活動内容や店舗での立ち回りを、写真や実例を交えて詳しく紹介しています。
ラウンダーを導入するメリットとは
ラウンダーを導入することで、営業担当者だけでは対応しきれない店舗フォローを強化できます。
本部商談の内容を売り場で実行しやすくなり、営業担当者の業務負担や巡回コストの軽減にもつながります。
本部決定事項を店頭で実行しやすくなる
ラウンダーが店舗を訪問することで、本部商談で決定した内容を店頭で確認し、実行に移しやすくなります。
たとえば、販促物の設置、商品の陳列改善、売り場づくり、店舗担当者への確認・依頼などを行うことで、販売戦略を実際の売り場に反映できます。
また、店舗ごとの実施状況を確認できるため、未実施の店舗や売り場展開に課題がある店舗にも早期に対応しやすくなります。
これにより、本部で決定した施策の実行精度を高め、店頭での販売機会を逃しにくくなります。
店舗フォローの頻度と範囲を広げられる
ラウンダーは店舗活動に特化しているため、営業担当者だけでは訪問しきれなかった店舗や、遠方の店舗にも巡回範囲を広げやすくなります。
また、定期的に訪問することで、売り場の変化や販促物の設置状況、競合商品の動きなどを継続的に把握できます。
店舗フォローの頻度が高まることで、売り場の乱れや欠品、販促物の未設置といった課題にも早期に対応しやすくなります。
その結果、販売機会の損失を防ぎ、店頭での商品露出や販促効果を高めることにつながります。
営業担当者がコア業務に集中できる
ラウンダーに店舗巡回や売り場確認を任せることで、営業担当者は本部商談、販売戦略の立案、重点得意先への提案といったコア業務に集中しやすくなります。
また、ラウンダーが現場で得た情報を営業担当者へフィードバックすることで、営業担当者は売り場の実態を踏まえた商談や提案を行いやすくなります。
単に業務を分担するだけでなく、営業活動の質を高めるための現場情報を得られる点も大きなメリットです。
巡回コストを抑えやすくなる
ラウンダーは、巡回エリアに近い現地スタッフを組織化して運用するケースが多いため、営業担当者が出張ベースで店舗を訪問する場合と比べて、交通費や出張費を抑えやすくなります。
たとえば、全国チェーンの店舗を本社の営業担当者が広域で巡回する場合、移動時間や交通費、宿泊費などの負担が大きくなります。
ラウンダーを活用すれば、店舗近隣のスタッフが効率的に巡回できるため、コストを抑えながら店頭フォローを継続しやすくなります。
また、営業担当者が店舗巡回に費やしていた時間を本部商談や重点施策に振り向けられるため、人的リソースの面でも効率的な運営につながります。
ラウンダーの配置・運用体制
ラウンダーを効果的に活用するためには、どの店舗を誰が担当するのか、どの頻度・契約形態で巡回するのかをあらかじめ設計しておくことが重要です。
特に、限られた活動時間の中で多くの店舗を効率よく回るためには、移動時間や対応業務の内容を踏まえた配置・運用体制の設計が欠かせません。
ラウンダーの配置
ラウンダーの配置では、巡回店舗をエリアごとに分け、近隣に居住するスタッフが担当する「エリア制」を採用するケースが多くあります。
エリア制は、担当する店舗を一定の地域内にまとめることで、移動時間や交通費を抑えながら効率的に巡回できる点が特徴です。
また、担当エリア内でスーパー、ドラッグストア、家電量販店など複数のチェーンを巡回することで、業態ごとの売り場傾向や競合商品の動きも把握しやすくなります。
一方で、特定チェーンに深く入り込みたい場合は、チェーンごとに担当者を分ける「チェーン制」が適しているケースもあります。
配置方法は、巡回エリアの広さ、店舗数、業務内容、重視する情報収集の粒度によって選ぶことが重要です。
ラウンダーの運用体制
ラウンダーの運用体制には、大きく分けて「定期ラウンダー」「スポットラウンダー」「シェアラウンダー」の3つがあります。
それぞれ適した活用シーンが異なるため、目的や予算、巡回頻度に合わせて選定することが大切です。
定期ラウンダーは、同一スタッフが担当店舗を継続的に訪問する運用体制です。店舗担当者との信頼関係を築きやすく、売り場拡大の交渉や、陳列改善、販促物設置、情報収集などを継続的に行いたい場合に向いています。一般的には、一定期間以上の中長期的な運用を前提とするケースが多くなります。
スポットラウンダーは、新商品の発売やキャンペーン、季節販促などに合わせて、短期間で多くの店舗を訪問する運用体制です。販促物の一斉設置や売り場確認、短期的な人手不足の補完など、「限られた期間で一定数の店舗を回りたい」場合に有効です。
シェアラウンダーは、複数企業でラウンダーの稼働を分担する運用体制です。ラウンダー運用では、特定企業の商品を継続的に担当する専属型の運用が一般的ですが、業務内容やエリアによっては、シェア型が選択されることもあります。
移動時間や交通費などのコストを複数社で分けることで、効率的に店舗巡回を行いやすくなる点が特徴です。特に、店舗間距離が長いエリアや、品出し・売り場確認など標準化しやすい業務に向いています。
ラウンダーの運用体制は、継続的な売り場改善を重視するのか、短期的な販促実行を重視するのか、また専属での対応が必要かによって適した形が変わります。
それぞれの特徴については、別記事でも詳しく解説しています。
定期ラウンダー・スポットラウンダーの使い分けのコツとは?サービスの選択・組み合わせ事例もご紹介
業界注目のシェアラウンダーとは? シェアラウンド実績30年超の当社が事例を交え徹底解説
ラウンダーの雇用形態
ラウンダー業務を担当するスタッフの雇用形態は多様で、メーカーのニーズやコストに応じて異なります。主に以下の2つの方法で対応されます。
社内で対応する場合(内製化)
メーカーが自社内でラウンダー業務を行う場合、社員や契約社員、アルバイト、派遣社員などの雇用形態を用いることが一般的です。この方法では、業務内容をメーカーが直接管理でき、社内での指示や調整が容易です。
しかし、人件費や採用・教育、マネジメント体制の構築など、運用面での課題が発生することも多く見られます。
内製化と外注の違いや、企業が検討すべき判断基準については、以下の記事で詳しく解説しています。
ラウンダー内製化の解説記事はこちら
アウトソーシング(外注)する場合
ラウンダー業務を外部のラウンダー会社に委託する場合、業務委託契約が一般的です。この方法では、外注先が専門スタッフを提供し、ラウンダーの採用や管理も行うため、メーカーは自社リソースを割かずに済みます。
ただ、外注によって管理コストを削減できる一方、委託先の選び方や運用設計によって成果が大きく左右されます。
外注時の判断基準や具体的な運用の進め方については、以下の記事をご覧ください。
ラウンダー外注の進め方・判断基準はこちら
内製化・アウトソーシング(外注)比較図
| 項目 | 内製化 | アウトソーシング(外注) |
|---|---|---|
| 採用・育成 | 自社で行う | 委託会社が対応 |
| 自社社員による管理コスト | 高い | 低め |
| 柔軟性 | 社内調整で可 | 外部調整が必要 |
ラウンダー導入の費用構造
前述の通り、ラウンダー業務は自社で内製化する方法と、外部のラウンダー会社へ委託する方法があります。
ここでは、ラウンダー業務を外注する場合に発生する費用を中心に、導入時に確認しておきたい費用構造を解説します。
外注時の費用は、活動開始前に発生する「イニシャル費用」と、巡回活動に応じて継続的に発生する「ランニング費用」に分けて考えると整理しやすくなります。
業務内容や巡回エリア、活動頻度、報告体制によって費用は変動するため、活動費だけでなく、管理費や交通費、販促物関連費まで含めて確認することが重要です。
ラウンダーを導入する際の費用は、活動開始前に発生する「イニシャル費用」と、巡回活動に応じて継続的に発生する「ランニング費用」に分けて考えると整理しやすくなります。
イニシャル費用(採用・研修・初期構築)
イニシャル費用とは、ラウンダー活動を開始する前の準備段階で発生する費用です。
主に、業務設計、ラウンダーの採用・手配、マニュアル作成、初期研修、報告体制の構築などが該当します。
ラウンダー業務では、店舗で何を確認するのか、どこまで売り場改善や交渉を行うのか、どのような形式で報告するのかを事前に明確にしておく必要があります。
そのため、活動開始前には事務局による業務設計やマニュアル整備、スタッフへの研修が重要になります。
また、Web報告システムやスマートフォン・タブレットなどを使用する場合は、システム設計や通信機器の準備費用が発生することもあります。
初期段階で運用ルールを整えておくことで、活動開始後の報告品質や売り場改善の精度を高めやすくなります。
主なイニシャル費用は、以下のように整理できます。
・業務設計・マニュアル作成などの事務局準備費用
・ラウンダーの採用・手配に関する費用
・初期研修に関する費用
・報告システム・通信機器などの初期準備費用
ランニング費用(人件費・交通費・販促物・事務局費)
ランニング費用とは、ラウンダーの巡回活動を継続する中で発生する費用です。
中心となるのは、ラウンダーが店舗を訪問して活動するための人件費です。活動時間、訪問店舗数、業務内容、エリア条件によって費用は変動します。
また、店舗巡回では移動が発生するため、交通費や車両関連費も必要になります。
車で巡回する場合は燃料費や駐車場代、公共交通機関を利用する場合は電車・バスなどの交通費が発生します。
さらに、ラウンダー活動を安定して運用するためには、活動管理、報告確認、問い合わせ対応、クライアントとの連絡調整などを行う事務局機能も必要です。
販促物を扱う場合は、POPや資料の印刷・発送費などが発生することもあります。
主なランニング費用は、以下のように整理できます。
・ラウンダーの店頭活動費用
・交通費・車両関連費などの活動経費
・活動管理を行う事務局費用
・販促物の印刷・発送などに関する費用
・報告システムや通信機器の利用費用
費用に関する詳細は以下の記事で解説しています。
ラウンダーを外注(アウトソース)するのにかかる費用は?価格相場、内製化との比較や委託会社を選ぶポイントを解説
報酬体系・報酬金額
ラウンダーの報酬体系は、主に「人日単位」と「店舗単位」に分けられます。
人日単位は、ラウンダー1名が1日活動する単位で費用を設定する方法です。定期的な巡回や、売り場改善・店舗担当者との交渉など、一定時間をかけて活動する業務に向いています。
一方、店舗単位は、訪問する店舗1件ごとに費用を設定する方法です。
短期間で多くの店舗を巡回するスポット活動や、販促物設置・売り場確認など、作業内容が比較的標準化されている業務で採用されることがあります。
一般的な価格相場は、活動時間や業務内容によって異なりますが、1日実働5時間を目安とした場合、1人日あたり13,000〜15,000円前後が一つの目安です。
ただし、活動エリア、移動距離、業務難易度、報告内容、管理体制によって金額は変動します。
ラウンダーを導入ために必要な準備
ラウンダー導入を成功させるには、いくつかの重要な準備が必要です。内製化か外注化の選択から、小売本部の巡回許可の取得、業務設計に至るまで、しっかりと準備を整えることでスムーズな運用と最大限の成果が期待できます。以下のポイントに沿って、ラウンダー導入に向けた準備を進めましょう。
内製化か外注化かを決める
ラウンダー業務を「内製化」するか「外注化」するかは、導入前に最初に決めるべきポイントです。内製化では、自社でスタッフを採用し、ラウンダーの運営・管理までを自社で行います。一方、外注化では、ラウンダーを専門会社に委託することで、運用コストや管理負担を軽減できます。
目的や予算に応じて、自社に最適な選択肢を見極めましょう。
詳細は以下のコラムをご参照ください。
(参考:成功事例から学ぶ。ラウンダーを外注する前に知っておくべき3つの検討要素(前編))
また、ラウンダーの契約形態にもさまざまな選択肢があります。雇用契約、派遣契約、業務委託など、目的とコストに最適な契約形態を選定することも重要です。詳細は以下のコラムをご参照ください。
(参考:ラウンド組織で使われる主な3つの契約の基本【雇用契約・派遣契約編】 )
(参考:ラウンド組織で使われる主な3つの契約の基本【業務委託編】)
(参考:5分で理解できる、目的の達成とコスト削減を同時に実現する契約形態とは? )
小売本部から巡回許可を取得する
ラウンダーの巡回を開始するには、小売本部の巡回許可が必要です。ラウンダーを導入し採用・契約が済んだ後も、この許可を得るまで活動開始できないため、準備段階で確実に取得しておきましょう。許可申請時には、「ラウンダー活動が売上向上に貢献する」という小売側のメリットをしっかり伝えることが重要です。
また、承認をもらう際には、巡回時の細かい活動内容(販促物の設置や定番商品の陳列方法など)については、詳細に確認しすぎないようにすることがポイントです。あまり細かく確認を求めすぎると、バイヤー側が不安を感じ、許可が下りにくくなる可能性があるため注意しましょう。
ラウンダーの業務設計
ラウンダーを導入する際は、単に「店舗を巡回してもらう」だけでは十分な成果につながりません。
重要なのは、ラウンダー活動によってどのような売り場を実現したいのかを明確にし、そのための訪問先・訪問頻度・活動内容・報告項目を事前に設計しておくことです。
業務設計が不十分なまま活動を開始すると、ラウンダーの行動が属人的になり、訪問件数は多いものの売り場改善につながらない、報告内容を次の施策に活かせないといった課題が起こりやすくなります。
ラウンダー活動を成果につなげるためには、営業戦略と店頭活動を連動させ、継続的に改善できる仕組みを整えることが大切です。
活動目的とKPIを明確にする
まず整理すべきなのは、ラウンダー活動の目的です。
たとえば、「新商品の露出を高めたい」「定番売り場を拡大したい」「販促物の設置率を上げたい」「競合に対する売り場シェアを改善したい」など、目的によってラウンダーに依頼すべき業務は変わります。
目的が曖昧なままでは、訪問先の選定や活動内容、報告項目も曖昧になり、成果を判断しにくくなります。
そのため、まずは営業戦略や販促方針と連動させながら、ラウンダーが店頭で実現すべき状態を具体化します。
あわせて、成果を確認するためのKPIも設計します。
KPIは、訪問店舗数や業務依頼事項の実現率といった「活動量・実行度」を見る指標だけでなく、売り場箇所数や陳列状況、競合商品に対する展開状況など、店舗の状態を確認できる指標も設定することが重要です。
訪問件数だけを追うと、活動量は把握できても、売り場が改善されているかまでは判断しにくくなります。
「どれだけ活動したか」と「売り場がどう変わったか」の両方を見られる設計にすることで、ラウンダー活動の効果を検証しやすくなります。
訪問先・訪問頻度・活動内容を設計する
次に、どの店舗を、どの頻度で、どのタイミングに巡回するのかを決めます。
すべての店舗を同じ頻度で訪問するのではなく、売上規模、チェーン特性、店舗の立地、来店客層、売り場改善の余地、過去の実行状況などを踏まえて、優先順位をつけることが重要です。
また、訪問先だけでなく、店舗で何を行うのかも具体化しておく必要があります。
商品陳列、売り場メンテナンス、販促物設置、欠品確認、競合調査、店舗担当者への商品説明、売り場拡大の交渉など、目的に応じて活動内容を明確にします。
このとき、「どの商品を」「どの売り場で」「どのように展開するのか」「店舗担当者に何を確認・依頼するのか」まで落とし込んでおくと、ラウンダーが現場で迷わず行動しやすくなります。
業務依頼書と報告項目を整備する
ラウンダーの活動品質を安定させるには、業務依頼書やマニュアル、報告フォーマットの整備が欠かせません。
同じ目的で巡回していても、依頼内容が曖昧なままだと、スタッフごとに判断や対応がばらつき、売り場での実行精度に差が出てしまいます。
業務依頼書では、訪問先、対象商品、使用する販促物、作業内容、店舗担当者への確認事項、交渉のポイント、報告すべき内容を具体的に記載します。
特に、本部商談で決まった内容を店頭で実現する場合は、店舗担当者にどのように説明し、どのような状態まで売り場を整えるのかを明確にしておくことが重要です。
また、報告項目は、活動後の効果検証を前提に設計します。
売り場写真、販促物の設置有無、陳列状況、面談結果、競合商品の展開状況、店舗担当者からの反応などを蓄積することで、売り場の変化や課題を把握しやすくなります。
報告内容を定量・定性の両面で蓄積できれば、営業担当者の本部商談や次回施策の改善にも活用できます。
運営事務局で活動を標準化・改善する
ラウンダー活動を継続的に成果へつなげるには、活動を管理・改善する運営体制が必要です。
運営事務局は、業務設計、訪問先選定、業務依頼書の作成、報告内容の確認、進捗管理、スタッフ教育、活動結果の分析などを担います。
ラウンダー個人の経験やスキルだけに依存すると、活動品質が属人的になりやすくなります。
そのため、マニュアルや報告システム、ナレッジ共有の仕組みを整え、誰が担当しても一定水準の活動ができる状態をつくることが重要です。
また、活動開始後も、設定したKPIや報告データをもとに、訪問店舗や訪問頻度、依頼内容を見直していく必要があります。
成果が出ている店舗の取り組みを横展開したり、成果が出にくい店舗の要因を分析したりすることで、ラウンダー活動の費用対効果を高めやすくなります。
(参考:知っておきたいフィールドマーケティングの基礎(前編))
(参考:ラウンダー活動の費用対効果を最大化させる4つのSTEPを徹底解説)
(参考:5分でわかる!効果が出せるラウンダーの「運営事務局」)
ラウンダーの導入効果
ラウンダーの導入により、店舗での売り場管理や販促活動を強化し、売上の拡大に成功したクライアント事例を紹介します。
事例1:食品メーカーA社
| 巡回先 | 巡回エリア | スタッフ数 |
| ドラッグストア | 全国 | 約60名 |
導入前の状況と課題
A社様の主な販売チャネルでは、日々競合他社との激しい売り場獲得競争が繰り広げられていましたが、そのような中でもA社様はトップシェアを維持していました。しかし、さらなる売上拡大のためには新しい販売チャネルの開拓が必要であり、既存チャネルでの市場シェアを守りつつ新たな市場を開拓するための支援が求められていました。
導入したサービスの概要
全国に60名のラウンダーを配置し、商品の発注促進や受注活動をメイン業務とし、新商品の案内、販促物設置、売り場のメンテナンスなどを実施しました。
ご支援内容
・クライアントの目標達成に必要な要素を具体的に分解し、それに基づくKPIや重点活動項目を設定
・業務依頼内容の整理と最適化
・PDCAサイクルに基づき、目標達成に向けた仮説の検証を実施
・定期的に活動内容や訪問先を見直し、費用対効果の向上を図る提案
導入後の効果
・ラウンダー導入前と比較し、同月比で売上120%を達成
・取扱いアイテム数が120〜150%に増加
・店頭のアウト展開数も120%を記録
クライアントの声:A社様より
A社様からは、当社のラウンダー支援に対して次のようなご評価をいただいています。
「費用対効果を重視し、巡回先の最適化を行う戦略的な支援に非常に満足しています。巡回効果の薄い店舗は訪問対象から外し、より成果につながるチェーンやエリアにリソースを集中するなど、ムダのない体制構築を実現できています。
また、得意先別の本部担当営業の意図を汲んだ活動設計や、現場への的確な落とし込みにも高い評価をしています。ラウンダーとの定例会や仮説検証の場があることで、現場の動きが常に進化し続けているのも安心材料の一つです。」
導入当初は一部エリアでのトライアル導入からスタートしましたが、現在では全国を網羅するラウンダー体制へと拡大しています。
事例2:家電消耗品メーカーB社
| 巡回先 | 巡回エリア | スタッフ数 |
| 家電量販店:約1,400店 | 全国 | 約60名 |
導入前の状況と課題
B社様では、営業社員が店舗訪問も兼任していましたが、営業社員数が限られていたため、家電消耗品という低単価商品まで十分にフォローできない状態でした。その結果、売り場が競合他社に押され、シェアを奪われる状況が続いていました。
導入したサービスの概要
全国で約60名のラウンダーを定期巡回として配置し、本部で決定された施策の実施交渉、売り場状況に応じた陳列提案、クロスマーチャンダイジングの展開提案、フェイスの確保、販促資材の設置、商品陳列・売場清掃などの店頭メンテナンス活動を行いました。
ご支援内容
・各エリアにスーパーバイザーを配置し、スタッフへの業務の展開や成功事例の共有、同行によるフォローで業務完了率を向上
・本部決定事項を一括配信する専用システムを導入し、ラウンダーが現場で迷うことなく活動できるよう迅速かつ正確な情報共有を実現
導入後の効果
ある家電量販店を売り場面積ごとにランク分けし、ラウンダーが巡回した店舗と非巡回店舗の平均売上を比較した結果、ラウンダー巡回店は非巡回店の約2倍の売上を記録し、導入効果が明確に現れました。
クライアントの声:B社様より
B社様からは、以下のような評価をいただいています。
「営業担当者の手が回らない細かな商材のフォローや、改装・棚替え時の競合に負けない売り場獲得に、ラウンダーの存在が大きく貢献しています。
特に評価しているのは、全国規模のプロモーション立ち上げにおいても、わずか2〜3日で一斉展開を完了できるラウンダーの機動力と、それを支えるスーパーバイザーの管理体制です。
現場に迷いが出ないよう、情報共有の仕組みも整っており、クロスマーチャンダイジング施策や本部決定事項の実施率が大幅に向上しました。」
全国をまんべんなくカバーできるラウンダーの巡回網と、その活動を現場目線で支えるスーパーバイザー体制が、長年にわたりB社様の店頭施策を支えており、売場シェア維持・拡大に確かな成果をもたらしています。
ラウンダー導入でよくある失敗
ラウンダーは売り場改善や販促実行の強化に有効な施策ですが、導入したものの期待した成果につながらず、途中で中止してしまう企業も少なくありません。多くの場合、ラウンダーの質だけでなく、導入前の設計や運用体制に原因があります。
目的やKPIが不明確なままスタートしてしまう
特に多いのが、「売り場を強化したい」「営業の負担を減らしたい」といった抽象的な目的のまま導入を進めてしまうケースです。
訪問頻度や役割、成果指標(KPI)が明確でない場合、活動内容が属人的になり、成果が見えにくくなります。その結果、社内での評価が進まず、継続判断が難しくなることがあります。
営業部門との役割分担が整理されていない
営業とラウンダーの役割が曖昧なまま運用を開始すると、
・店舗活動が統一されない
・店舗対応にばらつきが出る
・情報共有が不十分になる
といった問題が発生しやすくなります。
ラウンダーを営業の補助としてではなく、「実行部門」として位置づけることが重要です。
現場任せになり、PDCAが回らない
活動報告が形式的になり、売り場改善につながらないケースも多く見られます。
重要なのは、
・データの蓄積
・課題の分析
・改善施策の立案
を継続的に行うことです。
ラウンダーは単なる巡回ではなく、売り場改善の仕組みとして活用することが求められます。
ラウンダー導入を成功させるためには、事前設計と運用体制の整備が不可欠です。
実際の企業事例や、導入前に確認すべきポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ラウンダー導入で失敗しないためのポイントはこちら
ラウンダーに求められる適性・スキル
ラウンダーを導入・運用するためには、適切な人材の採用と育成が欠かせません。特別な資格や専門知識は不要とはいえ、ラウンダー業務では人材の適性が業績に大きく影響します。そのため、ラウンダーに必要なスキルや適性をあらかじめ明確にしておくことが重要です。ここでは、ラウンダーに求められる具体的なスキルや適性について解説します。
以下の関連記事とあわせ、ぜひ参考にしてください。
課題はスキル?モチベーション?具現化率を高める『ラウンダー育成』のポイント
ラウンダーに求められる適正
1. コミュニケーション能力
ラウンダー活動を行う上で最も重要となるのがコミュニケーション能力です。
ラウンダーは接客業務ではないものの、売り場担当者との円滑なやり取りを通じて売り場の状況を把握し、新商品の紹介や売り場拡大の提案などを行います。
また、コミュニケーションはただの挨拶や世間話ではなく、競合他社の展開状況や売れ筋商品の動向など、店舗現場でしか得られない“生の情報”を引き出す重要な手段でもあります。こうした情報収集がうまくできるかどうかは、日々の信頼関係づくりにかかっているといっても過言ではありません。
メーカーの名前を背負う立場として、店舗から信頼される接し方ができることが、結果的にラウンダーの提案力や成果にもつながります
2. 柔軟な対応力・判断力
ラウンダーには、マニュアルにはないリクエストや状況に臨機応変に対応・判断するスキルも求められます。
ラウンダーが訪問する店舗は1軒ずつ状況が異なります。
売り場のルール、展開スペース、担当者の考え方などが異なるため、マニュアル通りに動くだけでは対応しきれない場面も多くあります。
例えば、販促物の設置場所が思ったより狭かったり、急な在庫切れや変更が発生したりすることも多々発生します。
こうした場面で冷静に状況を判断し、臨機応変に対応できる力は、現場を任されるラウンダーにとって欠かせない適性です。
3. 学ぶ意欲・向上心
ラウンダーはメーカーの顔として活動するため、扱う商品の知識を常にアップデートすることが求められます。新商品の投入やプロモーション企画が頻繁に行われるため、常に新しい情報を学び続ける意欲が必要です。商品知識が豊富であれば、売り場担当者との交渉や提案もスムーズに進められるでしょう。
メーカー側もラウンダーに対して定期的な商品レクチャーや研修を実施することで、業務の質を維持・向上させることが重要です。多くの企業では月例会議での商品研修を行い、ラウンダーが常に最新の情報を持って現場に臨めるようサポートしています。
成果につながるラウンダー育成・マネジメントの実践ポイントは資料で詳しく解説しています
4. 自律的に動ける力
ラウンダーは、基本的に1人で複数店舗を巡回し、計画に基づいて業務を進めるスタイルです。
そのため、与えられた業務を指示通りにこなすだけでなく、自分でスケジュールを調整し、時間配分や業務の優先順位を判断しながら動く自律性が必要です。
「今日はどの店舗で何をすべきか」「時間が押しているから次の訪問先では何を省略すべきか」など、常に計画と実行を両立できるタイプの方に適しています。
活動を通じて磨かれる、ラウンダーの実践スキルとは
ラウンダーに求められるスキルは、必ずしも最初からすべて備わっている必要はありません。業務に取り組むなかで身につき、経験を重ねることで深まっていく力も多く存在します。ここでは、現場での実践を通じてラウンダーが伸ばしていける代表的なスキルをご紹介します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 段取り(事前準備)力 | 必要なタスクを洗い出し、訪問時にスムーズに業務を進めるための準備力 |
| 提案・交渉力 | 提案型のコミュニケーションや、商談力を通じて売り場を広げる力 |
| 陳列力 | 売り場を作るための実践的なスキル |
| 報告・発信力 | 報告デバイスを使い、正確にわかりやすく報告する力 |
| 業務の効率化・時間管理能力 | 限られた時間で複数店舗を回り効率的に業務を行う力 |
| 問題対応力 | クレームや不測の事態にも冷静に対処し、報告・連携する力 |
| 観察力・提案力 | 店内の棚の動きや空きスペースを日々の巡回の中で見つけ、自社商品の展開提案につなげる力 |
これらの力は、ラウンダーとしての活動を通じて少しずつ磨いていくことが可能です。FMSでは、ラウンダーに求められる各スキルを可視化するチェック指標と、それに基づいた育成プログラムを整備しています。採用時の適性だけでなく、実務を通じたスキル向上まで一貫してサポートすることで、質の高いラウンダー育成を実現しています。
適性があっても大変?ラウンダーによくある悩み
前章では、ラウンダー業務に必要となる適性やスキルについて紹介しました。
しかし、ラウンダー業務を続けていく上でラウンダーが克服すべき課題は他にもあります。ラウンダー特有の大変さから人材が定着しない場合がある点に留意してラウンダー組織を運用する必要があります。
人間関係に気を遣う
多くのラウンダーが業務上の大変さとして挙げるのが人間関係の難しさです。
ラウンダーにとって最大の課題の一つが、メーカーと店舗の板挟みとなる人間関係の調整です。ラウンダーはメーカーからの指示を受けて店舗で活動を行いますが、店舗の都合や意向を無視できないため、店舗とメーカーの間での調整力が求められます。
また、店舗を多数回る中で、気難しい担当者や多忙で話を聞いてくれない担当者に出会うこともあり、プロモーションが思うように進まないケースもあります。
このような人間関係の難しさは多くのラウンダーが抱える悩みの一つであり、定期的な面談やOJTを通じてラウンダーの悩みをヒアリングし、交渉やコミュニケーションスキルをフォローすることが重要です。
交渉・コミュニケーションスキルを向上するための関連記事も是非ご参考になさってください。
参考:繰り返しの面談が好意を生む!良好なコミュニケーションの築き方
力仕事も多く体力面の負担も大きい
ラウンダーの大変さとして、意外と体力を使う仕事であることを挙げるラウンダーも多いです。
バックヤードから売り場まで商品を運んだり、商品の陳列作業を行ったりすることもあるため、体力が求められます。加えて、店舗間の移動も多く、長距離運転や天候によるストレスが負担となることもあります。
ラウンダー組織を運用する際には、これらの体力面の問題から離脱するラウンダーが一定数いることを踏まえておく必要があるのです。
巡回スケジュールの調整が難しい
ラウンダー活動では、ただ店舗を巡回すればよいわけではありません。
売り場づくりや販促活動を効果的に行うためには、店舗側の「キーマン」が出勤している日や、商品が納品されるタイミングに合わせて訪問計画を立てる必要があります。タイミングがずれると、せっかくの提案が無駄になってしまうこともあるため、事前の情報収集と柔軟なスケジュール調整力が問われます。
特に複数の店舗を担当しているラウンダーの場合、移動距離や運転負担も大きくなります。巡回効率と現場対応のバランスをとるための計画力が求められるのも、ラウンダー業務の難しさのひとつです。
ラウンダー導入をご検討ならFMSへご相談を
フィールドマーケティングシステムズ(FMS)は1982年の創業以来、店頭マーケティング業務を中心にメーカー様のご支援を行ってきました。40年以上もの間、現場経験で培った運営品質とスタッフ力を強みに、最も長いお取引は35年以上に及んでいます。
詳しいサービスの全体像や支援範囲、当社の特長は「店舗ラウンダー」サービスページをご覧ください。
FMSの強み
お客様から選ばれ続ける理由は、以下の5 つの強みからなる運営品質とスタッフ品質です。
1.フィールドマーケティング専門企業
約40 年間フィールドマーケティング事業一筋で運営をしている私たちだからこそ、店頭実現率を上げることができます。現場理解度を高め、店頭で着実に売上を伸ばす組織を一から作り上げます。
2.巡回による成功法則を仕組み化する
目標達成のための仮説を基に、適切な店頭活動内容の設定から、実行の結果の可視化、検証、改善のPDCA を実現します。
3.洗練された運営事務局スタッフ
現場で率先的に働き、スタッフに対する親切・丁寧な対応が高い評価をいただいています。なぜなら、私たちは、店頭具現化率を上げるためには、現場のラウンダーのモチベーション維持が重要であると考えるからです。
4.独自の育成カリキュラム「売れる売り場づくり研修」
ラウンダー専門カリキュラムを基にした継続的な育成で、ラウンダースタッフの入れ替え時も安定したパフォーマンスを発揮できるチーム作りを実現します。
大手メーカー様の直接雇用ラウンダースタッフ約 200 名への導入実績もあります。
5.医療施設・学校・一般企業フィールドへの拡大
店頭活動における運営クオリティの高さにより、有資格者のみの専門領域と思われていた医療施設巡回や、企業・学校への巡回実績を生んでいます。
当社の強みについて、詳しくは「選ばれつづける理由」でもご紹介しています。
対応実績
業界実績
生鮮食品、加工食品、健康食品、菓子、酒類、医療用医薬品、製紙、家電、日用雑貨、化粧品、園芸、ゲーム、精密家電、スポーツアパレル、調理家電、健康器具、文房具、ベビー用品など様々な消費財メーカー様の店頭活動をご支援しています。
対応業態
ドラッグストア、食品スーパー、GMS、家電量販店、ホームセンター、ディスカウントストア、スポーツ量販店、バラエティショップ、各専門店、調剤薬局、クリニックなどさまざまな業態への訪問実績があります。
業界×対応業態の詳細は「取引実績」にてご紹介しています。
対応エリア
47都道府県すべてで活動実績があり、ラウンダーの組織化が可能です。
まとめ
ラウンダーは営業担当者に代わって店舗を巡回し、本部で決定した店頭プロモーションを具現化する重要な役割を担っています。
既存顧客の売上拡大に効果を発揮するラウンダーですが、仕組み作りや運用、スタッフの採用や育成は決して容易ではありません。ラウンダーの組織作りや運営にリソースが割けない場合には、ラウンダー専門会社に依頼をするのも一つの方法です。コストや手間を減らし、スピード感を持ってラウンダー組織を構築できる点が魅力です。
ラウンダー採用や育成のノウハウ・リソースがないためにラウンダー導入をためらわれているなら、ぜひFMSにご相談ください。
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Qラウンダーとは何ですか?
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A
ラウンダーとは、メーカーの営業担当者に代わって店舗を訪問し、自社商品の売上向上のために活動するスタッフのことです。
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Qラウンダーとはどういう仕事ですか?
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A
ラウンダーの仕事は、メーカーの営業担当者が小売店本部との商談で決定した店頭プロモーション施策を売り場で具現化することです。
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Qラウンダーと営業の違いは何ですか?
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A
営業担当者もラウンダーも既存顧客への営業活動を行いますが、その業務内容や営業先が異なります。
メーカーの営業担当者は主に小売店(チェーン)本部と商談・交渉し、店頭での営業活動内容を決定します。
一方ラウンダーは、小売店本部との商談・交渉で決定したプロモーション活動を営業担当者に代わって店頭で実現するのが仕事です。
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Qどのような業界で活用されていますか?
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A
ラウンダーは、食品・日用品・医療・化粧品など、売り場の管理や販促実行が売上に直結する業界を中心に幅広く活用されています。
代表的な業界としては、ビール・飲料・菓子・調味料などの食品メーカーをはじめ、医薬品、化粧品、日用雑貨、トイレタリーなどが挙げられます。これらの業界は競合商品が多く、棚割りや販促物、欠品管理などの売り場運用が成果に大きく影響するため、ラウンダーの活用が進んでいます。
また、たばこ、スポーツ用品、育児・ベビー用品なども継続的な売り場フォローのニーズが高い領域です。さらに、小物家電など量販店向け商材でも、売り場維持や販促物管理、情報収集の目的で活用されています(高額商品の場合は販売員やヘルパーと連携するケースもあります)。このように、ラウンダーは業界を問わず「売り場の実行力」を高めたい企業に導入されています。
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Qラウンダーになるのに資格は必要ですか?
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A
ラウンダー業務に専門資格は不要です。ただし継続的な学習意欲と商品知識のアップデートが求められます。FMSでは月例会議での商品研修やOJTで業務に必要な知識・スキルを習得できる体制を整えています。
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Qラウンダーに向いている人はどんな人ですか?
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A
コミュニケーション能力が高く初対面の相手とも信頼関係を築ける方、自律的に行動できる方、状況に応じて柔軟に判断できる方が向いています。商品知識を継続的に学ぶ意欲も重要です。