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介護の人手不足対策とは今すぐできる解決策を徹底解説

投稿日投稿日 2026.08.05
更新日更新日 2026.08.05
介護の人手不足対策とは今すぐできる解決策を徹底解説
目次

「求人を出しても応募が来ない」「既存の職員に負担が集中して離職が続く」——多くの介護施設の管理者が抱える悩みではないでしょうか。介護の人手不足対策は、国内採用の強化だけでは解決が難しく、複数の施策を組み合わせる視点が欠かせません。この記事では、国内採用強化・外国人材活用・ICT導入・職員定着という4つのアプローチから、現場で今日から取り組める具体策を事例とともにご紹介します。

介護施設の人手不足対策は4つのアプローチで解決できる

介護施設の人手不足対策は4つのアプローチで解決できる

介護現場の人手不足は、一つの施策だけでは解消しきれません。国内採用の強化、外国人材の活用、ICT・介護ロボットの導入、そして職員の定着施策という4つの切り口を組み合わせることが、安定した人員確保への近道です。それぞれの概要を見ていきましょう。

①国内採用の強化

まず取り組みたいのが、求人媒体や採用チャネルの見直しです。介護特化型の求人サイトやハローワークだけに頼らず、施設の魅力が伝わる求人内容へ改善することで応募数の増加が期待できます。あわせて、未経験者の採用や資格を持つ潜在介護士への呼びかけ、処遇改善加算を活用した待遇の引き上げも重要な選択肢です。これらの詳細は後の章で具体的に解説します。

②外国人材(特定技能・技能実習)の活用

国内採用だけでは補いきれない人手不足に対しては、外国人材の活用が現実的な選択肢になります。特定技能は即戦力の確保に向いており、技能実習(2027年からは育成就労へ移行)は人材育成を重視した制度です。どちらを選ぶべきかは施設の状況によって異なるため、後続の章で制度の違いや受け入れ手順を詳しく確認しましょう。

③ICT・介護ロボットの導入

限られた人員でも業務を回すためには、テクノロジーの活用が欠かせません。介護記録・請求業務を自動化するICTツールや、夜間の見守りセンサー、身体的負担を軽減する移乗ロボットなどが現場を支えています。導入費用は補助金でハードルを下げられるため、後の章でポイントを紹介します。

④業務効率化と職員定着の推進

採用や外部人材の活用を進めても、既存の職員が辞めてしまえば人手不足は解消しません。シフトの柔軟化や残業削減、キャリアパスの明確化といった定着施策を並行して進めることが、長期的に働きやすい職場づくりにつながります。詳しくは後続の章で解説します。

なぜ今、介護現場はここまで人手不足になっているのか

なぜ今、介護現場はここまで人手不足になっているのか

対策を考える前に、まずは人手不足の背景を整理しておきましょう。介護現場の人手不足には、需要増加と供給不足のギャップ、そして離職率の高さという2つの構造的な要因が関係しています。それぞれを詳しく見ていきます。

高齢化による需要増加と供給不足のギャップ

少子高齢化の進行により、要介護者の数は今後も増え続ける見通しです。一方で介護職員の担い手となる生産年齢人口は減少しており、需要と供給のギャップが拡大しています。厚生労働省の資料によると、第9期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づき、都道府県が推計した介護職員の必要数を集計すると、2026年度には約240万人(+約25万人)、2040年度には約272万人(+約57万人)が必要とされています。

また、介護サービス職業の有効求人倍率も高い水準が続いています。2025年12月時点の介護サービス職業従事者の有効求人倍率は4.10倍となっており、求職者1人に対して4件以上の求人がある計算です。全職業の有効求人倍率が1倍台前半で推移する中、介護分野は突出して人材の確保が難しい状況が続いていることがわかります。

出典:厚生労働省 介護人材確保の現状について

離職率の高さが慢性的な不足を生み出している

介護職員の離職率は、以前ほど高いわけではありません。令和6年度(2024年度)の介護職の離職率は12.4%と、過去10年間で最も低い水準を記録しており、厚生労働省の雇用動向調査による令和6年度の全産業平均の離職率14.2%と比較すると、介護職の離職率は全産業平均を下回る水準となっています。

しかし、離職率が下がった一方で人手不足の実感が続いている事業所も多いのが実情です。離職理由として上位に挙がるのは、職場の人間関係や給与への不満、夜勤を含む不規則な勤務体系などです。せっかく採用しても定着しなければ、人手不足は解消しません。採用と同時に定着施策へ取り組む重要性がここにあります。

出典:介護労働安定センター 介護労働実態調査

【対策①】国内採用を強化する具体的な方法

【対策①】国内採用を強化する具体的な方法

「求人を出しても応募が来ない」という悩みには、採用手法そのものの見直しが有効です。求人媒体の選び方、未経験者へのアプローチ、処遇改善加算の活用という3つの視点から、具体的な方法をご紹介します。

求人媒体・採用チャネルの見直し

介護特化型の求人サイトや求人検索エンジン、ハローワークに加え、職員からの紹介を活かすリファラル採用、SNSを使った採用活動など、複数のチャネルを組み合わせることが応募数を増やすポイントです。特に一つの媒体に頼りきる採用は、求職者の目に触れる機会そのものを狭めてしまいます。

求人内容も、業務内容や賃金、勤務時間などを正確に記載し、施設の雰囲気や働き方が伝わるように工夫しましょう。募集要項を変更した際は掲載内容も必ず更新し、実際の労働条件と異なる表示にならないよう注意が必要です。求人の質を高めることが、応募数の増加だけでなく採用後のミスマッチ防止にもつながります。

未経験者・潜在介護士へのアプローチ

資格や経験を問わず、人柄を重視した未経験者向け求人を増やすことも採用対象を広げる有効な方法です。介護の仕事に不安を感じる未経験者向けに、入門的な研修を用意している事業所も少なくありません。

また、資格を持ちながら現在は介護現場を離れている潜在介護福祉士へのアプローチも見逃せません。都道府県ごとに用意されている復職支援制度では、再就業に向けた研修プログラムや準備金の貸与などが利用できる場合があります。採用対象を「新規の未経験者」と「一度離れた経験者」の両方に広げることで、応募の間口を大きく広げられるでしょう。

処遇改善加算を活用した給与・待遇の引き上げ

介護職員等処遇改善加算は、賃金や職場環境の改善を目的とした加算制度です。算定には、キャリアパス要件・月額賃金改善要件・職場環境等要件という3つの軸を満たす必要があります。キャリアパス要件Ⅰ(任用要件・賃金体系)とは、職位・職責・職務内容等に応じた任用等の要件を定め、それらに応じた賃金体系を整備し、根拠規程を就業規則等の書面で整備して全ての介護職員に周知することが求められます。

加算区分によって、満たすべきキャリアパス要件の数が変わり、上位区分ほど加算率が高くなる仕組みです。職場環境等要件については、有給休暇の取得促進やICT機器の導入等、賃金改善や昇給の仕組み以外の「働きやすさ」に関する要件となっており、令和7年4月からは6区分28項目が示されています。加算を取得できれば、採用競争力の向上と既存職員の定着の両方に効果が期待できるでしょう。なお、外部の人材紹介サービスを併用する場合、人材紹介手数料の相場は30万〜50万円程度とされており、加算による処遇改善とあわせて採用コスト全体を見直すことも大切です。

出典:厚生労働省 介護職員の処遇改善

【対策②】外国人材(特定技能・技能実習)を活用する

【対策②】外国人材(特定技能・技能実習)を活用する

国内採用の強化を進めても人員が満たない場合、外国人材の受け入れは有効な選択肢です。ここでは特定技能と技能実習(育成就労)の違い、受け入れの手順、実際の活用事例を順に見ていきましょう。

特定技能と技能実習(育成就労)の違いと選び方

特定技能1号は、試験合格者のほか一定の試験免除対象者も利用でき、同一分野内で転職できます。ただし、転職時には在留資格変更許可申請等の手続きが必要です。一方、技能実習は人材育成を重視した制度でしたが、2024年6月の法改正により創設された育成就労制度が、技能実習制度に代わり2027年4月1日から施行される予定です。

育成就労は「人材育成」と「人材確保」を明確な目的として掲げ\ており、育成就労(3年)から特定技能1号(5年)、特定技能2号(無期限)へとつながる仕組みが想定されています。ただし、介護分野には特定技能2号が設けられていないため、長期就労を目指す場合は介護福祉士の国家資格を取得し、在留資格「介護」へ変更するルートとなります。転籍については育成就労は最初の2年間、原則として転籍が制限される一方、特定技能は日本人と同様に転職が自由です。「じっくり教育して長く定着してほしい」なら育成就労、「教育コストを抑えて早く現場に入ってほしい」なら特定技能というように、自施設の状況に応じて選ぶとよいでしょう。

外国人材の活用を検討する際は、外国人採用支援サービスのように制度選定から支援まで対応できる専門サービスに相談するのも一つの方法です。

外国人材の受け入れ手順と注意点

特定技能で介護分野の外国人材を受け入れる場合、まず在留資格の申請前に「介護分野における特定技能協議会」への加入が必要です。在留資格「特定技能」で外国人材を受け入れる法人は、地方出入国在留管理局での在留諸申請を行う前に、介護分野における特定技能協議会の構成員となり、当該外国人材の受入事業所情報が登録された入会証明書の発行を受けることが必要とされています。

手続きの流れとしては、協議会申請システムでの入会申請→入会証明書の発行(通常2週間程度)→地方出入国在留管理局への在留諸申請→受け入れ後の外国人情報登録、という順で進みます。受け入れ後は、日本語学習の支援や生活面のサポートなど教育体制の整備も欠かせません。登録支援機関に業務の一部を委託する場合、委託費用は外国人材1人あたり月額2万〜4万円程度が相場とされています。定着を左右するのは制度対応だけでなく、現場でのコミュニケーション体制づくりだといえるでしょう。

出典:厚生労働省 介護分野における特定技能外国人の受入れについて

実際に外国人材を採用した施設の活用事例

外国人材の受け入れを進めた介護施設では、都道府県の助成制度を活用して初期費用を抑えたり、就労を続けながら介護福祉士国家試験の合格を目指す人材が現場に定着したりするケースが見られます。日本語学習のサポート体制を整え、業務手順を分かりやすく可視化した施設ほど、外国人材が早期に戦力として活躍しやすい傾向があるようです。

もちろん、教育体制や職場の受け入れ姿勢によって効果には個人差があります。制度を理解した上で、自施設に合った教育プログラムを用意することが、外国人材の定着と活躍につながる第一歩です。外国人材の採用を検討される場合は、外国人採用支援サービスのような支援機関に相談し、受け入れ体制の整備から進めることをおすすめします。

【対策③】ICT・介護ロボットで業務負担を減らす

【対策③】ICT・介護ロボットで業務負担を減らす

限られた人員で現場を回すには、テクノロジーの力を借りることも欠かせません。記録・請求業務の自動化、見守り機器の活用、そして補助金による導入コストの軽減という3つの視点から見ていきましょう。

記録・請求業務を自動化するICTツールの活用例

介護記録ソフトを導入すると、日々の記録から介護報酬の請求までを一つのシステムで連携させることができます。音声入力やAIによる記録の自動作成に対応したツールも増え、手書きやパソコンへの転記作業を大きく減らせるようになりました。

転記作業が減ることで、職員が利用者と向き合う時間を確保しやすくなる点が大きなメリットです。記録業務に追われて疲弊してしまう職員の負担を軽減できれば、離職防止にもつながります。導入時は、既存の請求ソフトとの連携状況や、職員がストレスなく操作できる画面設計かどうかを確認しておくとよいでしょう。

見守りセンサー・移乗ロボットなど現場を助ける機器

夜間の巡回や移乗介助は、職員の身体的負担が大きい業務の代表例です。見守りセンサーを導入すれば、利用者の状態を離れた場所からも把握できるため、不要な訪室回数を減らし、必要なタイミングで駆けつけられるようになります。

移乗ロボットは、ベッドから車椅子への移動などをサポートする機器で、腰への負担軽減に役立つとされています。腰痛による離職を防ぐ観点からも、こうした機器の導入は職員の働きやすさに直結する取り組みです。導入効果は施設の利用者層や運用方法によって差があるため、無料のデモやレンタルで試してから本格導入を検討するのも一つの方法です。

導入費用を抑えるための補助金・助成金の活用

介護ロボットやICT機器の導入費用は、国と都道府県が実施する介護テクノロジー導入支援事業を活用することで軽減できます。地域医療介護総合確保基金と令和7年度補正予算を財源に、介護ロボットやICT機器の導入費用を最大補助率3/4(特定の組み合わせで4/5)で支援する制度が用意されています。

補助対象は見守り機器、介護記録ソフト、インカム、移乗支援、入浴支援など幅広く、事業所の職員数に応じて補助上限額が変わる仕組みです。申請には業務改善計画の提出や研修受講などの要件があるため、公募スケジュールは都道府県ごとに異なる点にも注意しましょう。詳細は各都道府県の窓口や公式ページで最新情報を確認してください。

出典:厚生労働省 介護テクノロジー導入支援事業

【対策④】職員が辞めない職場をつくる定着施策

【対策④】職員が辞めない職場をつくる定着施策

採用や外国人材・ICTの活用と並行して欠かせないのが、既存職員の離職を防ぐ取り組みです。働きやすい環境づくりとキャリアパスの整備という2つの観点から、定着につながる具体策を見ていきましょう。

働きやすい環境づくり(シフト柔軟化・残業削減)

固定シフトから希望を反映しやすい選択制シフトへ切り替える事業所が増えています。労働時間の適正化や休暇制度の充実が、介護職の離職率低下に大きく寄与していると考えられており、2023年度の有給休暇取得率は53.7%にまで上昇しています。

夜勤の負担軽減も重要な取り組みの一つです。夜勤回数に上限を設けたり、夜勤専従の職員を配置したりすることで、特定の職員に負担が偏る状況を防げます。育児や介護と仕事を両立したい職員が増える中、勤務形態の選択肢を広げることは、離職防止に直結する施策といえるでしょう。

キャリアパス・資格取得支援で長く働いてもらう仕組み

無資格から介護職員初任者研修、介護福祉士、そしてケアマネジャーへと段階的にステップアップできる道筋を明確に示すことは、職員のモチベーション維持につながります。将来像が見えない職場では、経験を積んでも先が見えず離職につながりやすくなってしまいます。

資格取得にかかる費用の補助や、研修を受けやすいようにシフトを調整する仕組みを整えている事業所も増えています。こうした支援制度は、処遇改善加算のキャリアパス要件を満たすことにもつながるため、加算の取得と職員の成長支援を同時に進められる点が魅力です。

まとめ

まとめ

介護業界の人手不足は、少子高齢化による需要増加と生産年齢人口の減少という構造的な要因から生じています。この課題に対しては、国内採用の強化、特定技能や技能実習(育成就労)といった外国人材の活用、ICT・介護ロボットによる業務効率化、そして職員の定着施策という4つのアプローチを組み合わせることが効果的です。

まずは自施設の課題がどこにあるのかを整理し、求人の見直しや処遇改善加算の取得、外国人材の活用検討など、取り組みやすい施策から着手してみてはいかがでしょうか。一つずつ実行することが、安定した人員確保への確かな一歩になります。

介護 人手不足 対策についてよくある質問

介護 人手不足 対策についてよくある質問

ここまで紹介してきた内容について、読者の方から寄せられやすい疑問をQ\&A形式でまとめました。制度選択や費用感は事業者の規模・条件によって変動するため、以下はあくまで一般的な目安・参考情報としてご覧ください。

Q. 外国人材を採用する場合、費用や期間はどのくらいかかりますか?

A. 在留資格の種類や登録支援機関への委託内容によって異なります。登録支援機関への委託費用や人材紹介を利用する場合の手数料は事業者ごとに幅があるため、複数の登録支援機関・人材紹介会社に見積もりを依頼して比較することをおすすめします。各種手続きにかかる期間は申請内容によって幅があるため、余裕を持ったスケジュールで進めるとよいでしょう。

Q. 特定技能と技能実習(育成就労)はどちらを選ぶべきですか?

A. 早く現場に入ってもらいたい場合は特定技能、じっくり教育して長期的に定着してもらいたい場合は育成就労が向いています。育成就労は2027年4月から技能実習に代わって施行される予定の制度です。

Q. ICT・介護ロボット導入の補助金はどのくらい活用できますか?

A. 介護テクノロジー導入支援事業では、機器や条件によって導入費用の一部について手厚い補助を受けられる場合があります。公募時期や要件は都道府県ごとに異なるため、事業所所在地の自治体窓口で最新情報を確認しましょう。

Q. 処遇改善加算の申請はどのように進めればよいですか?

A. キャリアパス要件・月額賃金改善要件・職場環境等要件を満たした上で、就業規則等の整備

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