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外国人採用の中小企業補助金2026年版を丸ごと解説

投稿日投稿日 2026.08.05
更新日更新日 2026.08.05
外国人採用の中小企業補助金2026年版を丸ごと解説
目次

人手不足が深刻化するなか、外国人採用に踏み出す中小企業が増えています。ただ、採用や育成には想像以上にコストがかかるものです。この記事では、2026年度時点で活用を検討できる補助金・助成金の種類と申請の流れを、初めての方にもわかりやすく整理してご紹介します。

2026年版|中小企業が外国人採用で使える補助金・助成金の全体像

2026年版|中小企業が外国人採用で使える補助金・助成金の全体像

外国人採用に関する支援制度は種類が多く、どれが自社に合うのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。まずは補助金と助成金の違いや、2026年時点で使える制度の全体像を押さえておきましょう。仕組みを理解しておくと、この先の各制度の説明もぐっと理解しやすくなります。

補助金と助成金の違いをまず整理しよう

補助金と助成金は、どちらも国や自治体からお金を受け取れる制度ですが、性格が少し異なります。助成金は雇用保険の適用事業所であることなど一定の条件を満たせば原則として受給できるのに対し、補助金は予算に上限があり、審査や採択を経て初めて交付される点が特徴です。 そのため助成金は雇用や労働環境の整備に関するものが多く、厚生労働省が主に管轄しています。一方、補助金は設備投資やIT導入など事業活動の後押しを目的としたものが多く、経済産業省や中小企業庁が窓口となるケースが目立ちます。この違いを知っておくと、自社がどちらを優先的に検討すべきか判断しやすくなるでしょう。

2026年時点で使える制度は大きく3種類

2026年時点で中小企業が外国人採用に活用できる制度は、大きく分けて「雇用・育成に関する助成金」「職場環境整備・IT導入に関する補助金」「都道府県・自治体独自の支援制度」の3つに整理できます。 国の助成金は主にハローワークや労働局を通じて申請し、正社員化や研修、就労環境整備などを対象としています。国の補助金は最低賃金引き上げに伴う設備投資や、多言語対応・勤怠管理システムの導入費用などをカバーするものが中心です。加えて、自治体独自の奨励金や補助制度も存在するため、あわせてチェックすると受けられる支援の幅が広がります。

雇用・育成に使える助成金(国の制度)

雇用・育成に使える助成金(国の制度)

外国人材を正社員として迎え入れたり、就労環境を整えたりする際に使える助成金は複数あります。ここでは代表的な4つの制度を、対象者や支給額のイメージとあわせてご紹介します。自社の採用計画に当てはまるものがないか、確認しながら読み進めてみてください。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)

キャリアアップ助成金の正社員化コースは、有期雇用や派遣、パート・アルバイトといった非正規雇用の労働者を正社員に転換した場合に支給される助成金です。外国人材であっても、対象となる有期雇用労働者等を要件に従って正社員化した場合は対象となる可能性があります。ただし、在留資格の変更とは別の制度であるため、雇用形態と在留資格の双方を確認してください。 支給額は1人あたり数十万円規模となることが多く、複数名を転換すればまとまった金額を受け取れる可能性があります。ただし、転換後の賃金を一定以上引き上げることや、就業規則の整備といった条件があるため、事前に厚生労働省のリーフレットで詳細を確認しておくと安心です。詳しくは厚生労働省の案内ページをご覧ください。

人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)

この助成金は、外国人労働者が安心して働ける環境を整えるための取り組みを支援するものです。雇用労務責任者の選任、就業規則等の多言語化、苦情・相談体制の整備、一時帰国のための休暇制度、社内マニュアル・標識類等の多言語化などが対象になります。 中小企業にとっては、こうした環境整備が離職防止にもつながるため、採用後の定着率を高めたい企業に向いている制度といえるでしょう。支給対象の経費には翻訳費用や外部専門家への委託費なども含まれることがあり、実施前の計画届出が必要になる点には注意が必要です。

人材開発支援助成金(人材育成支援コース)

人材開発支援助成金は、従業員に対する職業訓練の実施費用や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。外国人材を含む従業員に、職務に関連する専門的な知識・技能を習得させる訓練を実施する場合に活用できます。日本語研修については、職務との関連性や訓練要件を満たすか個別に確認が必要です。 訓練時間や内容によって支給額が変動する仕組みになっており、OFF-JT(職場を離れて行う研修)が主な対象です。研修計画をあらかじめ届け出る必要があるため、育成計画の段階から準備を進めておくとスムーズに申請できます。教育コストを抑えながら人材育成に力を入れたい企業に適した制度です。

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

トライアル雇用助成金は、対象者が職業経験の不足等により就職が困難な求職者として所定の要件を満たし、ハローワーク等の紹介により、無期雇用への移行を前提に原則3か月間試行的に雇用した事業主に支給される助成金です。外国人であることのみを理由に利用できる制度ではありませんが、要件を満たす場合は採用のミスマッチを減らしながら受け入れを進める手段として活用できます。 支給額は月額数万円程度が一般的で、期間中の実際の雇用状況によって金額が決まります。トライアル期間終了後に本採用へつなげやすくなる点も、中小企業にとって心強いポイントといえるでしょう。

職場環境整備・IT導入に使える補助金(国の制度)

職場環境整備・IT導入に使える補助金(国の制度)

外国人材を受け入れる際は、賃金水準の引き上げやコミュニケーションツールの整備も欠かせません。ここでは設備投資やシステム導入にかかる費用を補助する2つの制度をご紹介します。人手不足対策と職場改善を同時に進めたい企業におすすめです。

業務改善助成金(最低賃金引き上げと設備投資をセットで支援)

業務改善助成金は、事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げるとともに、生産性向上につながる設備投資を行った場合に、その費用の一部を助成する制度です。外国人材の賃金水準を底上げしながら、勤怠管理システムや作業効率化の機器導入にも活用できます。 助成率は引き上げる賃金額や事業規模によって変わり、中小企業ほど手厚い支援を受けられる傾向にあります。賃金引き上げと設備投資をセットで検討している企業にとって、負担を抑えながら環境改善を進められる制度です。

IT導入補助金(多言語対応ツールや勤怠管理システムにも活用可)

IT導入補助金は、業務効率化や売上向上につながるITツールの導入費用を補助する制度です。外国人材とのコミュニケーションを円滑にする多言語翻訳ツールや、勤怠・シフト管理システムの導入費用も対象に含まれる場合があります。 申請にはIT導入支援事業者との連携が必要で、導入するツールが事前に登録されたものである点にも注意が必要です。補助率は導入するツールの区分によって異なりますが、初期費用の半分程度をカバーできるケースもあり、システム導入のハードルを下げてくれる制度といえるでしょう。詳細は中小企業庁のIT導入補助金特設サイトで確認できます。

都道府県・自治体独自の支援制度も見落とさない

都道府県・自治体独自の支援制度も見落とさない

国の制度だけでなく、都道府県や市区町村が独自に用意している外国人採用支援の奨励金や補助金も見逃せません。地域によっては家賃補助や日本語教育費の一部負担、特定技能人材の受け入れ経費への補助といった制度が設けられていることがあります。 自治体制度は募集期間が短く、年度ごとに内容が変わることも多いため、こまめな情報収集が欠かせません。国の制度と組み合わせることで、実質的な負担をさらに抑えられる可能性もあります。

自治体制度の探し方と確認先

自治体独自の制度を探すには、まず事業所がある都道府県や市区町村の公式サイトで「外国人材」「多文化共生」「中小企業支援」といったキーワードで検索してみるとよいでしょう。商工会議所や産業振興センターの窓口でも、最新の情報を教えてもらえることがあります。 また、地域によっては登録支援機関や社会保険労務士が自治体制度の活用実績を持っている場合もあるため、専門家に相談しながら情報を集めるのも一つの方法です。国の制度と合わせて一覧化しておくと、申請の抜け漏れを防ぎやすくなります。

申請前に確認すべき3つのポイント

申請前に確認すべき3つのポイント

補助金・助成金は魅力的な制度ですが、申請にはいくつかの落とし穴があります。ここでは申請前に必ず確認しておきたい3つのポイントを整理しました。事前準備をしっかり行うことで、後から不受給になってしまうリスクを減らせます。

対象となる在留資格・雇用形態を確認する

助成金や補助金には、対象となる在留資格や雇用形態が細かく定められている場合があります。たとえば技能実習生は対象外だが特定技能や技術・人文知識・国際業務は対象になる、といったケースも少なくありません。 申請前には制度の公募要領や実施要綱を確認し、自社が受け入れている、あるいは受け入れを予定している人材の在留資格が対象に含まれているかをチェックしましょう。雇用形態が正社員か有期雇用かによっても条件が変わることがあるため、あわせて確認しておくと安心です。

申請のタイミング(事前申請が必要な制度に注意)

助成金の中には、取り組みを実施する前に計画届を提出しなければならないものが多くあります。すでに研修や設備投資を終えてしまってから気づいても、後から申請できないケースがほとんどです。 「まず動いてから制度を探す」のではなく、「制度を確認してから動く」という順序を意識すると、申請漏れを防げます。年度替わりのタイミングで制度内容や締切が変更されることもあるため、計画段階から早めに情報を集めておくことをおすすめします。

書類準備と社労士・支援機関への相談

補助金・助成金の申請には、就業規則や賃金台帳、雇用契約書などさまざまな書類の提出が求められます。書類の不備は審査の遅れや不受給につながることもあるため、余裕を持って準備を進めましょう。 申請手続きに不安がある場合は、社会保険労務士や登録支援機関に相談するのも有効な手段です。特に外国人材の受け入れ経験が豊富な支援機関であれば、制度の組み合わせ方や書類作成のコツまでアドバイスをもらえることがあります。

制度を賢く組み合わせる活用イメージ(特定技能人材の受け入れ例)

制度を賢く組み合わせる活用イメージ(特定技能人材の受け入れ例)

実際にどのように制度を組み合わせられるのか、特定技能人材を受け入れる中小企業を例にイメージしてみましょう。たとえば製造業のA社が特定技能人材を新たに雇用する場合、まず人材確保等支援助成金を活用して就業規則の多言語化や相談窓口の設置を行い、受け入れ環境を整えます。 続いて、職務に関連する専門的知識・技能を習得する研修について、人材開発支援助成金の対象要件を確認します。日本語研修を含める場合は、職務との関連性や訓練要件を個別に確認したうえで計画を策定し、業務理解を深めてもらいます。 このように複数の制度を組み合わせることで、受け入れ環境の整備から育成、日々の労務管理までを幅広くカバーできます。一つの制度だけに頼るのではなく、自社の受け入れフェーズに合わせて必要な支援を選び取る視点が大切です。 登録支援機関には特定技能外国人の支援実務を相談できます。補助金・助成金の申請や書類作成については、制度の所管窓口や社会保険労務士への相談となりますが、登録支援機関でも提携している社労士事務所などをご案内できる場合があります。こうした専門家と連携しながら進めることで、社内の負担を抑えつつ受け入れ体制を整えられます。

まとめ

まとめ

2026年時点で中小企業が外国人採用に活用できる制度は、雇用・育成に関する国の助成金、職場環境整備やIT導入に関する国の補助金、そして自治体独自の支援制度の3つに大きく分けられます。それぞれ対象となる在留資格や申請のタイミングが異なるため、事前の確認が欠かせません。 制度を上手に組み合わせれば、採用から育成、定着までにかかるコストを抑えながら、外国人材の受け入れ環境を整えていけます。まずは自社の採用計画に合った制度を洗い出し、社労士や登録支援機関にも相談しながら、無理のない範囲で申請準備を進めてみてください。

外国人採用 中小企業 補助金 2026についてよくある質問

外国人採用 中小企業 補助金 2026についてよくある質問

ここでは、外国人採用と補助金・助成金に関して読者の方からよく寄せられる質問をまとめました。制度選びの参考にしてみてください。

技能実習生や育成就労の外国人も、補助金・助成金の対象になりますか?

制度によって異なりますが、技能実習生は対象外となるケースが多いのが実情です。国の助成金は「雇用保険の被保険者であること」を前提にしているものが多く、正社員化や職場定着を目的とする制度とは前提が噛み合わないためです。一方で特定技能や技術・人文知識・国際業務といった就労系の在留資格は対象になりやすい傾向があります。たとえば人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、雇用保険被保険者となる外国人労働者(特別永住者および「外交」「公用」の在留資格を除く)を雇用する事業主が対象で、業種・規模を問わず申請できます。なお技能実習制度は2027年4月1日に育成就労制度へ移行し、同日以降は技能実習1号での新規入国が原則できなくなります。中長期の受け入れ計画は新制度前提で立てておくと安心です。

複数の補助金・助成金を同時に使うことはできますか?

制度の目的が異なれば併用できますが、同じ取り組み・同じ経費に対する二重受給は原則できません。たとえば就業規則の多言語化を人材確保等支援助成金で申請し、正社員化はキャリアアップ助成金、設備投資は業務改善助成金、といった役割分担なら問題ありません。一方、同じ翻訳費用を2つの制度に出すことは認められません。申請前に「どの経費をどの制度に載せるか」を一覧で切り分けておくのがコツです。判断に迷う場合は、管轄の都道府県労働局や各補助金の事務局に事前に確認しておきましょう。

1社あたり、実際いくらぐらい受け取れるのでしょうか?

取り組みの内容次第ですが、中小企業でも合計で数十万円〜数百万円規模になることがあります。代表的な金額感は次のとおりです。

  • 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース):令和7年度から、就労環境整備の制度を1つ導入・実施するごとに20万円の定額助成(上限80万円)
  • キャリアアップ助成金(正社員化コース):中小企業で重点支援対象者を有期→正規に転換した場合、1人あたり80万円(6か月後に40万円、さらに6か月後に40万円の2期に分けて支給)
  • 業務改善助成金:令和8年度は助成上限額が最大600万円、助成率は引上げ前の事業場内最低賃金に応じて4/5または3/4

いずれも年度ごとに金額や要件が見直されるため、申請時点の最新の要領・リーフレットで必ず確認してください。

申請してから入金されるまで、どのくらい時間がかかりますか?

早いものでも数か月、長いものは1年程度を見込む必要があります。たとえばキャリアアップ助成金の正社員化コースは、支給申請の期限が「取組後6か月の賃金を支払った日の翌日から2か月以内」とされており、申請から支給までおおむね1年程度かかります。つまり、費用はいったん自社で立て替えるのが前提です。「助成金が入るからその分先に使おう」という資金計画は危険なので、キャッシュフローは補助金なしでも回る前提で組んでおきましょう。

不支給になったり、返還を求められるのはどんなケースですか?

多いのは次の4パターンです。

  1. 計画届の提出前や交付決定前に着手してしまった(業務改善助成金では交付決定前の設備発注は対象外など)
  2. 対象期間中に解雇や事業主都合の離職が発生した
  3. 賃金台帳・出勤簿・雇用契約書などの書類が実態と一致していない
  4. 引き上げた賃金水準を所定の期間維持できなかった

特に1つ目は、後から気づいても救済されないケースがほとんどです。また、意図的でなくても不正受給と判断されれば、返還に加えて事業主名の公表などのペナルティが課される可能性があります。不安があれば、着手前に社会保険労務士や管轄労働局に確認するのが確実です。

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