外国人材の紹介と直接採用の違いを比較して自社に合う方法を選ぼう
「外国人を採用したいけど、人材紹介会社に頼むべき?それとも自社で直接採用した方がいい?」と迷っている方は多いのではないでしょうか。どちらの方法も一長一短があり、自社の状況によって正解は変わります。この記事では、外国人材の紹介と直接採用の違いをコスト・質・スピード・リスクの4つの観点から比較し、自社に合った採用チャネルを選ぶための判断軸を整理しています。
外国人材の採用は「紹介」と「直接採用」どちらを選ぶべきか?結論を先にお伝えします

結論からお伝えすると、「採用の手間とリスクを減らしたい場合は紹介、コストを抑えて自社でコントロールしたい場合は直接採用」が基本的な考え方です。ただし、どちらが正解かは自社のリソース・採用人数・在留資格の種類によって異なります。まずは両者の仕組みを押さえておきましょう。
人材紹介とは?仕組みをわかりやすく解説
人材紹介とは、厚生労働大臣の許可を受けた有料職業紹介事業者(いわゆる人材紹介会社)を通じて求職者を紹介してもらう採用方法です。
仕組みはシンプルで、企業が紹介会社に採用要件を伝え → 紹介会社がマッチする候補者を探して紹介 → 採用が決まったら紹介手数料を支払う、という流れになります。手数料の相場は内定者の年収の20〜35%程度が一般的で、採用が成立して初めて費用が発生する「成果報酬型」がほとんどです。
外国人材の場合、紹介会社が在留資格の確認や書類準備のサポートを行ってくれるケースも多く、初めて外国人採用に取り組む企業にとって心強い存在です。
直接採用とは?主な方法を紹介
直接採用とは、紹介会社を介さずに自社で求職者を探して採用する方法です。外国人材の直接採用では、主に以下のような手段が使われます。
- 海外の求人広告・就職サイトへの掲載(例:海外版Indeedや現地の求人サイト)
- SNS活用(FacebookやLinkedInなど、現地でよく使われるSNSでの発信)
- **現地の送り出し機関や日本語学校への依頼(現地採用会社に候補者のリストアップを依頼する形式。手数料が発生します。なお、業務内容によっては国外にわたる職業紹介に該当する場合があります。その場合は、適法に取り扱う日本側の職業紹介事業者と、相手国で適法に活動する現地取次機関・送り出し機関を利用する必要があります。特定技能外国人を採用する場合は、送出国ごとに定められた手続も確認しましょう)
- 大学・専門学校との連携(留学生や現地の学校との関係構築)
紹介会社の手数料がかからないため採用コストを抑えやすい反面、自社での母集団形成・書類選考・面接調整・在留資格の確認などをすべて対応する必要があります。採用担当者のリソースを確保でき、外国人採用の経験・知識を有する企業に向く方法です。
結局どちらが自社に向いているか?一言でまとめると
一言でまとめると、「外国人採用の経験が少ない・採用担当者のリソースが限られている企業には紹介、採用経験が積み上がっている・複数名をまとめて採用したい企業には直接採用が向いている」というイメージです。
もちろん、最初は紹介会社を活用して採用ノウハウを学びながら、慣れてきたら直接採用にシフトする、という段階的な取り組み方も有効です。次のセクションでは4つの観点から具体的に比較していきますので、自社の状況に当てはめながら読んでみてください。
人材紹介と直接採用、4つの観点で徹底比較

コスト・採用の質・スピード・リスクの4つの観点で、人材紹介と直接採用を比べていきます。どちらにも明確なメリット・デメリットがあるため、自社の状況と照らし合わせながら確認してみてください。
コスト:初期費用と採用単価はどう違う?
コスト面では、人材紹介と直接採用で構造が大きく異なります。
| 項目 | 人材紹介 | 直接採用 |
|---|---|---|
| 主なコスト | 紹介手数料(年収の20〜35%) | 求人広告費・エージェント費用・担当者の人件費 |
| 費用発生タイミング | 採用成立後(成果報酬) | 採用活動中から継続的に発生 |
| 採用単価の目安 | 比較的高め(1人あたり50〜100万円超も) | 採用人数が増えるほど単価は下がりやすい |
人材紹介は「採用できなければ費用ゼロ」という安心感がある一方、1人あたりのコストは高くなりがちです。直接採用は初期の広告費や担当者の工数コストがかかりますが、複数名を採用する場合や継続採用する場合はトータルコストを抑えられることが多いです。
少人数・スポット採用なら紹介、ある程度の採用ボリュームがあるなら直接採用がコスト面で有利になりやすいといえます。
採用の質:スキルやミスマッチのリスクはどちらが低い?
採用の質という点では、人材紹介会社の利用が優位になりやすいです。紹介会社は求職者との面談を通じてスキルや人柄を事前に確認しており、企業の求める要件に近い候補者を絞り込んだうえで紹介してくれます。
一方、直接採用では自社で候補者を見極める力が問われます。語学力・技術レベル・日本での就労に対するモチベーションなどを自社の採用担当者が判断することになるため、外国人採用に不慣れな場合はミスマッチが起きやすくなります。
また、外国人材の採用では、履歴書の読み方や面接でのコミュニケーションに慣れが必要なケースもあります。採用後の定着率まで見据えると、最初は紹介会社のサポートを借りながら候補者の見極めポイントを学ぶのが着実な進め方といえるでしょう。
スピード:採用完了までにかかる期間の目安
採用スピードについては、一概にどちらが速いとは言えません。それぞれの目安を確認しておきましょう。
- 人材紹介の場合:紹介会社がすでに候補者データベースを持っているため、マッチする人材がいれば2〜4週間程度で候補者の紹介を受けられることもあります。ただし、在留資格の変更申請などが必要な場合は、入社までに数ヵ月かかる場合もあります。
- 直接採用の場合:求人広告の掲載・応募受付・選考のプロセスをゼロから進めるため、1〜3ヵ月以上かかるケースが多いです。海外からの招聘が必要な場合はさらに時間がかかります。
急ぎの欠員補充には人材紹介の方が対応しやすい傾向があります。余裕を持ったスケジュールで採用できる場合は直接採用も選択肢になります。
リスク:手続きミスや定着不安はどちらが大きい?
外国人採用で見落としがちなのが、手続きリスクと定着リスクです。
在留資格の申請・変更手続きには法律的な知識が必要で、書類不備や要件の誤解があると採用が無効になったり、不法就労につながるリスクがあります。人材紹介会社を利用する場合、こうした手続きのサポートを提供していることが多く、リスクを軽減しやすいです。
直接採用の場合、採用手続は自社で進めることができます。在留資格に関する申請書類の作成を外部に依頼する場合は、申請等取次の承認を受けた行政書士または弁護士に依頼します。専門家への依頼費用が別途かかる点も念頭に置いておきましょう。
定着面についても、入社後のフォローが弱いと早期離職につながりやすいです。特定技能外国人を受け入れる場合は、登録支援機関によるサポートの活用が定着リスクの低減につながります(詳しくは後述します)。
自社の状況で選ぶ:どちらが向いているかチェックリスト

比較を踏まえたうえで、自社にとってどちらが向いているかを確認していきましょう。以下のチェックリストを参考にしてみてください。
人材紹介が向いているケース
次のような状況に当てはまる場合は、人材紹介の活用が向いています。
- [ ] 外国人採用は初めて、または経験が少ない
- [ ] 採用担当者のリソースが限られている(専任担当がいない等)
- [ ] 急いで採用を進めたい(欠員・即戦力補充など)
- [ ] 採用する人数が1〜2名程度の少人数
- [ ] 在留資格や手続き対応に不安がある
- [ ] 採用後のミスマッチによる早期離職を避けたい
これらに複数当てはまる場合、紹介会社のサポートを受けながら採用を進める方が、結果的にスムーズかつリスクを抑えた採用につながりやすいです。コストは高めになりますが、それ以上の手間・ミスマッチコストを避けられる可能性があります。
直接採用が向いているケース
一方、次のような状況であれば直接採用が現実的な選択肢になります。
- [ ] 過去に外国人採用の経験がある、またはノウハウが社内にある
- [ ] ある程度まとまった人数(3名以上)を採用したい
- [ ] 採用活動に充てられる担当者のリソースがある
- [ ] 在留資格の手続きを外部専門家(行政書士など)に依頼できる環境がある
- [ ] 採用コストをできる限り抑えたい
- [ ] 特定の国・地域・学校とのつながりを活かしたい
直接採用は「手間がかかる分、コスト効率が高い」という性質があります。継続的に外国人材を採用する計画がある企業なら、はじめに仕組みを整える投資をする価値は十分あります。ただし、そのための採用担当者の労力・人件費を考慮に入れる必要があります。 (直接採用の場合、社外に支払う費用は少ないものの、社内での費用を計算する必要があります。)
外国人材採用で紹介・直接採用ともに必ず押さえておくべき注意点

採用チャネルの違いにかかわらず、外国人材を雇用する際には共通して対応が必要な事項があります。紹介・直接採用どちらを選んでも、以下の2点は必ず確認しておきましょう。
在留資格(ビザ)の確認は採用チャネルにかかわらず必須
外国人を雇用する際に最も重要なのが、在留資格(ビザ)の確認です。外国人材が持っている在留資格によって、「働ける職種・業種」「労働時間の上限」が異なります。在留資格に合わない業務をさせると、企業側も不法就労助長罪に問われるリスクがあります。
確認のポイントは以下の通りです。
- 在留カードの有効期限・在留資格の種類を必ず確認する
- 「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「技能実習」など、資格ごとに就労できる業務範囲が異なる
- 採用後も在留資格の更新・変更が必要な場合があるため、期限管理を行う
紹介会社を利用している場合でも、最終確認は自社で行う義務があります。「紹介会社が確認済みだから大丈夫」と思い込まず、自社でも必ず在留カードの原本を確認するようにしましょう。
特定技能人材を受け入れる場合は登録支援機関の活用も検討する
製造業・外食業・農業・建設業など特定の業種で「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れる場合、登録支援機関の活用を検討することをおすすめします。
登録支援機関とは、1号特定技能外国人の受け入れ企業(特定技能所属機関)が行うべき各種支援業務を代行できる機関です。主な支援内容は以下の通りです。
- 入国前後のオリエンテーション
- 住居確保・生活サポート
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 定期的な面談・状況報告
これらの支援を怠ると行政指導の対象になる場合もあるため、受け入れ企業が自社で対応しきれない場合は登録支援機関への委託が有効です。FMS(フィールドマーケティングシステムズ)では、特定技能人材の採用から定着まで一気通貫で支援するBPOサービスを提供しており、採用後のサポート体制を整えたい企業の力になれます。
まとめ

この記事では、外国人材の採用における「人材紹介」と「直接採用」の違いをコスト・質・スピード・リスクの観点で比較しました。
- 人材紹介:コストは高めだが、手間・ミスマッチリスクを抑えやすく、初めての外国人採用や少人数採用に向いている
- 直接採用:コスト効率は高まるが、自社のリソースとノウハウが必要。まとまった採用人数・継続採用に向いている
どちらを選ぶにしても、在留資格の確認や特定技能人材向けの支援体制は欠かせません。まずは自社の採用状況・リソース・コスト感覚をもとに、どちらのチャネルが現実的かを整理してみてください。迷ったら、専門家や登録支援機関に相談することも一つの手です。
外国人材 紹介 直接採用 違いについてよくある質問

人材紹介と直接採用、どちらがコストを抑えられますか?
紹介手数料だけを見れば直接採用の方が低くなりやすい一方、広告費・担当者の工数(人件費)を含む総コストで見ると直接採用の方が高くなる場合もあります。採用人数や社内リソースの状況を踏まえ、総額で比較して判断してください。
外国人採用が初めてでも紹介会社なしで直接採用はできますか?
法的には可能ですが、在留資格の確認・手続き・面接対応など専門知識が必要な場面が多く、初めての場合はミスや漏れが起きやすいです。行政書士などの専門家と連携しながら進めるか、最初は人材紹介会社を活用してノウハウを蓄積することをおすすめします。
紹介会社を利用する場合、事前にどのような許可・登録を確認すべきですか?
有償で人材紹介を受ける場合は有料職業紹介事業の許可番号、派遣を利用する場合は労働者派遣事業の許可番号を確認してください。特定技能1号の支援業務を委託する場合は、登録支援機関の登録番号も必要です。いずれも厚生労働省の「人材サービス総合サイト」等で有効性を確認できます。
直接採用で海外から外国人を呼び寄せることはできますか?
できますが、在留資格の認定証明書交付申請・査証(ビザ)申請・入国手続きなど複数のステップが必要です。また、海外の学校や送り出し機関などと既にお取引があるなど、安心できる取引先があれば検討の余地があると考えます。
登録支援機関に依頼すれば採用活動も代行してもらえますか?
登録支援機関の登録だけでは職業紹介(人材紹介)はできません。職業紹介事業の許可等を併せて有する場合に限り、許可範囲内で採用支援を提供できます。依頼前に、その機関が有料職業紹介事業の許可を持っているか確認しましょう。FMS(フィールドマーケティングシステムズ)では職業紹介と登録支援の両方に対応し、採用から定着まで一気通貫で支援するサービスを提供しています。。