店舗ラウンダー・店舗巡回のFMS field markting system 株式会社フィールドマーケティングシステムズ
フィールドプロモーション
2017.01.19

第二回:その商品本当に限界ですか?ID-POSを活用した売り方の提案〜低購入率×高リピート率商品編〜

第二回:その商品本当に限界ですか?ID-POSを活用した売り方の提案〜低購入率×高リピート率商品編〜

店頭に陳列されている商品には様々なポジションがありますが、ID-POSを使うと今よりももっと売れるように改善できる商品を見つけ出すことができます。
これらの商品をどのように掘り起こして、どのような対策を行えば良いのか、そのヒントについて具体的な事例をもとに考察していきます。

目次
量販店ラウンダーサービス案内資料
株式会社フィールドマーケティングシステムズの量販店ラウンダーサービス案内資料をPDFでご用意いた…

株式会社 True Data (旧:カスタマー・コミュニケーションズ株式会社):2000年設立。ドラッグストア、スーパーマーケットなどの購買ビッグデータ分析サービスを展開。合計約20,000店舗、延べ5,000万人規模のID付き購買情報(ID-POSデータ)をもとに全国購買データベース「TRUE DATA」を設計・運用し、小売り、メーカー企業の課題解決をサポートしています。

株式会社フィールドマーケティングシステムズ:メーカーに代わり、小売店の売り場管理を請け負う企業として1982年に設立。売りに直結する理想の売り場づくりのプロ集団として、売り場での効果的な商品露出や陳列などのプロモーション活動を提案。「売り場」から「買い場」という視点に切り替え、購買につながる施策をご支援しております。

小林 : 前回「ID-POSから未来の売れる売り場を予測する」という記事で、ID-POSとは何か、どのような情報が得られて、店頭プロモーションにどのように活かすことができるのかについて話をしてきました。そこで今回はもっと具体的に、ID-POSを使ってどんな店頭プロモーションをすれば売上が上がるかを考えていきたいと思います。まず、注目したい項目はなんでしょうか?

船越 : ID-POSで得られる数多くの項目の中で、「購入率」と「リピート率」に注目してください。この二項目を見るだけで売上をあげるための改善策を見つけることができます。

下記を見てください。「購入率」×「リピート率」の図です。
この4象限の中で、対象商品がどこに該当するかを把握することで、何を改善すると売上が伸びる可能性があるのかが分かります。

図1

POSデータでは販売数だけが注目されがちなので、購入率の高い①と③の象限の商品ばかりに目がいってしまいます。
しかし、ここで一番伸びしろがあるのが、実は②「低購入率×高リピート率」の商品なのです

小林 : メーカー様にとってはロイヤルカスタマーをどれだけ作れるかが重要です。この図の②の象限というのはリピート客がついていますが、認知が低く購入率が低い。つまり、商品力はあるのに知られていないだけの可能性があるということですね。

船越 : そうですね。ではこの②「低購入率×高リピート率」の商品に関して、ID-POSを使ってどのように商品の可能性を広げられるのか、事例を見ていきましょう。

船越 : 冷凍チャーハンを販売しているA社様の事例を紹介します。表1はチャーハン商品を一度でも買ったことのある人の中で、それぞれの商品の購入率を見てみた場合のデータです。

表1

購入率とリピート率を散布図として表わしてみると、A社様の商品は下記の赤丸に該当していることがわかります。

図2

先ほどのマトリクス図でいうと図3のようになり、A社様の商品は今後もっと売れる可能性がある②の象限に該当しています。これらの商品は購入者が少ないために売上は少ないけれども、リピート率が高い。すなわち、一度でも購入してもらえれば、継続して購入してもらえる可能性が高いことがわかります

図3

小林 : ②の商品は店頭では下段に陳列されていたり、そもそも配荷されていない可能性もありますね。もしくは商品名は知っているけれどその良さがわからずに購入に至っていないというケースが考えられます。つまり、いかに試すきっかけを作れるかの施策が必要ということですね。

船越 : はい、このA社様は分析によってそのことに気づき、トライアル施策を行いました。そのデータもID-POSで分析しています。

船越 : A社様は商品を試すきっかけとなる企画を考案され、CMや店頭でのPOP設置による認知向上施策に加え、実際に商品を試す場として試食販売も実施されました。

次のグラフは試食販売を行った前後の売上をまとめたものです。

図4

試食販売を行った週の売上が爆発的に伸びていることがわかります。しかし、その後の売上を見てみると、微増している程度なので、売上だけに注目すると効果がなかったかのように見えてしまいます。しかし、ID-POSで詳細を分析していくと、しっかりと効果が出ていることがわかります。

図5は、試食販売実施前の5週間(5-1)と実施後の5週間(5-2)の新規顧客と既存顧客の人数の推移を表しているグラフです。
2つのグラフを比較してみると、プロモーションを実施した週の新規顧客数が増加しているのはわかりやすいのですが、今回注目して欲しいのはそれ以降のリピーターの数です。
試食販売実施後に着実にリピート客(オレンジの棒グラフ)がついていることが分かります。

図5-1

図5-2

※青色の棒グラフはプロモーション実施5週間前(通常販売時)とプロモーション実施週の対象商品購入者数です。それぞれの購入者の中で、4週間以内に再度、対象商品を購入した数を(オレンジ色の棒グラフ)で示しています。

小林 : プロモーションの結果として、まず新規顧客が増えることは売上面からみても大きな効果ですよね。ただ、試食販売当日に売れてもその後売上が落ち着いてしまうので、結局効果は一時的だったとみられてしまうことがよくあります。
しかし、ID-POSを使って分析をすると、自社の商品を買い続ける新規のロイヤルカスタマーが増えており、イベント当日の売れた売れない以上に大きな成果を上げていると言えますね

船越 : 更に、注目して欲しいのはリピーターの比率です。
試食販売実施後、新規顧客が大幅に増えたのにも関わらず、リピーターの比率は変わっていません

小林 : つまり、購入している人の中でリピーターになる人の率が、母数(購入者数)が変わっても一定ということは、これからも新しいお客様にトライしてもらえればそれだけロイヤルカスタマーが増えていくということですね。

船越 : まさしくその通りです。ご紹介したA社様の事例は、低購入率かつ高リピート率の商品を見つけ出し、とにかく試してもらうことができれば売上を伸ばすことができることがわかるデータです。

小林 : ID-POSを活用して、購入率とリピート率の値で4象限に分ける表は商品の課題が見えてくるので、非常にシンプルで見やすいですね。

図6

船越 : そうですね。今回は、購入率は低いがリピート率が高い商品である右下の②「低購入率×高リピート率」の商品について、ID-POSを用いてお話ししましたが、他の3つについても簡単にご説明します。

①「高購入率×高リピート率」の商品

小売様も売れていることを把握している売れ筋商品。
小売様側からも積極的にプロモーションをしてもらえることが多いですが、もしそうでない場合は、この事実を小売様に伝えるだけで積極的に展開をしてもらえる可能性がある商品です。

③「高購入率×低リピート率」の商品

認知はされていて買ったことがある人は多いのですが、リピートされない商品。商品力以外に、その商品の本当の価値が伝わっていないということが良く見受けられます

④「低購入率×低リピート率」の商品

発売したての商品の場合は良いのですが、プロモーションしても売れない商品の可能性もあります。その場合は優先順位を下げるべき商品です。

小林 : ③「高購入率×低リピート率」の商品については、POPで訴求しているターゲット層と実際リピートする人、または訴求内容と実際使って感じる価値に乖離があることも考えられます。
これはPOSだけではわからないですね。売り方によって本当のポテンシャルが発揮されていないということは多々ありそうです。小売様側も、ポテンシャルより、今実際に売れているかどうかの結果を見ると思いますので、見逃されているのではないかと感じています。

また、新発売やリニューアル商品であれば“新商品”という言葉を使って注目させる売り方がありますが、ある程度発売から期間が経過している商品の売り方には頭を悩ませていると思います。

今回のA社様のように、販売実績だけで見ずにID-POSで分析を行うと、商品のポテンシャルや適した売り方までわかります。ID-POSを活用して抽出した事実を裏付けとして、プロモーションを仕掛けて成功に導く。ID-POSは未来が占えるというのはこういうことなんですね。

次回は別の角度から見たID-POSの事例についてご紹介します。

 

※本コンテンツ内に使用しているID POSデータは、株式会社 True Data (旧:カスタマー・コミュニケーションズ株式会社)(https://www.truedata.co.jp/greeting/)より提供いただいています。全国のスーパーマーケット、ドラッグストアのカード会員約5,000万人の購買履歴データより算出しています。

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