提案を承諾に導く心理テクニック!店舗担当者様ファーストでの商談の進め方

前回までは、商談の基本となる「店舗担当者様に好意をもっていただき、良好な関係を築くためのテクニック」を全6回にわたってご紹介してきました。
今回から、商談の決定率をあげるためにセールストークで使えるテクニックをご紹介します!人間には意識せずに物事を決定する心理傾向があります。この心理傾向を利用した商談の進め方を身につけることで、商談の決定率を上げることができます。
そこで、商談の基本となる3つのステップと提案を承諾に導く心理テクニックについて解説します。
商談の基本となる3つのステップとは
商談の進め方には下記3つのステップがあります。
①序論(アプローチ)
②本論(プレゼンテーション)
③結論(クロージング)
各ステップに共通して言えるポイントは「店舗担当者様の立場に立って考えること」、すなわち店舗担当者様ファーストです。商談の各ステップで店舗担当者様の心理状態や求めているものを理解したうえで提案を行うことで、商談決定率を高めることができます。
事前準備として、商談にあたり、店舗担当者様と会う目的は何か、訪問先の店舗はどういう状況なのか、などを考慮したうえで、店舗担当者様の立場を前提に、どういう話をしようか「リハーサル」をしてから商談にのぞむことが重要です。
では、実際にそれぞれのステップの中身をみていきましょう。
①序論 店舗担当者様の気持ちを和らげるセールストーク
店舗担当者様は「何の用かな」と構えて面談に望むものです。序論(アプローチ)のポイントは店舗担当者様の不安を取り除き、肩の力を抜くことです。
■挨拶
明るく元気よく挨拶しましょう。
「いつもお世話になっております。」
「毎日暑い(寒い)ですね。」
■お礼
会っていただいたお礼を伝えましょう。
「本日はお忙しい中お時間いただきましてありがとうございます。」
「先日はありがとうございました。」
■目的
本日の訪問の目的を伝えます。どのような用件で来たかを最初に伝えることで、店舗担当者様の気持ちを和らげることができます。
「今日は○○のご案内にお伺いしました。」
「先日お約束していました什器の設置で伺いました。」
■質問
質問を投げかけることで、店舗担当者様の態度や反応を見たり、ニーズの把握をしたりすることができます(参考:情報と信頼を獲得する!「質問力」をアップさせるには )。
「○○の売れ行きはいかがですか?」
「年末年始(GW、連休)の集客はいかがでしたか?」
②本論 理解・納得いただくセールストーク
本論(プレゼンテーション)のポイントは店舗担当者様に提案内容を理解し、納得していただくことです。
■比較
比較により店舗担当者様は具体的にメリットを理解することができます。これは、比較をすることで価値を感じるという心理を利用しています。
「こちらを比較すると、2倍も売上が増加するのがわかります。」
「既存品と新製品を比較すると、10%も機能がアップしています。」
■説得
オピニオンリーダーの意見や導入事例を紹介することで説得力を高めることができます。
「主婦1万人のうち、99%が継続したいと回答しています。」
「こちらの事例をご覧ください。貴店の展開のヒントになると思います。」
■表現
わかりやすいたとえや図表グラフなどを用いることで、直感的に理解してもらうことができます。
「毎日缶コーヒー1本分の節約になります。」
「大人の男性15人が乗っても大丈夫です。」
「こちらのグラフをご覧ください。」
■質問
様々な角度から質問して、店舗担当者様の要求や真意を聞き出しましょう(参考:情報と信頼を獲得する!「質問力」をアップさせるには )。
「どの商品を展開いただけますか?」
「どこに陳列しましょうか?」
「どのくらい(何ケース)ご発注していただけますか?」
■説明
提案内容の裏付けを説明して理解してもらいます。
「来週からTVCMが入るので売れ行きはアップすると思います。」
「去年は○ケースご発注いただいて足りなかったので今年は○ケースくらい必要だと思います。」
③結論 クロージングのためのセールストーク
結論(クロージング)のポイントは、店舗担当者様から承諾を得て、実際に動いていただくよう働きかけることです。
■後押し
断られそうな理由を先につぶしこみ、同意を得られるよう働きかけます。
「場所がないようでしたら、こちらでフロア什器をご用意させていただきます。」
「大陳された方が目立つのでより売れ行きが良くなりますよ。」
■交渉
店舗担当者様にとってのメリットを感じる提案します。
「ご発注いただけましたらこちらで売り場を作成させていただきます。」
「○○をご展開いただくと売上だけでなく利益率も○%アップしますよ。」
■確認
確認することで店舗担当者様の決断を促進することができます。
「実施日は、○月○日でいいですか?」
「発注は、○ケースでいいですか?」
■ハード・トゥ・ゲット・テクニック
特別扱いをされることで、相手に好意や信頼を寄せるようになります。
「○○様にはいつもご協力いただいているので、1店舗1つまでといわれていますが、サンプルを多めにお渡ししますね!」
「このお店だからこそ、この商品を売っていただけると思います!」
いかがでしょうか。一口に商談といっても、場面に応じて変わってくることがご理解いただけたと思います。
店舗担当者様ファーストを念頭においた商談の進め方、是非お試しください。