効率的なクリニックへの営業方法!ラウンダー活用で医師面談率35%、受託率8.8%達成事例を紹介

クリニックへの営業は、他の業界とは異なる多くの課題があり、従来の営業手法が通用しにくい傾向があります。医師やスタッフの多忙さ、DMや電話営業の非効率性、専門知識の必要性など、多くの要因が営業活動を難しくしています。こうした課題を解決するためには、適切な営業手法を採用し、効果的なアプローチを行うことが不可欠です。
そこで注目されるのが、医療施設ラウンダーの活用です。ラウンダーは、クリニックや調剤薬局を定期的に訪問し、医師や薬剤師に対して製品・サービスの提案や情報提供を行う専門スタッフです。本記事では、クリニック営業における課題を整理し、医療施設ラウンダーを活用した効率的な営業手法とその成功事例をご紹介します。
なぜクリニックへの営業は難しいのか?
クリニックへの営業は、他の業界と比べて特有の課題が多く、一般的な営業手法が通用しにくい傾向があります。クリニックへの営業を検討している企業様からよく聞かれる課題を三つご紹介します。
クリニック側の多忙さ
クリニックの医師やスタッフは、日々の診療や事務作業に追われており、非常に多忙です。特に診療時間中は患者対応が最優先となるため、外部からの営業活動に対応する余裕がほとんどありません。そのため、アポイントを取ること自体が難しく、たとえ取れたとしても短時間での説明を求められるケースが多くなります。
このような状況の中で、効果的にクリニックへの営業を行うためには、相手の業務負担を最小限にしながらも、関心を引きつける方法を工夫する必要があります。単なる営業ではなく、クリニックにとって価値のある提案を行うことで、医師やスタッフの関心を引き、限られた時間の中で効果的なアプローチを実現することが重要です。
DM、メール、電話営業の非効率性
従来よく使われる営業手法であるDM(ダイレクトメール)や電話営業は、クリニック営業において非効率的なことが多いです。
これらの手法は、クリニック側にとって煩わしい情報の一つとして処理され、医師に繋がる前に受付で断られることがほとんどです。
多くのクリニックが日々大量のDMを受け取るため、重要な提案でも見過ごされることがあります。
また、病院のメールアドレスは一本化されることが多く、複数の人が見ることができる状態となっており、ほとんどが営業メールとして処理される傾向にあります。
電話営業においても、医師本人に繋がる確率は非常に低く、メッセージが伝わらないまま終わることも珍しくありません(※)。一般事業所におけるテレアポの商談確率は1%未満と言われていますが、クリニックではさらに低く、直接話ができる確率はごくわずかです。そのため、電話営業では医師へのアプローチ自体が難しく、効率的な営業手法とは言えません。
※参考:テレアポ平均成功率はどれくらい?アポ獲得を格段に上げるコツも解説
専門知識の必要性
クリニック営業では、医療業界特有の専門知識が求められます。
医療用医薬品の営業にはMR資格が不可欠ですし、それ以外の商材であっても医師や看護師に製品やサービスを提案する際、エビデンスや根拠となるデータを求められることも多く、医学的な知識や法規制への理解が欠かせません。これが不足していると、提案内容が説得力を欠き、商談が進展しないことがあります。
また、患者が出入りする医療施設であるが故に、他業界の営業シーンとは全く違った配慮や注意が必要となり、そうした点も十分に理解しておく必要があります。
クリニック営業を効果的に行うためのポイント
クリニック営業は、医師やスタッフの多忙さ、従来の営業手法の限界、専門知識の必要性など、多くの課題を伴います。本章では、それらの課題を踏まえ、当社がこれまでクリニック営業を支援してきた経験をもとに、効果的な営業手法と成功のポイントを整理しました。クリニック営業の成果を最大化するための実践的なアプローチ方法をご紹介します。
飛び込みでクリニックを訪問し医師へ直接対面で説明する
前述の通り電話による事前のアポ取りが難しいことが多いため、飛び込み訪問はクリニック営業において有効な手法の一つです。診療中は対応が難しいものの、診療の合間や午前診療の終了間際など、短時間の面談が可能なタイミングを見計らうことで、医師と直接話せる機会を増やせます。短い時間でも顔を合わせて説明することで、DMや電話よりも信頼を得やすく、商談につながる可能性が高まります。
端的に視覚で理解いただける資料を準備する
医師との面談時間は限られているため、短時間で効果的に伝える工夫が求められます。製品やサービスの特徴やメリットを簡潔に説明できる資料を準備し、グラフや図解を活用することで、視覚的に理解しやすくすることが重要です。限られた時間の中でも、相手に強く印象を残せるようなプレゼンテーションを心がけましょう。
院内では患者に十分に配慮した立ち振る舞いをする
クリニック内では、患者や医療スタッフへの配慮が不可欠です。たとえば、
・営業車の駐車方法
・院内でのアプローチタイミング
・患者に配慮した立ち振る舞い、気配り
これらのマナーを守ることで、クリニック側からの信頼を得ることができ、より円滑な営業活動が可能になります。
クリニックの診療科やニーズを意識したアプローチをする
クリニックの診療科ごとに、患者の疾患や治療方針が異なるため、製品やサービスの提案内容も変える必要があります。例えば、皮膚科ならばスキンケア製品、整形外科ならばリハビリ関連の器具やサービスが有益な場合が多いです。また、医院ごとの課題を事前にリサーチし、それに合った解決策を提示することが、成約率を高めるポイントとなります。
クリニック営業に特化した医療施設ラウンダー
上記のようなポイントを押さえクリニック営業を成功させるための手法として、「医療施設ラウンダー」という選択肢があります。ここでは医療施設ラウンダーとは何か、どのような営業活動が行えるのかを解説します。
医療施設ラウンダーとは
ラウンダーとは、特定の店舗を定期的に訪問し、販売促進や売り場作りなどの営業活動を行う専門スタッフのことを指します。この仕組みを医療施設への訪問に応用したのが「医療施設ラウンダー」というサービスです。
医療施設ラウンダーは、クリニックや調剤薬局を訪問し、医師や薬剤師に対して製品・サービスの提案や情報提供を行います。医療施設に特化した営業活動を展開し、製品やサービスの成約促進や認知向上に貢献する重要な役割を担っています。
医療施設ラウンダーの営業活動内容
医療施設での営業活動に特化した医療施設ラウンダーは主に以下のような活動を行います。
1.クリニックへ飛び込みで訪問
医療施設ラウンダーは基本的にアポイントを取らずにクリニックを訪問します。受付で面談を申し入れ、可能であれば医師と直接対面して説明を行います。面談が難しい場合は、資料を受付に預け、次回訪問時のフォローアップを行います。
2.製品・サービスの提案
ラウンダーは、医師や薬剤師に対して製品・サービスの特徴やメリットを直接説明します。対面での説明を通じて、医師に適した患者を想起してもらい、製品の有用性や導入メリットを的確に伝えることで、患者への推奨が促進されます。その結果、製品の認知度向上や採用率の向上が期待でき、売上拡大につながる効果が見込めます。
3.近隣薬局への取り扱い交渉
クリニックに併設されている門前薬局や近隣の調剤薬局に対しても訪問し、製品の取り扱いを交渉します。医師が患者に製品を推奨した際に、薬局でスムーズに購入できるよう環境を整え、売上向上に貢献します。
4.現場のニーズや製品に対する生の声をフィードバック
医師や薬剤師と直接コミュニケーションを取る中で、製品に関するニーズや来院患者層などを情報収集し、クライアントにフィードバックします。この情報は、新たな販促計画や製品改良などのマーケティング活動の一環としても活用できます。
医療施設ラウンダーの営業効率とは
医療施設ラウンダーの営業活動は、飛び込み訪問により多くの訪問軒数を担保できる効率性と、対面説明による効果の高さが特徴です。
では医療施設ラウンダーを導入することで、どれほどの営業成果が期待できるのでしょうか?営業効率を数値で把握することは、導入を検討するうえで欠かせません。実際にどの程度の面談率や成約率が得られるのか、具体的な事例を交えながら解説していきます。
飛び込み営業の面談率
事例1:医療系求人媒体サービス企業様
訪問対象施設約500軒に対して医師との面談率は34.3%。
※1施設当たり平均訪問回数は1.5回
事例2:介護食品メーカー様
毎月クリニック約1100軒、調剤薬局1800軒に訪問し、製品の紹介を実施。
・訪問クリニック数に対して約30%の医師に製品説明と患者への推奨依頼を実施。
・訪問調剤薬局数に対して約80%の薬剤師に製品説明と導入提案を実施。
成約率
事例1:医療系求人媒体サービス企業様
受託率8.8%(全ターゲットに対する受託率は約3%)
事例2:介護食品メーカー様
活動エリアにおいて、巡回前よりも製品の導入施設数が約30%増加
事例2の詳しい内容は以下の記事をご参照ください。

医療施設ラウンダーにはコスト削減効果も
医療施設ラウンダーは営業成果だけでなく、コスト削減にも貢献します。サービスを導入いただいた医療用医薬品メーカー様で大幅なコストカットが実現できた事例をご紹介します。
サービス導入の経緯
全国のクリニックや調剤薬局にMRを配置していた医療用医薬品メーカーでは、高コストなMR業務の最適化が課題でした。特に、新薬や成長製品の営業にMRを集中させるため、コストを抑えつつ既存製品のフォローを継続できる体制が必要とされていました。
そこで、MR資格が不要な業務を切り分け、医療施設を巡回するラウンダースタッフを活用することで、より効率的な営業体制を構築。
ラウンダーはMR資格を持たないため、製品のプロモーションは一切行わず、専用の資材の提供・説明、メーカーに対しての要望や意見のヒアリングを実施し、医師、薬剤師との信頼関係構築を行いました。
MRのコストの約1/3で医療施設巡回を実現
医療施設ラウンダーを導入することで、MRの約1/3のコストで医療施設巡回を実現。医療施設専門ラウンダーを組織化したことで、MRよりも低コストでターゲットカバーのすそ野を広げることを実現し、MR社員の業務効率化(コア業務への傾注)に成功しました。
本事例の詳しい内容は以下の記事をご参照ください。

医療施設ラウンダーの導入はFMSへ
フィールドマーケティングシステムズ(FMS)は、1982年の創業以来、店頭マーケティング業務を通じて多くのメーカー様をご支援してきました。長年にわたる現場での豊富な経験と高い運営品質を活かし、2013年より医療施設向けフィールド業務を開始。医療施設巡回のパイオニアとして、これまでに15社を超える企業の医療施設プロモーションをサポートし、クライアント製品の認知拡大・売上向上に大きく貢献しています。
FMSの医療施設ラウンダーサービスの特長
当社の医療施設ラウンダーサービスの特長を5つご紹介します。
1.専門的な育成カリキュラム
医療業界未経験者でも効果的に活動できるよう、医療施設ラウンダー専用の育成カリキュラムを保有しています。医療施設における訪問ルールはもちろん、医師や薬剤師とのコミュニケーションや交渉スキルを強化する研修に加え、OJTによる現場同行も実施し、実践的なスキルを養います。
2. トークシナリオやFAQの作成
忙しい医療従事者へ向けて、短時間で要点を伝えることに重点を置いたトークシナリオを当社で作成します。実際の現場経験を活かし、医療施設での効果的な対話をサポートします。
また、価格や使用方法などに関する質問に対応できるようFAQも当社で準備し、ラウンダーが的確に応対できる体制を整えています。
3.効率的を重視した訪問スタイル
クリニックや調剤薬局への訪問は、事前のアポイントなしで行います。これにより、より多くの施設へのアプローチが可能となり、製品・サービスの認知度向上の機会を最大化します。
4.対面型の直接的なコミュニケーション
医師や薬剤師に対して製品やサービスを直接説明することで、DMやメールよりも高い効果が期待できます。
5.現場の情報収集
訪問の際に、患者動向や製品ニーズのヒアリングを行います。これにより、貴重な市場情報を収集し、製品開発やマーケティング戦略の改善に活用できます。
まとめ:クリニック営業は医療施設ラウンダーで効率化!
クリニック営業には、医師の多忙さや従来の営業手法の限界、専門知識の必要性といった課題が多くあります。こうした問題を解決し、効率的な営業活動を実現するためには、医療施設ラウンダーの活用が有効です。
実際に、医療施設ラウンダーを導入した企業では、飛び込み営業の面談率が30%以上、受託率が8.8%といった成果を達成し、既存の営業手法では難しかった医師との直接対話の機会を増やすことができました。また、ラウンダーを活用することで、MRの業務を効率化し、新薬や成長製品の営業に集中させることが可能となり、コスト削減にもつながりました。
クリニック営業の成果を最大化するためには、単なる訪問営業ではなく、戦略的なアプローチが求められます。医療施設ラウンダーを活用することで、営業活動の効率化を図り、クリニックとの信頼関係を構築しながら、成約率の向上を目指しましょう。