【小売業態別】日用品・食品売り場の店頭販促活動に関する調査レポート2022

フィールドマーケティングシステムズでは、当社ラウンダースタッフが業務で巡回する店舗の販促活動状況を調査し、半年ごとにデータを更新しています。
クライアント様の業種を〈食品・日用品〉〈家電〉に区分し、訪問店舗の業態別に集計しました。このレポートでは〈食品・日用品〉区分の集計結果を報告いたします。
なお、この調査結果は、当社スタッフが巡回している企業の状況を集計したものであり、業態全般の実態とは異なる可能性があることをお含み置きください。
1.レポート項目
下記項目に関する店舗(売り場)の状況を集計しています。
分類 | レポート項目 |
発注関連 | ①本部採用品の発注促進可否 |
②店舗の発注方法 | |
商品導入・定番関連 | ③登録済定番外商品の導入可否 |
④定番のフェイス拡大可否 | |
アウト展開関連 | ⑤エンドでのアウト展開可否 |
⑥催事・プロモ・平台・ワゴン等でのアウト展開可否 | |
販促物設置 | ⑦POP・電子POP設置可否 |
⑧パネル・トップボード設置可否 | |
⑨のぼり設置可否 | |
⑩ポスター設置可否 | |
その他事項 | ⑪サンプルお渡し可否 |
⑫写真撮影可否 |
・調査期間:2022年4月~8月
・調査エリア:全国
2.業態別店舗数
上記の項目について、集計を行なった業態別の店舗数は下記の通りです。
小売業態 | GMS | SM | HC | DS | DgS | 計 |
店舗数 | 162 | 116 | 480 | 275 | 1921 | 2954 |
※GMS⇒総合スーパー SM⇒食品スーパー HC⇒ホームセンター DS⇒ディスカウントストア DgS⇒ドラッグストア
・調査業種区分:日用品、食品
家電での調査結果はこちら
3.発注関連事項の集計結果
発注促進活動は、店舗規模の大きい業態の方が行ないやすい
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①は店舗においてのラウンダーの発注促進活動の可否に関する回答結果です。
●全業態で可の比率が7割を超えており、制約は少ない業務となりますが、食品スーパー・ドラッグストアが他業態と比べ不可の割合が高い値となっています。
●GMSやホームセンター、ディスカウントストアなど、店舗規模の大きい業態のほうが発注促進活動を行いやすいといえます。
②は店舗の発注が下記のいずれに該当するかの回答結果となります。
・個店:個店発注可
・補発可:定数発注且つ補充発注可
・補発不可:定数発注且つ補充発注不可
●個店発注 もしくは 定数発注且つ補充発注可で回答のほとんどを占めているため、ラウンダーによる発注促進活動の効果が発揮されやすいといえます。
●業態によって若干の違いがあり、ホームセンター・ディスカウントストアでは個店発注が定数発注且つ補充発注可を上回る結果となっています。
4. 商品導入・定番に関する集計結果
10~20%程度の店舗では定番のフェイス拡大も可能
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③は、本部登録されているが当該店舗では定番外となっている商品に関する導入可否の集計です。
●GMS・ホームセンター・ディスカウントストアでは可・不可の割合がほぼ半々となっているのに対し、食品スーパー・ドラッグストアでは可の比率がかなり低い結果となっています。①本部採用品の発注促進可否同様、店舗規模の大きい業態のほうがより商品導入提案がしやすいといえます。
④は、店舗での定番のフェイス拡大活動の可否に関する回答結果です。
●可の比率はどの業態も低い状態ではありますが、まったくNGという訳ではなく、10~20%程度の店舗では定番のフェイス拡大活動も実施ができます。
●その中でホームセンターは21.3%・ディスカウントストアは17.5%と、他業態と比べると若干ですが比率が高く、②店舗の発注方法と似た様な傾向が見られます。
5. アウト展開に関する集計結果
GMS・HC・DSでは85~90%程度の店舗でアウト展開が可能
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アウト展開実施の可否について、⑤エンドと⑥その他のスペース(催事・プロモ・平台・ワゴン)を分けて集計したものです。
●⑤エンド⑥その他のスペース(催事・プロモ・平台・ワゴン)いずれも、業態別の傾向は似通っていますが、GMS・ホームセンター・ディスカウントストアでは85~90%程度の店舗でアウト展開の実施は可という回答となっています。
●これに対し食品スーパー・ドラッグストアでは可の比率がかなり下がっており、店舗の規模・スペースといった部分の影響が大きいものと思われます。
6. 販促物設置に関する集計結果
POP・電子POPは70%以上の店舗で設置可能
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上記グラフは、販促物の設置可否について、販促物の種類によりどの様な差があるのかを確認した結果で、販促物は下記4種に分類しています。
⑦POP・電子POP
⑧パネル・トップボード
⑨のぼり
⑩ポスター
●可の比率を種類別に見ると、⑦POP・電子POP⑧パネル・トップボードは高く⑨のぼり⑩ポスターは低い状況となっており、⑦POP・電子POPについては概ね70%以上の店舗で設置可となっています。
●業態別には、ホームセンターが可の比率が最も高く、GMSは若干厳しいという傾向が見られます。
●⑨のぼり⑩ポスターは不明・無回答が目立ちますが、販促手段とすること自体が少ないため(交渉機会がないため)、この様な結果になったものと思われます。
7.その他事項
店頭写真撮影は90%以上の店舗で撮影可能
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⑪は商品サンプルをお渡しした際、受け取っていただけるかどうかの集計結果です。
サンプルのお渡しは、商品をご理解いただくために重要な販促活動のひとつで、コミュニケーション手段としても有効です(当社のお取引先様の業務でも、サンプルをお渡しすることにより店舗担当者様の商品理解が深まり、商品導入率の向上に繋がっている例が多くみられています)。
●どの業態も可の比率は50%を超えますが、ドラッグストアでは不明・無回答を除けばほぼ全店でお受け取り頂けるという結果となっています。
⑫の店頭写真の撮影可否を集計したものです。
店頭写真撮影は、店頭状況を的確に報告するために非常に重要で、ラウンダーの必須アクションのひとつです。
●今回の調査では撮影不可の店舗はほとんどないという結果となりました。
8.まとめ
・販促物設置活動では、POP・電子POPはどの業態でも約70%以上の店舗で設置可能である。
・店舗写真撮影は、どの業態でも90%以上の店舗で撮影可能である。
・GMS・ホームセンター・ディスカウントストアなど、店舗規模が大きめの業態では、発注促進、商品導入提案、定番フェイス拡大交渉などの活動が行いやすい。
・逆に、食品スーパーやドラッグストアといった店舗規模が小さめの業態では、上記の活動が受け入れられない店舗が比較的多い。しかし、食品スーパー、ドラッグストアは店舗数が圧倒的に多いため(下記図参照)、定番を確実にメンテナンスし、面でカバーすることで全体の売上アップに貢献しているケースがある。
参考:ドラッグストアを巡回し、売上をアップさせた食品メーカー様の事例
参考
一般社団法人全国スーパーマーケット協会「統計・数字で見るスーパーマーケット」
日本ソフト販売株式会社「ドラッグストア店舗数ランキング」
日本ソフト販売株式会社「ホームセンター店舗数ランキング」
このように、小売業態ごとに特性があり、それらに合わせた戦略を立て販促活動行うことが重要となります。
当社では、このようなデータをもとに、巡回企業や店舗のご提案、スタッフ活動項目の設定などのご支援を実施しております。
サービスに関するご質問などございましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。
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【小売業態別】売り場の店頭販促活動に関する調査レポート2023|前編
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