店舗担当者様の断り文句に負けない!切り返しトークテクニック

商談の目的は、こちらの提案を店舗担当者様に承諾をいただくことですが、相手のあることなので残念ながら「NO」という返事の時もあります。店舗担当者様に「NO」と言われた時に「仕方ない」と諦めるのではなく、どのようにすれば承諾いただけるのかを考えて対応することが大切です。この対応話法を「切り返し」といいます。
「切り返しのトーク」で商談の決定率を上げましょう。
今回は、「切り返しのトークテクニック」8つのポイントを紹介します。
1.断りにくじけない心構え
よほど信頼されているなら別ですが、人はまず否定をします。
店舗担当者様から見ると、新しい仕事を背負い込むことはリスクを伴いますので、提案を拒否されるのは当たり前です。
ちなみに、下記は三大反論と呼ばれます。
お金がない(高い)、必要がない、商品が気に入らない
これらは、咄嗟の断りです。「NO」と言われてもそれは挨拶のようなもので、ひるむ必要は全くありません。拒否されてはじめて商談が始まると考えればいいのです。
大切なのは、否定された時にどの様なトークで対処するかです。
2.反論に対する事前準備
あらかじめ反論に対しての想定回答を用意します。
反論が出たらすぐに答えられるように、あらかじめセールストークの中に盛り込んでおきましょう。
【例】
「価格が高い」と反論されそうな場合
「今回の新製品は980円と価格は少し高めですが、他社にはない付加価値の高い商品です。」
3.反論に切り返すテクニック「イエス・バット法」
店舗担当者様の意見を真っ向から否定すると、店舗担当者様のプライドを傷つけることになり、商談が進まなくなることがあります。
「イエス・バット法」は店舗担当者様の意見に反論するのではなく、一旦相手の意見に同意してしまう方法です。これで、店舗担当者様のプライドを傷つけることなく、こちらの主張を展開することができるようになります。
【例】
店舗担当者様:
「ちょっと価格高いよね」
スタッフ:
×「そんなことはありません」
○「はい、そう思います。しかし、既存品にはなかったエコ機能が新たにつき、消費電力を20%削減できるようになりました。他店で展開したところ、他商品よりもリピート率が10%高い結果になっておりますので、安定した売上確保が期待できます。」
店舗担当者様に「価格が高いよね」と言われると、「そんなことはありません」とつい反論をしてしまいますが、店舗担当者様のご意見は「正しいです」という姿勢を示して、相手を尊重していると感じさせるようにしましょう。その上でこちらの主張を展開していきます。
4.問題を解決するテクニック「イエス・アンド法」①もしも
店舗担当者様の問題を解決して説得するテクニックがイエス・アンド法です。店舗担当者様から反対意見が出た場合は、「もしも~」の確認質問をしましょう。
【例】
店舗担当者様:「展開したいんだけど場所がないんだよね」
スタッフ:「もしも場所があれば展開していただけますか?この様な什器もご用意できます」
店舗担当者様:「什器を持ってきてくれるんならいいよ」「ハンガーだったらいいよ」
本当に場所がないことが問題であれば、その問題を解決できれば「YES」の返事をもらえる可能性があります。店舗担当者様の反論が咄嗟の断りであれば、説得することができます。
5.本音を引き出すテクニック「イエス・アンド法」②ほかに
前のテクニックで店舗担当者様の咄嗟の断りが解決されますので、本音が出てきます。
その場合に使うのが「ほかに~」の質問です。
本当でない反論→「ほかに~」の確認質問→本当の問題を引き出す
【例】
スタッフ:「他に何か問題がございますか?」
店舗担当者様:「実はチーフが代わって、これからはチーフの了解をもらわないと決められなくなったんだよね」
「もしも」「ほかに」の質問を組み合わせることで、セールストークが効果の高いものになっていきます。
【例】
店舗担当者様:「展開したいんだけど場所がないんだよね」
スタッフ:「もしも場所があれば展開していただけますか。このような什器もご用意できます」
店舗担当者様:「いや、場所だけじゃなくてね・・・」
スタッフ:「では、ほかに何か問題がございますか?」
店舗担当者様:「うん、場所だけじゃなくて、チーフに聞かないと自分だけでは決められないんだよね」
このように「この店舗担当者様には権限がない」ことが分かります。この場合は決定のプロセスはどうなっているのか、本当の決定権者は誰なのかという情報収集をしていきましょう。
6.店舗担当者様の視点を変えるテクニック「イエス・アンド法」③だからこそ
店舗担当者様の主張に対して、だからこの提案が必要だと訴えます。
【例】
店舗担当者様:「他社と比べて、ちょっと価格高いよね」
スタッフ:「はい、そう思います。ですが、こちらの商品を展開することで売り場面積当たりの売上をあげられますし、貴店の品ぞろえの良さをお客様にアピールすることもできます。だからこそ、○○様にご提案しているのです。」
店舗担当者様の発言に同調して、支援する姿勢を見せます。
7.切返しの説得力を高める「成功事例と専門家の意見」
店舗担当者様に対して「成功事例」と「専門家の意見」セールストークに盛り込んで説得力を高めましょう。「成功事例」や「専門家の意見」を紹介すると、信頼性が高いと判断する心理が働きます。
【例】
店舗担当者様:「あまり売れないんじゃないかな…」
■成功事例
スタッフ:「実は●●店のチーフもそうおっしゃっていました。ただ、テスト的に導入すると大変好評で今では毎週追加発注をいただいています。やって良かったと喜んでいただきました!他店様でもこのような例があります。」
■専門家の意見
スタッフ: 「専門家の〇〇先生も、この商品は脂肪の吸収を●%抑えることができると絶賛されています。」
8.反論に答える3つのタイミング
①事前に回答する
予想される反論に対する回答を用意しておき、反論が出る前に説明します。
②反論が出たときに答える
反論が出たらその場で答えるケースが一般的です。「イエスバット法」や「イエスアンド法」で対応し、その後に説明していきましょう。
③後日答える
答えが分からないときや資料やデータが必要なときは後日答えます。思いつきで適当に答えないことが大切です。時間を置くことで、店舗担当者様が自分の主張を覆す可能性もあります。
商談は、断りから始まります。商談相手の断りを真に受けていては、仕事になりません。そこで、店舗担当者様の気分を損ねることなく、こちらの主張を展開できるテクニックが切り返しトークです。
「切り返しのトーク」で商談の決定率を上げましょう。