【小売業態別】売り場の店頭販促活動に関する調査レポート2023|前編

フィールドマーケティングシステムズでは、当社ラウンダースタッフが業務で巡回する店舗の販促活動状況を調査し、半年ごとにデータを更新しています。
クライアントの業種ごとに<食品><日用品><家電>のカテゴリーに区分し、訪問店舗の業態別に調査結果を集計しました。全12の調査項目のうち、今回は前編として以下6つの集計結果を報告します。
①本部採用品の発注促進可否
②店舗の発注方法
③登録済定番外商品の導入可否
④定番のフェイス拡大可否
⑤エンドでのアウト展開可否
⑥催事・プロモ・平台・ワゴン等でのアウト展開可否
※なおこの調査結果は、当社スタッフ巡回店舗・企業の状況を集計したものであり、業態全般の実態とは異なる可能性があることをお含み置きください。
1.調査対象(カテゴリー別・業態別の調査店舗数)
・調査対象(カテゴリー別・業態別の調査店舗数)
今回の調査において、集計を行なったカテゴリー別・業態別の店舗数は下記の通りです。調査カテゴリーは日用品・食品・家電の3区分です。
カテゴリー区分 | GMS | SM |
HC |
DS | DgS | CE | 計 |
日用品 |
28 |
84 |
42 |
38 |
1279 |
1471 |
|
食品 |
44 |
101 |
1860 |
2005 |
|||
家電 |
29 |
233 |
2772 |
3034 |
|||
計 |
72 |
185 |
71 |
271 |
3139 |
2772 |
6510 |
※GMS:総合スーパー、SM:食品スーパー 、HC:ホームセンター、DS:ディスカウントストア、DgS:ドラッグストア、CE:家電量販店・カメラ量販店
・調査期間:2023年4月~8月
・調査エリア:全国
2.調査項目
下記項目に関する店舗(売り場)の状況を調査しました。
分類 | レポート項目 |
発注関連 | ①本部採用品の発注促進可否 |
②店舗での発注方法 | |
商品導入・定番関連 | ③登録済定番外商品の導入可否 |
④定番のフェイス拡大可否 | |
アウト展開関連 | ⑤エンドでのアウト展開可否 |
⑥催事・プロモ・平台・ワゴン等でのアウト展開可否 | |
販促物設置 | ⑦POP・電子POP設置可否 |
⑧パネル・トップボード設置可否 | |
⑨のぼり設置可否 | |
⑩ポスター設置可否 | |
その他事項 | ⑪サンプルお渡し可否 |
⑫写真撮影可否 |
集計結果で不明としたものは、不明の回答・無回答の合算となります。
3.本部採用品の発注促進可否
日用品・食品では、ほとんどの店舗で発注促進活動は可能
①はラウンダーの発注促進活動の可否に関する回答結果です。
日用品における発注促進活動に関する「不可」の割合は、全業態で10%未満にとどまっているものの、食品スーパー・ドラッグストアでの「不可」の割合が他業態と比べ、やや高い。
食品における発注促進活動に関しては、全業態において80%を超えており、積極的に行いたい活動といえる。
家電では、ディスカウントストアが「可」82%と、他カテゴリーとほぼ同様の高い割合であるのに対し、ホームセンター・家電量販店で「可」の回答が50%を切っており、日用品・食品とはかなり異なる様相を呈している。
全体を通して、企業としては「可」であったとしても、店舗担当者によっては発注促進をためらうケースもある。
4.店舗での発注方法
日用品・食品は、業種を問わず積極的に発注促進ができる状況
②店舗の発注方法とは、店舗の発注が下記のいずれに該当するかの回答結果となります。
・補発可: 定数発注(補充発注は可)
・個店: 個店での発注可
・補発不可:定数発注(補充発注は不可)
日用品では、「補充発注可」、「個店での発注可」の合計が80%を超える結果となっていることから、ラウンダーによる発注促進活動は売上拡大に直結する重要な活動のひとつと言える。
日用品同様、食品でも「補充発注可」、「個店での発注可」の合計が90%を超えており、ラウンダーによる発注促進活動が実施しやすいといえる。
その半面、家電における家電量販店では「補充発注不可」の割合が最も高く、ホームセンターでも「発注可(補充発注 or 個店発注)」の割合が50%弱という結果で、発注促進活動の優先度が高いとは言えない。
5.登録済定番外商品の導入可否
定番外商品導入は、カテゴリー・業態問わず実施ハードルは高い
③は、本部登録されているが当該店舗では定番外となっている商品の導入提案可否の回答結果です。
日用品は「可」の割合は3~13%にとどまっており、定番外商品導入の実施のハードルはかなり高い。
食品は食品スーパーで「可」の割合が70%を超え、他と大きく異なっているが、これは調査データが日配メインとなっているためと考えられる。
家電も日用品と同様に、「可」の割合は3~9%と低く、定番外商品の導入提案の実施は厳しい傾向にある。
6.定番のフェイス拡大可否
食品・家電では定番フェイス拡大の可能性大
④は、店舗での定番のフェイス拡大活動の可否に関する回答結果です。
日用品では、「可」の割合が全業態でおおむね10~20%と厳しい状況。日用品の場合、定番のフェイスはあまり触らないのが通例となっており、定番のフェイス拡大よりアウト展開による売り場増設の方が実現の可能性は高い(⑤エンドでのアウト展開可否の調査結果を参照)
一方、食品ではGMS・食品スーパーにおいて「可」の割合が高い傾向にある。食品は日用品と比べ、季節性や地域性の影響が大きく、価格の流動性もあることから、日用品より売り場の柔軟性があると考えられる。
食品同様、家電でも「可」の割合は多く、特に家電量販店では60%近くが「可」となっている。店舗巡回の中で交渉のチャンスを見逃さないことが重要。
7.エンドでのアウト展開可否
エンドでのアウト展開は日用品では全業態5割以上展開可能
⑤はエンドでのアウト展開実施の可否に関する回答結果です。
日用品では全業態で「可」の割合が50%を超えており、店頭で積極的に行なうべき活動といえる(一部では、本部で企画等が決まっていて自由度がないケースもある)。
食品・家電での「可」の割合は、GMSは60%台なのに対し、食品スーパー、ドラッグストアはおおむね30%程度。業態における店舗面積が関係しているように思われる。
家電でも「可」の割合は30%前後とエンドでのアウト展開実施はやや厳しい状況である。
ホームセンターでの「可」の割合が際立って低いが、これは巡回しているホームセンター企業の特性によるものとも考えられる。
8.催事・プロモ・平台・ワゴン等でのアウト展開可否
催事等でのアウト展開は、食品ではGMS・食品スーパーで「可」90%のmust活動
⑥は催事・プロモ・平台・ワゴン等でのアウト展開実施の可否に関する回答結果です。
日用品では、食品スーパー、ホームセンター、ドラッグストアでは60%を超えており、アウト展開交渉を積極的に提案していくことが必要。
食品ではGMS・食品スーパーで90%以上が「可」の回答となっており、この活動は積極的に実施すべき活動。
ドラッグストアでも、GMS・食品スーパーと比較すると低いものの50%近くは「可」となっており、注力すべき活動であると考えられる。
家電でも「可」の割合は40%を超える業態がほとんどであり、食品同様、積極的にアウト展開交渉を仕掛けることが必要。
販促物設置の可否は後編でご紹介
いかがでしたでしょうか?
当社では、このようなデータをもとに、巡回企業や店舗選定のご提案、スタッフ活動項目の設定などのご支援を実施しております。ラウンド組織の費用対効果をより高めたい、など課題をお持ちのご担当者様は、是非FMSへお問い合わせくださいませ。
次回のレポートでは、以下の項目の集計結果をお伝えします。
⑦POP・電子POP設置可否
⑧パネル・トップボード設置可否
⑨のぼり設置可否
⑩ポスター設置可否
⑪サンプルお渡し可否
⑫写真撮影可否