【小売業態別】売り場の販促活動に関する調査レポート2025|家電カテゴリー編
フィールドマーケティングシステムズでは、当社ラウンダースタッフが業務で巡回する店舗の販促活動状況を調査し、毎年データを更新しています。
クライアントの業種ごとに<食品><日用品><家電>のカテゴリーに区分し、訪問店舗の業態別に調査結果を集計しました。今回は後編として<家電>カテゴリーについて全12の調査項目の集計結果を報告します。
①本部採用品の発注促進可否
②店舗の発注方法
③登録済定番外商品の導入可否
④定番のフェイス拡大可否
⑤エンドでのアウト展開可否
⑥催事・プロモ・平台・ワゴン等でのアウト展開可否
⑦POP・電子POP設置可否
⑧パネル・トップボード設置可否
⑨ハンガー什器設置可否
⑩フロア什器設置可否
⑪サンプルお渡し可否
⑫写真撮影可否
※本調査は当社スタッフが巡回した店舗の状況を集計したものであり、業態全体を代表するものではありません。
また、実際の店頭での実施可否や効果は、本部方針・店舗特性・担当者との関係性など、個別の条件によって変動する可能性があります。
1.調査対象(カテゴリー別・業態別の調査店舗数)
調査対象(カテゴリー別・業態別の調査店舗数)
今回の調査において、集計を行なったカテゴリー別・業態別の店舗数は下記の通りです。
調査カテゴリー:家電
| 業態 | 店舗数 |
| ディスカウントストア(DS) |
149 |
| 家電量販店(CE) |
1,696 |
| 計 |
1,845 |
調査期間とエリア
| 調査期間 | 2025年9月~10月 |
| 調査エリア | 全国 |
2.調査項目
下記項目に関する店舗(売り場)の状況を調査しました。
| 分類 | レポート項目 |
| 発注関連 | ①本部採用品の発注促進可否 |
| ②店舗での発注方法 | |
| 商品導入・定番関連 | ③登録済定番外商品の導入可否 |
| ④定番のフェイス拡大可否 | |
| アウト展開関連 | ⑤エンドでのアウト展開可否 |
| ⑥催事・プロモ・平台・ワゴン等でのアウト展開可否 | |
| 販促物設置 | ⑦POP・電子POP設置可否 |
| ⑧パネル・トップボード設置可否 | |
| ⑨ハンガー什器設置可否 | |
| ⑩フロア什器設置可否 | |
| その他 | ⑪サンプルお渡し可否 |
| ⑫写真撮影可否 |
※集計結果で不明としたものは、不明の回答・無回答の合算となります。
3.発注関連事項の集計結果

ディスカウントストアは発注促進活動がしやすい
本項では、ラウンダースタッフによる発注促進活動の可否および、店舗での発注方法について集計結果を整理します。
本部採用品の発注促進可否については、家電量販店では「可」が55.9%と約5割にとどまった一方、ディスカウントストアでは89.3%と非常に高い水準となりました。この結果から、ディスカウントストアでは、店頭における発注促進活動が成果に結びつきやすい環境であることが分かります。
また、店舗での発注方法においても、ディスカウントストアでは「補充発注可」「個店発注可」を合わせると約95%に達しており、ラウンダーによる発注促進活動が店頭業務の中で重要な役割を担っていることが示唆されました。一方、家電量販店では補充発注自体が不可となる店舗も一定数存在しており、業態による違いが明確に表れています。
4.商品導入・定番に関する集計結果

本部未採用品の商品導入は、業態問わず実施ハードルが高い
本部登録されているものの、当該店舗では定番外となっている商品の導入可否については、ディスカウントストア・家電量販店ともに「可」の割合が数%にとどまりました。この結果から、定番外商品の導入は業態を問わず実施のハードルが高いことが分かります。
家電量販店では定番のフェイス拡大に可能性
定番のフェイス拡大可否については、家電量販店で約6割の店舗が「可」と回答しており、巡回活動によって自社商品の露出を拡大できる余地があることが示唆されました。一方、ディスカウントストアでは「可」が3割程度にとどまり、フェイス拡大の実現性には業態差が見られます。
5.アウト定番外展開可否に関する集計結果

定番外展開はディスカウントストアの方が実施しやすい
エンドでのアウト展開および、催事・プロモ・平台・ワゴンといったスペースでのアウト展開可否について集計した結果、ディスカウントストアの方が家電量販店と比較して実施可能な割合が高いことが分かりました。
特に、催事・平台・ワゴンなどのスペースでは、ディスカウントストアの約7割の店舗で展開が可能となっており、売上実績を作るための初期施策として有効な環境が整っているといえます。一方、家電量販店では、アウト展開よりも定番内でのフェイス拡大の方が、現実的な選択肢となるケースが多い結果となりました(参考:④定番のフェイス拡大可否)。
6.販促物設置に関する集計結果


販促物の種類によって設置可否に差
販促物設置可否については、アイテムの種類によって業態差が見られました。POP・電子POPは、ディスカウントストア・家電量販店ともに7割前後の店舗で設置が可能となっており、比較的取り組みやすい施策といえます。
一方、パネル・トップボードは可否が拮抗しており、特に家電量販店では設置不可の割合も一定数存在するため、店舗選定が重要です。また、ハンガー什器・フロア什器については業態差が大きく、ディスカウントストアでは半数近くで展開可能であるのに対し、家電量販店では実施可能な店舗が限定的となりました。
7.その他事項

商品理解促進と情報共有の重要性
サンプルのお渡しについては、家電業界では商品の単価が高いこともあり、不明の割合が高い結果となりました。一方、写真撮影については、両業態とも「不可」とする店舗はごく少数であり、多くの店舗で撮影が可能な状況となっています。
店頭画像は売り場実態を把握するうえで重要な情報源となるため、撮影ルールを事前に確認したうえで、適切に活用することが求められます。
まとめ:家電売り場における店頭販促活動の現実と、効果を高めるための視点
本調査レポートでは、家電カテゴリーにおける店頭販促活動について、ディスカウントストア(DS)と家電量販店(CE)を対象に、全12項目の実施可否を集計しました。その結果、業態ごとに販促施策の実現性や有効なアプローチが大きく異なることが改めて明らかになりました。
業態別に見る主な傾向
ディスカウントストア(DS)
DSでは、本部採用品の発注促進や個店発注が可能な店舗割合が非常に高く、ラウンダーによる店頭での発注促進活動が成果につながりやすい環境であることが分かりました。また、催事・平台・ワゴンなどのアウト展開や、POP設置といった比較的ライトな販促施策についても実施可能な店舗が多く、売上実績づくりのための「動きのある売り場づくり」が有効といえます。
家電量販店(CE)
一方、家電量販店では定番外商品の導入やアウト展開のハードルが高いものの、定番のフェイス拡大については約6割の店舗で実施可能という結果となりました。これは、既存定番商品の売り場内での露出強化が、現実的かつ効果的な販促アプローチであることを示しています。販促物についても、POPやパネル・トップボードは一定割合で設置可能であり、売り場特性を見極めたうえでの施策選定が重要です。
店頭販促活動を成功させるためのポイント
今回の調査結果から、家電カテゴリーにおける店頭販促活動では、
・業態ごとに「できること・できないこと」を正しく把握すること
・定番獲得を見据え、アウト展開やフェイス拡大など段階的な施策を設計すること
・店舗ルールや運用実態を踏まえ、現場で実行可能な販促手法を選択すること
が、成果を左右する重要なポイントであるといえます。特に、数字上の「可否」だけでなく、不明・グレーゾーンをどう現場で見極め、関係性を構築していくかが、実務上の成否を分ける要素となります。
フィールドマーケティングの重要性
本調査は、当社ラウンダースタッフが日々の巡回業務を通じて得た実態データをもとに集計したものです。机上のルールや本部方針だけでは見えにくい「実際に売り場でできること」を把握し、最適な販促活動につなげるためには、継続的なフィールドマーケティングが欠かせません。
フィールドマーケティングシステムズでは、こうした現場視点のデータとノウハウを活かし、業態・売り場特性に即した店頭販促活動の設計・実行を支援しています。
家電売り場における販促施策やラウンダー活用をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。