店舗ラウンダー・店舗巡回のFMS field markting system 株式会社フィールドマーケティングシステムズ
フィールドプロモーション
2023.05.15

店舗マーケティングとは?具体的な施策と成功に至る3つのポイントを解説

店舗マーケティングとは?具体的な施策と成功に至る3つのポイントを解説

店舗マーケティングとは、店舗の売上拡大を目的に実施する施策一連の流れを指します。小売店はもちろん、メーカー企業にとっても、店舗マーケティングの知識は欠かせません。
売上を構成する来客数、購買率、平均客単価の3つの要素に注目して施策を打てれば、店頭の売上アップが期待できます。
この記事では、店舗マーケティングの基礎知識や売上拡大につながる指標、具体的なマーケティング施策などについて解説します。店舗の売上を上げたい小売店様やメーカー担当者様はぜひご一読ください。

目次
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店舗マーケティングとは、店舗の売上を伸ばすことを目的として実施する調査やリサーチ、商品企画・開発、販促活動などの一連のマーケティング活動を指します。

小売店は近隣の競合店と、メーカーは売り場で競合商品を扱う他社と、常に競争している状態にあります。ただ店舗を出店したり商品を陳列したりするだけでは売上が上がることはありません。メーカーも店舗も、どのように顧客に店舗まで足を運んでもらい、店頭で自社商品を選んで購入してもらうかを考える必要があります。そのための戦略が店舗マーケティングなのです。

店舗マーケティングというと、店舗で展開するキャンペーンやセールなど、「店頭での販促活動」に限定して受け取られがちです。しかし、店舗マーケティングとは「店舗での売上拡大」を目的とする活動の全体を含み、店舗を出店する際のターゲット選定や市場調査なども店舗マーケティングの一環となります。

また、店舗での売上拡大を目指すには、メーカーが行うCMやキャンペーンなどの販促企画との連動も重要です。例えば、メーカーがCMや新商品キャンペーンを大々的に行っても、店舗の売り場と連動していなければ、消費者が商品に気づかず、購入につながらずに終わる可能性があります。

その一方で、店頭で新商品キャンペーンなどを行っても、そもそも来店してもらえなければ商品が売れることはありません。

メーカーと小売店双方が店舗マーケティングを意識し、連動して施策を行うことが重要です。

店舗売上を上げるための施策である店舗マーケティングを理解するにあたっては、まず、店舗売上を構成する3つの指標について知る必要があります。

店舗の売上はこの3つの要素からなる以下の公式で示すことができます。

店舗売上=来店客数×平均客単価×購買率

店頭プロモーションを行う場合は、この3要素をKPI(重要業績評価指標)とし、それぞれの数値を計測・分析することが重要です。やみくもに店舗マーケティングを実施しても、成果は上がりません。「来店客数」「平均客単価」「購買率」それぞれに着目し課題を解決していくことで売上を最大化させることができます。

来店客数

来店客数とは、店舗を訪れた人数のことです。

お客様に店舗に足を運んでもらえなければ、どんなに魅力的な商品を店頭に並べても売ることはできません。来店客数は店舗売上の根幹となる要素であり、最も重要な指標といえます。

来店客数はまた、「新規顧客数」「リピーター数」の2つに大別できます。新規顧客とリピーターは、それぞれを伸ばすための施策が異なる点に注意が必要です。

・新規顧客の集客:店を知ってもらうための施策

例)SNSや広告、チラシなどの宣伝媒体を使い、どんな店なのか・何を扱っているのか・どこにあるのか、などの店舗の基本情報を知ってもらう

・リピーターの集客:次回も来店してもらうための「きっかけ」を作る施策

例)店舗アプリのインストールや会員登録、SNS登録などで「お得意様」作りをする、次回以降使えるクーポンなどで2回目以降の来店を促す

平均客単価

平均客単価とは、購入客1人あたりの平均購入額のことです。

1回の来店で顧客が平均していくら支払ったかを測定する指標で、以下の数式で算出できます。

平均客単価=(ある期間の)商品売上÷(ある期間中に商品を購入した)顧客の人数

平均客単価を算出するための期間は、月単位、年単位、特定の時間ごと、などさまざまに変えることで詳しい分析を行うことができます。
また、商品の売上を店舗全体で算出したり、特定のカテゴリや特定のメーカーに変えてみたりすることで、マーケティング施策の効果を正確に判断することも可能になります。

平均客単価を上げる施策としてしては、以下の2つの手法がよく知られています。

・クロスセル:購入しようとしている商品に関連がある別の商品も合わせて購入してもらうための施策(合わせ買い促進)

・アップセル:今使用している商品よりも高額な上位モデルに切り替えてもらうための施策

購買率

購買率とは、来店客のうち実際に商品を購入した顧客の割合で、以下の数式で求められます。

購買率=購入客数÷来店客数

例えば、1日に100人来店しそのうちの10人が実際に商品を購入した場合の購買率は10%です。

来店者数を増やしても、何も購入しない人が多ければ売上は上がりません。実際に商品を買ってくれる人を増やす仕掛けや仕組み作りが重要であり、それらの施策の評価基準として購買率を利用します。購買率が上昇しているなら、その時展開していた店頭キャンペーンや売り場づくりに効果があったと判断できます。逆に、購買率が下落している場合は、商品ラインナップの見直しや販促キャンペーンなどの施策を打つなどのてこ入れを行います。

この章では、来店客数を伸ばすための店舗マーケティング施策を紹介します。

来店客数を増やしたい場合、新規顧客とリピーターでは顧客の特性が異なるため、それぞれを増やすために取るべき施策も異なります。

新規顧客を伸ばすための店舗マーケティング施策

新規顧客の開拓で最も重要なポイントは、店を知ってもらうこと(認知度を上げること)です。そのため、新規顧客向けの施策は広告やプロモーションが中心となります。

具体的には以下のような施策が挙げられます。

オンラインによる新規顧客向けの施策

・ホームページやブログの運用

・WEB広告(ディスプレイ広告・リスティング広告・SNS広告)

・Googleマップへの店舗情報の登録
Googleマップに店舗情報を登録し、検索するユーザーが住所や営業時間、定休日などの基本情報に簡単にアクセスできるようにする

・SNSでの情報発信
InstagramやTwitter・FacebookなどのSNSを活用して情報発信を行う。店内の様子や取り扱っている商品について発信することで、店の雰囲気を知ることができ、来店のハードルを下げることができる

昨今ではインターネットを活用したオンラインの施策は欠かせません。オンライン施策は「いいね」や「リツイート」などによる拡散力もあり、発信者の予想以上の効果を生み出すこともあります。

オフラインによる新規顧客向けの施策

・チラシやフリーペーパー

・駅貼りポスター

チラシやフリーペーパーといった従来型の施策(オフライン施策)も、訴求したいターゲット(潜在的な顧客)によっては有効です。例えば、店舗の近くに住んでいる人にお店を知ってもらい顧客になってほしい場合、エリアごとに配布するチラシは効率のよい宣伝媒体となります。

店舗を訴求したいターゲットや店舗の客層などを考慮し、オンライン・オフラインを組み合わせた施策を打つことが重要です。

リピーターを伸ばすための施策

リピーター向けの施策は、店舗を訪れたことがある顧客に再訪を促すものです。すでに店を知ってもらっている人に「あの店にまた行こう」と思ってもらえるような仕掛けが必要です。

具体的には、以下のような施策があります。

・次回来店時に使えるクーポンの配布
お得感があるのでリピート率の高い手法です。期限を設けておくと訪問の先延ばしなどを防げます。

・来店ポイント
ポイント制度も、顧客のお得になる手法であるため、リピート率アップに効果的です。ポイントを貯めるためにメンバーカードやアプリを入れてもらえれば、非会員の店よりも選ばれやすくなります。

・公式アプリやSNSへの登録を促す
顧客が店舗とコミュニケーションを取る機会が増え、お店についてより知ってもらうことができます。店舗の客層にあった投稿を行うとユーザーの興味を引きやすく、効果的です。

・メルマガ登録
お得な情報を確実に顧客に届けることができます。

上記のような施策に加えて、定期的に来店する優良顧客となってもらうために店舗のサービスや接客の質を高めることも必要です。お客様の様子を見ながら適切な声かけをする、笑顔で接客する、清掃を徹底するなど、コストをかけずにできることも多いです。できるところからぜひ取り入れてみましょう。

購買率を高めるためには、来店者が商品を購入せずに店を出てしまうことを防ぎ、より多くの人に商品を購入してもらう必要があります。つまり、買いやすい店・売り場にすることが重要です。

購買率を上げる具体的な施策の例としては以下のようなものがあります。

・商品の陳列や店内の導線見直し
買いたい商品がどこにあるかわからないと、お客様は買うのを諦めて帰ってしまいます。

小売店内の各売り場の特徴については「売り場作りのコツとは?売り場の名称やメーカーが行うべきポイントについてご紹介」もご参照ください。

・商品ラインナップや価格の見直し
「買いたいメーカーの商品がなかった」「思ったより価格が高かった」などの場合も、お客様が何も買わずに帰ってしまう可能性が高くなります。
また、メーカー側であれば、競合他社商品と比較された時に優位性のある商品を並べられているか、価格訴求力があるかなどによっても購買率は変わります。

・決済方法を増やす
現金だけでなく、クレジットカードや電子マネーといった決済方法を増やすことでもお客様が買い物をしやすくなり、購買率アップにつながります。

陳列や店内の導線見直しの際は「立寄率」「視認率」に注目

商品の陳列や店内の導線見直しによって購買率を上げる場合、「立寄率」「視認率」の2つの要素に注目してみましょう。問題点の洗い出しや改善がしやすくなります。

・立寄率:来店者が商品の売り場に立ち寄った割合
立寄率を上げるためには、来店して買い物をするうちに自然と店内を一通り見て回ることになるような導線作りや、つい足を止めて立ち寄りたくなる売り場作りを行います。

・視認率:陳列された商品の中からある商品を目にした割合
視認率を上げるためには、販促物などを活用し売りたい商品が目立ちやすく手に取りやすい売り場作りを行います。

平均客単価を上げるには、大きく分けて以下の2つの方法があります。

・クロスセル・クロスマーチャンダイジング:一度の来店で購入してもらう商品点数を増やす

・アップセル:より高額な商品を購入してもらう

クロスセル

クロスセルとは、ある商品を購入する顧客に対して関連する商品を提案して買ってもらう手法のことです。買うと決めた商品に関連する品物は購入してもらいやすい上、次の来店を促す手間やコストが低いため、取り入れやすい手法です。

クロスセルの例

・スマートフォンを購入するお客様にスマホカバーや液晶画面保護シールなどをお勧めし購入してもらう

クロスMD(クロスマーチャンダイジング)

合わせ買いを促進するクロスセルの中でも、関連する商品を同じ売り場に置いて販売することをクロスMDと呼びます。売り場を移動して商品を探す手間が省けるので顧客ニーズにもマッチする手法です。

クロスMDの例

・鮮魚コーナーにワサビ、精肉コーナーに餃子の皮を置く

・お菓子作りの材料コーナーにケーキ型や香りづけに使う洋酒を置く

上記の例は商品同士の関連が店舗にも顧客にも明らかな例ですが、クロスMDを発展させるとより提案性の高い売り方が可能となります。

より提案性の高いクロスMDの例

①季節性を絡めて「ついで買い」を想起させる

・部屋干しする機会が多くなる花粉や梅雨の時期に、部屋干し向け洗剤の近くに洗濯機クリーナーを展開

・節分の時期に、豆まきの豆と並べて大豆飲料を展開

②食料品ではレシピ提案が有効

・豆乳鍋のレシピを提案するコーナー作りをし、めんつゆと合わせて豆乳飲料を並べて展開。豆乳飲料を鍋スープとして提案することが可能になる

クロスセルを行うに当たっては、顧客ニーズにそぐわない提案や売り場作りをしても効果は薄く、「押し売り」「買いづらい」と受け取られるおそれがあります。

施策と顧客ニーズのミスマッチを防ぐにはPOSデータの分析が有効です。特定の商品と同時に売れている商品=関連性がある商品を見つけ出すことで、より効果的なお勧めや売り場作りができるようになります。

アップセル

アップセルとは、より上位機種や高付加価値商品を購入してもらうことで平均客単価を上げる手法です。

アップセルの例

・一般的なPCデスク用チェアを購入希望のお客様がオンラインゲームもしているならゲーミングチェアを勧める

・鎮痛剤やサプリメントなどでは、より有効成分の量や種類が多い商品に切り替えてもらう

提案する商品により高い価値があると顧客が納得しなければアップセルは成功しません。高いお金を払うだけの価値がある商品だと分かりやすく訴求する必要があります。

以下のようなアプローチでアップセルに取り組んでみましょう。

・商品の機能や特徴を分かりやすく説明するPOPを作成する

・メーカーが店舗の担当者に向けた勉強会を開き、顧客に商品の優位性を説明してもらえるようにする

・サンプルやデモ販売で実際に商品を試してもらう

サンプルやデモ販売など、実際に試してもらう手法は特にお客様の納得感が高いため、アップセルが期待できます。

その他店頭から売上を上げるための「インストアマーチャンダイジング」「インストアプロモーション」に関する基礎知識も是非ご参考にしてください。

店舗マーケティングを成功させるには、以下の3つのポイントが重要です。

1.顧客への理解がなければ店舗マーケティングは成功しない

2.顧客とのコミュニケーションを大事にする

3.データを収集し、分析と改善を繰り返す

1.顧客への理解がなければ店舗マーケティングは成功しない

店舗マーケティングは店舗の売上を上げるために行うものなので、店舗の目線でマーケティング施策を展開してしまいがちです。しかし、顧客のニーズとずれた施策を打っても、成果が出ることはありません。

効果的な店舗マーケティングを実施するためには、顧客のニーズを知り、顧客を理解することが成功への第一歩といえます。

顧客ニーズを探る具体的な方法として、まずは購買データを分析しましょう。POSデータなどの購買データからは、誰が(属性)/いつ/どのような商品を購入する傾向があるか、を分析できます。

「給料日後の休日は高額な商品が売れている」

「Aという商品とBという商品は合わせて買う人が多い」

といった傾向を把握することで、最適な施策が打てるようになります。

効果的な店舗マーケティングを実施するためには、データだけでなく顧客の生の声を聞くことも大切です。定期的にアンケート調査などを実施し、店舗の気に入っている点や足を運んでくれたきっかけなどを知ることで、店舗の強みを伸ばすことができます。

2.顧客とのコミュニケーションを大事にする

インターネットショッピングが普及した現代においては、便利さ・手軽さ・安さだけをアピールしても店舗に足を運んでもらう理由になりにくいです。

そこで重要性を増しているのが、リアルな店舗だからこそ生まれる「体験(モノよりコト)」です。

商品の性能や特長をアピールすることはインターネットでも可能です。しかし、実際に商品を手に取って体感してもらうことは実店舗でしかできません。顧客とリアルなコミュニケーションができる点は、実店舗の大きな強みです。

お客様とのリアルなやり取りに着目すれば、顕在化しているニーズだけではなく、隠れたニーズが見えてきます。お客様の生の声や反応は店舗の売上改善にとって重要であるとともに、メーカーの新商品企画の場でも貴重な情報となるでしょう。

3.データを収集し、分析と改善を繰り返す

マーケティング施策は、施策を打つ前後で売上がどう変化したかを分析することが重要です。例えば、来店客数アップのためにWEB広告を配信した場合を考えてみましょう。実際にどれだけ来店者が増えたのか、そしてそれによって売上はどの程度増えたのかが見えなければ、施策の成功/失敗は判断できません。

まずは、POSデータや売上データを収集し、施策開始前・施策実施後での変化を数値でとらえることが分析の第一歩です。
分析の材料となる数値データは、店舗売上の3要素である来客数・購買率・平均客単価の3つの要素を軸に調査を行うのが原則です。要素ごとにデータの変化を見ることで、施策が成功/失敗したポイントがよりはっきり認識できるようになります。

分析の結果、あぶり出された課題を次に生かすことで施策の精度は上がり、より高い効果を得ることができます。

分析と改善を繰り返すことによって、店舗マーケティングをより成功に近づけることができるのです。

店舗マーケティングは店舗が行うものと思われがちですが、店舗でモノを売るメーカーにとっても店舗マーケティングの観点から施策を考えることは有効です。

メーカー側は、自社商品をいかに売るのかだけを考えて交渉しがちですが、小売店や消費者の視点で考える必要があります。例えば、積極的な販売のためキャンペーンや値下げを行ったとしても店舗の特性や消費者ニーズに合わない商品であったら思うように売上は上がらないでしょう。

メーカーだけに都合の良い提案をするのではなく、店舗の立地や客層、売上の分析を元に売り場改善の施策を提案することが重要です。

小売視点で考えることでメーカーからの提案が受け入れられやすくなり、商談決定率も上がります。

メーカー担当者様がすぐに活用できる店頭施策の考え方や事例集をご用意しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。

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売上の方程式から導き出す効果的なラウンダー活動8選

店舗マーケティングにはさまざまなアプローチの方法がありますが、重要な指標である来店者数、平均客単価、購買率をそれぞれ伸ばすことで店頭売上もアップします。メーカーもこれらの指標や伸ばし方を理解し、店舗や消費者の目線で施策を立案・実行する必要があります。

店舗マーケティングの施策は一度実施したら終わりではなく、PDCAサイクルを回しながら継続するのが重要なポイントです。

まずは重要指標のデータを収集・分析し、課題の洗い出しと対策の立案から始めてみましょう。

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