店舗ラウンダー・店舗巡回のFMS field markting system 株式会社フィールドマーケティングシステムズ
フィールドプロモーション
2023.05.24

インストアプロモーションとは?代表的な7つの手法や成功のポイントを解説

インストアプロモーションとは?代表的な7つの手法や成功のポイントを解説

ネットショッピングが普及した現代においても、実店舗は消費者と売り手がリアルで相対する場としてその存在感を増しています。お客様と直接コミュニケーションできる実店舗ならではの強みを生かした販促方法がインストアプロモーションです。インストアプロモーションを成功させれば、売上拡大だけでなくより印象に残る商品PRやブランドのファン作りも期待できます。
この記事では、インストプロモーションの基礎知識やそのメリットについて解説します。インストアプロモーションの具体的な手法や成功させるポイントを知り、店頭からの売上拡大を目指しましょう。

目次
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株式会社フィールドマーケティングシステムズの量販店ラウンダーサービス案内資料をPDFでご用意いた…

インストアプロモーションとは、施設や店舗で(In-store)行う販促活動のことです。
店頭以外の場所で行う宣伝やプロモーション(アウトストアプロモーション)では、まず消費者に買い物をしようと思わせるところから始める必要があります。それに対してインストアプロモーションは、すでに来店していて購買意欲のある消費者に効率よくPRできるプロモーション方法といえます。

インストアプロモーションの具体的な例として、以下のような手法があります。
・売り場に掲出するPOPやポスターなど
・ 店内で行われる実演販売・推奨販売・サンプリング
・ お得感を演出する値引きや特売など

これらのうち、価格を下げて購入を促す手法は「価格主導型」、売り方・見せ方で購入を促す方法は「非価格主導型」に分類されます。

インストアプロモーションを計画・実施するにあたっては、その前提となる「インストアマーケティング」について知っておく必要があります。
「インストアマーケティング」とは、店舗や売り場の売上を拡大・効率化させるための考え方や仕組み作りを指します。
お客様が商品を選ぶ場=売り場で消費者ニーズを探り、店舗の販売力や効率の最大化を目指します。
インストアマーケティングの考え方・戦略に沿って行う具体的な取り組みを「インストアマーチャンダイジング」と呼び、インストアマーチャンダイジングはさらに「インストアプロモーション」と「スペースマネジメント」の2つに大別されます。
スペースマネジメントは棚割や商品陳列を最適化させる施策です。消費者が自然と商品を手に取る、買いやすい売り場を作る間接的な店頭販促活動といえます。それに対し、インストアプロモーションは、宣伝物や販売員の活動で消費者に購買を働きかける直接的な販促活動といえます。

インストアマーケティングの概念図

インストアマーケティングが今、注目を集める理由

ネットショッピングが一般に普及し売上を伸ばしている現代において、なぜインストアマーケティングに注目すべきなのでしょうか。
インターネット環境が整備され、スマートフォンやタブレットといったデバイスも進化・普及した現代では、店舗に足を運ばなくても買い物ができます。より安いネットショップを簡単に検索でき、好きな時間に購入し自宅に届けてもらえるネットショッピングは、便利さや手軽さの点で店舗より優れています。
しかし、消費者は利便性や安さだけを基準に商品の購入を決めるわけではありません。消費者の購買意志決定には「商品にまつわる体験」が大きな位置を占めています。
実店舗の店頭では、消費者は実際に商品を「見る」「触れる」「試す」ことができ、これらは実店舗でなければ提供できない大きな価値なのです。実店舗で購入する理由を問うアンケート※でも、「商品を生で見て決めたいから」が実店舗で購入する最も大きな理由となっています。
実店舗が提供する「体験」の価値を消費者に感じてもらい、商品購入やブランドのファン化につなげるためにも、インストアマーケティングが重要なのです。

※株式会社ネオマーケティング「リアル店舗とオンラインショップ、どう選ぶ?」(2021年)

さまざまな販促方法がある中で、インストアプロモーションに予算を投入するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
インストアプロモーションを実施する主なメリットは以下の2つです。

・「衝動買い」「ついで買い」を促すことができる
・ 顧客とリアルでのコミュニケーションを取ることで商品や店舗のファン化を促すことができる

この2つについて、それぞれ詳しく解説します。

「衝動買い」「ついで買い」を促すことができる

何かを買うつもりで店舗に足を運んでいる来店者は、宣伝に興味を持ちやすい状態にあります。魅力的な商品やお得な商品があればつい買ってしまうことも多いでしょう。
株式会社アスマークが実施した「衝動買い」に関するアンケート調査※では、「あなたは普段『衝動買い』をすることはありますか?」との質問に対し、約70%が「よくする」「たまにする」と回答しています。
また、この調査によると、衝動買いをするきっかけとして最も多い回答が「商品を見て(一目惚れ)」となっています。店頭での販促活動や商品を魅力的に見せる取り組みが重要であり、売上を大きく左右する要素になることが分かります。

実店舗で起こる衝動買いは、店舗だけでなくメーカーにとってもメリットがあります。

・ブランドスイッチ:他社商品を使っていた消費者に「こっちも良さそうだな」と思わせ、自社商品に切り替えてもらえる
・商品の認知拡大・トライアル促進:新商品やおすすめ商品を「試してみよう」と思ってもらえる

これらの衝動買いによるメリットは、実際に商品が並ぶ売り場ならではといえます。

「衝動買い」と同様に、「ついで買い」を促せることもインストアプロモーションを行うメリットの一つです。
Aという商品の購入者に「そういえば、Aと一緒に使うBもあると便利だな」と気付いてもらえれば、AB両方を買ってもらうことができます。
インストアプロモーションは、まさにこの「そういえば」に気づかせる手法でもあります。

※株式会社アスマーク「衝動買いに関するアンケート調査」

顧客とのコミュニケーションにより、商品や店舗のファン化が促せる

前述のとおり、店舗での買い物は単にモノを買う以上の楽しい「体験」となりうる活動です。
「いい新商品を見つけることができた」
「お得に買い物ができた」
「欲しいものがすぐに見つかって買い物がしやすい」
など“快”の体験を多く提供できる店舗やメーカーは良い印象を与え、店舗や商品、メーカーのファンを増やすことができます。
さらに、定期的に来店したり商品をリピート買いしたりするLTV(顧客生涯価値)※の高い顧客が増えれば、中長期にわたって高い売上を上げることが期待できるのです。

一方で、店舗での「体験」で顧客満足度を上げられなければ、来店する価値のない店と判断される点に注意が必要です。
例えば、CMで興味を持った商品の陳列が分かりづらかったり品切れだったりして買い物ができなった場合、買い物客は店舗に良い印象を持ちません。
消費者が良い買い物体験ができる売り場作りをすることはメーカーにとっても重要です。顧客がある商品を買おうとした時に見つけられない場合、別の店で商品を探してくれるとは限らないため店舗だけでなくメーカーも売上の機会を逸したことになります。

インストアプロモーションの実施にあたってはメーカーの販促と店頭が連動していることが重要であり、それが小売店とメーカー双方にとってメリットとなるのです。
※LTB(顧客生涯価値):1人の顧客が生涯の取引を通じてもたらす利益の総額

インストアプロモーションの手法は以下の2つに分類されます。

・「価格主導型」:商品の価格を変動させてお得感をアピールする宣伝方法
・「非価格主導型」:価格調整以外の方法で商品の魅力をアピールする宣伝方法

それぞれについて詳しく解説します。

価格主導型のインストアプロモーション手法

商品の価格を変動させて消費者の購買意欲を高める手法が、価格主導型のインストアプロモーションです。商品の安さ・お得感をアピールすることで、「この商品がこの値段なのはお得だから今買おう」と思わせて購入につなげます。
プロモーションで下げた価格が常態化すると売上に悪影響が出るため、実施する期間や時間の設定がポイントとなります。
価格主導型インストアプロモーションの手法をさらに具体的に紹介します。

値引きや特売

価格主導型インストアプロモーションの中で最も典型的な手法です。
スーパーマーケットのタイムセールや、デパートやショップのバーゲンセールなどが該当します。値引きや特売の告知を見て「安い、買おう」と思い商品を購入した経験がある人は多いでしょう。

値引きや特売の訴求力は強力で、短期的に売上を上げるのに非常に効果的です。

一方で、値引きや特売を多用すると以下の危険もあります。
・ 値引き・特売の価格に消費者が慣れてしまいお得感がなくなる
・ 通常料金が割高に感じられるため、値引き・特売の時以外に商品が売れなくなる
値引きや特売を行うタイミングや頻度は十分考慮する必要があります。また、値引き・特売品以外も合わせて買ってもらい売上を伸ばす工夫や、値引き・特売の期間以外にも来店してもらう取り組みを行うことも必要です。

バンドル販売

バンドル販売とは、まとめ買い(同じ商品を複数購入)やセット販売・抱き合わせ販売(数種の商品を組み合わせて販売)でお得感を演出する手法です。
例えば、”〇個買うと△円引き”といったまとめ買い促進や、ジャケットとパンツのセット販売などです。
単品で買うよりも商品の合計金額は安く設定され、消費者にお得感を感じさせて購買意欲を高めます。

バンドル販売には以下のようなメリットがあります。
・まとめて購入してもらうことで平均客単価が上がる
・よく売れる商品との抱き合わせすることで売れ行きの鈍い商品の在庫を消化できる
・テーマ性のあるセット企画で売り場を活性化できる

一方で、まとめ買いには「需要の先食い」要素があるため、バンドル販売後に売上が落ちるおそれもあります。
また、セット販売の場合、消費者のニーズにマッチしない商品の抱き合わせでは効果があがりにくいでしょう。
バンドル販売では、中長期的な店舗売上計画に基づいて実施することと、消費者のニーズにマッチした企画を立てることが重要となります。

増量パック

増量パックとは、価格はそのままで通常販売時よりも入り数や容量を増やして販売する方法です。洗剤や化粧水などで〇g増量などと謳って販売する方法が該当します。
販売価格は下げていませんが、1個あたりや1gあたりの価格は下がることになり、お得感を演出できます。また、通常の数量では物足りなく感じる消費者のニーズにも対応するプロモーション手法です。
ただし、商品の入り数や容量は小売店側では変更することができないことが大半であるため、メーカー側が主導で行う必要があります。

非価格主導型のインストアプロモーション手法

非価格主導型のインストアプロモーションとは、商品の機能や効能など価格以外の価値を訴求することで購買意欲を高めるプロモーション方法です。
価格主導型のインストアプロモーションでは、お得感を感じてもらうために商品の値段を下げるため、商品1つあたりの利益率は下がります。
それに対して非価格主導型のインストアプロモーションでは価格調整をしないため、プロモーションが成功すれば利益率を維持しつつ売上を伸ばすことが可能になります。

以下、非価格主導型のインストアプロモーションの手法を具体的に見ていきましょう。

実演販売・推奨販売(デモンストレーション)

商品を使っている様子を見てもらう、または、商品を実際に使ってもらったり試食してもらったりする手法です。
商品の機能や性能、おいしさなど、写真・動画や文章では伝えきれない魅力をリアルに感じてもらえます。実際に商品を使ったり味わったりする体験をしてもらうことで、購入して自身が使っているイメージをよりリアルに想像させる点も、購入意欲を高めるのに効果的です。インターネットショッピングにはない体験・体感を提供できる、実店舗ならではの販促方法といえるでしょう。

一方で実演販売は、商品に興味を持たせ試す気持ちを起こさせなければプロモーションにつながりません。スタッフの力量に効果が左右されるので、実演販売のノウハウや経験が豊富なスタッフを準備する必要があります。

POP

Point Of Purchaseの頭文字を取った略語で「購買時点(に目にする)広告」という意味です。まさに「商品を購入する場所」である店頭や売り場の掲出物はそのほとんどがPOPに該当します。

ほとんどの場合、買い物客にはじっくりPOPを読む暇はありません。そのため、POPの前を通る一瞬で目を引くようなデザインや、簡潔でポイントを押さえたキャッチコピーでPOPを作成することが重要です。

POPに関してはこちらの記事もご参照ください。

ついつい手が伸びてしまう売り場の条件!4種のPOPで、「買い場」になる!

デジタルサイネージ

店舗内にディスプレイやプロジェクターなどを設置し、商品や店舗に関する広告を配信する手法です。動画なので、POPやポスターなどよりも圧倒的に多い情報を伝えることができます。さらに、動画や音で来店者の注意を引きやすい点も魅力です。

活用の幅が広いデジタルサイネージですが、ディスプレイやプロジェクターなどの機材設置費用や広告動画制作に高額な費用がかかります。導入前にコストと費用対効果を十分検討する必要があるでしょう。

プレミアム(景品べた付け)

インストアプロモーションにおけるプレミアムとは、商品購入におまけや特典をつけて付加価値を高め、購買につなげる手法です。ビールの6缶パックに期間限定で保冷パックがついてくる企画などが該当します。
新商品を試してもらうきっかけ作りや、ブランドイメージアップなどの効果が期待できます。
おまけや特典はベタ付けとなるので、メーカー主導で行われるのが一般的です。

インストアプロモーションにはさまざまな手法があり、商品や店舗の状況に応じて最適な手法を選んで実施することによって商品や店舗の売上を上げることが可能です。
しかし、どんな手法を選んだとしても、「売上が上がったのでプロモーションは成功だった/思ったより売上が伸びなかったので失敗だった」など、売上の結果だけで判断してはいけません。どんなプロモーションを行った場合も、施策の前後で各種の指標にどのような変化があったのかを検証しましょう。

・ 店舗への来店回数
・ 来店客数
・ 来店頻度
・ 購入商品
・ 購入単価
・ 購入点数

複数の指標で数値の変化を追うことにより、「売上が上がった/伸びなかった」理由をより正確に分析することができます。
分析・検証の結果を次の施策に生かし、施策を改善し続けることがインストアプロモーションを継続的に成功させるカギなのです。

ネットショッピングや通販といった便利で手軽な商品購入方法が増えた現代においては、商品をリアルに手に取って体感できるという実店舗ならではの強みを生かした売り場作りが求められます。
ただ売上を上げるためだけでなく、買い物をリアルな体験として楽しんでもらえる売り場、店舗や商品をより魅力的に見せられる売り場にするために、インストアプロモーションを戦略的に活用したいものです。

インストアプロモーションは一時の売上を上げる一過性の施策ではなく、店舗や商品特性に応じて最適な施策を検証・改善しながら継続することも重要です。
効果的なインストアプロモーションの進め方にお悩みなら、ぜひFMSにご相談ください。

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