店舗ラウンダー・店舗巡回のFMS field markting system 株式会社フィールドマーケティングシステムズ
フィールドプロモーション
2023.07.03

基礎から分かるインストアマーチャンダイジング|成功に導く3つのポイントや効果的なラウンダーの活用例を解説

基礎から分かるインストアマーチャンダイジング|成功に導く3つのポイントや効果的なラウンダーの活用例を解説

インストアマーチャンダイジング(ISM)とは、店頭プロモーションや商品陳列などを最適化する戦略や活動のことです。インストアマーチャンダイジングに基づいた売り場作りや販促活動を行うことで販売の効率化や売上アップを実現します。
インストアマーチャンダイジングの理解を深め、活用することはメーカーにとっても重要です。そして、店頭でインストアマーチャンダイジングを実践するにあたってはラウンダーの活用が効果を発揮します。
この記事では、ラウンダー活動を通じて「売れる売り場作り」に関わってきたFMSがインストアマーチャンダイジングの基礎知識や成功させるポイント、効果的なラウンダーの活用例を解説します。

目次
量販店ラウンダーサービス案内資料
株式会社フィールドマーケティングシステムズの量販店ラウンダーサービス案内資料をPDFでご用意いた…

「マーチャンダイジング」は主に小売業界で使用されている用語で、「消費者に商品を適切に提供するための戦略」を意味します。
このマーチャンダイジングの手法を『店頭=in-store』で実施するのがインストアマーチャンダイジングです。具体的には、店舗の販売促進を目的として行う以下のような活動が該当します。
・ 店舗のデザイン・レイアウト
・ 顧客ニーズにマッチする品揃えや商品陳列
・ POP広告など販促広告の掲出
・ 割引や値引き

マーチャンダイジングの「5つの適正」とは

マーチャンダイジングでは、「5つの適正」を顧客目線で判断し実現することで売上の拡大や効率化につながるとされています。

① 適正な商品=消費者ニーズにマッチする品揃えができているか
② 適正な場所=消費者が買いやすい・買いたくなる売り場作りができているか
③ 適正な時期=消費者が欲しいときに欲しい商品を店頭に並べられているか
④ 適正な数量=売り損じや過剰在庫とならない適正な数量の商品を仕入れているか
⑤ 適正な価格=消費者が値段に納得できる価格設定か

インストアマーチャンダイジングは、店舗の売上拡大を目的に行うものですが、店舗(小売)側の活動だけでは「5つの適正」の実現は難しく、メーカーとの協力が不可欠です。また、インストアマーチャンダイジングの概念に沿って店頭での取り組みを見直すことは、自社商品の売上拡大や認知度アップにつながるため、メーカーにとっても重要な戦略となります。

インストアマーチャンダイジングを実践するメリットとして、以下の2つが挙げられます。

自社商品の売上アップ

メーカーは売上拡大のためにさまざまな宣伝・販促活動を行っています。しかし、テレビCMやWebマーケティングなどの施策が店頭と連動していないために、十分な効果が得られないケースが見受けられます。
例えば、新商品発売キャンペーンのために宣伝広告費を確保しテレビCMなどで消費者の認知度や関心を高めたとしても、店頭でその商品を見つけられなければ宣伝費をかけた意味がありません。
消費者が実際に商品を購入する店頭=インストアを意識し、買いやすい場所に商品を陳列したりPOPで目立たせたりすることによって、最終目的である商品の購入につなげることができます。

平均客単価や購買率の向上

来店者が買い物をしやすい売り場作りを行うことで、「もともと欲しかった商品」に加えて「ついで買い」や「衝動買い」など、予定していなかった購入を促せます。これにより、平均客単価や購買率の向上が期待できます。

インストアマーチャンダイジングには、柱となる2つの要素から構成されています。

・インストアプロモーション:販促力を強化する施策
・スペースマネジメント:商品露出を最適化する施策

インストアマーチャンダイジングを実施するにあたっては、この2方向からの施策で店頭を強化することが求められます。

インストアマーケティングの概念図

インストアプロモーション

インストアプロモーションとは、店舗内で来店者に向けて行う販促活動のことです。
インストアプロモーションは、商品価格の変動の有無から以下の2つに分類されます。

・価格主導型
・非価格主導型

価格主導型

商品の価格を変動させることで「お得感」をアピールして購入につなげるプロモーション施策です。消費者の約9割が商品やサービスを選ぶ際に「価格」を意識しているという調査結果もあり※、価格調整は消費者の購入を後押しする非常に強力な施策です。

※参照:平成30年度版消費者白書(消費者庁)

価格主導型のインストアプロモーションの手法として以下の施策が挙げられます。

・値引き
・特売
・バンドル販売(まとめ売り)
・増量パック
・ポイント(キャッシュ)バックキャンペーン

販売価格を調整する価格主導型のインストアプロモーションは店舗(小売)が行うものと思われがちですが、ポイント(キャッシュバック)キャンペーンや増量パックはメーカー主導で行う施策です。

価格主導型のインストアプロモーションについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
インストアプロモーションとは?代表的な7つの手法や成功のポイントを解説

非価格主導型

非価格主導型のインストアプロモーションとは、価格調整以外の方法で商品を訴求し購買意欲を高めるプロモーション手法で、具体的な施策としては以下のようなものがあります。

・POPやポスターの設置
・プレミアム(景品ベタづけ)
・デモ販売・サンプリング
・デジタルサイネージ(ディスプレイなどを利用した電子広告)

商品に関する販促物は原則としてメーカーが主導で作成するものです。ただし、販促物の設置場所である店舗と連携して施策を実施することが必須となります。

非価格主導型のインストアプロモーションについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
インストアプロモーションとは?代表的な7つの手法や成功のポイントを解説

スペースマネジメント

スペースマネジメントとは、店内の動線や商品陳列を最適化し、より商品を買いやすい店舗や売り場を作るための施策です。
スペースマネジメントはさらに以下の2つに分類することができます。

・スペースアロケーション
・シェルフスペースマネジメント

スペースアロケーション

■スペースアロケーションとは

スペースアロケーションとは「空間の割当」という意味で、店内レイアウトや来店者の動線を最適化することによって売上拡大を目指す手法です。
店内レイアウトを最適化するにあたっては、個々の売り場単体ではなくフロアや店舗全体を俯瞰的に見ることが重要です。来店者の目線に立ち、どのように売り場を配置すれば「顧客が買い物をしやすいか」「商品を手に取ってもらいやすいか」を考えます。

■メーカーが実践できるスペースアロケーションの取り組み

メーカーが店舗で売上を上げるためにも、スペースアロケーションの取り組みは非常に重要です。
買われやすい売り場に自社商品を置けるかによって売上は大きく左右されるためです。例えば、エンドや、レジ前、入口付近は人通りが多く商品が目立つため、メーカー同士による激しい場所取りが行われています。
より良い位置での陳列や店舗内での多箇所での展開など、メーカーがスペースアロケーションを自社に有利に進めるためには、店舗に積極的に足を運んで良い関係を構築し、交渉することが必要です。
具体的な各売り場の特徴や売り場獲得のコツは「売り場作りのコツとは?売り場の名称やメーカーが行うべきポイントについてご紹介」をご参考にしてください。

また、カテゴリが異なる商品を同じ売り場で販売するクロスマーチャンダイジング(クロスMD)も有効な取り組みです。購入した商品が使用される場面まで想定することで売り場がさらに活性化し、消費者にとって買い物がしやすい場となります。

※クロスマーチャンダイジング(クロスMD)の展開例

(左)焼き肉用生肉とビールとのクロスMD
(右)生肉とジャムとのクロスMD(レシピを添えて献立の提案がされている)

クロスマーチャンダイジング(クロスMD)の実施例写真

※クロスMD展開がしやすい売り場はどこだ?スーパーマーケットにおけるクロスMD展開調査レポート(2017年)

シェルフスペースマネジメント

■シェルフスペースマネジメントとは

シェルフスペースマネジメントとは、一言でいえば棚割りの最適化です。商品のサイズや容量、特性、販売データ、想定されるユーザー層などに基づき、売上が最大となるように陳列を行います。ただし、単に「売れている商品をいい位置に置く」という単純な法則を当てはめるものではありません。
例えば、床から85~150cmの高さは「ゴールデンゾーン」と呼ばれ、顧客の目につきやすく手に取りやすいとされています。

陳列におけるゴールデンゾーンと販売優先度の関係性図

しかし、ターゲット層が高齢者や子どもであれば、最適な陳列位置が変わる場合もあります。
また、重い商品は下段にあったほうが棚から取りやすいなど、消費者の買いやすさを考慮することも必要です。
さらに、売り場全体の利益を考えるなら、売れ筋商品は多少探してでも購入される可能性が高いので条件の劣る場所に置き、利益率の高い「売りたい商品」をゴールデンゾーンに置くこともあります。

より効果的な陳列テクニックについては、以下の記事で詳しく解説しています。
売れる陳列を実現する6つの陳列テクニックとは?

■メーカーが実践できるシェルフマネジメントの取り組み

「ある商品を売るために最適な場所」は、商品ごと・店舗ごとに異なり、また、販売時期などによっても変動する可能性があるものです。メーカーが自社商品の棚割りについて交渉する際には、商品特性だけでなく店舗ごとの顧客層やニーズを理解した上で、より良い位置を獲得できるように提案・交渉することが求められます。

メーカーがインストアマーチャンダイジングを成功させるためのポイントは数多くありますが、その中でも重要なポイントとして以下の3点を挙げます。

・商品の販売戦略を小売店と共有する
・店舗のニーズや顧客層を把握する
・PDCAサイクルを高速で回す

商品の販売戦略を小売店と共有する

流通業界においては、商品の陳列方法や店内レイアウトなどは、各店舗の裁量にゆだねられていることがあります。商品の配荷時にチェーン本部から各店舗へ販売戦略などの情報が伝達されても、見落とされることも少なくありません。CM放映やキャンペーンに合わせた販売強化策をチェーン本部と交渉したのに各店舗で実現されないといったことが起こるのはこのためです。
メーカーがこのような販売機会のロスを避けるには、店舗を定期的に訪問する必要があります。
キャンペーン展開時のスペースの確保や展開期間、商品訴求の方法などは、店舗で直接具体的に交渉・依頼をすることで実現可能性がぐっと高まります。店舗巡回を専門とするラウンダーを投入すれば、店舗との交渉や現場の確認が容易になります。

店舗のニーズや顧客層を把握する

同じチェーンの店であっても、立地によって顧客層や売れ筋商品は大きく異なります。そのため、全ての店舗で同じ戦略を徹底するのは現実的ではありません。店舗ごとに客層や売れ筋商品などを把握し、それぞれの店舗ごとに最適なインストアマーチャンダイジングを展開することが重要です。
例えば、繁華街にある駅前店は比較的小さい店舗が多く、品揃えも広く浅くとなる傾向があります。しかし立地の良い店舗は競合店も多く競争が激しいため、キャンペーンや特売など来店客数を増やす施策を積極的に実施する必要があります。
一方、郊外店では車で来店するファミリー層が主なターゲットです。そのため、大容量パックやまとめ買い、ついで買いなどを訴求する施策が有効となります。
このような店舗ごとの特性や客層を理解した上で戦略を立てて提案・交渉を行えば、店舗での実現率が上がりより良い結果を出すことにつながります。

PDCAサイクルを高速で回す

インストアマーチャンダイジングを実践するにあたっては、ひとつの施策を実施して終わりにするのではなく、定量的な評価を元にPDCAサイクルを回すことが重要です。

・Plan(計画)

現状の店舗別売上金額や売上数などを把握し、インストアマーチャンダイジングの取り組みによってどのような効果・改善が見込めるのかを決定します。

・Do(実行)

計画した企画を実際に店頭で実施します。企画を確実に各店舗で実施するには、店舗に直接提案・依頼を行う必要もあります。

・Check(評価)

施策を実施した後は、計画した数値を達成できているかを確認し効果を評価します。担当者の感覚ではなくPOSデータなどの客観的な数値を元に判断することが重要です。

・Action(改善)

達成できなかった指標があれば、改善策を検討します。
評価や改善の際には、メーカー側の視点だけでは問題点や解決策が見えてこないことが多々あります。小売店の店長や売り場の責任者とコミュニケーションを取ると、どのような点に問題があったかがより明確になります。

メーカーがインストアマーチャンダイジングを実践するにあたってラウンダーを活用するメリットは以下のとおりです。

店頭販促施策の実施率を高めることができる

先述のとおり、メーカーが立案するプロモーション企画を店舗で実現することは容易ではありません。メーカー様からは「意図したとおりの売り場が実現できるのは2~3割」という声も聞かれます。
この問題の解決する方法の一つが、ラウンダーの活用です。

・本部からの伝達事項を直接店舗に伝えて指示の見落としやヌケを防ぎ、店頭で確実に実現する
・郊外店・駅前店といった各店舗の特性・状況に適した提案を行う

店舗を巡回するラウンダーを導入すると、これらのことが容易になります。
また、店舗での実現率が低い状態では、宣伝やキャンペーンの成果を正確に判断することも容易ではありません。ラウンダーは店頭の売上を上げるだけでなく営業戦略のPDCAを正しく回すことにも貢献するのです。

店舗での販売状況を把握できる

メーカーにとって、自社商品が店舗でどのように売られているかを正確に知ることは難しいものです。POSデータなどで「売れている」「売れていない」は把握できても、「どこに陳列されているのか」「キャンペーンPOPは設置できているか」などは実際に店舗を見なければわかりません。
定期的に店舗を巡回するラウンダーがいれば、商品の販売状況を正確に把握することができます。
また、店頭の実情や自社・他社の販売状況を踏まえると企画の精度が上がり、採用率が高まることも期待できます。

繁忙期などに店舗巡回がおろそかになることがない

メーカーの営業担当者は、チェーン店本部との交渉や会議への参加、事務作業などの業務に追われています。そのため、繁忙期や突発的な業務が発生した場合には店舗訪問を後回しにせざるを得ません。
ラウンダーは担当店舗の巡回に特化した人材のため、繁忙期などの影響を受けません。自社の営業担当者では回り切れない遠隔地での店舗巡回や、重要店舗の高頻度巡回などもラウンダーを活用すれば可能となります。

インストアマーチャンダイジングの施策においてラウンダーは具体的にどのように活用ができるのか、当社の事例をもとにご紹介します。

インストアプロモーションにおけるラウンダー活用例

インストアプロモーションを推進する際のラウンダー活用例には以下のものが挙げられます。

価格主導型の施策と連動するラウンダー活動例

・受注促進活動
店舗の特売条件が出た際、ラウンダーから店舗担当者へ伝達することで商品の採用につながります。

・売り場作り
特売の際、より目につきやすい売り場やより大きい売り場スペースを確保できるよう交渉し、売り場をつくります。

・売り場の維持・メンテナンス
訪問して商品の品出しや受注促進を行うことで、販売機会のロスを防ぎ交渉で獲得した売り場を維持します。

非価格主導型の施策と連動するラウンダー活動例

・POPやチラシなど販促物の設置

・電子POPのデータの入れ替え・メンテナンス

・プレミアム(景品べた付け)設置作業

・実演販売・推奨販売(デモンストレーション)
デモンストレーションを店舗内で実施する交渉や実施場所の確保、売り場作り、デモ販売実施に伴う発注促進なども実際にラウンダーが行っている業務です。ラウンダー自身がデモ販売スタッフを兼任し推奨販売まで実施する事例もあります。

スペースマネジメントにおけるラウンダー活用例

スペースマネジメントを推進する際のラウンダー活用例には以下のものが挙げられます。

スペースアロケーションでのラウンダー活用例

・優位置展開交渉、アウト展開交渉
エンドや入口、レジ前など、来店客の目につきやすい優位な位置に商品が置けるように交渉します。

・クロスマーチャンダイジング(クロスMD)交渉
顧客がその商品をどのように利用・消費しているかなどのデータを元に他カテゴリでの商品展開を提案します。

シェルフマネジメントでのラウンダー活用例

・棚替え・商品導入提案
棚への陳列作業全般はラウンダーの主要業務です。改装応援や新店応援に対応する場合もあります。また、棚割にはあるのに陳列されていない商品があれば陳列できるように交渉も行います

・陳列棚内での優位置展開・フェイス拡大

・フェイスを維持するための発注促進・品出し・メンテナンス

インストアマーチャンダイジングとは、消費者が買いやすい・つい買ってしまうような売り場づくりや品揃え、PRをすることで売上を最大化させる戦略のことです。インストアマーチャンダイジングを成功させるためには、まずは小売店とメーカーが販売戦略や目標を共有する必要があります。
また、インストアマーチャンダイジングを計画どおりに進めていくためには、メーカーと店舗を仲介するラウンダーの力が効果を発揮します。このコラムを読んで、ラウンダーが担える業務の幅広さに驚いた方も多いのではないでしょうか。
多岐にわたる店頭業務を自社内で抱え込まず、ラウンダーを活用してより強力にインストアマーチャンダイジングを推進してみてはいかがでしょうか。

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