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陳列・VMD
2023.08.29

売り場作りのコツとは?各売り場の特徴やメーカーが行うべきポイントをご紹介

売り場作りのコツとは?各売り場の特徴やメーカーが行うべきポイントをご紹介

メーカー担当者であれば誰でも「自社商品を店頭のより目立つ場所で陳列したい」と考えるものです。しかし一方で、「どのように売り場を改革すればよいかわからない」と悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、小売店の売り場作りに長年関わってきたFMSが売り場の基礎知識や売り場作りのポイントを徹底的に解説します。
より良い売り場を確保し効果的に商品を展開して売上を上げたい、とお考えのメーカー様はぜひ参考にしてください。

目次
これ1冊でわかる 陳列・VMDハンドブック
コラムで人気の陳列・VMD記事。 数ある記事の中から各記事のポイントを抜粋して、ハンドブックにま…

店頭には多種多様な商品が並び、自社商品は常に競合商品との競争にさらされています。その中で自社商品の売り場や売れ行きを気にかけメンテナンスできるのは、自社をおいてはないといっていいでしょう。
「小売店本部との商談でプロモーション企画が決定しても、意図したとおりの売り場が店頭で実現できるのは2~3割」との声も聞かれるほど、売り場作りにはパワーが必要です。
CMなどの宣伝も重要ですが、買い物客の約80%は店頭で購入商品を決定しているといいます。店頭で売り場がしっかり消費者の目に留まり、商品を手に取ってもらえる状態でなければ、期待した売上を上げることはできません。
販売機会の喪失を防ぎ売上を最大化させるためには、メーカー自身も積極的に売り場作りに関わる必要があるのです。

メーカーが売り場作りに関わるにあたっては、まずは「どんな売り場を目指すべきか」を具体的に考えてみましょう。

店頭の売上は「売上=客数×客単価」の公式で表されますが、【客数】と【客単価】をさらに細かく分析すると、以下の図のようになります。

売上の方程式

この図式のうち、

・買上率:消費者が商品を購入する率

・買上平均点数:消費者一人当たりの平均購入点数

の2つが売り場と密接な関連がある要素です。

売り場の買上率を上げるためには、

・立寄率を上げる:消費者の動線や店内のレイアウトに即して自然と足を止める売り場作り

・視認率を上げる:目立つ場所に置く、POPを使用するなど、目を引く売り場作り

の2方向から売り場作りを行います。

また、買上平均点数を上げるためには、衝動買い・ついで買いを促して買上点数を増やす手法が有効です。

これらの要素を満たす「売れる売り場」となっているか、店舗任せにせずメーカーからも是非チェックをするべきでしょう。

参考:陳列を変えれば売上も変わる!店頭から売上を上げる仕組みとは?

一口に「売り場」といっても、場所や位置によって呼称や特徴が異なり、それぞれの売り場ごとに適した陳列方法や売り方があります。
売り場の名称やそれぞれの特徴を把握することで自社商品の売り方をより具体的にイメージできるようになります。
売り場作りの基礎知識として是非覚えておきましょう。

売り場の名称

定番売り場

店内通路に沿って設置された商品ジャンルごとの棚が定番売り場です。売り場で最も多くのスペースを占めます。

陳列する商品や棚割はチェーン店本部が決定するため、個店での獲得交渉が難しい売り場でもあります。
そのため、メーカーが定番売り場で行うべき活動はメンテナンスが中心となります。
定番棚は1商品あたりのスペースが狭く、置ける商品数が限られるので、こまめな品出しと前出し(商品を補充し陳列スペースの最前面に商品を出すこと)を行います。
店舗売上の8割は定番売り場の売上であるともいわれています。きめ細かな売り場のメンテナンスで機会損失を防ぎ、確実に売上を上げていきましょう。

エンド

棚(定番売り場)の端に設定された通路に面した売り場を「エンド」と呼びます。同じ商品を同期間、定番とエンドで展開すると定番の2倍売れるとの調査結果(※)もあり、販売力のある売り場です。

エンドは店内の位置によってその特徴が異なります。

・ バックエンド(主通路エンド)

買い物を始めたばかりでカゴの荷物が少なく、買い物予算にまだ余裕のある買い物客が目にすることが多い売り場です。そのため、容量が大きく単価の高い商品の販売に向いています。

・ センターエンド(中通路エンド)

買いたいものが置かれている定番棚に向かって歩いている買い物客が多いため、定番棚ジャンルにおける新商品の販売などに向いています。また、嗜好品や子ども向け催事などにも向いています。

・ フロントエンド(レジ前エンド)

レジ待ちの消費者に衝動買い、ついで買いを促せるよう、手に取りやすく単価が低い商品の販売に向いています。

エンドは売上が見込める売り場であるため、あらゆるメーカーが狙っていると言っても過言ではありません。そのため、エンドスペースでの販売は「売り場の獲得交渉」から計画を始めるのがポイントです。

・ 店舗担当者と普段から良好な関係を築く
・ 店舗をこまめに訪問し、エンド提案のタイミングを逃さない
・ エンドを獲得するための交渉ツールを準備する

散発的な店舗訪問で獲得できる売り場ではないので、粘り強く交渉しましょう。

また、エンド売り場の効率的な作り方は「【規模を問わず応用可能】短時間でできるエンド陳列の手順とコツ」も参考にしてください。

※Chain Store Age 流通DATA Front2006

催事売り場

出入り口付近などのスペースに陳列台を設けて展開するのが催事売り場です。最も消費者の目に留まりやすい売り場であるため、季節に合わせたテーマに沿って展開されることが多いです。
陳列にそのまま商品を置いては目立たず、また商品が手に取りにくいため、ひな壇状にして高さを出した陳列を行うのが一般的です。催事売り場のテーマであるイベントや季節の行事をアピールするため、のぼりやPOP、ポスターなどを設置し、ムードを盛り上げましょう。

催事売り場は、大手チェーンなどでは本部商談で数カ月先まで催事売り場の予定が組まれているのが一般的であり、店舗ごとの交渉で獲得するのは容易ではありません。催事売り場を獲得したい時期の何カ月も前から交渉するなど、長期的な交渉が不可欠です。

この章では、売り場の販売力を最大化させるための「売り場作りのコツ」をご紹介します。

交渉によって売り場を獲得しても、ただ商品を並べただけでは期待したほどの売上を上げることは難しいでしょう。売り場で商品を目立たせお客様に商品を手に取ってもらうためには、商品を目立たせる陳列やお客様の動線を意識した売り場作りが不可欠です。

以下のポイントを確認して改善点を洗い出し、売り場の販売力をアップさせましょう。

フロア什器やハンガー什器を活用する

定番売り場やエンドのスペースは店舗ごとにあらかじめ決まっており、スペースには限りがあります。他社との競争も熾烈で、獲得は容易ではありません。
そこで検討していただきたいのが、什器設置など既存の売り場以外で商品を展開する提案(アウト展開)です。
什器の種類はさまざまで、床に置く「フロア什器」、エンドの脇などに引っ掛けて省スペースでも商品を陳列できる「ハンガー什器」など、展開したいスペースや商品の形状に応じて製作が可能です。
メーカー什器を活用した提案は、店舗のレイアウトを知り什器を置けるスペースを見つけるところから始まります。「ここならこの什器が置ける」というスペースを見つけ、地道に提案することが大切です。

POPなどの販促物を活用する

獲得した売り場で売上を最大化させるためには、売り場や商品がお客様の目に留まるようにアピールすることも欠かせません。そのためのアイテムがPOPをはじめとする販促物です。
店頭販促物は商品の特徴やアピールポイントなどを一目で消費者に伝えるアイテムです。新発売、期間限定商品、味や商品の機能、キャンペーンや割引など、消費者が商品を選ぶポイントとなる情報を消費者に積極的に働きかけましょう。
販促物を使用することで競合製品との差別化を図ることができ、また、ついで買いや衝動買いを促すこともできます。

売り場の種類により、使用に適した販促物は異なります。以下を参考に売り場ごとに適したPOPを検討してみてください。

・ 定番売り場

狭いスペースでも商品の見え方やお客様が商品を手に取ることを妨げないコンパクトなPOPが有効。消費者の興味を引く香り見本の設置なども効果的

・ エンド

通路を歩くお客様の目を引くよう、トップボードなどある程度の大きさがあって十分に目立つ販促物が有効

・催事売り場

のぼりやデジタルサイネージなども活用してしっかり目立たせることが必要。催事台全体のテーマも考慮して統一感のある催事売り場を構成するのがおすすめ

客動線を意識する

お客様が店内を見て回る動きを線で捉えたものが「客動線」で、売り場作りを行う上で必ず考慮すべき要素です。客動線が長ければ長いほど商品との接触機会が増えて売上が伸びるため、店舗はお客様の回りやすさも考慮しつつ店内をまんべんなく見てもらえる動線になるように店内レイアウトを組んでいます。

メーカーが店内レイアウトや客動線を変更することはできませんが、客動線を生かした売り場作りをすることは可能です。什器の置き方や商品の陳列方法、販促物の掲出方法などを、客動線を意識して行ってみましょう。
「客動線の手前側(通路を歩くお客様が先に目にする側)の視認率が高い」という事実に着目し、売りたい商品を客動線の手前側に陳列した結果、売上が4倍に増えた事例もあります。
店舗の客動線を把握して売り場作りに生かすことで、売上は大きくアップすることをぜひ、覚えておいてください。

前出しや補充ができているか

良い位置に売り場を獲得しても、欠品していたり商品の陳列が乱れたりしていては商品の購入機会が失われます。
特に、販売スペースが狭く、置ける商品の数に限りがある定番棚では、こまめな品出しや前出しで商品を手に取りやすい状態を維持すること、適切に発注促進を行って欠品による売り損じを防ぐことが売上を最大化させるコツです。
エンドや催事売り場でも、陳列が崩れていたり商品が少なくなったりしていては、見た目で消費者の販売意欲を削いでしまう恐れがあります。

可能であれば、こまめに店舗を訪問するなどして品出しや陳列のメンテナンスを行うと良いでしょう。

販促物が適切に設置されているかどうか

POPをはじめとする店頭販促物は売り場作りに欠かせませんが、想定した状態で売り場に設置できているでしょうか。

本部で販促物設置の了解を取っていたとしても、実際にPOPを設置するかどうかは店舗の判断となっていることが大半です。チェーンごと、店舗ごとに販促物設置に関するルールがあるため、販促物を持参し店舗の許可を取った上でメーカー自身が設置するのが確実です。

希望どおりに販促物を設置できたら、外れたり汚れたりしていないかを店舗訪問時に確認することも忘れないようにしましょう。

値札が適切に設置されているかどうか

商品の販売価格を表示する値札(プライスカード)は店舗が設置するものであるため、設置されているかどうかや設置位置の確認などは行っていないメーカー様も多いのではないでしょうか。

消費者の実に9割が商品やサービスを選ぶ際に価格を重視しているという調査(※)もあります。値札が消費者に分かりやすく適切に設置されているかも確認すると良いでしょう。

また、売り場自体に問題がないのに売上が思わしくない場合は、競合商品と比較して販売価格が適正に設定されているかなどを確認することも必要でしょう。

※参考:消費者庁「消費者白書」

売り場には種類があり、それぞれ特徴や売り場の作り方やメンテナンスの方法は異なります。

メーカーが希望する売り場を店舗で実現するのは簡単ではありませんが、売り場の特徴や売り場作りのポイントを知って粘り強く提案することが大切です。
また、獲得した売り場はこまめにメンテナンスをし、最適な状態を維持するよう心がけましょう。

メーカー様が売り場の獲得やメンテナンスを行う上で最も確実な方法は、店舗の訪問回数を増やすことです。自社のリソースだけでは訪問頻度を増やすことが難しい場合は、ラウンダーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

ラウンダー」とは、メーカーの営業担当者に代わって店舗を訪問し、本部決定事項である店頭プロモーション全般を具現化するスタッフです。日々担当店舗を巡回し、店舗担当者との関係性構築、売り場獲得交渉、売り場作りなどを行います。

FMSでは、ラウンダーをはじめとする「売れる売り場」作りをお手伝いするさまざまなサービスをご用意しております。詳細を知りたい方は是非お問い合わせください。

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