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スタッフ育成
2018.04.15

課題はスキル?モチベーション?具現化率を高める『ラウンダー育成』のポイント

課題はスキル?モチベーション?具現化率を高める『ラウンダー育成』のポイント

以前にご案内いたしましたコラム「ラウンド組織のよくある5つの課題を解決!費用対効果を改善する『理想のラウンド組織』とは?」 において、結果が出せないラウンド組織には以下の「5つの課題」があることをご紹介しました。

① 本部商談に関する課題
② ラウンダーの活動内容に関する課題
③ 運営方法(運営事務局)に関する課題
④ キャスティングに関する課題
⑤ ラウンダー育成に関する課題

今回は、その中でもご相談をいただくことが多い「ラウンダー育成に関する課題」について、FMSの36年間の経験をもとに、依頼事項の具現化率を高めるための「ラウンダースキル改善の5つのポイント」を解説いたします。

※ラウンダー、フィールドスタッフ、マーチャンダイザーなどメーカー様により呼称が異なりますが、本コラムでは「ラウンダー」という表現を活用させていただきます。

目次
具現化率を⾼める!ラウンダー育成のポイント
本資料では、ラウンド組織のよくある課題5つ目、「ラウンダー育成」のポイントについてご紹介していま…

掘り下げて考えることが解決の糸口

集合研修のアジェンダを考える前に、「ラウンダーのスキルアップが必要だと感じた「きっかけ」を思い出してみて下さい。その「きっかけ」の問題点や原因を掘り下げていくことが解決の糸口となります。

ラウンド組織には必ず、ラウンダーのスキルや育成に関する課題がついて回ります。当社に寄せられるご相談の中でも、ラウンダー育成に関するものはかなりの比率を占めています。

「新人ラウンダーとベテランラウンダーの活動結果の差が埋まらない」
「ラウンダーのモチベーション維持がうまくいかない」
「実績があがらないのは、ラウンダーのスキルが不足しているせい」
「1~2年の短期間で多くのラウンダーが入れ替わり、不慣れなラウンダーが多数在籍している」
「ラウンダーの研修・育成は支店ごとで、標準化ができていない」
「スキルが低いラウンダーのトレーニングや労務管理の負担が大きい」  など

これらの課題を集合研修で解消しようとするメーカー様が多いのですが、残念ながら集合研修だけで成果が出ることは、ほぼないと言っていいでしょう。なぜなら、研修はあくまでも問題解決のためのひとつの手段に過ぎないからです。

例えば「新商品の陳列状況が期待したレベルに達していない」という不満があったとします。その際、次のような状況となっていないでしょうか?
・「臨機応変にお願いします」といった曖昧な依頼を行っている。

この場合は、ラウンダーのスキルではなく、まずラウンダーへの依頼の仕方を見直すことが必要です。

参考記事:
ラウンド組織のよくある5つの課題を解決!費用対効果を改善する『理想のラウンド組織』とは?
ラウンダーの店頭具現化率を高めるために!知っておきたい5つのポイント

 

また、
・新商品の陳列企画を本部商談で決めきれていない
・競合他社が大々的にCMを放映しており、それを武器に他社ラウンダーが交渉を有利に進めている

といった状況があるなら、ラウンダーのスキルだけに原因を求めるのは正しい解決方法とは言えません。本部交渉内容/商品力/価格/コマーシャル などの要素は、ラウンダー活動でカバーしきれるものではないのです。

ラウンダーの職務範囲を明確にする

ここで改めて、「ラウンダーが担うべき役割は何か」を振り返ってみましょう。
チェーンによっても異なりますが、ラウンダーの役割の基本は「チェーン本部とメーカーの本部担当営業様の間で決定した事項を店頭で具現化すること」であると、私たちは考えます。

その場合、以下の3つ
・ 店舗の担当者が提案を受け入れてくれるか
・(売れる)場所を見つけることができるか
・(売れる)場所を確保できるか

がラウンダーの職務範囲であり、その範囲を超えた成果を求めても問題は解決しないでしょう。ラウンダーが担うべき業務の遂行状況に課題がある場合に初めて、ラウンダー育成の課題に取り組むべきなのです。

ラウンダー育成の課題を解決する 二つのアプローチ

当社では、ラウンダー育成の課題には「スキル」と「モチベーション」の二つがあると考えています。

5つの課題」 の①~④までは問題がなく、「育成方法を見直してラウンダーの質を向上させたい」となった場合、課題が「スキル」なのか「モチベーション」なのかをまず見極め、それぞれ異なるアプローチで解決策を立てていきます。

図1

次の章から、スキルの改善/モチベーションの改善 のそれぞれに問題を分けて解説いたします。

ラウンダーのスキルを改善する取り組みは、以下5つのポイントを段階を踏んで進める必要があります。それぞれ順を追って解説いたします。

まず、「いつまでにどのような状態になっているのが理想か」をまとめた「ラウンダースキル指標」を作成します。

これは、「目指す姿=ゴール」と工程を明確にし、管理者とラウンダー双方が共有するためのものです。「どんなスキルを、いつまでに、どの程度習得するべきか」をはっきりさせることでヌケやモレがなくなり、漫然と育成を続けるよりも格段に育成がスピードアップします。

人財育成には、以下の3つのステップが必要です。

① インプット:ラウンダーが、出来ない理由を知らないのであれば
⇒ 教える② アウトプット:ラウンダーが、知っていてもうまくできないのであれば
⇒ 練習する(ロールプレーイング、OJT)③ フィードバック:ラウンダーが、それが適切かどうかの判断ができないのであれば
⇒ 第三者が客観的に見て、フィードバックして軌道修正する

ラウンダー育成が集合研修やOJT、ロールプレーイングまでで終わっているメーカー様が意外に多いように思われます。
特に1人で活動を行うことが多いラウンダー(という職業)において、ある一定レベルまでは自己成長をすることも可能ですが、その技量を「あるべき姿=ゴール」まで引き上げるためには、第三者からのフィードバックが不可欠です。

全ての人間関係において言えることですが、同じ言葉を聞いても感じ方や理解の仕方は人それぞれです。理解度のスピードが違うことを踏まえて、ラウンダーごとに、その人に合わせたアプローチが必要なのです。

人財育成においては「どこで誰が育成しても一定レベル以上の人財が育つ」のが理想ですが、これはラウンド組織に限らず非常に難易度が高いことと言えます。②インプット・アウトプット・フィードバック で述べた通り、人財育成には管理者・指導者からのフィードバックが不可欠であり、フィードバックする人のスキルが育成結果に大きく影響するからです。

ラウンダー育成の「仕組み化」の一環として、OJTを体系化することも一つの方法です。どこをチェックし、どのようなアクションを行う必要があるのかを標準化しておけば、誰が育成しても同じ視点でOJTができるようになります。

ラウンダー育成は「1回できたら完了」ではありません。店舗担当者様や店舗のレイアウト、取扱商品、タイミングなど、ラウンド活動を行う上での環境や条件は毎回変わります。どんな条件下でもラウンダーが対応できるようになるまで、継続して実施することが重要です。

スキル指標の作成方法など具体的なスキル改善方法については、運営ガイドを参照してください。

次に、「できるけどやっていない」というマインド面の課題について解説いたします。

ただし、「業務量が多過ぎて対応したくてもできない」など、ラウンダースキル以前の課題があるケースもあります。ラウンダー育成に関する課題以外の4つ(①本部商談に関する課題 ②ラウンダーの活動内容に関する課題 ③運営方法(運営事務局)に関する課題 ④キャスティングに関する課題)は解決していることが前提、ということにご留意ください。

モチベーションが下がる理由を明確にする

モチベーションの改善というと、「どうしたらやる気にさせられるか」といった「モチベーションを上げる」方法を考えがちです。しかし、「モチベーションが落ちた」原因を明確にし、まずそれを解決するところから始める必要があります。

ラウンド組織でよく見受けられる「モチベーションが落ちる原因」と、その解決策をいくつかご紹介します。

ケース1:自分以外の要素で目標を達成できない場合

メーカー様側からの業務依頼の内容に不備があったために目標が達成できなかった、というようなケースです。

例:店舗担当者様に交渉をして売場を獲得したのに、記載されていた商品が欠品していた

ケース2:指導する側の伝え方に問題がある場合

ラウンダーの権限ではどうしようもない理由で目標が達成できなかった場合、結果だけを見て頭ごなしに非難してもラウンダーの意欲を失わせるだけです。

例:店舗の改装で売り場が縮小され、スペースを確保できなかった

結果は重要ですが、プロセスや努力を評価してあげることも必要です。状況に理解を示しつつ、「それでも目標達成のために○○ができないか?」という伝え方なら、ラウンダーの受け止め方も変わってきます。

ケース3:ベテランラウンダーのマンネリ

モチベーションにまつわる課題として、最も多く寄せられるご相談です。マンネリの解消は簡単ではありませんが、以下のような方法で変化が出る場合があります。

・視点を変える:
ラウンダーの業務範囲は決まっているため「毎年同じことの繰り返し」と捉えられがちですが、視点を変えて業務に取り組んでもらうことでマンネリが解消される場合があります。

例:新商品のプロモーションでは、ただ「新商品」ではなく、「これまでとは違う商品」というふうに見方を変えてもらいます。「既存商品とはどこが違うのか、どういう売り方がマッチするか」などを考えるようになれば、『また新商品のプロモーションか』というようなマンネリを遠ざけることができます。

・難易度の高い目標や別の役割を与える(新人ラウンダーの育成やスーパーバイザーへの登用など):
この場合は、報酬をあげるなど、+αの目標や役割に応じて成果に報いることも必要です。

・インセンティブ(報奨金)の設定:
ラウンド組織ではモチベーション向上を目的としたインセンティブを実施することが多いのですが、設定が甘く不公平感が強い場合は、むしろ逆効果となるので注意が必要です。
インセンティブを導入する場合は、PDCAサイクルを回し、自社組織における最適な設定を見つけるようにするべきです。

マンネリ解消の手法をいくつかご紹介しましたが、「マンネリ」に見えても対策をとらなくても良い場合もあります。任された職務を過不足なくこなし、まわりに悪い影響を与えていなければ、「マンネリ」ではなく「安定している」と捉えるべきでしょう。

参考記事:【ラウンダー組織運営ガイドvol.6】 ラウンダー育成のポイント内で、モチベーションを高めるのに有効だった具体的事例をご紹介

ラウンダー育成の課題は、「育つ・育たない」以上に「離職に繋がることが問題」であると私たちは考えます。

“できない”は“辞めたい”につながります。逆に、できるようになれば楽しく、辞めようとは思わなくなります。“できる”ようにするための手段はさまざまですが、一つの方法として、集合研修の実施があります。

その際、自社に研修プログラムがない、または、プログラムを作成する余裕がないといった場合には、ラウンダー専門の研修プログラムを持つエージェントに委託することも効率的な手段です。
ただし、『何のために研修を行うのか?』を明確にしておく必要があります。研修プログラムを持つ会社を探される前に、今一度当コラムに目を通し、解決すべき課題は「ラウンダー育成に関する課題」なのか、そして、その課題は「スキル」にあるのか「モチベーション」にあるのかを検討してみて下さい。もし、「スキル」の問題であれば、まずはラウンダースキル改善の5つのポイント の観点で課題を洗い直していただきたいと思います。

 

具体的なスキル指標の作成方法や、モチベーション改善に繋がった例など、スタッフ育成のポイント詳細は、運営ガイドを参照してください。

参考記事:【ラウンダー組織運営ガイドvol.6】 具現化率を高める!ラウンダー育成のポイント

皆様のラウンド組織運営に、このコラムがお役に立てれば幸いです。

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